【特集 No.677】日本旅行「第二の創業」 着地のコンテンツ開発・商材化へ

2026年3月1日(日)配信

 日本旅行(吉田圭吾社長)は昨年120周年を迎え、第二の創業として今年、新たな章がスタートした。2026―30年度までの新中期経営計画のテーマを「新章」とし、「顧客と地域のソリューション企業グループ」に向けて大きく舵を切った。コロナ禍を経て直販化やAIの進展が加速するなか、日本を代表する老舗旅行会社がどのような方向に進もうとしているのか。地域のコンテンツ開発・販売や、インバウンド・グローバル事業本部の立ち上げ、他社に先駆けて取り組む宇宙旅行分野への想いなど、吉田社長に聞いた。

【本紙編集長・増田 剛】

宇宙旅行分野で“第一人者”に

 ――2025年6月に、社長に就任されました。旅行業の現状をどのように見ていますか。

 コロナ禍前とは様相が大きく変わったことを感じています。航空会社や宿泊施設などの直販化がさらに進み、OTA(オンライン旅行会社)の進展、さらにDX化や生成AIが想像を超えるレベルで発展してきています。

 一方で、旅行に代表される、「人が動くことそのものの需要は変わらずに存在する」と捉えています。これは2558万人が来場した大阪・関西万博で証明されました。

 ――昨年末までの「中期経営計画22―25」を振り返って。

 旅行需要がすべて消失してしまったコロナ禍に策定した中計でしたが、厳しい環境の中で自分たちが有する能力を旅行業ではない、他の分野に振り向けることができたことに気づき、強く実感できた期間でした。

 これまでは、大都市部のお客様をどこかの旅行目的地に連れていく発地側の仕事を主軸としており、「発地の人に喜んでいただける」旅行商品を企画し販売していました。

 しかしコロナ禍の当時、私は東北にいましたが、自治体や企業、学校など地域の人たちは「地元の組織がいかに早く復興して経済が回るか」を第一に考えていました。つまり、発地側の立場で企画を考えていた我われと、地域の人たちとの視点は真逆だったのです。

 「地域の良いところをどのようにPRすれば、より魅力的になり発展させることができるのか」を考えることが着地の発想です。この着地の視点の重要性に気づかされたことが、大きな転換点となりました。当社が培ってきたノウハウを生かしながら、着地のコンテンツ開発などに重点的に取り組んでいくことが、今年からスタートした新たな中期経営計画の大きな柱となっています。

 ――昨年創業120年を迎え、新しい方向性を打ち出されました。

 神社仏閣の参詣、観光などの団体旅行をあっせんする目的で1905(明治38)年に創業してから120年間、旅行業を続けてきた意味をこの機にしっかりと再認識する必要がありました。そして過去を踏まえ、「第二の創業」として、新しいステップを歩んでいく想いを新たにしました。

 創業間もない1908年には、滋賀県の草津から本邦初の国鉄貸し切り臨時列車による関東廻遊団(善光寺参拝団)の募集団体旅行を実施しました。

 当時の善光寺は「全国から善光寺参りとしてお客を呼び込みたい」希望があり、一方、草津の人たちは「遠く憧れの善光寺にお参りしたい」という2つの要望を、しっかりとつないだことに大きな意義がありました。

 創業者の南新助は発地だけでなく、着地の発想も備えており、お客様の満足を得る“ホスピタリティ精神”で行動した。そこから当社はツーリズム産業発展の一翼を担ってきました。

 このような創業の原点、DNAを再認識して、人と地域の喜びに貢献できる会社を目指し、次の100年につなげていきたいと思っています。

 ――それでは、今年からスタートした新たな中期経営計画について具体的に教えてください。

 5カ年中期経営計画(26―30年度)のテーマを「新章」としました。過去から歩んできた道がベースにあり、そこから次の章に入る意味が込められています。

 新たなグループ理念と企業ビジョン「地域と顧客のソリューション企業グループ」として、より具体的に地域社会への貢献を果たしていくことに重点を置いています。

 長期的にみると、社員数は自然なかたちで減少していきます。少ない社員数でも今以上に地域社会に貢献できる仕事の進め方に変えていくことが計画の根底にあり、生成AIやDX化などが加速するなかで業務運営の生産性を高めていくことが基本になっています。

 また、今後も伸長するインバウンド事業に関連して、日本とは別の三国間の旅行といったグローバル事業なども多角的に進めていく方針です。

 海外拠点をむやみに拡大していく考えはありませんが、目的地として地域の魅力を開発していくことは、その地域の「着地開発」でもあります。国内における着地の考え方と同じですが、グローバルな視点からもお互いの相互交流を進めていくことに変わりはありません。

 年初には「インバウンド・グローバル事業本部」という専門組織を立ち上げ、そこを中心に訪日や三国間の事業を強力に進めていきます。

 当社の大きな柱は、①ツーリズム事業(個人旅行事業)②ソリューション事業(自治体・企業・学校営業、BTM事業)に加え、もう1つが「インバウンド・グローバル事業」。これら3本柱が主軸となります。

 これまでインバウンド事業は、ソリューション事業に包含されていましたが、1つの柱として成長させていきます。

 ――団体営業の方針は。

 単に手配をするだけでは我われの存在価値はありません。今後も大きな事業として、質をさらに高めていくことを追求していきます。

 教育事業でいえば、「学生を集められるような魅力的な修学旅行を企画する」など、学校の課題解決につながる、コンサルティングを含めた教育旅行を志向していく計画です。

 ――AIの活用について。

 これから数年のうちに、旅行の企画やお勧めの場所の紹介、地元の情報などはAIでカスタマイズして提供できるようになり、簡単なツアーの手配や、場合によっては営業も担っていくのではないでしょうか。

 しかしながら、AIには地域との人間関係づくりはできません。我われ人間だからこそできる部分を最も強化していきます。これが今後進んでいく「地域と顧客のソリューションビジネス」にしっかりとつながっていくはずです。DX化や、AIを生かした事業全体に投資を行っていく発想も重要になってきます。

 ――さまざまな地域と連携を広げていますが、どのように収益を上げていかれますか。

 地域の観光コンテンツは色々ありますが、宿泊や、観光施設の入場、食などさまざまなコンテンツを開発して、商材化していくことがベースとなります。これらを取り仕切るサプライヤー側に挑戦していきたいと考えています。

 旅行会社の主な業務は、宿泊や交通機関、オプショナルツアーなどをつなぎ合わせる仲介業でしたが、これからは提供する側にチャレンジしていく。この1つがコンテンツ開発です。

 実際に、北海道の大樹町で宇宙関連ビジネスを運営しています。大樹町ではロケット発射場があるだけではなく、さまざまな衛星を使ったスマート農業や、土地そのものの観光開発にも取り組んでいます。

 これらを観光素材として取り扱う総合サプライヤーとして、他の旅行会社に販売しています。とりわけ親会社であるJR西日本グループのエリア(WESTER経済圏)を中心に、全国に広げていきたいと考えています。

 ――日本の雇用創出に向けてグローバル人材の育成について。

 実は先ほども、キルギスの大学の学生にオンラインで日本の歴史について講義をしてきました。東南アジア諸国をはじめ、キルギス、ウズベキスタンといった中央アジアは日本と親和性が高い。これら関わりの深い国々から日本で働く人材を仲介する事業がメインとなります。

 今後は日本からキルギスへの観光といった相互交流をサポートするなど、事業の幅を拡大していく予定です。また、キルギスの国内産業の発展のために一定の投資も考えられます。

 JR西日本関連では、鉄道、バスの運転士や整備部門など技術職も含め仲介していく。既に多くの実績もあり、当社も採用しています。

 日本の文化や風習、ルールなどをしっかりと理解して守れるように、海外の方々の教育などにも、手厚いフォローやサポートをしていく事業を進めていきたい。これらは私たちの得意分野だと考えています。

 ――本格的にAIが進展する時代において、どのような人材が求められますか。

 人間同士の関係を作れる人材です。たとえAIが進展しようとも、私たちの主たる業務は、あくまでも「人の交流であり、地域との関係づくり」です。これまでと同様に当社の取り組みに理解をいただける、日本旅行のカラーにマッチした人材と共に成長、発展していきたいと思います。

 ――宇宙旅行にも注力されています。

 今回の中期経営計画では、新しい核となる事業を作っていくために、さまざまなものにチャレンジしていきます。グローバルな展開に加え、当社が既に取り組んでいる事業領域は宇宙です。

 いわゆる有人の宇宙旅行に本格的に取り組んでいるのは、国内旅行会社では当社が初めてです。

 2030年代には、5人ほどのシャトルで宇宙空間を経由した2地点間の輸送が可能になります。40年代には、50人規模で宇宙空間に滞在する宇宙旅行を実現させる予定です。

 私たちが思い描く宇宙旅行は、実際に行くまでのプロセスも含まれます。シャトルの建設現場や、宇宙食の試食、宇宙に行くための訓練、宇宙関係者との懇談の機会なども、すべて宇宙旅行の一環という考え方です。そのコンテンツを我われが取り仕切って、1つの商品として販売していく。今年から、優先搭乗券の予約を開始します。

 宇宙旅行事業はコンテンツ開発の1つであり、宇宙というコンテンツを当社がサプライヤーとなって提供していく。これまで携わってきた国内旅行、海外旅行に、宇宙という新たなコンテンツを開発・創出することにより、さらに裾野の広い事業展開が可能になります。宇宙旅行分野における“第一人者”の旅行会社として成長していくために、地道に一歩ずつ歩んでいきます。

 ――日本旅行協定旅館ホテル連盟との関係は。

 連盟は今後も揺るぎないパートナーであり、より大きなメリットを享受していただけるような施策をこれからもどんどん打っていきます。送客拡大はもちろんですが、宿泊施設が抱えるさまざまな課題についてもより強固な関係を築き、ウィン―ウィンの関係として恩返しをしていきたいと思っています。

 人材不足という課題に関しては、既に旅館にも海外人材を供給しています。個人旅行では埋まらない平日には、団体旅行やインバウンド客を送客できるように、連盟と二人三脚で双方が発展できるような事業に取り組んでいきます。

 ――最後に抱負を。

 コロナ禍では私自身も現場に入り、社員とともに苦境を乗り越えました。そして120周年の節目で社長を任されました。

 先人たちが築いた歴史を大切にしながら、今いる日本旅行の仲間たちと「総合観光業」として、新しい歴史を築いていきたいと考えています。

 ――ありがとうございました。

【本紙1968号または3月5日(木)以降日経テレコン21でもお読みいただけます。】

〈旅行新聞3月1日号コラム〉――移動と旅 乗客として運ばれているだけでは……

2026年3月1日(日) 配信

 2月初旬の大雪に見舞われた日、九州にも雪が降った。スーツケースを駅まで転がしていくことは不可能と感じ、タクシーを呼んだ。運転手は人好きのする性格で、前職は新幹線を運転していたという。「定年退職となり、3カ月前からタクシーの運転手をしています」とバックミラー越しに笑顔で語り出した。

 白髪の混じる運転手の後ろ姿を見ながら、生涯「人を乗せる仕事」を歩み続ける人なのだと感じ入った。

 車窓の外は一秒ごとに白く染まり、異世界へと誘われていく。タクシーの運転手は、人生の何かを取り戻すかのように饒舌だった。その日は衆議院総選挙の日で「今晩は投票箱と選挙管理委員会の委員を送り届けるために残業です。慣れない道が大雪になると不安でね、とくに暗い夜道は……」などと他愛ない会話のうちに駅に着いた。

 小倉駅は雪模様だった。灰色の空から斜線上に吹雪いて、何度も身震いした。博多方面から新幹線が白蛇のように不気味な目を光らせながらホームにすべり込んできた。

 関門トンネルを越え、徳山駅周辺の石油化学コンビナートは白銀の世界に、煙突からオレンジ色の炎を吐いていた。前時代的でありながら、近未来的でもあり、終末感も漂わせる魅惑的な街。広島駅も雪だった。しかし晴れの国・岡山駅は快晴。次の神戸駅は雪、その次の新大阪駅は青空、続く京都駅は雪空と交互に進む。名古屋駅は晴天。箱根辺りから再び雪に覆われ、新横浜駅も雪景色だった。

 高速で走り続ける新幹線の窓はさまざまな景色を映しながら、すべてが瞬時に流れ去る。速度という大きな恩恵と引き換えに、同じくらい大きな何かを喪失してしまった気になる。

 以前、石川県金沢市で全国女将サミットが開催されたあと、翌朝、金沢駅から米原経由で博多まで新幹線を利用し、長崎のハウステボスでの取材に向かった。日本列島をS字に移動する、その大部分を新幹線で過ごした。長い線路上を高速で移動しながら、自分はどこにも足跡を残しておらず、単なる移動と旅は異なるものだと感じた。

 雪の翌週、神奈川県から東京に向かい、北陸新幹線で長野、富山、金沢、加賀温泉郷を通過し福井県の芦原温泉で仕事をした。その後、敦賀、米原、名古屋経由で出発点に戻った。関東から中部・北陸、そして琵琶湖の横を通って日帰りで一周したことになる。東京は春の陽気だったが、日本海側は分厚い雪雲に覆われ、別の顔を見せた。新幹線で荷物のように運ばれながら、時折見える景色を感慨薄く眺め、何度も眠りに落ちた。


 

 その日、記憶に残っているのは新幹線ではなく、敦賀から米原まで向かう特急電車の中だ。日が落ち車内は薄暗い電灯に照らされ、多くの乗客は酒に酔っていた。窓の外は闇で何も見えず、歪む自分の顔のみが映る。

 意志もなく乗客として運ばれているだけでは、旅ではない。熱いコーヒーが飲みたいと思い、座席からずれた体を起こしたとき、ふと先述のタクシー運転手の言葉が甦ってきた。「大阪から九州まで1日に2往復半することも多いですよ」。彼は毎日、長距離を移動する新幹線の運転台に一人で座る人生を過ごした。彼にとって「旅」とは何だろう。あの日、タクシーのミラー越しに聞けばよかったと思った。

(編集長・増田 剛)

日旅連関西 旅行意欲高める活動を 大阪で理事会総会開く

2026年2月28日(土) 配信

あいさつする金子博美会長

 日本旅行協定旅館ホテル連盟関西支部連合会(金子博美会長)は2月20日、大阪市内のホテルで「第55回理事会総会」を開いた。

 金子会長は「大阪・関西万博期間中の関西エリアについては、受入客数が良かった施設、期待通りでなかった施設と、結果はさまざまだった。万博のレガシーは残ったと思う。コロナで行動を委縮していた消費者に、行動する楽しさを思い出させたことは、とても意義深い」とし、「この気持ちを縮小させることなく、旅行する意欲を高めてもらえるよう、日本旅行と共にさまざまな活動に取り組んでいきたい」と述べた。

 日本旅行・西日本エリア代表を務める関昌博執行役員は、西日本エリアの昨年の状況について「団体旅行の取扱高は、全社的には前年と変わらなかったが、関西と中国は前年比7%増、四国は同9%増と伸びた。受託事業も、全社で同42%増。このうち、関西は同120%増、四国は同23%減、四国は同89%増となった」と報告。今年について、「団体は先行受注含め、大変手応えを感じている。インバウンドは今年、新たにグローバルインバウンド事業本部を設けた。大阪IR開業後は、IRに訪れた人を各地域へしっかり送客していきたい」とした。

 新年度事業として、日本旅行セールス担当者との商談会を各エリアで実施するほか、会員の加盟促進、提携販売店に向けた販促強化などに取り組むことが決まった。

【塩野 俊誉】

【名鉄バス】役職定年を61歳へ1年延長 経験豊かな人材確保へ

2026年2月27日(金) 配信

 名鉄バス(瀧修一社長、愛知県名古屋市)は今年4月1日から、既存従業員の雇用継続と、バス運転士などの採用強化を目的に、役職定年を現行の60歳から61歳に1年延長する。

 これにより課長や運行管理者といった役職・等級、基本給や手当などについても、61歳の誕生日まで原則として維持される。

 同社は「今後さらなる人材不足が懸念されるなか、経験豊かな人材を確保し、バス事業の安定的な運営を目指す」としている。

 現在、同社では生涯現役を支える制度として、雇用定年65歳のところ、バス運転士については70歳まで正社員として働くことができる選択定年制度や、73歳までのパート雇用制度を整備しており、個人の状況に応じて長く勤務できる取り組みを進めている。

海中旅行のスタートアップ「シーバルーン」、破産手続き開始決定受ける(帝国データバンク調べ)

2026年2月27日(金) 配信

 海中旅行のスタートアップ「シーバルーン」(米澤徹哉代表、東京都港区)は2月9日(月)に、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約4億2200万円。破産管財人には弁護士が選任されている。

 同社は2016(平成28)年11月に設立されたスタートアップ企業。ZOZOTOWN創業者の前澤友作氏が代表を務める前澤ファンドなどから資金を得て、誰もが安全に「海中旅行」ができる会社の実現を目指し、次世代リゾート潜水船「SEA BALLOON」の製造および海中旅行の事業化に向けた実地調査などを行っていた。

 しかし、25年12月11日に代表の米澤氏が体調不良による長期休養を公表し、事業の中断を余儀なくされていた。「代表の病気療養を優先させる方針によって今後の事業の継続は困難と判断した」(帝国データバンク)としている。

3月から羽田ーシンガポール線を就航 スクート、「日本は重要な市場」

2026年2月27日(金) 配信

カルヴィン・チャンCCO(左)、安武秀俊日本支社長(右)ら

 シンガポール航空グループのLCC(格安航空会社)のスクートは、3月1日(日)に羽田-シンガポール線を新規就航する。羽田発は2日(月)から。日本では5都市目の就航、計週45便の運航となり、これは同社のネットワーク供給量で第3位の市場に位置する。

 就航を前に、同社は2月27日(金)に東京都内で会見を開き、カルヴィン・チャン最高商務責任者(CCO)や安武秀俊日本支社長らが登壇。日本発の供給量は2019年度比で4%増となり、旅客数も13%増と好調なことを発表し、「日本市場は重要な市場であり続ける」(安武支社長)と強調した。

 同社は2012年6月に運航を開始し、現在は東南アジアを中心に中東や欧州など18の国・地域で80都市以上に就航する。日本では昨年12月に那覇-シンガポール線を新規就航。シンガポール直行便の成田と大阪、また台北経由の札幌を運航している。

 カルヴィンCCOは同社の特徴について、グループシナジーを生かした短・中・長距離路線のさまざまな路線網があることや、機材が他社に比べ新しいこと、常にプロダクトを刷新していることなどを列挙。「着実に、戦略的に成長を続けている。我われは旅行体験を再定義し、選択肢や快適性、利便性を重視することで、旅の新たな将来を作っていきたい」と意気込んだ。

 安武支社長は羽田路線について、「シンガポールに着くのは朝で、接続の選択肢が増える」と利便性が高まることを強調。「シンガポール経由で結ばれる世界各地へのシームレスな移動の実現を目指す。合わせて訪日旅行も促進することで、日本の地域経済の活性化にも貢献していく」と語った。安武支社長によると、現在、日本便の乗客はインバウンドが多いが、羽田路線は日本人とインバウンド客が1:1になることを目指すという。

 販売は直販をメインに据える一方、旅行会社の利用が他地域よりも多い日本市場では「通常リーチできない団体などのセグメントにもリーチできると考えている」(カルヴィンCCO)とし、引き続き協力していきたい意向を示した。

長崎県島原市「テツふる」に参画、ふるさと納税を地方鉄道へ

2026年2月27日(金)配信

CMで話題になった島原鉄道・大三東駅(写真提供:島原鉄道)

 長崎県島原市(古川隆三郎市長)は2月19日(木)、旅行読売出版社(長谷川由紀社長、東京都中央区)が運営する現地消費型ふるさと納税を活用したプロジェクト「テツふる」に参画し、サービスの受付を始めた。今回の参画が5自治体目で、九州では初めて。

 「テツふる」とは、日本各地の「鉄道があるまち」への訪問と、現地にある店舗などでの購買を通して、沿線地域の活性化を目指すプロジェクトの総称。専用サイトから参加自治体にふるさと納税を行うと、返礼品として寄付額の30%以内のデジタル商品券が即時発行される。商品券は納税先の自治体にある加盟店で1円単位から利用でき、鉄道グッズや特産品、特別な鉄道体験の購入などと引き換えができる。

 島原市では島原鉄道が加盟し、デジタル商品券と引き換えができる同鉄道オリジナルのトートバッグやTシャツ、キーホルダーのほか、数量限定のレール文鎮・硬券セットなどを用意する。

山口県新グルメ開発 県内全域で提供を開始 山口県観光連盟

2026年2月27日(金)配信

炙り海鮮丼(たてやま旬鮨 海の花)

 山口県観光連盟(松村孝明会長)は2023年度から取り組んでいる「山口県新ご当地グルメ」開発事業について、今年2月から県全域での提供を開始したと発表した。

 3年目となる25年度は新たに29の飲食店・宿泊施設が参画し、25の新メニューが誕生。事業開始以降の累計では53施設・53メニューに拡大し、県内各地でブランド鶏や旬の魚介を生かしたこだわりの料理が楽しめる態勢になった。

 旅行者の関心が高い「食」を切り口に観光消費の拡大をはかろうと、1年目は長門・萩エリア、2年目は県東部へと段階的に展開し、3年目で県中部・西部を含む全域へ拡大した。来年度以降も継続的な販売とプロモーションを実施し、山口の新たな観光ブランドとしての定着を目指す。

 新ご当地グルメでは、「長州チキンステーキ」「長州海鮮まぶし」「長州海鮮うにしゃぶ」「美酒海鮮瓦焼き」の4つを開発、展開している。

 今年度誕生した新メニューは、ブランド鶏「長州どり」「長州黒かしわ」を使用した「長州チキンステーキ」のバリエーション拡充が目立つ。和風出汁や地元味噌を使った和テイストから、ハーブやバターソースを合わせた洋風アレンジ、炭火焼きや低温調理による食感の工夫まで各店が独自色を打ち出す。旬の県産魚介をひつまぶし風に味わう「長州海鮮まぶし」では、16種の具材を盛り込んだ贅沢丼や地元味噌や梅干しをアクセントにした一品などが登場した。

JR九州ホテルズアンドリゾーツ 花べっぷ大規模改装 新しい滞在スタイルへ

2026年2月27日(金)配信

竹籠をモチーフとしたラウンジのソファ空間

 JR九州ホテルズアンドリゾーツ(角谷英彦社長、福岡県福岡市)は、運営する大分県別府市の旅館「別府温泉―竹と椿のお宿―花べっぷ」を3月6日にリニューアルオープンする。オールインクルーシブラウンジやアメニティバーの新設、食事処の改装、全客室のベッド化など実施。新しいコンセプトに「お客さまペースでお好きなよう に過ごす」を掲げ、満足度向上をはかる。

 2階に新設するオールインクルーシブラウンジ「一福」は、アルコールを含む各種ドリンクやスナックを自由に楽しめるほか、複数人で囲めるテーブル席や大きな竹籠をモチーフにしたソファ空間などを設ける。

 1階ロビーに新設するアメニティバー「しつらえ処 一楽」には、女性向けアメニティや貸出枕、地元ならではのドリンク、個包装スイーツなどを取りそろえる。

 食事処「料理茶屋胡蝶」は1階へ移設し、竹籠意匠による半個室風の設えに刷新。周囲を気にせず食事を楽しめる空間とする。夕食は地元大分県産の食材を活用した会席料理で、メニュー構成を3種類に拡充。朝食は小釜炊きご飯とブランド卵「うちのたまご」による卵かけご飯に加え、8種類から選べる味噌玉を用意し、好みに応じて味噌汁が楽しめるという。

 客室は畳敷きの和モダン空間を維持しつつ全室をベッドタイプへ変更。高齢者やファミリー層も利用しやすい仕様とし、快適性を高める。

USJと大阪市連携 4分野で地域魅力向上へ

2026年2月27日(金) 配信

村山卓社長(右)と横山英幸市長

 今年3月に開業25周年を迎えるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)と大阪市は2月12日、「都市魅力の創出・発信」「観光促進・地域活性化」「スポーツの振興」「子ども・教育・福祉」の4分野にわたる包括連携協定を締結した。

 協定策の一環として、ウッディー・ウッドペッカーなどをあしらったUSJオリジナルデザイン(全5種類)のマンホール蓋を市へ寄付し、3月31日から順次、市内25カ所に設置する。

 エルモなどのキャラクターと市内各エリアをモチーフにした11種類の観光案内板も制作。3月から市内約150カ所に掲出する。

 都市魅力発信事業については、昨年好評を得たUSJの入場券「スタジオ・パス」の大阪市ふるさと納税返礼品提供を本年も実施。教育分野では市教育委員会と連携し、市内の小・中学校向け施策を展開する。

 同日、市役所本庁舎で行われた包括連携協定締結式には合同会社ユー・エス・ジェイの村山卓社長と大阪市の横山英幸市長が出席。村山社長は「大阪の皆様に支えられてきた25年間。大阪市と力を合わせ、大阪を一層“超元気”にしていきたい」と述べ、横山市長も「USJは大阪を盛り上げてくれる存在。大阪の魅力発信において大きな一歩となる」と期待感を示した。