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訪日外国人旅行者による飛行機を利用した移動を分析、インバウンド客の"空路"の動態把握が可能に

調査レポート
2025.12.17
株式会社ナビタイムジャパン
国内空港利用の増加率1位は、アジア「静岡空港」、欧米豪「那覇空港」

株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西 啓介、本社:東京都港区)のNAVITIMEデータ分析チームは、訪日外国人観光客向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況から、訪日外国人旅行者による飛行機を使った移動に関する分析結果を発表いたします。



NAVITIME分析チームでは、ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人観光客向けナビゲーションアプリの利用状況をもとに、訪日外国人旅行者の移動実態を可視化することで、インバウンド観光の動向をお伝えし、地域の魅力発信や観光の分散化によるオーバーツーリズムの緩和にも貢献できればと考えています。

訪日外国人旅行者が訪れた場所や周遊状況などの分析を行い、2024年9月から鉄道の利用駅・路線を推定する「鉄道利用動態分析」、2025年10月から乗降港や航路ごとの利用実績を分析する「船舶利用動態分析」が可能になりました。陸路、航路に続き、今回新たに、空路における訪日外国人旅行者の移動状況を把握できるようになりました。

<分析内容>
訪日外国人旅行者の市場別入国空港増加率 TOP5
 - 静岡空港
 - 那覇空港
訪日外国人旅行者の国内線利用者数 TOP5
 - 東京国際空港・成田国際空港⇔新千歳空港

集計期間
・訪日外国人旅行者の市場別入国空港増加率:2023年11月~2024年10月と2024年11月~2025年10月
・訪日外国人旅行者の国内線利用者数:2024年11月~2025年10月

分析対象:ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人旅行者観光客向けナビゲーションアプリ(『Japan Travel by NAVITIME』)から同意を得て取得したインバウンドGPSデータと属性アンケートを用いて集計しています。
・航路別の動態分析は、GPSデータから発着空港を特定し、航路別の利用実績を集計しています。

※ 本分析で取り上げる入国空港については、『Japan Travel by NAVITIME』でそれぞれの旅行期間の初日にはじめてGPS測位が確認された空港を対象としています。そのため、出入国管理統計の内容と必ずしも一致するものではありません。
※また、ランキングについて2024年11月以前に国際線が就航していなかった空港については集計の対象外としています。
※「滞在」の定義は、連続して30分以上同一1kmメッシュ内で測位が確認された状態です。


■分析結果1.
訪日外国人旅行者の市場別入国空港増加率 TOP5
2024年11月から2025年10月までの実績を、前年同月期(2023年11月から2024年10月)と比較し、入国者数が増加した空港を市場別に分析しました。

その結果、アジアでは静岡空港が、欧米豪では那覇空港が1位となりました。アジアからの旅行者については、静岡、米子、広島といった地方空港がランキングの上位を占める結果となった一方で、欧米豪からの旅行者については那覇のほか、ゴールデンルートに近い場所に位置する中部、関西、成田国際空港が上位を占める結果となりました。

※2025年12月17日追記:文中に誤りがございましたので訂正いたします。
【訂正内容】
誤:2023年11月から2024年10月までの実績を、前年同月期(2024年11月から2025年10月)と比較
正:2024年11月から2025年10月までの実績を、前年同月期(2023年11月から2024年10月)と比較




アジア、欧米豪でそれぞれ1位になった静岡空港、那覇空港から入国した旅行者について、入国後の移動や滞在状況について分析しました。


アジア1位:静岡空港

アジアからの旅行者の入国空港の増加率について、1位は静岡空港となりました。静岡空港へは2025年12月現在、韓国と中国からの直行便が就航しており、韓国・ソウル便が2025年6月から1日2往復に増便(※1)したこと、また、2024年12月から香港(※2)との直行便が新規に就航したことが利用者数の増加要因として考えられます。

※1 富士山静岡空港「静岡-ソウル線」
※2 香港からの直行便は、現在は運休中。富士山静岡空港「静岡-香港線」

静岡空港から入国した旅行者が入国後に滞在した市区町村について確認したところ、空港のある牧之原市のほか、静岡市、富士宮市、富士市など静岡県内の市町村や、山梨県の富士河口湖町での滞在が見られました。



静岡市、富士宮市でのそれぞれの滞在箇所を確認すると、富士山世界文化遺産の構成資産に登録されている三保松原、富士山本宮浅間大社、白糸の滝や富士山の眺望を楽しめる田貫湖、日本平など、富士山に関連するスポットへ訪れていることがわかります。







欧米豪1位:那覇空港

欧米豪からの旅行者の入国空港の増加率について、1位は那覇空港となりました。調査期間中、那覇空港への欧米豪からの直行便は就航していないため、ゲートウェイとなる他の空港を経由し、訪れる旅行者が増加していると考えられます。

欧米豪からの旅行者が滞在したエリアのうち、沖縄県内の滞在人数の多かったエリアを確認したところ、那覇市や北谷町、本部町などに滞在が見られました。



那覇市内での滞在エリアを見てみると、国際通り付近での滞在が確認されました。



また、本部町での滞在エリアを見てみると、美ら海水族館での滞在が確認されました。




■分析結果2.
訪日外国人旅行者の国内線利用者数 TOP5
2024年11月から2025年10月までの期間で、訪日外国人旅行者の利用が多かった国内線のランキングを集計しました。結果、東京国際空港(以下、羽田空港)・成田国際空港(以下、成田空港)と新千歳空港を結ぶ航路、羽田空港と大阪国際空港を結ぶ航路など、北海道と東京都、東京都と大阪府、大阪府と北海道を結ぶ路線がTOP5を占める結果となりました。



上位1、2位の羽田・成田空港と新千歳空港間を飛行機で移動した訪日外国人旅行者の動向について分析を実施しました。

羽田・成田空港と新千歳を飛行機で移動した訪日外国人旅行者の動向
羽田・成田空港発着の新千歳空港航路の月別の利用状況を見てみると、羽田空港発着は2025年2月に、成田空港発着は2024年12月に最も利用者が増加しており、ともに冬期の利用者が多いことがわかります。



羽田・成田空港と新千歳空港を飛行機で移動した訪日外国人旅行者のうち、往復でこの航路を利用した旅行者の飛行機利用日程について分析しました。

その結果、18.9%が、旅程の初日または二日目に羽田・成田空港から新千歳空港へ移動し、最終日またはその前日に再び新千歳空港から羽田・成田空港へ戻る旅程で移動していることが分かりました。この層は、東京を経由して、北海道での滞在を目的に来日していると考えられます。



次に、訪日外国人旅行者が国内線を利用した日程のなかで、羽田・成田空港と新千歳空港を利用するタイミングを確認しました。

羽田・成田空港発(羽田・成田空港→新千歳空港)の移動を見ると、羽田空港発39.9%、成田空港発43.6%が初日または二日目に移動していることがわかります。一方、新千歳空港発(新千歳空港→羽田・成田空港)においても、羽田空港着41.5%、成田空港着44.9%が最終日またはその前日に移動しており、旅程の最初と最後に利用が多いことがわかりました。






ナビタイムジャパンのNAVITIMEデータ分析チームでは、訪日外国人観光客の動態を明らかにする行動データ分析を通じて、日本各地の様々な魅力の発掘や地域の活性化に貢献できればと考えています。




●NAVITIMEデータ分析チームについて
ナビタイムジャパンの移動データ事業部データ分析チームでは、道路交通や公共交通、国内観光や訪日外国人について、移動に関する各種ビッグデータを活用した分析を行っています。
(HP:https://data.navitime.co.jp/
●お問い合わせ先 移動データ事業お問い合わせフォーム
https://data.navitime.co.jp/contact/


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●「インバウンドGPS」データについて
「インバウンドGPS」データとは、ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人観光客向けナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』にてユーザーの同意を得て取得された、訪日外国人観光客の移動に関するデータです。


※「NAVITIME」「インバウンドGPS」は、株式会社ナビタイムジャパンの登録商標です。
※その他、記載されている会社名や商品名等は、各社の商標又は登録商標です。
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