全旅連シルバースター部会、新部会長に伊藤隆司氏(奈良県・飛鳥荘) 会員増強と全旅連の発展へ

2025年7月24日(木)配信

新部会長に就任した伊藤隆司氏

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(井上善博会長)のシルバースター部会(渡邊幾雄部会長、616軒)は7月23日(水)、東京都内で2025年度総代会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、新部会長に伊藤隆司副部会長(奈良県・飛鳥荘)の就任を決めた。

 伊藤新部会長は「渡邊部会長からバトンを受けて、身の引き締まる思い。(同部会は)全旅連の活動の軸となる部会の1つに入れていただいている。今年度は8部会のうち、第5部会という位置づけでやっていく」と部会の立場を再確認。バリアフリーを超えた人に優しい安心安全な宿づくりに向けた研究と情報共有を行い、会員増強と全旅連の発展につなげる考えを示した。

 25年度事業計画では、新たにSNSなどを活用した販促手法の研究と実施、シルバースターホームページの充実化によるPRの強化、環境に配慮した取り組みの普及などに取り組む。事業計画の柱の1つとして、「制度推進事業」を新設。営業形態の多様化への対応、設備備品などのDX化に関する研究、シルバースターリブランド化の検討、制度の再構築の検討を進めると明かした。

前部会長の渡邊幾雄氏

 前部会長の渡邊氏は「部会があと2年で30周年。長い歴史の中で諸先輩方が築き上げたこの部会を、色んなアドバイスをいただきながらさらなる発展を考えている」と述べ、引き続き会員増強と課題解決に向けた事業への協力を呼び掛けた。

全旅連の井上善博会長

 会には全旅連の井上会長のほか、来賓として厚生労働省健康・生活衛生局生活衛生課の藤本昭彦課長補佐がそれぞれ祝辞を述べた。井上会長は「高齢化社会や、インバウンド需要の多様化を背景としたバリアフリー化の対応により、多様性を求められている。部会の経験や知見を集結し、衛生、安全、快適性を総合的に考えた宿づくりに向けた研究や取り組みを一層推進していただきたい」と期待を寄せた。

 24年度事業報告では、シルバースター登録施設を広くPRするため、インスタグラムを活用し、抽選で1万円の旅行券が100人に当たるキャンペーンを23年度から引き続き実施。環境へ配慮した宿づくりとその魅力発信をまとめた「プラスチック削減など環境への配慮の取り組みに関する手引書」を作成し、登録施設に配布した。

 このほか、楽天トラベル内に構築した「人に優しい宿」で、登録施設限定のクーポン特別施策を実施。5000万円を超える実績(1494泊)により、需要喚起に大きく寄与できたと報告した。

 そのほか、総代会前に行われた研修会では、温泉エッセイストで跡見学園女子大学兼任講師の山崎まゆみ氏が出席。会で「なぜ、いまユニバーサルデザインの宿が必要とされるのか 収益性をあげるために必要なこと」と題し講演した。

「旅のサブスク」のHafH、「つみたて旅行サービス」へ刷新 KabuK Style

2025年7月24日(木) 配信

砂田憲治社長

 KabuK Style(砂田憲治社長、東京都中央区)は7月23日(水)、東京都内で会見を開き、同社が提供している旅行サービス「HafH(ハフ)」のサービスコンセプトを8月1日(金)に「旅のサブスク」から「つみたて旅行サービス」へ刷新すると発表した。また、新機能として「ウォレット機能」を開始し、利用者が毎月のコイン積立額を柔軟に設定できるようにする。

 ハフは“旅のサブスク”としてコインによる宿泊予約をメインに、月額制の新しい旅行サービスを提供してきたが、砂田社長は「使い放題といった一般的なサブスクのイメージで、頻繁に旅行しないと元がとれないのではと誤解を招くこともあった」とリニューアルの背景を説明した。

 これまで月額料金は固定額からの選択制だったが、新機能により、コインの積立額は100~2000コインまで50コイン刻みで自由に設定できるようになる。コイン単価は一律32円で、設定のコイン額に応じ、3200円~6万4000円にメンバーシップ料金200円をプラスした額が月額料金となる。

 砂田氏が提案するのは、柔軟性を持たせながらより簡単に旅の予約が完結するサービス。さまざまなオンライン事業者が台頭し、個人であらゆる旅の素材の予約ができるようになった一方、予約作業は煩雑化している現状もある。「ハフは1つのプラットフォームで、3クリックで旅の予約が完結する。お客様が本当に予約できているのか不安になるほどだ」と紹介した。

 また、新たな特典として「ウォレットボーナス」を設け、通常コインに対し、ランクに応じて年率最大12%のボーナスコインが毎月付与される。会員ランクは継続期間によりアップするのが特徴だ。砂田社長は「旅への積み立て額は人それぞれの事情に応じて異なる。100コインでも大切なお客様」とし、額による差はないことを強調。コンセプトの「いま、旅する人も。まだ、旅しない人も。」を紹介したうえで、「いつか旅をしようと考えて銀行に貯金するなら、ハフに積み立てしたほうが確実にお得だ」と自信を見せた。

 他方、4カ国目の展開として、まもなくアメリカ市場へ進出し、日本へのインバウンド旅行を販売する予定だ。サービス開始に先立ち、7月から各種SNSで露出をしており、YouTubeの説明動画の再生数は22万回以上、事前登録は1週間で1000件を突破した。砂田社長は「仮に1000件全部の予約が入るとすると、6億円相当になる。現在の売上規模が24億円なので、1週間で6億円という数字に驚いている」とする一方、「日本発のユニークなサービスとして興味を持ってもらっているが、それだけ現状の日本への旅行に満足していないことの表れではないか」と分析した。

 さらに、7月29日にはLINE対応のAIコンシェルジュ「ハフっち」を正式リリースする。同社の膨大な宿泊データや体験談をもとに、正確な情報をスピード感を持って提供するのが特徴で、「旅行の相談を、もっと気軽に」を提案する。

 こうした展開で砂田社長は「1年は成長スピードを落ち着かせたいと考えるが、来年以降は1000億円の売上を目指していく」と意気込む。サービス開始の2019年からの5年間の平均的な前年比成長率は約300%で、今後年ごとに2~3倍の成長をすると数年で達成できる見込みだ。「最大手の取扱高は1兆円規模。それに続く皆さんの姿が見える位置まで成長しなければ、ユーザーへいいサービスは提供できない」との考え示した。

SK(旧:瀬見グランドホテル観松館)、特別清算開始へ(帝国データバンク調べ)

2025年7月24日(木) 配信

 SK(旧商号:瀬見グランドホテル観松館、代表清算人=髙橋昌裕氏、山形県・最上町)は7月2日(水)、山形地裁から特別清算開始命令を受けた。

 同社は1941(昭和16)年5月創業、53(昭和28)年6月に法人改組された。瀬見温泉で温泉旅館「ゆめみの宿観松館」の運営を手掛け、94年3月には約14億円を投下して建物をリニューアルした。ピーク時の95年3月期には年間収入高約11億5000万円を計上していた。

 しかし、「当地への観光客数の落ち込みから売上は低迷。加えて、東日本大震災や観光シーズンに発生した台風の影響などにより、厳しい運営が続き、債務超過に陥っていた」(帝国データバンク)という。

 さらに新型コロナの影響で、2021年3月期の年間収入高は約2億6600万円に落ち込み、多額の赤字を計上。コロナ禍収束後は、売上が回復し黒字に転換していたが、多額の設備資金の返済原資を確保できず、自力での再建が困難と判断した。

  第二会社方式での事業再建を目指すこととなり、会社分割により、23年2月に設立された新会社「観松館」に、同年4月1日に事業を譲渡した。瀬見グランドホテル観松館は同日、現商号に変更し、24年3月31日開催の株主総会の決議により解散していた。

 帝国データバンクによると、負債は23年3月期末時点で約7億5500万円だが、「変動している可能性がある」としている。

 なお、温泉旅館は新会社による運営で、通常通り営業を継続している。

「第28回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」9月4(木)、5日(金)開催へ

2025年7月24日(木) 配信

 日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は9月4(木)、5日(金)の2日間、東京都港区の品川プリンスホテルアネックスタワー5階プリンスホールで、「第28回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を開く。

 JNTO賛助会員や会員を対象に、国際観光の現状の共有と、海外の訪日市場の大局的な理解促進、ネットワーキングの機会提供を目的としている。

 JNTO海外事務所長・本部部門長による講演をはじめ、地域関係者、MICE専任職員とのトークセッション、パネルディスカッションなどを予定している。JNTO海外事務所長・本部各部担当者との個別相談も行う。

無料の屋根付き大型立体駐車場を完備 伊勢パールピアホテルが「ドライブ旅行応援プラン」スタート

2025年7月24日(木) 配信

ライダーには嬉しい無料の屋根付き大型駐車場を完備

 伊勢パールピアホテル(覚田晶社長、三重県伊勢市)は、夏から秋にかけてバイクでのツーリングや、マイカーで伊勢志摩を巡る宿泊客が増えることから、新サービス「ドライブ旅行応援プラン」を始めた。

 約120台収容できる無料の屋根付き大型立体駐車場を完備しており、「伊勢市駅近くで車やバイクを停められる便利な宿」としても人気を集めている。

 滞在中の車両の出し入れは自由で、同プラン利用者には、夕食時にグラス生ビール、グラスワイン、ウイスキー、梅酒、ウーロン茶の中から1杯分のドリンクチケットがプレゼントされる。

 同ホテルは、「『伊勢の第二の家』と思っていただけるような、温かいもてなしを大切にしている。大浴場やサウナで一日の走りの疲れを癒してほしい」とコメントしている。

ANAにキュン! ANA Xが7月のキャンペーン内容を発表

2025年7月24日(木) 配信

7月もANAにキュン!!

 ANA X(神田真也社長、東京都中央区)はこのほど、7月29日(木)に実施する「ANAにキュン!」のキャンペーン内容を発表した。毎月29日はANA(全日本空輸)感謝の日と位置づけ、月替わりで旅行から日常のさまざまなサービスでお得な企画を実施している。今月は国内線航空券プレミアムクラスのセールなどを展開する。

 航空券販売では、対象の搭乗日に国内線航空券プレミアムクラスがお得に予約できる「ANA SUPER PREMIUM 28セール」を実施する。

 また、ANAトラベラーズの国内ダイナミックパッケージは夏・秋旅行で利用できる最大1万5000円割引のクーポンを用意するほか、ホテルは全国の対象ホテルでキュン特別プランを設定する。

 海外ダイナミックパッケージは、最大10万円引きになるクーポンが登場。対象のオプショナルツアーはマイルが3倍になる。

 さらに、ライフサービスではANA Payが対象者限定でマイルからのチャージがお得に利用できるという。ANA Mallは全商品でマイルが7倍になる。

 今月は全11企画を実施予定で、販売期間は7月29日(火)午前零時~午後11:59まで。28日の午後3時に本番用のサイトがオープンし、情報が確認できるようになるが、企画の詳細は当日発表となる。

香港中旅日本中国旅行社、破産手続き開始(帝国データバンク)

2025年7月24日(木) 配信

 香港中旅日本中国旅行社(韓育鋒代表、東京都中央区)は7月2日(水)に、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約1億4925万円。

 同社は1985(昭和60)年6月に中国の大手旅行会社の全額出資により設立された第1種旅行業者。中国国内のネットワークを生かして、法人向けに中国出張の旅券・宿泊券・送迎手配、中国の富裕層向けの観光や医療、不動産購入目的の日本への旅行企画などを手掛け、2018年12月期には年間収入高約15億円を計上していた。

 しかし、「米中貿易摩擦や新型コロナの影響から日中間の渡航者が減少し、業績が悪化。その後の回復も鈍く、23年5月ごろに事実上事業を停止していた」(帝国データバンク)としている。

2025年日韓国交正常化60周年 「日本のお勧め小都市60選」選定へ(JNTO)

2025年7月23日(水) 配信

出口まきゆ理事

 日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は7月23日(水)にメディアブリーフィングを開いた。日韓国交正常化60周年を迎えた今年は、三大都市圏から地方誘客をさらに促進するため、「日本のお勧め小都市60選」を選定し、「周辺地域への訪問意欲を高める」さまざまなイベントやキャンペーンを展開する考えを示した。

 インバウンド観光の最新動向については、出口まきゆ理事が「2025年1~6月の累計で過去最速で2000万人を突破した」ことを報告。「台湾、韓国は非常に多く訪れ、19年同期を大きく上回っている。回復が遅れていた中国は19年同期と同水準程度に回復。米国は19年同期比で200%を超え、大幅に増加している」状況を説明した。

 また、国際会議などMICEの地方開催推進にも力を入れていく姿勢を示した。

 23年5月に閣議決定された「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」では、①25年までにアジア主要5カ国における国際会議の開催件数に占める割合を3割以上②アジアナンバーワンの開催国として不動の地位、国際会議開催件数を世界5位以内――などの目標を掲げている。

 24年の国別国際会議開催件数は、日本は世界7位(428件)だが、アジアでは首位。2位の中国(249件)を大きく引き離している。現在5位の英国(481件)、6位のフランス(432件)にも肉薄している。 

 国内地方都市での開催件数は、23年の152件から、24年は194件と28%増加している。

HIS、海外Wi-Fiレンタル比較サイト開設 海旅回復による活況を受けて

2025年7月23日(水) 配信

サイトのイメージ
 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)はこのほど、海外Wi-Fiレンタルのサービスを料金を比較できるウェブページ「HIS海外Wi-Fi比較サイト」をオープンした。
 
 AI技術の進化により情報収集が容易になるなか、情報過多の現代では、自分に合った情報を効率的に選定することに多大な時間と労力を要していることを受け、同社は消費者に効率よく適切なサービスを利用できるよう、旅行、ふるさと納税、ウォーターサーバーなど6つの比較サイトを運営している。海外Wi-Fiレンタル市場は、海外渡航需要の回復とともに再び活況を呈しているという。
 
 同サイトでは、グローバルWiFiやWiFiBOX、HIS Wi-Fiなど6社のサービスから対応国数やデータプラン、受け取り・返却方法などをユーザーのニーズに応じて比較できる。さらに、初めて海外Wi-Fiのレンタルを利用する人に向けて、利用の流れや注意点などをアイコンで視覚的に解説している。
 

キハ189系で京都鉄道博物館へ 関西貨物線ツアーを実施(クラブツーリズム×JR西日本×京都鉄道博物館)

2025年7月23日(水) 配信

キハ189系

 クラブツーリズムは7月23日(水)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、京都鉄道博物館と企画した「キハ189系で行く!関西貨物線ツアー 日帰りの旅」を売り出した。出発日は8月18日(月)。「キハ189系」で新大阪駅―神戸貨物ターミナル駅―宮原操車場間を走行したあと、列車に乗ったまま京都鉄道博物館へ直接乗り入れる。

 クラブツーリズム「鉄道部」が2017年7月から販売し好評を博している「貨物線ツアー」は、普段見ることのできない貨物駅を間近で見られる貴重な行程となっている。今回は貨物線走行のほかに、列車で京都鉄道博物館へ直接乗り入れるという特別な体験を楽しめる。また、京都鉄道博物館では、SLスチーム号への乗車体験や、普段は見学できない「583系」「500系」の車内見学も行われる。

 旅行代金は1万9800円。特典として、クラブツーリズム「鉄道部」オリジナルグッズ「記念硬券セット」と「サボ(行先版)」付き。