HIS、5月8日からSUPER SUMMER SALE 原油高のなか、低価格の商品用意

2026年5月7日(木) 配信 

セールのイメージ

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀太社長)は5月8日(金)~6月29日(月)、SUPER SUMMER SALE! 2026を開催する。

 今年9月は、2015年以来11年ぶりに5連休となるシルバーウイークが控えている。原油高で燃油サーチャージが大幅に値上がりするなか、1人でも多くの人に旅行を楽しんでもらおうと、LCCを利用した低価格の商品など用意する。

 具体的には、成田空港を出発し韓国・ソウルに3日間滞在する商品は2人1室利用時、大人1人 1万9800円(諸税別、燃油サーチャージ込)。関空空港から台湾・台北へ3日訪問するツアーは2~3人1室利用時、大人1人2万4800円(諸税別、燃油サーチャージ込)となっている。国内については、成田から札幌ビューホテル大通公園(北海道札幌市)に宿泊する2日間の商品が2人1室利用時、1万2800円(税込)で用意される。

シティホテル運営「K&K」(八戸市)、特別清算開始命令受ける(帝国データバンク調べ)

2026年5月7日(木) 配信

 K&K(旧商号:八戸プラザホテル、代表清算人=神山智子氏、青森県八戸市)は4月10日(金)、青森地裁八戸支部から特別清算開始命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は約24億9000万円。

 同社は1973(昭和48)年6月に設立され、翌74年6月にシティホテル「八戸プラザホテル」を開業。宿泊施設に加え、市内最大規模の宴会場「プラザ・アーバンホール」を併設して、婚礼や会合などに対応し、ピークとなる96年5月期には年間収入高約31億7200万円を計上していた。

 しかし、「婚礼スタイルの変化や、新型コロナの影響によって集客が落ち込み、2021年5月期の年間収入高は約3億9600万円にとどまり、大幅な赤字を余儀なくされていた」(帝国データバンク)という。

 業務改善と財務の立て直しをはかるべく、官民ファンドの支援受け入れを決定し、会社分割により、25年2月に設立されたスプリング(現:八戸プラザホテル)へ同年4月に事業を譲渡。同社は現商号に変更し、7月31日開催の株主総会の決議により解散していた。

 なお、シティホテル「八戸プラザホテル」は新会社で営業を継続している。

「とびだせ いざ!にっぽん旅」、第4弾は北海道 3000円分割引クーポン配布(クラブツーリズム)

2026年5月7日(木)配信

第4弾は北海道が対象で7月1日から

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都江東区)はこのほど、関係協力機関で構成されるKNT-CTパートナーズ会との共同企画として、「とびだせ いざ!にっぽん旅キャンペーン」の第4弾を始めた。今年の夏から冬にかけて、北海道を旅行する人を対象に3000円分の割引クーポンの配布や、抽選で50人に毛ガニをプレゼントする。

 同キャンペーンは、クラブツーリズムが企画と実施、販売を手掛ける個人型旅行商品を通じて、日本各地の魅力を再発見してもらうことを目的に展開している。これまで第1弾と第3弾が九州・沖縄、第2弾が北海道を目的地とし、今回の第4弾では再び北海道を舞台に、地域の魅力を深く味わえるCPを始めた。

 北海道旅行の添乗員付きツアー商品を対象に、旅行代金を割引できる3000円分Webクーポンを配布する。対象商品は、7月1日(水)~12月31日(木)発のクラブツーリズム企画・実施の募集型企画旅行のうち、「北海道キャンペーン」ページに掲載された「クーポン対象商品」。なお、クーポンの数には限りがあり、上限に達し次第、配布を終了する。

 また、7~12月出発のクラブツーリズム企画・実施の北海道へ行く募集型企画旅行に参加した人の中から、抽選で50人に「北海道猿払産タグ付き毛ガニ1杯」を贈呈する。

 このほか、7月1日(水)~9月29日(火)発のフリープラン(宿泊施設のみ、または交通機関+宿泊施設)商品を対象にしたCPも展開。2000~3万円分の割引クーポンの配布や、宿泊施設や観光施設で利用できる1人1000円分の「北海道満喫クーポン」を贈呈している。

ホテルかずさや女将 工藤廣子氏死去 98歳

2026年5月7日(木) 配信

 工藤 廣子氏(くどう・ひろこ=ホテルかずさや女将)は4月30日(木)に死去。98歳。

 告別式は5月6日(水)、東京都荒川区の町屋斎場で、近親者のみで行われた。

 喪主は長男で、ホテルかずさや社長の工藤哲夫氏。

店舗内を全面改装 「江戸の市」を打ち出す 庄内観光物産館

2026年5月7日(木) 配信

庄内の17の酒蔵の地酒を用意

 山形県鶴岡市の鶴岡インターチェンジ近くで食事と土産物販売を行う、庄内観光物産館ふるさと本舗はこのほど土産売場のメインフロア「銘品館」を全面改装した。

 今回のリニューアルは、同社のコンセプト「江戸の市」をより強化し、和の要素を取り入れた造作、商品を陳列する什器は欅の木目調に統一するなど、空間デザインにおいて和装建築を意識した。なかでも地酒売り場は酒蔵をイメージした空間にし、庄内エリア17の全酒蔵の銘柄を取りそろえたほか、山形県内の酒蔵マップも設置した。

 また、今まで壁際に並んでいたテナント店を中央部に移動させたほか、通路の幅も広く取り、回遊性を高めるようにした。

 このほか、館内の入口に「庄内観光案内板」として、観光マップを設置し、それとリンクする各地の観光パンフレットやQRコードでそれらの施設の情報も取れるようにした。

【みなかみ町観光協会・岡村建代表理事に聞く】 3つの委員会で地域一つに 質で選ばれる観光地へ昇華

2026年5月7日(木) 配信

岡村建代表理事

 群馬県・みなかみ町観光協会で長年理事を務めてきた、岡村建氏(法師温泉長寿館社長)は2024年6月に同協会の代表理事に就任した。就任後は3つの委員会を立ち上げるなど、地域を一つにするための取り組みを進める。1期目を終えようしている岡村氏に話を聞いた。

 ――代表理事に就任されてからの取り組みを教えてください。

 理事として長年協会の運営には携わってきました。そのなかで、行政や町議会との連携が重要だと思い、就任後に3つの委員会を新設しました。

 みなかみ町は広範囲で幅広い産業が点在していますが、これを数珠つなぎにしていきたいと考えています。これが1つ目の「ディスカバー委員会」です。

 また、今後は世界に肩を並べられる観光地にしようと、高品質高付加価値の旅を造成するための「極上の旅増勢委員会」を設けました。

 みなかみはエリアが広いため集約した観光地としての知名度こそ高くはないですが、ユネスコエコパークや集積するアウトドアアクティビティ、豊富な農産物、そして18湯の温泉と他地域にはない独自性があります。2泊3日をメインに、アクティブまたはゆっくり滞在する2つのモデルを示し、質のいい旅を提案していきます。

 3つ目はまちづくりに関する「未来創造委員会」です。各委員会には副会長が1人ずつ入り、またオブザーバーとして町の職員と議員の方に参加してもらい、アドバイスを受けながら進めています。民間と行政、議会が会するなかで、13年に策定された、みなかみ町観光振興計画の見直しについても意見が出されるなど、大きな動きにつながっています。

 まちづくりは観光協会だけではなく、行政や議会の理解がないと進みません。引き続き、若手も含めて地域の未来を作っていきたいと思います。

 ――現状の観光客の動向はいかがですか。

 年間を通して、需要は平準化しています。日帰り観光客数は減少していますが、宿泊者数は約110万人で落ち着いています。ターゲット層を若い世代として定め、みなかみ町を深く知っていただける方に愛される観光地になっていきたいと考えています。温泉文化がユネスコ無形文化遺産へ登録となれば世界からそのような方々の来訪も期待していますが、大前提は地域の方、日本人に愛される温泉地であることです。国内外問わず、愛してくれる人に訪れてほしいと思います。

 ――今後の展望は。

 他地域との連携も進めたいと思います。群馬県には草津や伊香保、四万など魅力的な温泉地がたくさんあり、それぞれへのアクセスも1時間圏内です。各地域とも長年の親交があるので、オール群馬で売り出していければと考えています。

 観光は伸びしろが限りなくあり、付加価値が高い業種です。我われは地域の方に、その経済波及効果を感じてもらうために努力していかなくてはなりません。そのためにも、質で選ばれる観光地へ昇華していきます。

 ――ありがとうございました。

津田令子氏(トラベルキャスター・旅行ジャーナリスト) 40周年祝賀パーティー

2026年5月6日(水) 配信

感謝の言葉を伝える津田令子さん

 トラベルキャスター、旅行ジャーナリストとして活躍する津田令子氏は3月27日、東京都新宿区の「日立目白クラブ」(旧学習院昭和寮)で40周年祝賀パーティーを開催した。津田氏と関わりの深い、地域の代表者や観光関係者が発起人となり、50人を超える出席者が集った。津田は出席者に感謝の言葉を述べ、50周年に向けて、さらなる活躍を誓った。

出席者が記念撮影

 冒頭、津田令子氏は自身の経歴を紹介しながら、貸切でのパーティー会場となった「日立目白クラブ」(旧学習院昭和寮)との“ご縁”と、3月27日が処女出版の発行日であり、結婚記念日でもあることを紹介しながら、50人を超える出席者に感謝の言葉を述べた。

 パーティーの発起人は、板橋区議会自由民主党幹事長の元山芳行氏、館山市観光協会室長の木村義雄氏、元御前崎市観光協会会長の下村裕氏、嬬恋村村議会議員の下谷彰一氏、前安曇野市観光協会専務理事の白澤勇一氏、元安中市観光係長の須藤俊夫氏、松蔭大学観光メディア学部学部長の古賀学氏、伊豆視覚障害支援センター代表の前田敏昭氏、郷土割烹伊豆の味おか田代表取締役の岡田正司氏、旅行作家、日本エッセイストクラブ常務理事の秋山秀一氏、旅行新聞新社社長の石井貞德氏の計11人。

旅行新聞新社の石井貞德社長が開会あいさつ

 開会のあいさつで旅行新聞新社の石井貞德社長は「津田さんには旅行新聞の紙面にコラムを執筆いただき、毎号大所高所から観光業界にご提言をいただいている。また『NPOふるさとオンリーワンのまち』の理事長として全国にネットワークを広げられてこられた」と、40年間にわたる精力的な活動に対し、お祝いの言葉を述べた。

元山芳行氏

 発起人を代表して元山芳行氏は「津田さんは旅の専門家として先頭を走っていらっしゃる。地域をリスペクトし、わかりやすく自分の言葉で旅の魅力を語られ、地域振興にもご尽力されている。さらなるご活躍を期待している」と語った。

唐澤隆氏

 長野県・飯島町の唐澤隆町長は「津田さんとのご縁で、西村京太郎先生が飯島町を舞台に『赤と白のメロディ』を執筆された。津田さんとの共著やトークショーでも飯島町の知名度を大いに上げていただいた」と謝意を述べた。

寺前秀一氏

 元日本観光協会理事長で、人流・観光研究所の寺前秀一所長は日観協時代、「既に津田さんはテレビなどメディアで活躍されており、『あの津田さんのいらっしゃる協会ですか?』と細かな説明をせずに理解してもらえたことが多々あった」と思い出を語った。

山崎浩一氏

 エフエム熱海湯河原専務理事の山崎浩一氏は「毎月第1、第3土曜日の午前9時30分から津田さんの旅番組『土曜旅カフェ』を放送させていただいている。この先10年、20年、熱海から楽しい旅の情報発信によって観光を盛り上げていただきたい」と激励した。

吉田寛氏

 東京會舘取締役本舘支配人の吉田寛氏のあいさつのあと、乾杯の発声は、旅行作家、日本エッセイストクラブ常務理事の秋山秀一氏が務めた。

乾杯の発声をする秋山秀一氏
(左から)古賀学氏、白澤勇一氏、下村裕氏

 乾杯後も来賓のあいさつは続いた。津田氏と深い関わりのある元御前崎市観光協会会長の下村裕氏、前安曇野市観光協会専務理事の白澤勇一氏が津田氏の地域貢献に感謝を表した。元上司の松蔭大学観光メディア学部学部長の古賀学氏も登壇。余興では舞踏家、バレエダンサーとして活躍する村上千津子氏の踊りに会場はさらに華やいだ。

参加者からのメッセージコーナーも

 ロビーを埋め尽くすお花や祝電が寄せられ、会場で披露されたあと、「ザ・一言メッセージコーナー」として津田氏自身がマイク片手に会場を回った。

木村義雄氏と小谷加菜氏

 津田氏と親交の深い元NHK文化センターさいたま支社長の内田美穂氏や、館山市観光協会の木村義雄室長と小谷加菜氏、主婦の友社ゆうゆうtime副編集長の牧谷里香氏、NHK文化センター事業本部担当部長の吉田祥子氏らが津田氏とのエピソードを語り、会場は楽しいトークに盛り上がった。

津田さん、アシスタントの本橋範子さんを囲んで
パーティー会場は華やかな雰囲気に
美味しい料理に笑顔溢れる
多くのお花も届けられた

津田令子氏の感謝の言葉 人生を大きく変えた5つの場面

 本日は、トラベルキャスター40周年の祝賀パーティーにご参加いただきましたこと、心より感謝申し上げます。

 少しのお時間を頂戴しまして、私の人生を大きく変えた5つの場面についてお話させていただきます。

 まずは、母校の共立女子学園です。

 1.共立女子学園

 身長も低めで引っ込み思案だった私が、両親の心配をよそに中学から共立女子学園のある皇居近くの竹橋駅までラッシュアワーのなか、電車通学にめげることなく楽しく通い続けることができました。

 共立では、「誠実、勤勉、友愛」という精神を学びました。

 振り返れば、トラベルキャスターの足掛かりになった高校の3年間、人文地理部の部長を担うなかで、地域の文化や歴史、地理を知ることに魅力を感じるようになりました。

 共立を選んでくれた両親に改めて感謝いたします。

 続いては、NHKのテレビの取材で知り合った作家の西村京太郎先生です。

 2.西村京太郎先生

 トラベルミステリーの巨匠vsトラベルキャスターというスタイルを確立し、2人で全国数十カ所を行脚し、ユーモアたっぷりのトークを交え、会場を笑いの渦にできたこと。のちに先生からは、「聞かれたくないことを、グサッと聞いてくる。まぁ君は、天職だね」と言われたことが懐かしく思い出されます。

 対談本まで出していただき、神保町の三省堂で「行列のできるサイン会」も行いました。

 3.NHK、NHK関連の皆様

 NHKの番組に24年間もの間レギュラー出演させていただいたこと、そして最年少でNHK放送文化賞という身に余る賞をいただくことができたこと。とくに首都圏放送センターやラジオセンターのチーフプロデューサー、広瀬久美子アナウンサーには感謝の気持ちしかありません。そしてNHK学園、NHK文化センターとの出会いにつながっていきました。未だにNHKという大きな看板の下でお仕事させていただいております。

 4.飯島町の4賢人

 飯島町ふるさと大使として、市町村のアドバイザー的役割を担わせていただくきっかけを与えて下さった本日お見えいただいております唐澤隆町長、元町長の高坂宗昭様、そして元議長の松下壽雄様、さらに元副町長の箕浦税夫様との出会いは、のちに御前崎市や安曇野市、館山市との関わりを持つきっかけになりました。長い間、飯島町の地域振興に関わらせていただける仕組みをお作りいただいたご英断に感謝申し上げます。

 飯島町では西村京太郎先生とのトークショーも開催させていただきました。先生は飯島町を気に入り「赤と白のメロディ、君は飯島町を知っているか」という新書までお出しいただきました。

 5.1つの社団法人と2つの財団法人

 20年にわたり在籍させていただいた日本観光協会(現・日本観光振興協会)との出会いも、大きく人生を変えました。フリーランスになった今でも日観協時代に構築した人脈は生かされています。

 さらに休暇村協会、厚生年金事業振興団、NHKでは、公的であっても個別の宿泊施設の紹介はできなかった時代に、強力なバックアップによって公共の宿の紹介をさせていただき、「公共の宿といえば津田さんだね」と言われるほどでした。

 元休暇村協会の木村義雄理事は、現在館山市観光協会の室長としてのお立場で、今も関わらせていただいております。

 そういった方々のおかげで、見たもの聞いたことを、常に発信し続けられていることは最高に幸せです。

 50周年に向けて、1人でも多くの方々に旅の感動をお伝えできるように、精進して参りたいと思っております。

 皆様の変わらぬ、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げて、感謝の言葉とさせていただきます。

 そして結びにあたり、これまでNPO法人ふるさとオンリーワンのまちの専務理事でもあり、公私共にお支えいただいております旅行新聞新社の石井貞德社長に、心よりの感謝を申し上げたいと思います。

 本日は、誠にありがとうございました。

 

【旅行新聞×Beach UP】“嗜好マッチング”が新たな集客モデルに 一気通貫でDXサービス提供

2026年5月5日(火) 配信

旅行新聞新社・石井貞徳社長(左)とBeach UP・赤尾日栄社長

 旅行新聞新社(石井貞德社長、東京都千代田区)は、観光業向けに多言語案内や旅ナカ・旅アトサービスなどを提供するBeach UP(ビーチアップ、赤尾日栄社長、東京都新宿区)と協業し、宿泊施設向けに集客DXサービスの提供を始める。AIを活用した宿と宿泊客とのマッチングを元に、次回の旅行を自動案内する仕組みで、クーポン割引や広告による集客からのシフトチェンジを提案する。

 近年、よく耳にするDXという言葉。デジタルトランスフォーメーションの略で、デジタル技術とデータの活用でビジネスモデルを変革し、そこから生まれる新しい価値で、競争上の優位性を確立する取り組みを指す。

 これを実現させるため、宿泊業向けにもセルフチェックインシステムやAIチャットボット、清掃管理システムなど、顧客満足度向上や人手不足解消に向けたさまざまなサービスが提供されている。

 今回、旅行新聞とBeach UPが共同提案する集客DXサービス「サイコロ」は、消費の根幹は顧客満足からという、ごく当たり前の視点に立ち返り設計した。宿泊客に旅ナカで付加価値を提供しつつ、その行動を分析。宿泊嗜好も踏まえ、AIが自動で次の旅行を提案する。宿泊予約機能も備えたことで、一連の流れを途切れなく提供することができる。

 Beach UPは、全国各地で館内自動多言語化サービス「More Japan(モア・ジャパン)」も提供している。共同提案を通じ、シンプルかつ最適な組み合わせで、宿泊施設の要望に応えていく。

行動データ元にAIが次回旅行を自動提案

 集客DXサービス「サイコロ」のコンセプトは「偶然の出会いが旅をつくる。サイコーのロケーション」。この言葉を、集客に向けた手順のなかで具現化した。

 サービスの流れはこうだ。旅行会社やオンライン旅行会社(OTA)、自社公式サイトなど、予約導線は問わず、チェックイン時にすべての宿泊客に対し、宿のオリジナル折紙「重ね紙」(=14面旅館革新のすゝめ参照)をプレゼントする。台紙のQRコードをスマートフォンで読み込むと、オリジナル観光マップやおすすめ店、観光施設などの情報を蓄積した、限定公開の交流サイト(SNS)を閲覧できる。

 宿泊客にはこの情報を手掛かりに、まち歩きや宿泊滞在を楽しんでもらう。コンテンツは地元のおすすめに加え、グループ内で共有できる旅行日記や写真アルバム、割り勘計算機能も利用できる。この段階では気軽に利用できるよう、個人情報を求めず設計しているのがポイントだ。

 ユーザー登録を求めるタイミングは、存分にサービスを楽しんでもらったあととした。登録者には、旅ナカで撮った写真や宿のプロモーション動画を素材に自動生成される「お土産動画」をプレゼントする。加えて、旅ナカの行動、宿泊データをAIが分析し、自動で嗜好に合った次の旅行プランを提案する。

 宿泊施設側の視点では、宿泊客に旅ナカで満足度の高いサービスを提供するとともに、AIが抽出した親和性の高い顧客に向け、「特別な招待状」を送り、新規の来館や再訪を促すことができる。これを繰り返すことで、嗜好マッチングによる新しい集客モデルの確立を目指す。

得られたデータ可視化AIによる業務代行も

 「サイコロ」で提供する仕組みを、常時一元管理する画面が「ダッシュボード」だ。ユーザー登録した会員と自館とのフィット(適合)チャートを表示するほか、招待状の受取・利用状況確認など、必要な情報を自動で取得・解析する。簡単な画面と必要な機能で「AIを活用し、新たな戦略を考えていきたい」などの声に応える。

 加えて、旅行新聞の過去記事を学習したAIも搭載する。この知見を生かしたSNS投稿文やチラシ・ポスターなどの自動生成、課題解決策の提案機能も備える。

利用率意識した館内多言語化サービスも

 Beach UPは、旅館の女将の声を取り入れ商品化した宿泊施設向けの館内案内多言語化サービス「More Japan」の提案にも力を入れている。

 大浴場や食事場所など、さまざまな館内案内をAI自動翻訳で英語やフランス語、中国語、韓国語など11言語で提供する仕組みだ。セールスポイントはQRコード付きのルームキーからアクセスできる点だ。

 現在、QRコードによる館内案内は、読み込み率が低いという課題を抱えている。この点に着目し、チェックイン時に手にする部屋の鍵をサービスへの入口とし、利用機会を高めるよう工夫した。これにより、「利用率80%を実現している」(Beach UP)という。

 両社は今後、現場ニーズを踏まえ、各サービスの最適な組み合わせを提案していく。

Beach UP 赤尾 日栄 社長 「宿と旅人の“共鳴”可視化」

 旅館・ホテルの本質は「一期一会」のおもてなしにあります。しかし、現代の宿は過度な業務負担と集客の荒波に晒されています。私たちは、旅行新聞が創刊してから長きにわたり記録し続けた日本の宿の魂と、最新のAI技術を融合させました。

 提供するのは単なる効率化ではありません。宿の特徴や特性と旅人の趣味嗜好や目的をマッチングする「サイコロ」エンジンは、宿と旅人の「心の共鳴」を可視化するサービスです。また、旅行新聞新社の膨大な知見を学習したAIは、貴宿の魅力を物語(SNS・提案)として紡ぎ出します。

 なぜ今、DXなのか。それは、デジタルによって生まれた余白を、再び「人間にしかできないおもてなし」に充てるためです。日本の伝統美を未来へつなぐため、私たちはデータという新たな武器を手に、お宿の皆様と共に歩みます。新しい旅の形を、今ここから共に創り出すことができれば幸いです

【プロフィール】

 赤尾 日栄(あかお・にちえい)氏 2004年から外資系通信会社で、キャッシュレス決済代行システムの設計、開発に従事。その知見を生かし、SBペイメントサービスでは数百社におよぶ加盟店へのプラットフォーム導入を指揮。13年から自ら代表として複数の企業を設立。教育現場での保護者・学校間コミュニケーションアプリの開発や、スポーツ団体向けDXソリューション構築を通じ、アナログな現場をデジタルで支える仕組みづくりを推進。23年Beach UP設立。同社代表取締役就任。

旅行新聞新社 石井 貞德 社長 「両社の強みで宿の集客支援」

 「旅行新聞」は1975年の創刊以来、観光業の発展に寄与すべく発行を続け、昨年創刊50周年を迎えることができました。読者の皆様には改めて感謝申し上げます。

 事業の柱となる紙面発行に加え、観光業界で最も歴史のある宿泊施設のランキング「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」も継続発表しています。近年は事業のブランド化を進めるとともに、台湾をはじめとしたインバウンド向け情報発信、宿の広報を支援する事業などを積極的に進め、入選施設の魅力発信に寄与して参りました。

 このようななか今年度から、多言語案内や観光地探索、旅アト向けプラットフォームを開発・提供するBeach UPと協業し、互いのノウハウを生かすことで、宿泊施設の集客支援に乗り出します。シンプルかつ必要なものがそろったユーザインタフェースの提供はもちろん、新聞社としての情報・コンテンツも盛り込んだ、サービスとして提案させていただきます。

 本事業が宿泊業発展に役立つよう取り組んで参ります。皆様の関心をいただけますと幸いです。

「観光人文学への遡航(71)」 外交と観光・覇権国家の思い通りにならなかった日本

2026年5月4日(月) 配信

 日本も高市首相の発言に反発した中国から同様の観光面での圧力にさらされた。親中な一部のオールドメディアは、それのインパクトを必要以上に強く報道した。しかし、パラオほどの大きなインパクトを残すことにはならなかった。それには4つの要因が考えられる。

 第一に、日本の観光市場は規模が大きく、かつ多様である点である。中国市場の存在感は大きいが、訪日需要は一国に依存しているわけではない。韓国、台湾、東南アジア、欧米豪など今や幅広い市場に支えられている。そして最も特徴的なのが、厚い国内旅行市場の存在である。したがって、特定国からの来訪者が減少しても、直ちに観光基盤が崩れるわけではない。この市場の厚みと多様性は、観光がハードパワーとして用いられた際の耐性となる。

 第二に、中国人観光客の増加に対して、日本社会は必ずしも全面的に歓迎していたわけではなかった。経済効果の一方で、混雑や生活環境への影響などオーバーツーリズムの問題が顕在化していた。観光客数の増加は無条件に望ましいものではないという認識が広がっていたため、送客減少も単なる損失ではなく、観光のあり方を見直す契機として捉えられることとなった。

 第三に、日本の観光政策は量から質への転換を模索していた。訪日客数の拡大を追求しつつも、地方誘客や長期滞在、高付加価値化、持続可能性といった「数だけではない観光」が重視されてきた。これにより、一国依存型の大量送客モデルのリスクが相対化され、特定市場の変動を契機に観光の高度化をはかる余地が生まれた。

 第四に、日本は観光以外の経済基盤も厚い。観光関連産業への影響は大きくとも、製造業や国内市場など複数の柱が存在するため、観光の変動が国家全体の意思決定を左右する圧力にはなりにくい。

 以上の点から、日本は観光を通じた政治的圧力に対して、一定の耐性を備えていたといえる。ただし、それは恒常的な安全を意味するものではない。観光市場の構造や依存関係を不断に見直し、観光を外交・安全保障・地域社会の持続可能性と結び付けて考える視点が今後も不可欠である。

 以上の比較から、観光がハードパワーとして機能するか否かは、観光客数そのものではなく、市場構造、政策設計、社会的認識、経済基盤といった複合的要因によって規定されることが明らかとなった。

 とくに、特定市場への依存度が高い場合、観光流動の変化が国家の意思決定に対する外部圧力として機能しやすい。一方で、市場の多様性や政策的分散が確保されている場合には、その影響は相対的に限定される。

 したがって、観光政策は単なる需要拡大ではなく、リスク管理および構造的安定性の観点から再設計される必要がある。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(256)」 江戸街道プロジェクト(関東広域)

2026年5月3日(日) 配信

江戸街道キックオフイベントのようす

 3月下旬、東京ミッドタウン八重洲1階ガレリアで「江戸街道(Edo Shogun Roads)」の海外向けプロモーションのキックオフセレモニーが開催され参加した。国土交通省関東運輸局が2022(令和4)年度からスタートした「江戸街道プロジェクト」の次の展開に向けた活動の一環である。

 江戸街道プロジェクトとは、日本橋を起点とする「五街道」(東海道・日光街道・奥州街道・中山道・甲州街道)と、その枝道である「脇往還」(日光御成道・成田街道・水戸街道・三国街道・北国街道など)を生かして、1都10県にまたがる広域関東エリアの地域活性化を狙った活動である。かつての宿場町などを核とした地域の歴史、文化、食や温泉など、街道沿いの地域資源を編集し、これら地域の魅力発信力とブランド力を高めることを目的としている。

 五街道の整備は、徳川家康が関東入府とともに手掛けた、近世初のビックプロジェクトである。玉川上水や神田上水など水のインフラ整備や、利根川・荒川などの河川付替えと周囲の海の舟運整備を通じて一大流通網を整備し、世界に類をみない100万人都市・江戸を誕生させた。

 こうした経済の隆盛が江戸に多様な文化を生み、今日でもその遺伝子が各地に色濃く残されている。本プロジェクトはその遺伝子の発掘と「江戸らしさ」の再発見・再評価のための試みでもある。

 当日は、Edo Shogun Roadsのプロモーション動画の公開、街道ごとの酒蔵・温泉・食などのテーマごとの情報発信、モデルコースや観光コンテンツ記事・動画などを掲載するポータルサイト、街道ごとの四季のルートの計17のモデルコースの紹介とともに、今回応募した「江戸文化体験型コンテンツ」の中から選定された15選の発表などを行った。

 式典には、最優秀賞に輝いた日光馬事センターの「侍文化体験」、5つの優秀賞のひとつ「徳川綱吉公縁の禅寺滞在と舟運体験」の代表者からもお話をいただいた。

各地から出店したブース風景

 広域関東には、このような江戸由来のコンテンツが豊富にある。今後は、これらをどう伝え、生かすかが大きな課題である。

 個々のコンテンツは魅力的でも、それだけで誘因力につながらない。これらを生かして地域をブランド化するには、背景にある地域の「物語」編集が何より重要である。来訪者を魅了する「物語」の編集と発信こそが、旅の大きな動機となる。

 同時に、地域をどうしたいのかというビジョンの共有と中長期の戦略、これらを持続的に運営する組織体制の整備や担う人材の育成などが何より重要となる。

 江戸街道沿いに点在する、かつての宿場町の「点」を街道という「線」でつなぎ、広域関東の「面」に拡大することが、本事業の大きな目標となる。これら受入環境の整備が、海外の方々を魅了する地域プランドに発展することを願っている。

(観光未来プランナー 丁野 朗)