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熊野に春を呼ぶ奇祭 2月6日 「御燈祭り」

2024年1月22日
関西支社:塩野 俊誉

2024年1月22日(月) 配信

まるで火の滝が流れ落ちるかのよう

 和歌山県新宮市の「神倉神社」で毎年2月6日、聖地・熊野に春を呼ぶ火祭り「御燈(おとう)祭り」が行われる。熊野三山にかかわる諸事を記した「熊野年代記」に、575(敏達天皇4)年に始まったと記されている歴史ある神事で、「上り子」と呼ばれる男衆が、御神火を灯したたいまつを手に、538段の急峻な石段を駆け降りる奇祭。2016年には国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 神倉神社は、熊野三山の1つ、熊野速玉大社の摂社。「ゴトビキ岩」と呼ばれる巨岩をご神体として祀っており、熊野三山の神々が降臨した霊山とされている。

 祭り当日、白装束で腰に荒縄を巻き付けた勇ましい姿の上り子たちは、まず阿須賀神社、熊野速玉大社、妙心寺を巡拝(三社巡り)し、夕刻に神倉神社へ入山。日没後、宮司による祝詞などを終え、たいまつに火が灯ると、午後8時ごろ木戸が開かれ、山上を埋め尽くした上り子たちが、538段ある急峻な石段を一気に駆け降りていく。燃え盛るたいまつを手にした上り子たちが連なって下る様は、まるで火の滝が流れ落ちるかのようで壮観。下山後、たいまつの残り火は、それぞれの家に持ち帰り、ご神火として祀ることで、各家庭に神をお迎えする。

 上り子は、男性なら誰でも参加でき、例年、県内外から大勢の参加者が集まる。近年は、外国人の参加者も少なくない。新宮市観光協会では、白装束やたいまつなどの購入先を案内しているほか、希望者には当日、着付けの手伝いも行っている。

 問い合わせ=新宮市観光協会 ☎0735(22)2840。

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