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新資格「旅のUDアドバイザー」9月1日に開講 健常者と同様の旅行を

2020年8月18日
編集部:木下 裕斗

2020年8月18日(火) 配信

サービス介助士に観光要素を取り入れた

 ケアフィット推進機構(富樫正義代表理事)は9月1日(火)から、新資格「旅のユニバーサルデザインアドバイザー」を取得するための講習をスタートする。創設には、日本国際観光学会(島川崇会長)とJTBトラベル&ホテルカレッジ(山村晋一校長)、日本旅行業協会(JATA、坂巻伸昭会長)のユニバーサルツーリズム推進部会が協力する。高齢化が進み、障害を持つ人が増えるなか、〝心のバリア〟を除去して「健常者と同様に旅を楽しめる環境」を整備する。サービス介助士の取得が少ない旅行会社の社員をはじめ、観光系の大学生や専門学校生など若い層を対象とし、初年度の受験者数は1000人を目指す。

 

 旅のユニバーサルデザインアドバイザーは、全国で17万人以上の有資格者がいるサービス介助士の要素を取り入れた旅行観光産業に適応した新しい資格としてスタートした。サービス介助士は鉄道や宿泊施設、航空に従事する担当者にとって必須の資格となっている。

 「旅のユニバーサルデザインアドバイザー」の講習では、高齢者や障害者の特性のほか、交通や宿泊など〝サービスのユニバーサルデザイン〟についても学ぶ。高齢化と共に何らかの障害を持つ人が増えることで生じる新たな旅行の課題を解決する役割を担う。

 ケアフィット推進機構の富樫代表理事は「旅は人生を豊かにする大切なもの。障害者や高齢者も旅を楽しめる環境を整備するために、学習の場を設けた」と説明する。

 JTBトラベル&ホテルカレッジ主任講師の竹内敏彦氏は、旅のユニバーサルデザインについて「(旅行業界は)場所も空間もさまざまな場面が想定されるため、これまで及び腰だった」と分析。「介助に気を遣うことは、旅行業がお客様へのおもてなしや配慮と変わらない」と話す。「(同資格では)介助をはじめ、実務に通じる接遇技術を学生たちに習得させたい」と意気込みを語る。

 資格の取得には、専用の教本で自己学習したあと、半日の座学講習と半日の実技講習を受ける必要がある。講習後に行う修了検定では、3択形式で出題される50問の筆記試験で70点以上を獲得すると合格となる。

 具体的な内容として公式テキストの第1章では、旅のユニバーサルデザインアドバイザーの基本理念として、同資格の目的や旅行会社が旅のユニバーサルデザインを実現する意義などに触れる。

 第2章ではユニバーサルデザインと旅との関連性と題して、福祉と旅に関わる定義と用語の理解促進をはかる。

 第3章の高齢者の理解と接遇では、高齢者の身体的特徴や接遇方法をっ記載している。

 第4章は障害のある人への理解と接遇を学ぶ。車イスや聴覚障碍者、視覚障害者、知的障碍者などへの接遇方法となる。

 このほか、同章の第5節には、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「感染症に感染しない・させない接遇」と題した新しいページを追加した。

 第5章の題名は旅に配慮が必要なお客様への理解。妊婦や小さな子連れ、宗教上の食習慣などを学習できる。

 第6章は補助犬への理解。身体障害者補助犬法の目的や概要のほか、盲導犬と介助犬、聴導犬についての理解を深める。

 第7章は業務中でのユニバーサルデザインと題して、旅のユニバーサルデザインを考慮した商品企画や造成のポイントをはじめ、相談と申し込み時の配慮などを説明する。

 第8章は旅の素材とユニバーサルデザイン。内容は着地での対応や旅行保険など。

 第9章は関連法規および制度で、同資格の関連法規について記している。

公式テキスト。コロナウイルスの感染拡大を受けてページを追加した

 修了検定を含めた講習料は1万9800円(税込)。

 すでに、JTBトラベル&ホテルカレッジでは観光学科の1年生140人が受講することが決まっている。

 同資格は今年4月に創設。新型コロナウイルス感染防止のため、講習を延期していた。

 問い合わせ=ケアフィット推進機構 ☎03(6261)2339。

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