ゆこゆこ、宿泊施設に外国人材を ジンザイベースと業務提携

2024年2月14日(水) 配信

サービスの流れ(イメージ)

 温泉宿の電話予約サービスを提供するゆこゆこ(徳田和嘉子社長、東京都中央区)はこのほど、アジア人材マッチングサービスを提供するジンザイベース(中村大介社長、同千代田区)と提携し、宿泊施設向けに外国人材の提供を始めた。

 今回の業務提携では、ゆこゆこの顧客企業である宿泊施設に対し、ジンザイベースが保有する10万人の人材データベースから、各宿泊施設に外国人材をマッチングするカタチとなる。企業へは、面接前に職務経歴書に加え、ジンザイベースのキャリアアドバイザーとの事前面談動画を提供。面接前に求職者の日本語能力を確認できる。

 人材のマッチングに加え、施設ごとに最適な採用戦略の提案や在留資格の申請サポート、入社後の定着コンサルティングに至るまで一貫してサポートしていくとした。

 ゆこゆこは、ジンザイベースとの業務提携を通じて、宿泊業界における人材課題や地域社会での人手不足問題の解消促進を目指す。

3月の土日に夜の水族館探検プラン実施 鴨川シーワールド

2024年2月14日(水) 配信

動物たちの夜の寝姿などを観察できる

 鴨川シーワールド(勝俣浩館長、千葉県鴨川市)は3月の土日の計4日間限定で夜の水族館を満喫する「水族館探検プラン」を開催する。閉館後の水族館でバックヤード見学や動物たちの寝姿を観察する「ナイトアドベンチャー」などが楽しめる。

 プランは閉館後の水族館を約3時間30分満喫できる特別プログラム。「エコアクアローム」ゾーンの裏方見学や、ベルーガにタッチ体験と記念撮影、シャチが泳ぐ姿を見ながら食事ができるレストラン「オーシャン」での夕食ビュッフェなどが付く。最後は飼育員の解説で動物たちが寝ている姿を観察する。

 開催日時は3月23日(土)、24日(日)、29日(金)、30日(土)の午後4:00~7:30。募集定員は1日45人。料金は大人が1万1000円、小中学生が9000円、4歳以上の幼児が8000円。予約は2月19日(月)~28日(水)までホームページ内で受け付けている。

のと鉄道の「鉄印」、IRいしかわ鉄道が代理販売

2024年2月13日(火) 配信

代理販売する鉄印2種類

 「鉄印帳」事業を共同で展開する第三セクター鉄道等協議会と読売旅行、旅行読売出版社、日本旅行はこのほど、のと鉄道の鉄印をIRいしかわ鉄道の金沢駅と津幡駅で、2月9日(金)から代理販売を始めたと発表した。

 のと鉄道は、令和6年能登半島地震による被害を受け、2月1日(木)現在は全区間で運転を見合わせている。七尾―能登中島駅間は2月15日(木)に運転再開の見込みだが、当面の間はIRいしかわ鉄道の2駅で代理販売を行う。なお、代理販売の売り上げは手数料を除き、のと鉄道への寄付金とする。

 販売する鉄印は「のと鉄道応援鉄印」「桃太郎電鉄コラボ鉄印」の2種類。各税込300円。販売箇所は、金沢駅IRお客さまカウンター(午前7時~午後8時)、津幡駅窓口(午前5時30分~午後11時)。

産学官で観光教育、3地域がシンポジウム発表(東武トップツアーズ)

2024年2月13日(火) 配信

ニセコ町の学生らによる取り組み発表のようす

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は2月8日(木)、「全国シンポジウム~地域が学校と取り組む観光教育の未来~」をオンライン形式で開いた。観光庁から委託され、地域活性化のための観光教育推進事業の一環として開催。地域活性化につながる観光教育のさらなる普及と発展を目指し、産学官連携で観光教育を推進する北海道・ニセコ町、岩手県釜石市、静岡県島田市の3地域がそれぞれ取り組み内容を発表した。

 開会のあいさつを行った観光庁観光産業課の庄司郁課長は、観光教育の取り組みが「地域の力、観光の力を取り戻すための大切な人材の供給源になる」と話した。登壇する3地域の先進的・意欲的な取り組みから「それぞれの立場で終わることなく地域を考え、地域を受け継いでいく若者にどういうカタチで観光を考えてもらうか。教育の場を設けるのかを考えてもらいたい」と述べ、観光庁としても観光教育の取り組みを支援していきたいと力を込めた。

 取り組み発表は、今年度事業を実施した①北海道のニセコ国際観光認証会議(観光教育分科会)②岩手県の釡石持続可能な観光教育協議会③静岡県の島田市観光教育推進協議会――の3地域が登壇。コーディネーターを務めた日本大学国際関係学部の宍戸学教授の司会のもと、それぞれモデル地域の代表として取り組みを発表した。

和やかな雰囲気の中で講評が行われた(釜石市)

 ニセコ国際観光認証会議(観光教育分科会)からは、ニセコ高等学校の教諭と生徒らが学習成果を発表した。生徒らは、持続可能な観光地づくりを協創できる人材育成として講演や講義を受け、視察研修やグループワークで実践的に学び、地域課題を抽出。課題解決を目的に実証実験とフィールドワークを進め、環境を配慮した「E-Bike」の実証実験のほか、閑散期の観光を盛り上げるサステナブルツアーの企画・商品化、提供までの成果を報告した。

 釡石持続可能な観光教育協議会からは、釜石商工高等学校の生徒らとかまいしDMCが学習成果を発表した。生徒らは、地元を学ぶためにフィールドスタディを行い、多くの人と触れ合いつつ、観光資源やマーケティング知識の活用について学習と体験。これらを通して、現状分析や改善点、課題を洗い出し、課題解決に向けた提案を報告したうえで、最後に地域の魅力をアピールした。

 島田市観光教育推進協議会からは、島田商業高等学校の生徒らと島田市観光協会、島田市観光課が発表した。生徒らは、認知度調査や現状分析を行ったうえで、地域課題の解決に向けたフィールドワークを実施。地域の魅力を知ってもらおうとイベントや、まちあるきモニターツアーを企画して実施したほか、商品開発を行うなど、生徒アイデアからの具現化につなげられたと発表した。

 各発表を受けて、コメンテーターの四国大学経営情報学部の鈴鹿剛准教授、岩倉高等学校の大日方樹教諭、じゃらんリサーチセンターの沢登次彦センター長の3人がそれぞれを講評した。

阿蘇でタクシーWeb手配開始 熊本型観光MaaS第3弾

2024年2月13日(火) 配信

阿蘇エリアをタクシーで快適移動

 熊本県と同県観光連盟は2月15日(土)、阿蘇エリア全域でタクシーの検索・予約・支払いがスマートフォン1つで完結する「阿蘇らくらくWebタクシー」を始める。「熊本型観光MaaS」構築に向けた実証事業の第3弾。面倒な配車依頼の電話や現金払い、行き先を伝える手間、外国人観光客の言葉の問題などを解消する狙いだ。8日(木)から予約を受け付けている。

 専用サイト(日本語版と英語版の2種)から、乗車3時間前までに発着地や人数など予約情報を入力すると、3時間以内(当日は1時間以内)に予約確定の可否がメールまたはアプリ通知で届く。発着地は代表的な観光スポットのほか、地図内で自由に指定できる。予約の段階で料金が明示されるので安心だ(クレジットカード事前決済)。

 専用サイト

【日本語】https://campaign.nearme.jp/poc-kumamoto-aso

【英語】https://campaign.nearme.jp/poc-kumamoto-aso/en

関空がオリジナルデザインの「御翔印」販売 2月16日から

2024年2月13日(火) 配信

力強い墨書で作成

 関西エアポートは2月16日(金)から、関西国際空港でオリジナルデザインの「御翔印」を売り出す。JTBが交流人口拡大を目指して展開している、空の御朱印の「御翔印」事業に参画するもの。

 関空オリジナルデザインでは、海上空港である同空港を象徴する海と連絡橋を背景に、空へ飛び立つ航空機が描かれてる。

 販売箇所は保安検査後の国内線出発・到着エリアの第1ターミナル2階の土産物店「関西旅日記」。価格は350円(税込み)。

クルーズなど訪日旅客の受入促進事業公募開始 2月27日(火)まで(国交省)

2024年2月13日(火) 配信

イメージ

 国土交通省は2月27日(火)まで、「クルーズ等訪日旅客の受入促進事業」を始める。観光立国推進基本計画で掲げられた2025年達成目標の「訪日クルーズ旅客を250万人」「外国クルーズ船の寄港回数2000回超え」「外国クルーズ船の寄港する港湾数を100港」などの実現に向けて、取り組みを進めていく。

 今回公募する事業は、①23年度補正予算事業「クルーズ等訪日旅客の受入促進事業」②24年度当初予算事業「クルーズ等訪日旅客の受入促進事業」──となる。なお、①と②で事業内容が異なる。

 ①では、持続可能なクルーズの振興を目指すため、上質な寄港地観光ツアーを造成することによる訪問観光先の創出と分散化、小規模港湾における早期の安全性確認による寄港地の分散化、寄港前のクルーズ旅客に対するマナー啓発、地域住民のクルーズ船受入に対応する理解醸成に必要な経費の一部を補助するもの。

 ②は、クルーズ等訪日旅客の需要を確実に取り込み、日本のクルーズ再興を目指すとともに、湾岸周辺などの魅力向上をはかる。クルーズ船の受入体制強化や、旅客の満足度向上と地域経済効果の創出、クルーズ船寄港プロモーションに要する経費の一部を補助する。

館山炙り海鮮丼 24年度からバージョンアップ(館山市)

2024年2月12日(月) 配信

館山炙り海鮮丼を試食する参加者

 千葉県館山市の4軒のお店・ホテルで味わえる「館山炙り海鮮丼」が2024年度からバージョンアップされ、その発表会が、1月29日(月)、休暇村館山で行われた。

 館山新・ご当地グルメ推進協議会の小金晴男会長のあいさつのあと、空飛ぶご当地グルメプロデューサーのヒロ中田氏がバージョンアップされた「館山炙り海鮮丼」について解説した。その後、試食会場に会場を移し、新しい「館山炙り海鮮丼」を堪能した。

 館山海鮮丼は、2012(平成24)年2月のデビュー以来、毎年観光客に人気を呼び、23年4月には累計13万食を達成した。海鮮丼は、完全予約制の昼食で、波奈総本店、たてやま旬鮨海の花、休暇村館山、たてやま温泉千里の風で味わえ、料金3500円。

 3段重ねのどんぶり重の上から順に、一の重は「刺身」、二の重は「野菜」、三の重は「にぎり寿司」で、それぞれ調理長が新鮮な海の幸や地元産野菜などを使って腕によりをかけて作られる。料理の数々が美しい花々と共にデコレーションされ、大幅にバージョンアップした。   

                 【旅行ライター&エディター 三堀 裕雄】

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(157)承認欲求に応えられる現場づくりを おもてなし力の向上に

2024年2月11日(日) 配信 

 

 営業は数字で評価される厳しい仕事ですが、その頑張りは数字にも表れ、やりがいも大きいです。ただ、その裏に直接数字を創り出す営業スタッフをサポートする、スタッフがいることも忘れてはいけません。

 営業活動の結果、新規開拓先からの電話対応が、成約に結び付くかどうかの分かれ目にもなります。仮に成約できても、そのお客様を現場で担当するサービススタッフに、リピートしてもらえるかどうかの満足度が求められるのです。

 先日、セミナー講師の仕事を終えて飛行機で帰阪するとき、航空会社のラウンジに立ち寄りました。そこで、偶然お世話になっている人に久しぶりに出逢いました。北海道に向かう途中でしたが、出発までの時間、話ができました。窓の外を見ると、富士山が滑走路の向こうにきれいに見えました。「せっかくですから、一緒に写真を撮りませんか」と話して、ラウンジスタッフに撮影をお願いしました。

 片付けで忙しそうでしたが、撮影を快く引き受けてくれました。2人でバックの富士山がきれいに映る場所を探していると、スタッフから「お急ぎでなければ、もう少しで富士山の夕景がきれいになるんですが」と提案がありました。搭乗まで時間もないので、そのまま何枚か撮ってもらいました。

 スタッフが携帯を返すとき、「お2人の間にディズニー機がきれいに入りました」。さらに「少し小さくはなりましたが、離陸した飛行機も富士山の近くに写っています」と笑顔で話してくれました。その1枚を見て感動しました。

 忙しくても、お客様からの要望に応えることは、サービススタッフに求められる行動です。しかし、その1枚を最幸の記念にしてほしいという想いこそが、おもてなし考動だと感じた瞬間でもありました。

 「写真を撮ってもらえますか」と、声を掛けられることは日々の仕事のなかで多くあると思います。「お撮りしましょうか」と声を掛けることも大切ですが、ただその場所でシャッターを押すのではなく、少し場所を移動してもらってでも、地元の人だからこそ知っている、より良い撮影スポットに案内することも、大切なおもてなしの想いなのです。

 ラウンジスタッフの行動は、お客様と接する現場を担う人として、最幸のおもてなしであったのです。人には、自分の仕事を評価されたいという承認欲求があります。

 ラウンジスタッフの行動は、ほかのスタッフの目にも入っていたと思います。

 「撮った写真と、あの言葉はすばらしいね」と、褒め合える環境づくりが、おもてなし力のさらなる向上につながるものだと思います。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(267) 大地変動時代と観光

2024年2月10日(土) 配信

 今年の干支は甲辰(きのえたつ)である。干支は十干と十二支の組み合わせなので60年で一回りしている。

 二回り前の甲辰は1904年で日露戦争の年であった。大日本帝国とロシア帝国が激突し、運良く日本が勝利を収め、海外に植民地を得た。世界の列強が弱肉強食的に主導する帝国主義時代に、遅ればせながら日本が参入するきっかけになった年だ。日本はその後に軍事大国化して満州事変や太平洋戦争を引き起こし、第2次世界大戦の敗戦国になった。

 一方、一回り前の甲辰は64年で、東京五輪が華々しく開催された年だった。日本は敗戦復興を経て、55年から高度経済成長期に突入した。とくに62年から「五輪景気」で東海道新幹線や名神高速道路の整備、三種の神器(テレビ・冷蔵庫・洗濯機)ブームなどで池田政権による「所得倍増計画」が軌道に乗った象徴的な年であった。64年は私が大学に入学した年でもあり、日本が世界に門戸を開くことによる海外への関心拡大で胸を弾ませた思い出深い年だ。

 本紙元旦号のこの欄で「今年は大波乱の年になる可能性が大である」と予測したが新春早々に能登半島地震が発生し、甚大な被害・幾多の悲劇が生じていて心を痛めている。古くから「能登はやさしや土までも」といわれており、能登の人々の純朴な人情味が大好きでしばしば訪れる機会があった。そのため能登半島地震のニュース映像に接するたびに涙が止まらなくなる。

 能登地方は加速する過疎化と高齢化に悩まされてきた。若い世代が流出し、高齢者の多い地域を大地震が直撃したので災害復興は容易ではない。災害復興のための公的支援の充実化が不可欠である。

 日本の地震学者や地球科学者は日本列島が既に「大地変動の時代」に突入していて、今後30年以内に70%の確率で首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震の発生を警告している。巨大地震によって「総人口の半数6800万人が被災する」という予測を提示する学者もいる。

 岸田政権は米国に媚びへつらって、防衛予算を闇雲に増額しているが、国防以前に災害大国の国民の生命や暮らしを守るために巨額の国費を投入して万全を期すべきであろう。観光立国に伴って増加する観光ビジターに対する防災システムの確立も急務である。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。