夏休みは年間に比べ低い傾向、物価高影響か 阪急交通社の夏休み旅行動向

2025年7月3日(木) 配信

 

 阪急交通社(酒井淳社長、大阪府大阪市)はこのほど、夏休み(7月15日~8月31日出発)の予約状況から、旅行動向をまとめた。これによると、国内旅行は前年同期比95%、海外旅行は同108%。年間の予約数では国内が100%、海外が121%のため、いずれも夏休み需要は全体に比べ弱い傾向となっており、同社は物価上昇による影響とみている。

 国内旅行の人気ランキングは1位近畿、2位北陸・甲信越、3位北海道となった。出発日のピークは8月3日(日)、7月23日(水)。

 行先では近畿が前年比1・2倍となり、「大阪・関西万博」が大きく牽引している。バスや新幹線、航空機、フェリーを利用したあらゆるツアーが活況で、全国各地から予約が入っている。万博と周辺観光地を巡る旅行商品も人気だという。

 また、開業が迫る「ジャングリア沖縄」が話題となり、沖縄も前年から5%増加している。そのほか、富士登山の人気が高まっており、予約数は前年から1・4倍となっている。今年から導入された登山者の安全確保に向けた新ルールなどで、安心して登山を楽しめる環境が整ったことにより、全国各地からツアー参加者が増加傾向という。

 海外旅行はコロナ禍後の需要回復が継続し、遠距離方面の回復も進んでいるという。ランキングは1位がヨーロッパ、2位が台湾、3位が韓国の順。出発日のピークは8月10日(日)、9日(土)、7月18日(金)となり、お盆休みや連休を活用する日程が中心となっている。

 観光需要の大きいヨーロッパは前年比1・3倍と集客数でトップとなり、とくにスイス・アルプスなど自然豊かな景勝地を巡るツアーが好調。また、短期滞在ビザの免除が再開された中国は、日本各地からの航空機の復便効果により、観光需要が再開し、前年比3・8倍と大きく伸びた。そのほか、韓国に立ち寄り、日本各地の夏祭りを楽しむ日本発着クルーズなども注目されている。

宿泊業技能試験センター、「持続可能な試験運営体制の見直し」に取り組む

2025年7月3日(木) 配信

西海正博会長があいさつ

 宿泊4団体が共同設立した「宿泊業技能試験センター」(西海正博理事長)は6月18日(水)、東京都千代田区の全旅連本部で2025年度(第7回)通常総会を開き、さらなる外国人材の確保へ、持続可能な試験運営体制の見直しなどに取り組む姿勢を示した。

 西海理事長は「この1年、良い実績を残し目標を達成したことを嬉しく思っている」と述べ、「より一層、外国人の力を借りて、各旅館・ホテルに就労していただけるように、大きな目的を持って事業を推進していく」とあいさつした。

 一方、「改善点や問題点もあり、観光庁、厚生労働省ともしっかりと打ち合わせをしながら、我われの責任において解決に向けて対応していきたい」と力を込めた。

 来賓として、観光庁観光産業課長(当時)の羽矢憲史氏は、「確実にインバウンド需要を取り込んで観光産業が成長していくためには、外国人材の受け入れが不可欠。その中心的な役割を果たしていかれるのが宿泊業技能試験センター。27年からは育成就労制度が開始される。責任と社会的な期待は大変大きい。観光庁としてもサポートしていきたい」と語った。

 24年度の特定技能評価試験の受験者数は、試験のCBT(Computer Based Testing)化が奏功し、前年度比370%増の1万1420人と大幅に増加し、累計合格者数は1万4756人に達した。

 企業とのマッチング数(合格証明書発行数)は同408%増の1008件と大幅に改善したが、「合格者数に比べると相対的に低調であり、今後改善・是正が求められる」(同センター)との認識を示す。

 24年度末には、観光庁事業「宿泊業における外国人材雇用促進業務」を受託。25年度は、海外の試験実施国でジョブフェアやマッチングイベントを実施し、特定技能在留者の増加にもつなげていく考えだ。

 さらに、今年5月には、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の要望活動が実を結び、風営法許可施設においても、外食分野の特定技能外国人の受け入れが可能になった。同センターは「『接待』に該当する業務は引き続き従事は認められていないが、制度の柔軟化が進んだことにより、外国人材のさらなる活用に向けた取り組みが加速する」と高く評価している。

 技能実習評価試験の受検者数も同220%増の1559人と大幅な増加を記録した。その一方で、「不適正な試験運営の発覚もあり、再発防止対策を含む、持続可能な試験運営体制へ、試験運営のルール見直しに着手している」(同センター)という。

国へ最短の28年登録に向けた要望書提出 「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に

2025年7月3日(木) 配信

石破茂首相に要望書を手交

 「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進議員連盟(菅義偉会長)と「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会(平井伸治会長)、「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会(青柳正規会長)は6月30日(月)、石破茂首相に対し、登録に向けた要望書を提出した。日本固有の文化である「温泉文化」が最短の2028年に「ユネスコ無形文化遺産」へ登録されるよう、国策として26年3月にユネスコに提案することを求めた。

 要望書は推進議員連盟副会長の小渕優子議員が石破首相に手交した。また、同じく坂本哲志議員、事務局長の牧島かれん議員、堀内詔子議員、福重隆浩議員が参加。応援する知事の会からは、副会長の佐藤樹一郎大分県知事、事務局長の山本一太群馬県知事、花角英世新潟県知事が、全国推進協議会からは、会長代行の井上善博全国旅館ホテル生活衛生同業組合会長らが同席した。

 3団体は要望書のなかで、ユネスコ登録と歩調を合わせ、温泉地の活性化に向けた取り組みへの支援や、温泉関係者による「温泉文化」の普及・啓発についても国からの支援を要望している。

〈観光最前線〉ぐんまちゃん高崎駅ジャック

2025年7月3日(木)配信

 今夏も高崎駅がぐんまちゃん駅に――。群馬県と東日本旅客鉄道(JR東日本)は7月19日から、高崎駅がぐんまちゃん一色に染まる特別企画「ぐんまちゃん高崎駅ジャック―この夏 ぐんまでリトリート―」を実施する。昨年、ぐんまちゃん誕生30周年と高崎駅開業140周年を記念して初開催されたもの。第2弾となる今年は、9月30日まで延べ74日間にわたり、さまざまなイベントを展開する。

 高崎駅(ぐんまちゃん駅)では、ぐんまちゃんグリーティングイベントを開くほか、期間中は、ぐんまちゃん駅オリジナルスタンプ帳を手に、高崎市内を巡るスタンプラリーを実施。群馬県内の観光地や駅を巡るデジタル(エキタグ)スタンプラリーも同時開催する。この夏は群馬県でリトリートしてみては。

【塩野 俊誉】

万博で「砂ンプラリー」開始、砂ゆかりのパビリオン巡る新企画、鳥取県

2025年7月2日(水)配信

鳥取県ゾーンで進呈される「まんが王国とっとり しおり」

 鳥取県は7月1日(火)、大阪・関西万博で砂ゆかりの海外パビリオンと連携する「サンド・アライアンス」の取り組みの一環として、スタンプラリー企画「砂ンプラリー」(サンド・クエスト)を開始した。

 同県はこれまでにヨルダンとサウジアラビアと連携を結んでいたが、今回新たにナウル、アルジェリア、EU、モーリタニア、モザンビークが加わり、計8つのパビリオンが連携することになった。

 砂ンプラリーに参加するためには、まず万博公式スタンプパスポートを購入し、加盟8館のスタンプをすべて押印する必要がある。その後、関西パビリオン内にある鳥取県ゾーンで、パスポートを提示すると砂ンプラリーの専用台紙が受け取れる。この台紙に再び加盟8館のうち3館以上のスタンプを集めると記念品が進呈される仕組みだ。

 記念品は鳥取県ゾーンが「まんが王国とっとりしおり」、ヨルダン館は「ヨルダン館キャラクターステッカー」、ナウルパビリオンは「ポストカード」、EU館は「EU館マスコットキャラクター・エウロパちゃんステッカーとピンバッジ」。

 なお、サウジアラビア館、アルジェリア館、モーリタニアパビリオン、モザンビーク館には記念品の設定はない。

九州産交バスと産交バス、窓ガラスの無いバス運行へ 阿蘇地域巡る日帰りツアーで

2025年7月2日(水) 配信

オープンエア車両

 九州産交バス(岩﨑司晃、熊本県熊本市)と産交バス(小栁亮社長、熊本県熊本市)は7月20日(日)から土・日・祝日限定で、側面に窓ガラスの無い特別仕様のバス「オープンエア車両」を使用した阿蘇地域を巡る日帰りバスツアー「ASO Caldera LINE」を催行する。

 同ツアーは阿蘇駅を出発後、 阿蘇中岳火口や草千里、白川水源 、上色見熊野座神社などを巡る。走行中は阿蘇の風を肌で感じ、草の匂いや牛の鳴き声など、窓ガラスの無い車両だからこそ味わえる阿蘇の空気を堪能できる。同社は「車両から望む車窓の景色は格別で、観光地を巡る合間さえも魅力を楽しめる」とアピールする。

 阿蘇駅~草千里・阿蘇山上ターミナル間を運行する既存路線「阿蘇火口線」は混雑が激しく、希望の時間に乗車できない場合もあるなか、「ASO Caldera LINE」は完全予約制のため、安心して旅程を組むことができる。

 料金は大人1万2000円、4~12歳は8000円。3歳までの子供は無料。

【観光庁】人事異動(7月1日付)

2025年7月2日(水) 配信

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁は7月1日付の人事異動を発令した。

 辞職 秡川直也(長官)

 長官(大臣官房長)村田茂樹

 大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官(次長)平嶋隆司

 次長(鉄道建設・運輸施設整備支援機構副理事長)木村典央

 辞職〈6月30日付〉軽自動車検査協会監事(観光政策特別研究交渉官)村上強

 観光政策特別研究交渉官(鉄道建設・運輸施設整備支援機構監査・事業監理統括役)奈良裕信

 大臣官房総務課長(総務課長)多田浩人

 総務課長(観光戦略課長)河田敦哉

 観光戦略課長(道路局路政課長)菅原晋也

 大臣官房総務課企画官〈鉄道局併任〉(総務課企画官)新田翔

 総務課企画官(鉄道局総務課貨物鉄道政策室長)地主純

 観光戦略課観光経済調査室長(国際観光部国際観光課欧米豪市場推進室長)鈴木宏子

 不動産・建設経済局国際市場課長(観光産業課長)羽矢憲史

 観光産業課長(不動産・建設経済局不動産市場整備課長)二井俊充

 内閣府沖縄総合事務局運輸部長(参事官〈産業競争力強化担当〉)本村龍平

 辞職〈6月30日付〉鉄道建設・運輸施設整備支援機構審議役(参事官〈国際関係担当〉)渡邉敬

 参事官〈旅行振興担当〉(文部科学省大臣官房付)根来恭子

 大臣官房付〈厚生労働省老健局高齢者支援課長〉(国際観光部参事官〈外客受入担当〉)濵本健司

 国際観光部参事官〈外客受入担当〉(航空局総務課企画室長)今井盾介

 道路局道路交通管理課長(観光地域振興部観光地域振興課長)安部勝也

 観光地域振興部観光地域振興課長(近畿地方整備局道路部長)田中倫英

 総合政策局環境政策課長(観光地域振興部観光資源課長)竹内大一郎

 観光地域振興部観光資源課長(不動産・建設経済局地理空間情報課長)矢吹周平

令和トラベル、AIによる旅プラン提案機能 何度でも生成されるプランから比較可に

2025年7月2日(水) 配信

トラベルプランナー(ベータ版)のイメージ

 令和トラベル(篠塚 孝哉、東京都渋谷区)はこのほど、AIが旅行プランを提案する機能「トラベルプランナー(ベータ版)」をリリースした。利用客からの「過ごし方が分からない」「現地で行えることをイメージできない」などの声を踏まえ、何度でもプランを生成できるAIを活用し、比較しながら希望に合う旅程を計画できる環境を整える。

 同機能では、令和トラベルの旅行販売アプリNEWTに掲載されているフリープランなどの商品の旅程をもとに、AIが朝や昼、夜の飲食店や観光地を提案する。利用者は、王道やアクティブ、カルチャー、ショッピングなど6つのテーマから、プランの提案を受けることができる。

大正3年創業の温泉旅館「長命館」(熊本市)、破産手続き開始へ(帝国データバンク調べ)

2025年7月2日(水) 配信

 長命館(上野康行代表、熊本県熊本市)は6月10日(火)、熊本地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約3億円。

 同社は1914(大正3)年創業、25(大正14)年1月に法人改組された温泉旅館の運営業者。当初は宮原大坪鑛泉だったが、93年8月に旅館の屋号である現商号に変更した。

 94年6月期には、年間収入高約8500万円を計上し、2007年ごろには金融機関からの資金調達により、旅館を大幅リニューアルしていた。

 しかし、その後はリーマン・ショックの影響などから利用者数が伸び悩み、業績が悪化。さらに新型コロナの影響で売上が低迷し、23年6月期の年間収入高は約5000万円にとどまった。「支えきれず24年ごろに事業を停止し、25年3月31日に自己破産を申請していた」(帝国データバンク)という。

HIS、PayPay決済で5%分のポイント還元 7月31日(木)まで国内旅行対象

2025年7月2日(水) 配信

キャンペーンのイメージ
 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は7月31日(木)まで、PayPayで支払われた国内旅行代金の最大5%分を、PayPayポイントで還元するキャンペーン「PayPayクーポン」を実施している。夏休み期間の駆け込み需要の獲得を目指す。
 
 同CPでは、5000円以上の決済に対し、期間中1回1000㌽を上限に決済額の5%分のPayPayポイントを付与する。対象商品はHISで販売する国内旅行商品。なお、アクティビティや鉄道+ホテル、レンタカー、新幹線チケット、WOW+掲載商品、JAL系列・ANA系列の航空券チケットは対象外。
 
 ポイントは、PayPayアプリ内のクーポンページで「HIS」を選択してクーポンを取得し、支払うことで後日付与される。