民泊に対する意識調査、期待と不安双方が浮き彫り

2018年6月13日
編集部:謝 谷楓

2018年6月13日(水) 配信

リビン・テクノロジーズの調査によると、40~60歳代それぞれの年代で、約6割が民泊制度に賛成との考えを示した(リビン・テクノロジーズ社の報道資料より抜粋)

民泊施設の利用・運営をめぐって、家主らはどのように考えているのか? このほど、ITや不動産関連企業らによる意識調査が発表された。各々個別に調査・まとめを行ったのは、ICT(情報通信技術)を駆使し民泊ビジネスのフロント業務を担う楽天コミュニケーションズと、不動産物件の比較サイトを運営するリビン・テクノロジーズ。民泊に対する期待が決して低くないことを示す一方で、「騒音問題など近所とのトラブル」や、「犯罪に利用されたら困る」といった不安要素も浮き彫りとなった。

 楽天コミュニケーションズでは、300の家主(住宅宿泊事業者)に対し、「運営で不安に感じること」・「運営物件数の増加」・「180日規制への対応」・「関連ITサービスの利用」の4項目について質問した。同社は2月にPMS(ホテル管理システム)を販売するSQUEEZE社との連携を発表し、フロント業務支援サービス(あんしんステイIoT)を売り出している。宿泊者のプライベートに配慮した高性能な防音検知センサーなど、調査で明らかとなった不安要素に応じる仕組みの提供も行う。

 リビン・テクノロジーズでは、運営する不動産関連サイト(スマイスター)にてアンケート調査を実施した。40歳以上のユーザーを対象としたもので、418人から回答を得た。サイトは主に物件や土地オーナー向けのもので、民泊物件の運営に対する意識調査も同時に行った。項目は「民泊の認知度」・「知っている民泊仲介サイト(プラットフォーマー)」・「賛成・反対」・「賛成・反対の理由」・「利用経験」・「経営への関心」の6つ。不動産物件の投資に対し、比較的深い知見を持つユーザーの考えを知ることができる調査となった。

騒音トラブル不安、運営数は増やしたい

 すでに民泊物件を運営する家主にとって、目下の不安は騒音・近所とのトラブル。住宅宿泊事業法(民泊法)下は、近隣とのトラブルが生じないよう、家主が宿泊者に対し配慮を促すよう義務付けているからだ。トラブルによっては、監督者である都道府県知事から業務改善を命令されることもあり、最悪の場合、業務停止に追い込まれる可能性がある。

 住宅宿泊事業法(民泊法)の施行を控えるなか、民泊の届出数が3千件を上回ったとの発表があり(6月12日(火)、国土交通省・大臣会見)、物件数の伸長は販売や管理を担う仲介業者や管理業者らにとっては安心材料といえる。一方、商いの核となる物件の運営停止が相次げば、ビジネスへの影響は計り知れない。仲介・管理業者の多くが家主から委託され業務に当たるため、物件の運営停止は三者間でのトラブルにつながることも予想される。

 楽天コミュニケーションズによるアンケートでは、「騒音問題など近所とのトラブル」に不安を感じると回答した割合は43・3%。「部屋の清掃」(34・7%)や「鍵の受け渡し」(34・3%)、「宿泊者のサポート」(33・7%)、「宿泊者名簿やパスポートの控えなど個人情報の管理」(33・7%)など、続く要素の割合を大きく引き離す結果となった。

楽天コミュニケーションズの調査によると、家主が民泊運営でもっとも不安に感じることは、「騒音問題や近所とのトラブル」であるとのことが分かった(楽天コミュニケーションズ社の報道資料より抜粋)

 「運営物件数の増加」については、「大幅に増やす」と「増やす」と答えた割合は計47・3%。「現状維持」・「減らす」がそれぞれ35・7%と7・0%だったことから、民泊ビジネスに対する積極的な姿勢が明らかとなった。ネックとなる180日規制については、規制を超える日数をマンスリーマンションやウィークリーマンション、レンタルスペースとして貸し出すという答えが多数を占めた(複数回答)。

 グループ会社の民泊プラットフォーマー(楽天ライフルステイ)や、一部民泊用PMSを提供する企業では、マンスリー賃貸や簡易宿泊所と併用した運営が可能なシステムを提供し、積極的な物件運用を望む家主を援護射撃する体制確立に努めている。

空き家活用に生かせると、6割が民泊制度に賛成 

 不動産関連サイト(スマイスター)が利用者向けに行ったアンケート調査によると、40と50、60歳の3世代ともに、約6割の人が民泊制度に賛成(賛成・とちらかというと賛成含む)であると答えた。理由としては、「空き家(空室)の活用ができる」(各世代で約60%)という投資・運用視点からの回答のほか、「宿泊施設不足の解消になる」(各世代で約30%)や「地域が活性化する」といった、観光事情を慮るものもあった。同調査では民泊が、インバウンドの取り込みを通じた地方創生で役立つと考えるユーザーが多いためという分析を行っている。

 一方、「反対」の意を示した理由として、「犯罪に利用されたら困る」(各世代で約60%)や「地域の治安が悪化する」(各世代で40~70%)、「ゲスト(宿泊者)がマナーを守らない」(各世代で約50%)などが挙がった。民泊利用=インバウンドという図式が広まっていることもあり、見ず知らずの外国人の出入りが頻繁化することに抵抗を持つ人が多いようだとみる。60歳代以上のユーザーが、「治安が悪化する」ことを反対理由に挙げる割合がとくに高かった(71・7%)。

リビン・テクノロジーズの調査によると、民泊を経営したい理由の上位に、空き家活用のほか、「ゲスト(宿泊者)との交流が楽しめる」という、ビジネス以外の要素がランクインした(リビン・テクノロジーズ社の報道資料より抜粋)

 「経営への関心」では、「機会があれば民泊を経営したいか? 」という問いに対し、40歳代で22・8%、50歳代で24・8%、60歳代で14・9%のユーザーが「経営したい」と回答した。ここでも空き家の利活用が主な理由となったが、「ゲスト(宿泊者)との交流が楽しめる」と、来訪者とのコミュニケーションを重視する傾向も高いことが明らかとなった。「交流が楽しめる」ことを、経営したい(すでに経営している)理由に挙げた割合は、40歳代で36・0%、50歳代で43・9%、60歳代で26・1%。民泊が持つビジネス分野以外での魅力に対しても、関心は強いようだ。

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