日本生産性本部、新会長〈8代目〉に小林喜光氏(東京電力HD会長)「根源的な問いにも挑みたい」
2025年6月13日(金) 配信
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日本生産性本部は6月11日(水)、8代目会長に就任した小林喜光氏(東京電力ホールディングス取締役会長)の会見を東京都内のホテルで開いた。小林氏は「日本の生産性運動の原点である当本部が70周年を迎え、世界の大変革期での就任となり、責任の重さに身の引き締まる思い」と述べた。
2014年から11年間会長を務めてきた茂木友三郎氏(キッコーマン取締役名誉会長)は、名誉会長に就く。茂木氏は「在任中は日本サービス大賞の創設や第1回生産性白書の公表、令和臨調の活動など、政治、経済、社会などさまざまな分野の改革に取り組んできた」と振り返った。小林新会長には「持ち前のリーダーシップと発信力を発揮され、生産性本部の価値をさらに高めていただきたい」と語り、バトンを渡した。
小林会長は「生成AIや機械学習は『脳の外部化』であり、人間のコントロールが及ばない未知の領域に突入している」との認識を示し、「既成概念を根底から見直し、未来から学ぶという大仕事に対峙していかなければならない」と決意を述べた。
一方で、「GDPのような、従来の指標には表れない『ココロ』や『感性』が付加価値となる時代となる。この価値をいかに豊かさと結びつけるか、改めて『生産性とは何か』という根源的な問いにも挑みたい」と力を込めた。
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小林 喜光氏(こばやし・よしみつ) 1946年山梨県生まれ。71年3月東京大学大学院理学系研究科相関理化学専攻修士課程修了、72年7月ヘブライ大学(イスラエル)物理化学科、73年9月ピサ大学(イタリア)化学科、75年7月東京大学理学博士号取得。74年12月三菱化成工業(現・三菱ケミカル)入社、07年4月三菱ケミカルホールディングス代表取締役社長兼三菱化学代表取締役社長などを経て、12年6月東京電力取締役、21年6月から東京電力ホールディングス取締役会長。