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JTB、欧州旅に革命を 新たな観光バス「ランドクルーズ」来春運行へ

2018年11月22日
編集部:平綿 裕一

2018年11月1日(月) 配信 

井上氏との会見は11月21日に東京都品川区のJTBビルで行われた。

 JTBは11月21日、FIT(個人旅行)向けに現地発着の周遊型観光路線バス「ランドクルーズ」を、来春に欧州で運行すると発表した。スペインからドイツ、イタリアなど主要12カ国を走らせる。約130区間あるルート上で、乗り降りする場所を自由に設定できる。運行区間の総延長は1万4千㌔を超え、欧州旅の新たなインフラを作り上げたカタチだ。年間運行コストは約4億円にも上るが、「欧州旅革命。」をスローガンにこれまでにない旅のスタイルを提供していく。

 「お客様は好きなように旅を作り上げていくことができる」。JTB取締役グローバル事業本部長の井上聡氏は21日の会見で自信をみせた。最大の特徴は欧州を網羅する路線網を整えたこと。各地域にある9つのコースを走るバスは、それぞれのコースを約1週間かけて円を描くように定期運行する。隣り合うルートが接する場所に、同じ日にバスが到着するため、客はそこで次のバスに乗り移ることができる仕組みだ。

ランドクルーズ路線網(イメージ)

 周遊するだけでなく、1つのコースの1区間からでも楽しめる。1区間の平均料金はホテル宿泊付きで2万2千円ほど。現地集合・現地解散で1人でもバスは動き催行中止の心配はない。現地の係員が同乗し、案内は日本語となる。

 web販売では全区間から1区間でも選べ、自分好みの旅を組める。特設サイトを29日に開設予定で、予約から決済までできるようにする。店頭は人気コースに絞った全80コースを取り扱う。ともに11月29日から販売を始める。

 一方で、JTBだけでなく、日本の旅行会社は約50年間、日本発着で往復航空券付きのパッケージツアーに力を入れてきた。現地発着が軸のランドクルーズでこの流れから大きく舵を切る。莫大なコストをかけながらも、従来の体制から脱却をはかる考えだ。

旅行環境への対応策

 ランドクルーズは急変する旅行環境への対応策でもある。航空座席不足と客のFIT化が近年課題となっている。

 大挙する訪日外国人は今年、初めて年間3千万人超える勢いをみせている。このため、旅行会社は航空座席を確保することが難しくなっている。

 さらにオンラインで旅行を組むことが個人でも容易になり、客のFIT化が顕著になってきた。「現地に着いてから場所を決めたい」「自由に回りたい」などの声も増えているという。

 旅行会社は多かれ少なかれ同じ悩みを抱えている。井上氏は「だからこそ、ランドクルーズは他社も販売してもらえる」と、ランドクルーズのインフラ機能を業界に開放する考え。

 他社からすれば自社で採算割れのリスクを負うことなく、欧州周遊ツアーを造成できるようになる。130区間の組み合わせほぼ無数になるため、各社独自の商品を客へ提案が可能となる。「お客様と旅行会社でウィンウィンの関係ができる」(井上氏)。

 将来的には日本だけでなく全世界で販売する見通し。さらに「欧州以外の地域でも、同じようなたてつけで挑戦していきたい」(同)とさらなる市場開拓も狙う。

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