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「観光革命」地球規模の構造的変化(218)東京五輪と日本観光

2019年1月2日(木配信

観光産業は「フラジャイル(脆い、虚弱)」な産業(画像はイメージ)

 年末年始にはいつも過ぎ去った1年間を振り返ると共に、迎える年が良い年になることを願いながら、日本観光のことをさまざまに思い巡らしている。

 「米国ファースト」をスローガンにしているトランプ大統領が登場してから「自国第一主義」と「ポピュリズム(大衆迎合主義)」の台頭による衆愚政治が世界的に拡大している。トランプ大統領が引き起こした米中冷戦は世界経済に大きな影響を与えており、11月の米国大統領選挙が注目される。習近平国家主席は「一帯一路」構想に基づき覇権大国の確立を目指しているが、香港の民主化運動の行方や1月の台湾総統選挙の結果への対応も注目されている。

 韓国では文在寅大統領による反日政策によって日韓関係が最悪になっており、3月に実施される総選挙の結果が注目されている。北朝鮮も世界の批判を浴びながら、核ミサイル開発を推進しており、日本の安全保障を脅かし続けている。安倍晋三首相は憲政史上最長の首相在位を誇っているが、長期政権の驕りと弛緩によって、日本が抱えるさまざまな国家的課題に的確かつ十全に対応できない危うい国家運営を繰り返している。

 世界的に諸々の不安定要因があるなかで、今年7月24日に東京五輪が開会される。日本政府は東京オリパラを契機にして「2020年インバウンド4千万人と訪日外国人旅行消費額8兆円」という数値目標を掲げている。しかしこの数年にわたって6―9月に記録的猛暑や集中豪雨や洪水などが頻発しており、大きな被害が生じている。そのため東京オリパラ期間中に異常気象が発生しないことを祈っているが、どうなるだろうか?

 世界気象機関(WMO)は、日本を襲った記録的豪雨や猛暑などの異常気象が温暖化に伴う気候変動の影響でより極端になった可能性に言及し、気候変動の加速で強烈な異常気象の発生頻度がさらに増えると警告している。観光産業は「フラジャイル(脆い、虚弱)」な産業であり、異常気象だけでなく、地震、戦争、テロ、流行病、政治的混乱、経済的不況などの諸々の変化の影響を受け易い産業であり、不測の事態に対して的確に即応することが不可欠だ。諸々の不確定要素があるが、今年が日本観光にとって「飛躍の年」になることを願っている。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

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