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「観光革命」地球規模の構造的変化(258) TDLと北海道開拓の村

2023年5月13日(土) 配信

 オリエンタルランド(OLC)が運営する東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)は4月15日に開園40周年を迎えた。TDLは1983年の開園以来、2001年の東京ディズニーシー(TDS)開園など巨額の再投資を繰り返し、新しい魅力を付加し続けながら今日に至っている。

 コロナ禍で大きな打撃を受けたものの、開園以来、8億人以上がTDLとTDSを合わせた東京ディズニーリゾートを訪れている。ミッキーマウスなどのキャラクター、各種のアトラクション、キャストと呼ばれる従業員のおもてなしなどが入園者を魅了し続けた。とくにコロナ禍以前の18年度にはリゾート全体で過去最高の3255万人が入園した。

 コロナ禍による入園者数の減少を契機に、客数増加よりも入園者の満足度向上と1人当たりの売上高拡大に重きを置く戦略への転換をはかっている。入園者減少でアトラクション待ち時間が短縮され、浮いた時間で食事や買い物を楽しむ人が増え、入園者の支出額も満足度も大きく向上している。入園料金を平日と土・日・祝日で差をつける変動制に変え、混雑緩和をはかり、売上高の向上を巧みにはかっている。日本を代表する魅力的なテーマパークのさらなる発展に期待したい。

 野外博物館「北海道開拓の村」はTDLと同様に1983年4月に道立野幌森林公園に開設。明治から昭和初期に建築された北海道各地の建造物を約54㌶の敷地に移築復元・再現した野外博物館だ。農村、漁村、山村、市街地の4群に分け、旧開拓使工業局庁舎や旧青山家漁家住宅など52棟の建物、生活用品、産業機械などが保存展示されている。90年代の入場者は年間30万人前後だったが、以降は減り続けている。

 40年の歳月を経て、入場者減や建物の老朽化、ボランティア減少など多くの課題を抱えている。開拓の村の歴史的建造物群は北海道にとって貴重な「未来への文化遺産」であり、観光拠点化を積極的にはかると共にクラウドファンディングやふるさと納税活用なども必要になる。明治期の北海道が舞台の漫画「ゴールデンカムイ」で村内の複数施設が描かれて話題になり、入場者が増加した。今後とも情報発信の強化をはかり、観光業界との連携強化による入場者増加に期待したい。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

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