観光庁、富山県西部を視察 サステナブルな旅アワード大賞で
2026年4月8日(水)配信

観光庁は3月2日(月)~3日(火)の2日間、第3回「サステナブルな旅アワード」で大賞を受賞した富山県の「カイニョお手入れツアー~次世代へ紡ぐ、散居村保全と循環型社会の再生~」を視察した。同ツアーは、富山県西部観光社水と匠(富山県砺波市・南砺市)が企画したもの。視察を通じて、高付加価値の旅行商品化に向けた議論を行い、今後の課題を整理した。
今回の視察には観光庁のほか、旅行会社のワールド航空サービス、日本旅行作家協会など計7人が参加。砺波エリアを中心に富山県西部の観光資源を精力的に視察した。
大賞を受賞したツアーは、砺波平野に広がる日本最大級の散居村に点在する伝統的古民家・アズマダチと屋敷林(カイニョ)の景観保全と循環型社会の再生をはかるツアー。カイニョ整備の活動参加や剪定枝のアロマ抽出見学などを通じて、富山の自然と人がともにつくり合ってきた景観や暮らし、知恵に触れ、旅人自身の再生と地域の価値を未来へつなげる狙い。

水と匠は、富山県西部の観光資源について、現地の受入態勢から大量集客を前提とした販売促進ではなく、高付加価値層を有する旅行会社との連携を優先したい意向を示していた。こうした経緯から、国内外の高付加価値旅行商品を長年手掛けてきたワールド航空サービスに声をかけ、今回の現地視察が実現した。
視察全体を通じて、砺波エリアのツアー化に向けた多角的な議論が展開された。版画家・棟方志功や、浄土真宗と井波彫刻、アズマダチといったこの地の文化的背景を前面に打ち出すことで、より奥行きのあるツアー造成が可能になるとの共通認識が得られた。とくに瑞泉寺と善徳寺の歴史や規模、文化的背景から国内外でさらに脚光を浴びるべき資源であるとの評価で一致した。
また、高山から富山へのルートや、白川郷・白山・立山・氷見といった周辺観光地との広域周遊に組み込み、より深みのある旅程の核となり得るとの意見も示された。近郊イベントと散居村を組み合わせ、季節ごとに異なる商品価値が生み出せるとの指摘もあった。
旅行会社の立場からは、高付加価値旅行市場における水と匠の事業コンセプトや料金設定の明確さが評価された一方、国内の類似施設と比較した際のハード面の競争力や客室数の少なさ、商品説明の難易度など、積極的な商品化に向けては複数の課題があることも率直に共有された。今後はこれら課題を整理しながら、商品化の可能性を継続的に検討するとした。






