「ふるさとオンリーワンのまち」第10号 温泉マーク発祥の地「磯部温泉」 NPO法人ふるさとオンリーワンのまち

2017年11月10日
編集部

2017年11月10日(金) 配信

磯部温泉組合の高野幸雄組合長(左)と津田令子NPO理事長

長い歴史ある温泉マークを後世に

高野幸雄組合長

 NPO法人ふるさとオンリーワンのまち(津田令子理事長)は2011年の発足以来、独特の風土や伝統文化、産物、無形のおもてなしなどユニークな観光資源を、「ふるさとオンリーワンのまち」として認定している。10月24日には、“温泉マーク発祥の地”として知られ、保全活動を積極的に行っている群馬県安中市の磯部温泉組合(高野幸雄組合長)の「温泉マークを後世に残していく活動」を第10号認定とし、津田理事長が高野組合長に認定証を授与した。

江戸時代の文書に温泉マークが存在

 磯部温泉は群馬県の奇峰・妙義山を望み、碓氷川のほとりに位置する。軽井沢が避暑地として開ける前に、楫取素彦や井上馨などの別荘もあった高級保養地としての歴史もある。

 世界遺産に登録された富岡製糸場にも近く、多くの旅行者でにぎわっている。

 温泉記号の発祥には諸説存在する。なかでも磯部温泉が発祥の地と主張する物証として、350年以上前の江戸時代の文書が、現在確認できる最古の温泉記号となっている。1661(万治4)年に農民の土地争いに決着をつけるため江戸幕府が提示した文書に、クラゲを逆さにしたような記号(絵図)があり、これが磯部温泉の場所を示しているという。

認定式後に記念撮影

マークが存亡の危機に 地域の保全運動広がる

 2020年の東京オリンピックを迎えるにあたり、経済産業省は昨年、現在の日本工業規格(JIS)の温泉マークは外国人には分かりづらいという理由から、国際標準の国際標準化機構(ISO)規格のデザインへの統一を提案。しかし、「長い歴史を有し、世の中に定着している従来の温泉マークを変更するのはメリットよりもデメリットの方が大きい」と、安中市や磯部温泉組合をはじめ地域が一体となって温泉マークの保全運動を展開した。

 この動きは観光業界や他の温泉地など全国的に広がり、16年12月に開かれた同省の検討会で、「温泉記号はISOとJISの両規格を併用して活用する」との方針が出された。

温泉記号が変更へ

□  ■

 磯部温泉の「舌切雀のお宿磯部ガーデン」で開かれたふるさとオンリーワンのまちの認定式で、津田令子理事長は「温泉マークを知っていても、その発祥の地が磯部温泉だと知らない人が多かった。昨年の温泉マーク変更の動きもあったが、“ピンチをチャンスに変える”のが今だと思っている。当NPO法人も地元の方々とともに、温泉マークを後世に残すことに協力していきたい」と力強く語った。

 高野組合長は「我われも経済産業省にも出向いて、長い歴史を持つ温泉マークを残してほしいと訴え、温泉マークがJIS、ISO規格の併用というかたちで残ることが実現した。今回の『ふるさとオンリーワンのまち』の認定を機に、これまで以上に“温泉マークの発祥の地”をPRしていきたい」と謝辞を述べた。

茂木英子市長

 来賓として出席した安中市の茂木英子市長はあいさつの中で「磯部温泉は温泉マークの発祥の地。江戸時代の公文書に証拠が残っている」と強調。さらに、「温泉組合の皆さんは温泉マークを本当に大切にし、観光資源として発信し続けてこられた。昨年の『温泉マークを変更しよう』という動きには冷や汗が出た」と振り返った。「地元市長として、観光業界の方々と一緒に協力して、さまざまな方面で『温泉マークを残そう』と働き掛けを行ってきた。今回のふるさとオンリーワンのまちの認定をとてもうれしく思う。これからの地域活性化に向けて生かしていきたい」と語った。

 安中市市議会議長の齊藤盛久氏は「全国的に人口減少が進むなかで、観光による交流、魅力ある地域づくりはとても有用なこと。市議会も観光振興に向けて関係機関と協力して取り組んでいく」と祝辞を述べた。

 安中市観光機構理事長の武井宏氏は「素晴らしい日がついに来たというのが実感」と話した。「30数年前、我われ地元の青年会議所のメンバーが文献を調べているうちに、温泉マークは磯部温泉が発祥の地であろうということが分かった。それ以来、ずっとPR活動も行ってきた。今日、これまでの活動に花が咲いたと思うと感無量だ」と語った。

地元とNPOメンバーが熱く意見交換

 パネルディスカッションには、磯部温泉組合観光部長の櫻井太作氏(舌切雀のお宿磯部ガーデン社長)、みなかみ町観光協会代表理事の深津卓也氏(ホテル辰巳館社長)、安中市観光機構企画営業部長の依田沙希氏が出席。一方、NPO法人からは、旅行作家の竹村節子氏(参与)、旅行新聞新社社長の石井貞徳氏(専務理事)、旬刊旅行新聞編集長の増田剛氏(理事)が登壇。コーディネーターは津田令子理事長が務めた。

活発なパネルディスカッションも行われた。(左から)櫻井氏、依田氏、深津氏、津田氏、竹村氏、石井氏、増田氏

 温泉マークを残す活動を引っ張ってきた櫻井氏は「以前の団体旅行全盛の時代から、今は個人化への流れが磯部温泉にも顕著になってきている。安中市や磯部温泉の中にも体験プログラムなども増え、厚みを増してきた」と紹介し、「基礎固めをしながら、今後の磯部温泉をより魅力的にするためにさまざまなことにチャレンジしていきたい」と話した。

認定一覧

 

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