大阪市商店会とエアビー 「新しい観光」共創 万博へ特設サイトも開設

2022年8月26日(金) 配信

千田忠司理事長(左)とAirbnbのスティーブン・リュウアジア太平洋統括

 大阪府大阪市内の商店街約480が加盟する全国有数の商店会組織の大阪市商店会総連盟(千田忠司理事長)とAirbnb Japan(田邉泰之代表)は7月18日、2025年の大阪・関西万博に向け、「新しい観光」を共創することを目的に連携協定を締結した。

 協定では、大阪の古き良き伝統や文化に、VR(仮想現実)やヴィーガン(完全菜食主義者)、LGBTQ(性的マイノリティ)などの新しい社会の潮流を掛け合わせて生まれるものを「新しい観光」と定義した。

 具体的には、開設したAirbnb特設ウェブサイト「New Tourism―大阪・なんば―」で情報発信を行う。「新しい観光」に取り組む民泊ホストへのインタビューなどを順次公開する予定だ。

 また、それぞれの商店街の楽しみ方などをホストの目線で編集したルートマップも制作していく。

 千田理事長は「民泊と商店街は非常に親和性が高い。万博まであと1千日となるなか、多様性に富んだ新たな観光を世界に発信していきたい」と話した。

【土橋 孝秀】

県民割9月30日まで延長 全国旅行支援の実施判断見送る(観光庁)

2022年8月25日(木) 配信

観光庁は9月30日(金)まで県民割の延長を決めた

 観光庁は8月25日(木)、8月31日(水)宿泊分(9月1日チェックアウト分)までとしていた地域観光事業支援(県民割支援)の期間を、9月30日宿泊分(10月1日チェックアウト分)まで延長することを決めた。

 2021年4月1日(木)から始まった地域観光事業支援は、全国・地域の感染状況などを勘案し、ワクチン接種証明書・陰性証明の提示や、隣県への適用、ブロック割への拡大など、その都度運用方法を調整してきた。

 また、全国旅行支援の実施については、「新規感染者数や病床使用率、療養者数、死亡者数など感染状況を見極め、改善が確認できれば、速やかに行う」(観光庁)予定だ。

 7月20日(水)の観光庁長官会見で和田浩一長官は、「今年の3月にまん延防止等重点措置が終了して以来、国としては移動や旅行の自粛を求めていない。観光庁としては、地域の状況に応じた観光支援を行っていく」と説明した。

 観光庁は、「旅行に出掛ける際は基本的な感染対策をしっかりととったうえで、お出掛けいただきたい」と呼び掛けている。

観光立国復活に向け基盤維持・強化を 概算要求前にして方針語る(観光庁長官会見)

2022年8月25日(木) 配信

観光庁の和田浩一長官は8月19日(金)、会見を開いた。

 観光庁の和田浩一長官は8月19日(金)に開いた会見で、2023年度予算概算要求の考え方について、観光は成長戦略の柱であり、地域活性化の切り札であるという基本的な考えは変わらないとしたうえで、観光関連事業者へ多面的な支援を行う。「観光地の面的な再生・高付加価値化事業や、観光資源の磨き上げ、デジタル化、人材育成など、観光立国復活と基盤維持強化に向け、さまざまな施策を盛り込んでいく」と語った。

 

 和田長官は、「コロナ禍で日本の魅力が失われたわけではなく、また、ポストコロナにおいても観光の重要性は変わらない」としたうえで、コロナ禍で打撃を受けた観光関連事業者へ引き続き多面的な支援を行う方針だ。

 観光地の面的な再生・高付加価値化事業について、「地域の皆様から好評をいただいている事業。今後は、複数年度での事業実施が可能となるように要望をいただいている。基金化も含めて計画的・継続的な支援が可能となる方策を検討している」と考えを示した。

 また、6月10日(金)から条件付きで受入再開した訪日外国人旅行者数について、7月の観光目的の入国者数は7903人となった。8月の観光目的での新規入国希望者数は1万2354人。

 現在は添乗員付きパッケージツアーのみでの入国を許可している状況だが、「受入地域の皆様の安心・安全を確保しながら進めていく」。「ポイントは感染症対策が徹底できるか、陽性者が発生したなどの緊急時の対応ができるかという点。このポイントを担保できる方策であることが必要。地域の信頼をしっかり得て初めて水際対策緩和の議論が進められる」。

 なお、実証事業時にガイドラインへ追加されたマスク着脱場面の明記以外では、現在大きな混乱や問題などは見られていない。

 観光庁では、「観光業の関連団体から寄せられている水際対策への課題点などの意見・要望を受け止め、水際省庁へ伝えながら政府全体で議論を重ねていく」考え。

 また、観光目的での新規入国者を国籍別で見てみると、日本から近距離で、訪日意欲の高い韓国や東南アジアなどから回復が進んでいる状況だ。

 

夏休みの航空鉄道利用 前年比の2倍に伸びる

 2022年の夏休みシーズンは緊急事態宣言などを始めとした行動制限が発令されていなかったことを理由として、航空・鉄道に関しては前年比でおよそ2倍の利用があったと報告。一方で、コロナ前と比較すると、6~7割程度の回復に留まっている。

 和田長官は、「やや明るい兆しが見えてきたが、夏の旅行シーズンに第7波が重なったことが原因で、足元の状況はまだ回復したとは言えないのではないか」との見方を示した。

 全国旅行支援に関しては、「引き続き全国の感染状況が今後改善し次第、速やかに実施したい。感染状況を注視し、時期を見極める」とした。

3年ぶりに「下呂温泉まつり」、花火ミュージカルで初めて桟敷席を設置

2022年8月25日(木)配信

今年初めて設置した桟敷席からの花火

 岐阜県の下呂温泉街で8月1日(月)~4日(木)まで、夏の祭典「下呂温泉まつり」が開かれた。市民や来場者の協力も得ながら感染防止策を徹底し、3年ぶりに「下呂温泉花火ミュージカル夏公演」などを開催。温泉街は熱気に包まれた。

 3日(水)の花火ミュージカルは、デジタル技術を駆使し、さまざまな音楽のテンポに合わせて1万3000発の花火を打ち上げる、音と光のライブショー。今年は特等席で観覧できる有料の「桟敷席」も設けられ、観客は約30分間の音楽と花火のシンクロを楽しんだ。

 期間中は、太鼓やダンスなどの路面パフォーマンス、湯の華みこしパレード、下呂おどりなどを日替わりで行い、来場の分散を促した。花火や炎に包まれて「椀みこし」と5頭の龍が乱舞する「龍神火まつり」は、演舞を行わず、今春オープンした下呂市観光交流センター「湯めぐり館」で龍頭の展示や過去映像を上映した。

東讃3市町が協定結ぶ 観光大使に平田進也氏

2022年8月25日(木) 配信

(左から)上村一郎市長、大山茂樹市長、平田進也代表、伊藤良春町長

 香川県東部の東讃(とうさん)エリアに位置するさぬき市と東かがわ市、三木町は8月1日、観光振興に関する連携協定を締結した。

 同日、さぬき市野外音楽広場テアトロンの特設ステージで締結式が行われ、さぬき市の大山茂樹市長と東かがわ市の上村一郎市長、三木町の伊藤良春町長がそれぞれ連携協定書に署名した。

 同エリアは関西圏から高速道路が直結し、車で約2時間30分とアクセスが良いが、県中央の高松市内エリアへの通過地になっているという共通の課題がある。それぞれ有する観光資源を生かし、相互連携で観光振興をはかる狙いだ。

 連携協定に基づく最初の取り組みとして、「東讃エリア観光アンバサダー」を設置し、「浪速のカリスマ添乗員」として知られる日本旅行の平田進也おもしろ旅企画ヒラタ屋代表に委嘱した。

 観光アンバサダー委嘱式も同日行われ、さぬき市の大山市長から委嘱状が、東かがわ市の上村市長からは観光アンバサダーの名刺がそれぞれ交付された。三木町の伊藤町長からは3市町の特産品をセットにした記念品が贈呈された。

東武トップ、西川町と協定結ぶ 修学旅行の取扱が契機に

2022年8月24日(水)配信

左から東武トップツアーズの百木田社長、山形県・西川町の菅野町長

 東武トップツアーズ(百木田康二社長)は8月22日(月)、山形県・西川町(菅野大志町長)と地域の活性化と町民サービス向上のため、包括連携協定を結んだ。

 同社は全国に事業所を有するネットワークを生かし、旅を通じて地域の活性化と課題解決に向けた提案と施策に取り組んでいる。西川町が地域資源を活用した観光振興によるまちづくりを検討していたなか、町立中学校の修学旅行の取り扱いなどを契機に協議を進め、合意に至った。

 今回の協定締結により、同町の自然を生かしたトレッキングや夏スキーなどのアクティビティや、月山志津温泉などの観光資源の付加価値向上に向けた協働事業の企画・実施に取り組む。あわせて、AIデジタル観光コンテンツを生かした旅行商品の造成支援、着地型・体験型旅行商品の共同開発、現地ガイドの養成などの事業も推進していく方針だ。

JTBのムック「大人のひとり旅」 8月29日から発売

2022年8月24日(水)配信

JTBのムック「大人のひとり旅」表紙

 JTBグループで旅行・ライフスタイル情報を提供するJTBパブリッシング(盛崎宏行社長、東京都新宿区)は8月29日(月)、JTBのムック「大人のひとり旅」を売り出す。撮りおろしを中心とした美しい写真や、チャートで分かりやすいモデルコース、旅のプランに役立つ詳細マップなどを掲載する。

 「大人のひとり旅」は、「50代からの旅と暮らし」をテーマにした年間定期購読の月刊誌「ノジュール」で、一番人気の特集。むかし町、絶景、紅葉、アート、発酵食、温泉宿、北前船の寄港地など、毎回大人の知的好奇心を刺激するテーマで、日本各地の旅先を紹介する。今回の書籍は同特集から、読者アンケートでとくに人気の高かった選りすぐりの15プランを再編集。新しい日常における観光として、あらためて関心が高まっているひとり旅のコツも、コラムで紹介する。

 定価は990円(税込)。A4判、オールカラー、128ページ。全国の書店やネット書店で販売する。

草津温泉 現地で観光プロモ 町内視察会を実施

2022年8月24日(水) 配信

完成した「スカイスウィング」

 群馬県・草津町は7月6日、草津温泉「㐂びの宿高松」で旅行会社やメディアを対象にした観光プロモーションを開いた。これまで東京都内で開催していたが、新型コロナの影響で中止となり、今年は3年ぶりの開催となった。約20社50人が参加した。

 観光プロモーションは、常に進化し続ける「草津温泉」を目の当たりにしながら、プレゼンテーションと町内視察の2部構成で実施。

山本剛史会長

 主催者を代表して草津温泉観光協会の山本剛史会長は「草津町はコロナ禍でも立ち止まらずに改革し続けてきた。今回は新しい草津温泉を実際に見てもらおうと、町内で開催しました。変わり続ける草津、近未来の草津を体感してください」とアピールした。

黒岩信忠町長

 プレゼンでは、黒岩信忠町長が登壇。「時代の積層と共に歩む~入込客数400万人を目指して~」と題し、これまで実施してきた湯畑を中心としたまちづくりの概要などを説明した。

 温泉街の玄関口に渋滞解消を狙った本町立体交差を建設工事中で、その入口に「温泉門」が来年10月ごろに完成する予定だ。温泉門のトンネル脇に温泉が流れる湯樋を整備し、湯畑のサテライトとして観光客が楽しめる足湯を新設する。その近くに乗用車100台、大型バス10台が収容できる無料駐車場も開放する計画だ。駐車場から湯畑まで革靴で歩いても約10分で到着できるという。

 7月16日には天狗山山頂に新しいアクティビティとして日本一背が高いブランコ「スカイスウィング」が新規オープン。利用料金は1人1回大人600円、子供500円で約2分間楽しめる(天狗山山頂までのリフト代は別途必要)。ペアで乗る高さ10㍍と子供向けの高さ3㍍の絶景ブランコで、隣接するジップライン(バンジップテング)と合わせ、天狗山の新しい楽しみ方を提案する。

 スキー場の再整備計画もあり、ゴンドラリフトの導入や山小屋のリニューアルなどを行い、年間を通して楽しめるようにしたい考えだ。

 草津温泉の女将の集まり「湯の華会」の黒岩智絵子会長は、新名所「裏草津」を現場からの生中継を交えて紹介。新しくできた漫画堂やカフェ月の貌、高台広場、百年石別邸(石の絵付け体験)、伝統湯地蔵貸切風呂などをPRした。プレゼン終了後はマイクロバスで移動。建設中の温泉門や草津温泉スキー場、裏草津エリアなどを視察した。

るるぶ、通巻6000号を達成 プレゼントキャンペーンを展開

2022年8月23日(火)配信

通巻6000号発行の感謝の気持ちを込めた各種CPを展開中

 JTBグループで旅行・ライフスタイル情報を提供するJTBパブリッシング(盛崎宏行社長、東京都新宿区)は8月23日(火)、同日発行の「るるぶホノルル‘23」で、旅行情報誌「るるぶ情報版」が通巻6000号を迎えた。これを記念して、読者へ感謝の気持ちを込めた「『るるぶ 世界をつなげて6000号』ありがとうキャンペーン」を展開している。

 JTBグループが運用しているTwitterアカウント「世界の街歩き」とコラボキャンペーンを実施している。Twitterで「るるぶ(公式)」と「世界の街歩きbyJTB」をフォローし、該当の投稿をリツイートするだけで応募完了。当選者10人に、「るるぶホノルル‘23」最新版とハワイの菓子や土産をセットでプレゼントする。応募期間は9月4日(日)まで。

 読者プレゼントキャンペーンは、「るるぶ」の対象商品についているクーポンコードを記入して応募すると、抽選でJTB旅行券図書カードなどの賞品が当たる。対象図書について、国内図書は綴じ込み付録の「電子書籍」クーポンが付いている図書、海外図書は綴じ込み付録の「会話集」もしくは「電子書籍」クーポンが付いている図書になる。応募期間は9月1日(木)~2023年3月31日(金)まで。応募サイトは9月1日(木)から公開する。

 このほか、各種キャンペーンを実施しているほか、今後も計画している各種キャンペーンが決定次第、キャンペーンの特設サイトで案内する。

 「るるぶ情報版」は1984年の発行以来、累計総発行部数が8月現在で約4億8500万部となった。通巻6000号の「るるぶホノルル‘23」は、「この日を待ってた!」をキャッチフレーズに、人気の旅先であるハワイの最新情報を集めた約3年ぶりの新刊。ビーチやアクティビティ、ホテルの情報をはじめ、流行のスイーツやグルメ情報まで紹介する。また、ハワイでの過ごし方とともにコロナ時代に対応した「あたらしい旅」の詳細渡航ガイドも付く。

松乃井グループ監修「食彩の駅 Mフォレスト」 水上温泉にグランドオープン

2022年8月23日(火)配信

「食彩の駅 Mフォレスト」外観
戸澤千秋社長

 群馬県・水上温泉「源泉湯の宿松乃井」などを運営する「シーガル・リゾートイノベーション」(戸澤千秋社長)は7月10日、松乃井並びの国道291号線沿いに「食彩の駅 Mフォレスト」をグランドオープンした。群馬県・新潟県を中心とした厳選された貴重な食材などを使用した薪窯レストランと農産物直売所を併設。7月8日には、マスコミや関係者などを集めて試食会も行った。

 新店舗は「〝食〟で心躍る旅をしよう」をコンセプトに、レストランでは県内の生産者直結のうまみの詰まった野菜を薪窯で調理したメニューを提供する。試食会では、上州牛のローストビーフ丼や赤城地鶏のタイカレー、旬の野菜のミネストローネスープ、さらに松乃井グループ監修のオリジナルPB商品の焼ギョーザ、キャベツを食べるメンチカツ、上州牛コロッケなどを提供した。レストランで使用する野菜類は隣接の農産物直売所ですべて購入することが可能だ。

「上州牛のローストビーフ丼」と「旬野菜の彩りサラダ」
農産物直売所では、さまざまな野菜や果物を販売

 Mフォレストは4年前から構想に着手していたもので土地を買い取り、建物はJA利根沼田とみなかみ町が共有しているため、1階と2階部分を借り受けて店舗を開設した。国の事業再構築補助金などを活用し、今回のグランドオープンに至った。

 シーガル・リゾートは、2007年に松乃井の運営権を取得し、再建に向け、大規模リニューアルを実施。同年7月から営業開始した。戸澤社長は「当時は団体客の需要があったが、現在は収益構造が激変している。今後生き残るためには、滞在型の観光にシフトしていく必要があると判断した。今回のMフォレスト開業もその一環」と話す。さらに、「松乃井グループとしては今回のMフォレストが最終的なお披露目ではなく、10年ほどかかって入手した廃業ホテルの建物を解体・改装して、来年5月にホテルを新規開業する計画である」と述べた。

 同社はみなかみ町の利根川沿いに広大な土地を所有しており「群馬県やみなかみ町とも連携しながら、この土地を活用して地域活性化をはかっていきたい。今後10年間で町も様変わりする。これがスタートだと思っていただきたい。これからの松乃井を見続けてほしい」(戸澤社長)と語った。

 Mフォレストの営業時間は、薪窯レストランが午前10時―午後5時、農産物直売所が午前9時―午後5時(夏季は延長営業あり)。どちらも年中無休。駐車場あり。