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「観光革命」地球規模の構造的変化(283) MESHへの期待

2025年6月14日(土) 配信

 第2次トランプ政権発足後に全世界は一挙に「大混迷時代」に突入している。日本政府はトランプ政権の弱肉強食的猛威に対して右往左往するばかりで的確な対応策がないままだ。大混迷時代には政府を当てにせずに地域ごとに自らの足元を見つめ直し、地域の人財と叡智を結集して地域の未来を切り拓く必要がある。

 その際に交流人口・関係人口の拡大による諸々の需要創出が不可欠であり、MICEは未来創造の重要な切り札になり得る。

 2022年に「さっぽろ北海道MICE振興協会(MESH:Meetings & Events Sapporo-Hokkaido)」は20年の歴史を有するNPO法人コンベンション札幌ネットワークを引き継ぎ、名称・組織を変え、新たなMICEに関わる事業展開をはかっている。サスティナブルな地域発展に向け新たな時代のMICE振興を目指し、今だからこそできること、今でなければできないことに知恵を絞り、地域と共に歩む団体として活動している。

 MESHは現在4本軸で活動を展開している。①MICEイニシアティブ(先導役、対外プロモーション)②MICEプラットフォーム(地域の受入基盤整備、ワンストップサービス)③MICEバンク(人材・機材・ノウハウの蓄積・紹介)④MICEオフィス(各種受託業務、DoTank機能)――という4本軸だ。

 ①については日本コンベンション研究会との連携で毎年「国際観光コンベンションフォーラム」を全国各地で開催し、全国の関連団体と緊密に連携して課題解決を推進②については北海道MICE誘致推進協議会・道内9団体と連携して「北海道MICE商談会」を東京で開催③については札幌市が策定する「サスティナブルMICE開催のためのガイドライン」作成に協力④については国の重要指定文化財・旧赤れんが庁舎の指定管理運営業務を担う「北海道赤れんが未来機構」に参画し、札幌芸術の森調査検討業務や植林によるカーボンオフセットプログラムを実施。

 MESHは和泉晶裕会長(北海道建設業信用保証社長)のもと、100近い企業・団体・個人が会員として参画し活動を盛り上げている。正に北海道における「民産官学の協働」による事業であり、今後のさらなる発展に期待している。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

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