ロイヤルHD、マイナー・ホテルズと合弁会社設立に向け調印 アナンタラなど富裕層向けホテルを日本で展開へ
2025年2月6日(木) 配信

ロイヤルホールディングス(阿部正孝社長、東京都世田谷区)は2月5日(水)、世界的にラグジュアリーホテルなどを展開するマイナー・ホテルズ(ディリップ・ラジャカリアCEO、タイ)とホテル事業の合弁会社を設立することで同意。同日、東京都内で調印式と今後の事業戦略発表会を開いた。ロイヤルHDとマイナー・ホテルズの子会社が50%ずつ出資し、「ロイヤルマイナーホテルズ」(本山浩平社長、東京都世田谷区)を3月を目途に設立する。新会社は、マイナー・ホテルズのホテルブランド3つを日本で初進出させる。出棟数の目標は2035年までに21棟。
ロイヤルHDは外食チェーン「ロイヤルホスト」や、子会社のアールエヌティーホテルズが全国で運営するビジネスホテル「リッチモンドホテル」などを手掛けており、食とホスピタリティ事業を展開してきた。今後のホテル事業戦略においては、急増する訪日外国人観光客のうちの富裕層旅行者に対し、日本で不足していると言われているラグジュアリーホテルの供給が必要不可欠と判断したことから、今回の新会社設立に至った。
阿部社長は「ロイヤルグループは今年設立75周年、ホテル事業は30周年を迎える。この大きな節目に新たな取り組みができることは喜ばしい。両社だからこそできる新たな体験価値の提供を目指していく」と意気込んだ。

新会社の社長を務める、ロイヤルHDホテル事業担当の本山執行役員は「単独で富裕層向けのホテルを展開する道もあったが、ノウハウやブランド力が重要な要素になる。しっかりこうした経験や価値を持っているパートナーと組むのが成功のポイントだと考えた」と述べた。なぜマイナー・ホテルズを選んだかについては、「メガチェーンにはない価値の提供、その土地の魅力を生かした画一的ではないスタイルを持つ反面、世界的ネットワークがあるところが決め手となった」と話した。両者はすでにサラダバー&グリルレストラン「シズラー」ブランドの日本でのフランチャイズ契約・店舗運営を通じて、パートナーシップを築いてきた歴史もある。
マイナーグループはタイを拠点にホテルやレストラン事業をグルーバルに展開。中核を担うマイナー・ホテルズは1978年に初のホテルを開業し、現在、58カ国・6大陸で562のホテルを運営している。世界最大の独立系ホテルブランド会員プログラムである「GHA DISCOVERY」の加盟ホテルで、同会員は世界に約3000万人という。
新会社の副社長に就任する、マイナー・ホテルズのラジャカリアCEOは「高成長市場の日本に参入できて嬉しい」と喜びを語り、「日本独自の文化を反映した、これまでにない最高のホスピタリティ体験を提供し、当社の世界的に評価されているホテルブランドの魅力を届けていきたい」と述べた。
新会社はマイナー・ホテルズの8ブランドのうち、最上位の「ANANTARA(アナンタラ)」と近代的な「AVANI(アバニ)」、独自の個性を持った「TIVOLI(チボリ)」の3つを日本で展開していく。大都市圏はもとより、リゾートや温泉地含めた観光地、地方都市での出店も幅広く視野に入れる。ブランドの内訳は開示していないが、会見ではアナンタラは2軒ほどの予定との発言もあった。明確な出店形態や開業時期などは未発表だが、2035年までに21棟、210億円の売上規模を目指す。本山氏は、「リブランドなら1~2年でオープン可能」とし、スピード感を持って取り組んでいきたい考えを示した。