JALとお茶の水女子が連携協定 ダイバーシティ推進と国際的人材育成を

2025年5月30日(金) 配信

5月22日の連携協定締結式のようす、佐々木泰子学長(左)、鳥取三津子社長(中央)

 日本航空(JAL、鳥取三津子社長、東京都品川区)は5月22日(木)、国立大学法人お茶の水女子大学(佐々木泰子学長、東京都文京区)と連携協定を結んだ。共同研究などを通し、ダイバーシティ推進と教養豊かな国際的人材育成に寄与することが狙い。

 JALグループの社員の男女比は男性48%、女性52%と全体ではバランスが取れた構成になっている。一方、職種ごとに見ると偏りがあり、例えば操縦士や整備士は9割以上が男性の反面、客室乗務員、旅客ハンドリングスタッフは女性が9割以上と極端な男女差が存在する。この状況を改善するため、両者は共同で航空業界特有の性別に偏りがある職場環境の調査・改善をテーマに研究を実施。性別などの属性に関係なく、すべての従業員が最大限能力を発揮できる制度や職場環境を提言し、社会実装することを目指す。

 また、双方の資産や資源を活用し、ダイバーシティ推進と教養豊かな国際的人材の育成に取り組む。具体的にはJAL社内研修における講義の実施や、お茶の水女子大学が主催する各種講座・研究へのJAL社員の参画・協力、JAL国内外支店での学生インターンシップの受け入れなどを検討している。

観光庁「地域観光魅力向上事業」、1次公募で272件を採択

2025年5月30日(金) 配信 

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁は5月28日(水)、「地域観光魅力向上事業」の1次公募で272件を採択した。1次公募は3月3日(月)~4月18日(金)まで実施し、選定委員会による審査の結果、採択事業を決定した。

 同事業は、将来に亘って持続的に地方誘客が促進されるよう、地域資源を活用した収益性が高く独自性・新規性のある観光コンテンツの開発から、適切な販路開拓や情報発信の総合的な支援を行い、中長期に亘って販売可能なビジネスモデルづくりの支援を実施するもの。

 2次公募は5月28日(水)~6月18日(水)まで。申請は同事業サイトから行う。

 1次公募から採択した事業は同庁ホームページ(https://www.mlit.go.jp/kankocho/kobo05_00059.html)で公表している。

京都・伏見稲荷駅前に新たな食スポット 「伏見稲荷屋台村」が6月オープン

2025年5月30日(金) 配信

食事を楽しむスペースも確保

 京都府京都市の京阪「伏見稲荷駅」前に6月、多彩な食文化が楽しめる新たなスポット「伏見稲荷屋台村(ふしみいなりやたいむら)」がオープンする。11店舗の屋台が集結し、観光客から地域住民にも親しまれる新たな賑わいの場を目指す。運営するのは飲食業などを手掛ける京丹波(金光啓次社長、京都府京都市)。

 屋台で提供するものは、「神戸牛」「天ぷら」「生湯葉チーズ」「寿司」「たこ焼き」「スイーツ各種」など幅広く、日本酒は1杯100円で販売するという。2階のテラスは食事を楽しめるほか、電車撮影スポットとしても最適。

 同社は「『食を通じたお祭り屋台体験』を発信する拠点として、多様な世代・国籍の方々にお楽しみいただける空間になっています」とアピールしている。オープンは6月吉日となっており、詳細は未発表。

観光庁、ベトナムと双方向交流へ 日越観光協力委員会を開く

2025年5月30日(金) 配信

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁は6月3日(火)~4日(水)、ベトナムと両国間の双方向交流の拡大に向けて、第10回日越観光協力委員会および関連行事を開催する。

 日越両国の観光当局では、観光分野における協力を推進するため、2005(平成17)年以降、継続的に日越観光協力委員会を開催している。今回は、3日(火)に第10回日越観光協力委員会と歓迎晩餐会を開き、4日(水)に観光地視察(エクスカーション)が行われる。

 第10回日越観光協力委員会は、新潟県の朱鷺メッセ(新潟市中央区)4階の国際会議室で開く。当日は、日本側代表に観光庁の中野岳史国際観光部長や日本政府観光局の蒲生篤実理事長、ベトナム側代表にベトナム国家観光局のシィウ副局長などが出席する。そして、両国政府発表、観光業界・自治体発表、記念品交換、記念撮影を予定。その後、ホテル日航新潟(同)30階の鳳凰で歓迎晩餐会を開く。

 記念品交換から、新潟県の花角英世知事と新潟市の野島晶子副市長も参加する。

 翌日のエクスカーションでは、今代司酒造(新潟市中央区)を視察する。

大阪・関西万博で淡路島の魅力発信、淡路人形浄瑠璃や食文化PR

2025年5月30日(金) 配信

淡路人形浄瑠璃「戎舞」

 淡路県民局や洲本市、南あわじ市、淡路市などで組織する淡路島万博催事実行委員会は5月25日(日)、大阪府大阪市で開催中の大阪・関西万博の会場内で兵庫県・淡路島の伝統芸能や食、歴史、文化などの魅力を発信するイベント「はじまりの島、淡路」を開いた。

 当日は会場内のポップアップステージ南で、500年以上の歴史を持つ伝統芸能「淡路人形浄瑠璃」や古事記に記された国生みを表現した創生神楽を披露したほか、淡路島の温泉や食文化、日本3大瓦の1つ「淡路瓦」など、島の持つ多彩な魅力を紹介した。

 淡路人形浄瑠璃の上演では、代表的な演目「戎舞」を披露。太鼓のリズムで太夫が語るなか、3人遣いの人形が繊細な動きを表現した。

 また、淡路人形座の座員である吉田史興さんが人形の仕組みや動かし方をステージ上でレクチャーし、観客はその巧妙さに見入っていた。

確度の高い広告訴求でクリック率向上を ANA Xが「ANA Momet Ads CR」本格開始

2025年5月30日(金) 配信

ANA Moment Ads CR

 ANA X(神田真也社長、東京都中央区)はこのほど、デジタル広告配信サービス「ANA Momet Ads」で、各旅行者によって異なる“モーメント(瞬間)”を捉えて、最適な広告を訴求する「ANA Momet Ads CR(クリエイティブ)」の正式提供を開始した。これまで以上に確度の高いアプローチを行うことで、クリック率の向上を狙う。同サービスは2023年11月7日にサイバーエジェント(藤田晋社長、東京都渋谷区)と開始したもの。 

 「ANA Momet Ads」ではこれまでも、確実性の高い、将来の移動データである予約情報を活用していたが、クリエイティブ版はそのデータを広告訴求に活用。顧客それぞれの搭乗時期や予約状況、空席照会などの行動に応じて、最適な広告を出し分けることが可能になった。広告主や代理店側は手動の出し分けや、追加制作の手間はないという。

 同社によると、自治体や宿泊施設など一部の先行導入事例では、従来の広告配信と比較してクリック率が1.3~1.7倍に伸長。「配信全体の効率化と広告効果の最適化に貢献している」とアピールする。将来的には生成AIなどの新たな技術の活用も視野に入れ、広告主のマーケティング活動を支援していく。

2028年開業「リージェント京都」着工へ IHGホテルズ&リゾーツとGIキャピタル・マネジメント

2025年5月30日(金) 配信

「リージェント京都」外観(イメージ)

 IHGホテルズ&リゾーツと、GIキャピタル・マネジメントは5月23日(金)、2028年の開業を目指す「リージェント京都」(京都府京都市)の着工に向け地鎮祭を行った。

 建設地は京都市左京区岡崎東天王町で、老舗料亭「つる家」の敷地。京都御所や平安神宮、南禅寺など歴史的名所にも近く、世界的にも著名な別邸が並ぶエリアだ。

 IHGホテルズ&リゾーツ日本&マイクロネシアマネージングディレクター兼IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社CEOのアビジェイ・サンディリア氏は、「日本のホテル市場において、ラグジュアリー&ライフスタイル領域は大きな成長の可能性を秘めている」とし、「国内外の富裕層の旅行者が唯一無二の体験や心のこもったサービス、新たな旅先との出会いを求めている今、IHGのブランドはその期待に応える存在となると確信している」とコメントしている。

25年度版観光白書、「国内旅行市場」に着目 国内旅行活性化に向けて 

2025年5月29日(木)配信

観光庁(写真はイメージ)

 政府は5月27日(火)、2025年度版「観光白書」を閣議決定した。同白書では、観光立国推進基本計画に掲げる「国内交流拡大」に着目した分析をまとめた。観光動向の分析に加え、地方部における消費動向の分析や地域での取り組み事例の紹介を通じて、日本人の国内旅行の活性化に向けた施策などを報告している。

 世界や日本での観光の動向や日本人の国内旅行の活性化に向けた取り組み事例のほか、24年度に講じた施策、25年度に講じようとする施策による3部で構成する。

 同白書によると、日本国内における旅行消費額全体の7割超が日本人。とくに地方部延べ宿泊者数の日本人の割合は約9割であり、地方部の旅行需要は日本人が下支えしていると明かした。旅行単価は物価上昇などで増加傾向にあるが、日本人の国内延べ旅行者数や旅行経験率は長期的に伸び悩んでいる。今後はさらに人口減少や少子高齢化が進むなか、国内交流の拡大に一層取り組む必要があると指摘した。

 日本人の国内旅行の活性化に向けて、地域事例として①何度も地域に通う旅、帰る旅②ワーケーション・ブレジャー③休暇取得・分散化④ユニバーサルツーリズム――の各取り組みを紹介する。

 観光庁では、人口減少下での国内交流の拡大に向けて、新たなニーズを踏まえた帰省に近い感覚の旅などの潜在需要の顕在化をはかっている。休暇取得など旅行実施のハードルを下げる取り組みなどで、1人当たりの旅行回数の増加や滞在長期化に取り組む。

マイステイズ、「アイコニア・ホスピタリティ」へ社名変更 会員プログラムも開始

2025年5月29日(木) 配信

(左から)代田量一社長、山下明男社長、マイステイズ・ホテル・マネジメント山本俊介会長

 マイステイズ・ホテル・マネジメント(代田量一社長、東京都港区)は5月29日(木)、東京都内で会見を開き、7月1日(火)から社名を、「アイコニア・ホスピタリティ株式会社」へ変更すると発表した。新しい社名のもと、幅広いスタイルの宿泊施設を運営する“総合ホテル運営会社”として、さらなる事業拡大、成長を目指す。新社名には、「地域の“アイコン”となる施設と、訪れる人々の記憶に残る“アイコニックな”体験の創造を目指す」という思いを込めた。

 また、5月29日から、グループ共通の新ロイヤリティプログラム「Go To Pass(ゴートゥーパス)」のサービスを開始した。入会費や年会費は無料で、全国の施設で利用金額に応じて共通のポイントを貯めることが可能なほか、館内の売店やレストランが5%オフになる。1月にグループとなったスパリゾートハワイアンズ(福島)や、リブランドするフェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎)などは今年の夏以降、順次プログラムに参画する予定。開始時の会員数はマイステイズホテルのメルマガ会員と亀の井の会員を合わせた約165万人からスタートし、2026年12月末までに500万人を目指す。

 同社は1999年、ウィークリーマンション東京として事業を開始した。2005年にホテル1号店として「ホテルマイステイズ舞浜」を開業し、ホテル事業に乗り出した。現在は中長期滞在型、宿泊特化型、旅館など幅広いスタイルの宿泊施設を運営。「スパリゾートハワイアンズ」や「フェニックス・シーガイア・リゾート」「セラヴィリゾート泉郷」など、大型リゾートなども増えており、2025年5月現在の受託運営棟数は179棟・総客室数2万4122室にのぼる。

 運営棟数は2012年から約3.9倍に拡大し、受託運営物件の売上高は24年12月期実績で約1400億円となった。従業員数は1万1561人を抱える。代田社長は「12年の売上高は100億円規模だった。12年間でこの成長スピードはほかのホテル事業者にはないのではないか。奇跡的な伸びだと思う」と自負した。

 代田社長は成長のキーワードとして「再生」「オンリーワン」「持続・維持」の3つを紹介。再生の際には「施設が建てられた当時の魅力を見つめ直したうえで、現在のニーズを捉えたリニューアルで再定義を行っている」とした。間接部門は本社で一元管理することで業務水準を均一化し、効率化をはかる。また、業界水準を超える公休数と福利厚生を充実させるなど、人材を確保することで持続可能なホテル運営に努めている。外国人材の育成にも積極的に取り組む。

 飛躍の背景には2012年に投資会社、フォーレスト・インベストメント・グループ・ジャパン(山下明男社長)の傘下に入ったことがある。登壇した山下社長は同社の特徴として、事業再生を挙げ「誰よりも日本社会、経済に根差している」と言及。「我われは単なるファンドではなく、事業会社である。地域の施設を買収したのちは、最後まで責任を持って雇用を守り、再生する。地域とともに運営をしている」と強調した。

観光関係功労者大臣表彰受賞を祝う会、サンプラザ田中了介総料理長の功績称える

2025年5月29日(木)配信

田中了介総料理長

 兵庫県洲本市の淡路インターナショナルホテル ザ・サンプラザ(樫本文昭社長)は5月27日(火)、国土交通省の「令和7年観光関係功労者大臣表彰」を受賞した同ホテルの田中了介総料理長を祝う会を開いた。旅行会社や取引業者など関係者92人が出席し、田中総料理長の長年の功績を称えた。

 樫本社長はあいさつで「当館は54室の中規模旅館だが、中規模ならではのやり方がある。昨今はとりわけ料理に力を入れており、一品一品を大切に提供することが一番のおもてなしだ」と強調。その中心にいるのが田中総料理長だと語り、「彼はサンプラザがオープンした昭和62年から38年間、ずっと調理場を守ってきた。現在、安心して料理を提供できているのは彼のおかげで、彼の存在なくして、サンプラザの繁栄はないと言っても過言ではない」と述べた。

あいさつする樫本文昭社長

 来賓の洲本市の上崎勝規市長は「技術の高さが改めて評価された。淡路島は食で注目されているが、豊かな食材を際立たせるのが料理人の真骨頂だ。田中総料理長の38年間の功績は本当に素晴らしい」と賛辞を送った。

 田中総料理長は「身に余る賞で、私個人の力ではなく、皆様の温かい支援とご協力のお陰だと思っている。サンプラザに来て38年になった。過去には阪神・淡路大震災があり、大変な時期もあったが何とか乗り越えてきた。この賞に恥じない人間になれるよう努力していきたい」と謝辞を述べた。

 祝賀会では、田中総料理長が手掛けた料理が振る舞われ、参加者はその味に舌鼓を打った。牡丹鱧の椀物や鱧しゃぶ鍋、淡路牛のローストビーフなど、島の豊かな食材を使用した品々が並び、宴席を彩った。

 また、歌手・滝ともはるさんが登場し、1980年のヒット曲「南回帰線」などを披露。懐かしいメロディと渋い歌声で会場を盛り上げた。

《田中了介総料理長プロフィール》

 1950年、兵庫県淡路市に生まれる。1966年に料理の世界に入り、数々の修業を経て、1987年4月、淡路インターナショナルホテルザ・サンプラザのオープンに際し入社。以来、38年間に渡り同ホテルの料理場を仕切っている。2018年洲本商工会議所永年貢献表彰、2023年近畿運輸局長表彰をそれぞれ受賞している。子供のころから絵を描くことが好きで、料理人になってからも業務の傍ら絵を描き続けていたという。淡路島の素材を題材にした点描画は、提供する料理の「お膳掛け」に載せている。それらの絵をまとめた冊子も発行し話題となった。