兵庫県養父市・朝来市の日本遺産「鉱石の道」モデルルートを策定 日本観光振興協会ら
2025年3月3日(月) 配信

日本観光振興協会(菰田正信会長、東京都港区)はこのほど、鉱石の道推進協議会(桑田純一郎会長、兵庫県豊岡市)、北近畿広域観光連盟(城﨑雅文会長、京都府福知山市)と協力し、兵庫県養父市・朝来市にまたがる日本遺産「鉱石の道」のストーリーをテーマ別に体感できる新たなモデルルートを策定した。テーマは、何度も訪れてもらえるように、「『錫』が鉱物から鉱石・金属となるまで」や「フランス人技師たちの面影」など、6つ設定した。
「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道 ~資源大国日本の記憶をたどる73kmの轍~」は2017年に日本遺産に認定された。このうち、養父市・朝来市の「鉱石の道」は、構成文化財が広域に点在することや周遊のための2次交通不足、ストーリーを訴求できていないといった課題があった。
そこで日観振は当地域で日本財団の助成による「観光地域づくり支援基金事業」の一部として、「日本遺産体験周遊ツーリズム事業」に取り組み、2023年12月に有識者検討会議を設立。日本遺産のストーリーに沿って効率よく文化財を周遊できる仕組みの構築や域内周遊の促進と地域活性化を目的に、当該地域の行政や観光協会、交通事業者などと2年にわたり協議を行ってきた。
モデルルートはマイカー・レンタカーだけでなく、公共交通機関やレンタサイクルを利用するルートも用意。北近畿広域観光連盟ポータルサイト「まるごと北近畿」内に特設サイトとして「鉱石の道」を開設し、日本遺産の構成文化財やモデルルートの情報を掲載している。異なった行政区にある文化構成財が「点」ではなく、「面」となるようなストーリー訴求を意識しているという。
また、タビナカで便利なツールとして、西日本旅客鉄道(JR西日本)が運営するアプリ「tabiwa」に「鉱石の道」モデルルートを掲載。構成文化財や観光案内所、宿泊施設、グルメなどを紹介し、紹介先の施設で受けられる特典クーポンも入手できるようにした。