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〈旬刊旅行新聞7月11日号コラム〉リゾートホテルでゆったり過ごす――「滞在型」の温泉旅館も増えてほしい

2022年7月9日
編集部:増田 剛

2022年7月9日(土) 配信

 バイクのツーリング旅も好きだが、リゾートホテルでゆったり過ごす旅も、年に数回は必要だと感じている。

 

 昨冬のクリスマスは、沖縄で過ごした。まだ暗い早朝、神奈川の家から羽田空港までの高速道路を走っていると、FMからテイラー・スウィフトの魅力的な歌声で「ラスト・クリスマス」が流れ、近年コロナ禍で薄らいでいたクリスマスムードを一気に盛り上げた。

 

 クリスマスの沖縄は風が強く、寒かった。季節外れ感がたまらなく良かった。この旅では、あちこち移動するのではなく、ホテルで4日間、オリオンビールを飲みながら、のんびり過ごすことを目的にしていた。

 

 宿泊したのは、恩納村の「ホテルムーンビーチ」。沖縄のリゾートホテルの草分け的な存在だ。予約が間際だったので、気がかりはオーシャンビューではないことだった。4日間、沖縄を訪れていながら、海の見えない客室で過ごすことを考えると、「少し退屈するのではないか」とわずかな不安もあった。

 

 

 ホテルムーンビーチの館内は広い。南国情緒あふれる植物に囲まれた空間で、到着早々オリオンビールを飲みながら、滞在中の旅の計画を立てた。あらかじめ調べておいた本部町の美味しい沖縄そばの店や、北部のコーヒー農園「ヒロ・コーヒーファーム」、アンティークショップの店を訪れるほかは何も予定がないなかで、疲労していた心身が少しずつリラックスしていくのを感じた。

 

 客室の入口にはクリスマスらしい装飾がなされていた。センスの良い室内に満足感が高まっていった。広めのバルコニーがあり、チェアに座ると、目の前には亜熱帯植物が生い茂っていた。少し肌寒さはあったが、上着を着て、バルコニーでのんびりと過ごした。

 

 

 風は海側から吹いていたので、反対側はそれほど寒さを感じなかった。

 

 これまで私は海辺の観光地に宿泊する場合、海が眺められる客室にこだわっていた。沖縄やハワイに行くなら「オーシャンビュー」という固定観念にしばられていたことを反省した。

 

 窓の外から見る海は綺麗だが、長時間眺めていると最初の感動は続かない。それに日が暮れると、真っ黒で何も見えなくなる。

 

 一方、バルコニーから見える植物は、客室の灯りやホテルのライトアップの効果もあり、さまざまな表情を見せてくれる。夜には南国の植物特有の妖しい、甘美な香りも漂い癒されていった。よく考えると、昼間にはドライブしたり、歩いたりするなかで1日中海ばかりを見ていることにも気づいた。

 

 ホテルムーンビーチの周辺には、居酒屋やレストランも散在している。滞在中、何軒かの飲食店に入り、大好きなソーメンチャンプルや、ジーマーミ豆腐、海ぶどうなどを堪能して、終わりゆく2021年の年末を楽しんだ。

 

 

 リゾートホテルの良い部分は、滞在中に退屈せずに過ごせるところだ。館内には幾つものショップやレストランがあり、その日の気分で利用できる。ビーチや庭園にもチェアがあり、好きな場所でくつろぐことができる。最近は沖縄のリゾートホテルにも温泉があり、滞在メニューが一層バラエティ豊かになった。温泉旅館も「滞在型」がもっと増えればいいと思っている。

 

(編集長・増田 剛)

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