3年振りに浅間山の山頂へ、登頂ツアー販売

2018年9月10日(月) 配信 

山頂に立つチャンス

こもろ観光局(花岡隆理事長、長野県小諸市)は、浅間山の登山規制が2018年8月30日に緩和されたことを受け、山頂まで登ることのできる登山ツアー「はろー浅間山(前掛山)登山」を2018年9月15日(土)から行うと発表した。

 浅間山は2015年6月から、山頂火口から2㌔以内への立ち入りが規制されていたが、約3年2カ月ぶりに登頂ができるようになった。規制緩和の発表以降、例年の同時期と比べ、すでに一般の登山客は10倍以上となり、平日でも100人近い登山者が訪れているという。

 今回のツアーは、天狗温泉 浅間山荘を起点にした「浅間山コース」と、高峰高原ビジターセンターから花の百名山「黒斑山」を経て山頂へ至る「浅間山・外輪山周遊コース」の2コースを用意した。

 両コースともガイドが同行。「地元浅間山の情報を、局として常時把握しているとともに、小諸市在住の職員や引率するガイドなどが親切丁寧にサポートします。安心して参加できます」(同局)とする。

 特典も用意。とくに「浅間山登頂証明書」「ほっこり手作りスタンプラリー」「温泉入浴券」など、充実化をはかった。同局が過去に企画した山のプログラムに参加経験がある場合は、リピーターとして参加費から1千円の割引も受けることができる。

 浅間高峰観光協議会会長(天狗温泉 浅間山荘オーナー)の山崎幸浩氏は、規制緩和後の登頂について、「なんといっても、約3年間ただ眺めるだけだった所へ登れるというのは、登山者の方々にとって感慨深いものだと思います。安全面については、浅間山は日本有数の活火山だからこそ、観測体制も国内トップクラス。徹底した観測や過去の詳細な記録と照らしたなかでの規制緩和なので、安心して登ってください」と話した。

  「浅間山コース」は、天狗温泉浅間山荘→火山館→賽の河原→浅間山(前掛山)山頂(往復約9時間程度)。日程は、9月15日(土)、9月29日(土)、10月20日(土)、11月3日(土)の4日間。参加費は5800円(税込)となる。

  「浅間山・外輪山周遊コース」は、高峰高原ビジターセンター→黒斑山→Jバンド→賽の河原分岐点→浅間山(前掛山)山頂→火山館→天狗温泉浅間山荘→バスで高峰高原ビジターセンターへ(約11時間程度)。日程は、10月6日(土)で、参加費は6800円(税込)。

 両コースともに、定員20人で5日前までに要予約。

「はろー浅間山登山~浅間山コース」

はろー浅間山登山~浅間山コース(2018年9/15(土), 9/29(土), 10/20(土), 11/3(土))
http://komoro-tour.jp/blog/helloasama1/
  活きている山なので次はいつ登れるかわかりません。 |《中級者向け》はろー浅間山登山~【浅間山コース】 ♥「はろー浅間山登山!~【浅間山・外輪山周遊コース】」(期日:2018年10

「はろー浅間山登山~浅間山・外輪山周遊コース」

はろー浅間山登山~浅間山・外輪山周遊コース(2018年10月6日(土))
http://komoro-tour.jp/blog/helloasama2/
  ~活きている山なので次はいつ登れるかわかりません。 |《中級者向け》はろー浅間山登山~【浅間山・外輪山周遊コース】 ♥「はろー浅間山登山!~【浅間山・浅間山コース】」(期日:20

長野県・昼神温泉郷でユニバーサルツーリズムモニターツアー実施

2018年9月10日(月) 配信

昼神温泉郷全景

NPO法人ユニバーツーリズムながのは9月11日(火)、長野県・昼神温泉郷でユニバーサルツーリズムモニターツアーを実施する。

 ユニバーサルツーリズムながのは、全国に先駆けて、地域トラベルサポーターの養成を手がけ、実際の旅行でも多くの旅行者の手助けを行っている。今回は昼神温泉郷のモデルコース化を目指す一環として企画した。

モニターツアー概要

日程:
   9月11日(火)
   午前11:00-11:30 到着~付近の散策
   正午-午後1:30  昼食・入浴(お宿 山翠)
   午後3:00-4:00 買い物(土産品店おにひら)~帰途

来訪者:
   要介護高齢者当事者 2人
   地域トラベルサポーター 3人(福祉タクシー運転手兼務1人)
   事務局 1人

来訪の経緯と今後:
 参加者は、過去に長野県・富士見高原へ日帰り旅行した際、大浴場で入浴できたことから、今回の旅行も温泉入浴を中心に考えていたという。1人息子さんが以前、長野県・飯田市に転勤になったとき、家族旅行で昼神温泉を訪れたことがあるほか、富士見高原のある中信地域とは異なる趣の南信州に行ってみたいと思ったことから昼神温泉への旅行を希望した。
 諏訪地域を中心に、要介護高齢者や障がい者の旅、外出支援をサポートしている地域トラベルサポーターだが、南信州での活動はほとんど見受けられない。受け入れる阿智昼神観光局は「自治行で旅の支援・サポート体制が確立し、多くの人たちに安全で安心な旅が提供できるような地域を目指したい」という。

三田市、神戸電鉄ミュージアムトレイン運行へ クラウドファンディング実施

2018年9月10日(月) 配信

神戸電鉄のあゆみを振り返る

兵庫県三田市はこのほど、「三田市×神戸電鉄ミュージアムトレイン」運行プロジェクトを発表した。これに伴い同市は、ミュージアムトレイン設営などの経費の調達をクラウドファンディングを活用するとした。

 ミュージアムトレインは、三田市制施行60周年と神戸電鉄開業90周年にちなんで、旧有馬郡地域の振興を担った神戸電鉄のあゆみをテーマに、市民を含む沿線住民に広く旧郡域の連帯をアピールするのが狙い。運行期間は、11月1日(木)~12月25日(火)。4両編成1本を設定し、特製ヘッドマークを前後に掲出するほか、女性専用車両を除く3両のドア横ポスター枠32カ所と車内吊ポスター枠64カ所の計96カ所を活用し神戸電鉄のあゆみと活躍のようすをポスター展示する。これらの費用として、クラウドファンディングの目標額は75万円に設定し、目標額に達しなかった場合は市の予算の範囲内で設営する。

クラウドファンディングの概要

実施形態:達成後支援型(All or Nothing)

※予め設定した期間内に目標金額を達成しないと、支援者からの申込みはキャンセルされ全額返金。またリターンも発生しない方式。

 ファンディング期間:~10月1日(月)午後6時

目標金額:75万円(列車の設営、特別運行、返礼に要する直接経費一式)

リターン

(イ) ミュージアムトレイン出発式への招待

(ロ) 特別貸切列車(ウッディタウン中央駅発谷上駅行)の乗車と展示内覧

(ハ) 特別貸切列車の運転席及び車掌室からの展望映像を収録した特製DVD

(ニ) ミュージアムトレイン掲出ヘッドマークのミニチュアマグネット

(ホ) 記念硬券

(ヘ) 展示パネル等への篤志者お名前掲載(辞退者を除く)

支援金のコース設定:

9千円コース:限定50。6種のリターンを2セット(2人分)進呈

5千円コース:限定60。6種のリターンを1セット(1人分)進呈

4千円コース:限定150。(ハ)~(ヘ)4種類のリターン1セットを進呈

2千円コース:限定150。(ニ)~(ヘ)3種類のリターン1セットを進呈

心斎橋のホテルで和文化体験を 毎週金曜開催

2018年9月10日(月) 配信 

ワークショップで和文化体験

ワンスインは11月までの毎週金曜日に、ハートンホテル心斎橋長堀通(大阪市中央区)で、だるまの絵付けなど「和文化体験」のワークショップを開くと発表した。

 「縁起物だるまの絵付け」、「寄木細工コースター作り」、「歌舞伎マスク隈取お面の絵付け」、「和柄帯のハーバリウム作り」など、和を基調とした作品を30~40分で制作し、その場で持ち帰れるようにした。訪日外国人や宿泊客以外でも参加できる。

 ワークショップは午後6時と7時、8時の1日3回。料金は、一般の参加者は2千円(税込)で、ハートンホテル宿泊客とその友人・知人は1600円(同)となる。直接会場に行けば参加できるが、満席で入れない場合があるため、事前予約※を用意している。

 ※…「参加者名」「参加人数」「連絡先電話番号」「参加希望日・時間」「ハートンホテルに宿泊中であるかどうか」を書いて、下記のアドレスにメール

workshop@hearton.co.jp

和文化体験ワークショップ 9~11月の毎週金曜に開催 | Hearton Hotel -ハートンホ...
https://www.hearton.co.jp/workshop/

スケジュール

・縁起物だるまの絵付け体験…10月5日(金)・11月2日(金)・11月30日(金)

内容:陶器でできた貯金箱型のだるまに、絵付けをほどこす。自分好みの色で胴体を色付けして、表情を描いて、オリジナルだるまをつくる

・寄木細工コースター作り…9月14日(金)・10月12日(金)・11月9日(金)

内容:色合いの違う木材を自分好みの組み合わせで配置し、コースターを作る。伝統的な寄木細工の風合いを楽しめる作品ができあがる

・歌舞伎マスク隈取お面の絵付け体験…9月21日(金)・10月19日(金)・11月16日(金)

内容:白無地のお面に歌舞伎の独特な化粧である隈取を描き、作り上げる

・和柄帯のハーバリウム作り…9月28日(金)・10月26日(金)・11月23日(金)

内容:さまざまな花の中から好みの花材を選び、ガラス瓶の中に配置していく。瓶の周りには、着物の帯をイメージして和柄の布を飾りつけていく

ANAが北海道胆振東部地震を受け、マイル寄付を募集 義援金やセブンの輸送協力も

2018年9月10日(月) 配信

 全日本空輸(ANA)は9月6日(木)に発生した北海道胆振東部地震を受け、被災した自治体へ500万円の義援金やマイル寄付、セブン&アイホールディングス商品や物資の輸送協力などの支援を開始している。

 また、ANAとセブン&アイホールディングスは2016年12月に「緊急時物資輸送支援に関する協定」を締結している。セブン&アイホールディングスから依頼を受けた食料品や防災物品などの国内空輸を優先的に行い、無償か割引運賃で輸送協力する。輸送支援は9月6日(木)から行っている。

 マイルの寄付はANAマイレージクラブ会員に呼び掛ける。寄せられたマイルの相当額を、被災した自治体などに寄付する。1マイル(1円相当)から寄付ができ、10月31日(水)の午後11時59分まで受け付ける。申し込みは下記ANAウェブサイトから行う。

LINEトラベルjpが誕生、トラベルジェイピーとLINEトラベルがサービス統合

2018年9月10日(月) 配信

(左から)LINEO2O事業担当・藤井英雄執行役員、出澤剛社長、ベンチャーリパブリック柴田啓社長、柴田健一副社長

ベンチャーリパブリック(柴田啓社長、東京都港区)が展開する旅行情報メディア「トラベルジェイピー」と、LINE(出澤剛社長、東京都新宿区)が展開する国内外の旅行を比較して検索・予約できる総合トラベルサービス「LINEトラベル」はこのほど、サービスを統合した。ブランド名「LINEトラベルjp」のもと、新たにサービスを提供していく。

 両社は、 2018年7月11日に旅行事業分野で資本・業務提携を締結。「トラベルジェイピー」の培ってきたノウハウと「LINE」が持つ豊富なユーザーベースとを生かし、タビマエ(旅行喚起及び旅行の計画・予約フェーズ)、タビナカ(アクティビティやグルメなど旅行中のフェーズ)、タビアト(旅行後の思い出やオススメのシェアなど旅行後フェーズ)のすべてで、一気通貫してユーザーに最適な提案ができるサービスの展開を目指している。

 今回のサービス統合で、「LINEトラベルjp」(LINE版)では、 10月に国内外の航空券、 12月に国内外ツアーの検索・比較に対応し、 250以上の人気旅行サイトから最もお得なプランを「LINE」アプリ上から選択できるようになる。さらに、「トラベルジェイピー」に掲載していた、500人以上の旅の専門家(旅行ナビゲーター)による旅先各地のさまざまなガイド記事や旅行プランを、ユーザーの位置情報に応じた旅行情報としてLINEで提供していくなど、旅行中の旬な情報や新たな発見をサポートする“タビナカ領域”を強化する。

LINEトラベルjp

概要:国内外のツアー旅行や航空券、宿泊先の検索・予約、おでかけ・旅行情報の提供
リニューアル日:2018年9月5日(水)
WEB版


LINEトラベルjp(LINE版)アクセス方法:LINEアプリ内の「ウォレット」タブにある「LINEトラベルjp」を選択しアクセス

■株式会社ベンチャーリパブリック
設立:2013年8月1日(2001年創業)
本社所在地:東京都港区西麻布4-3-11泉西麻布ビル
代表者:代表取締役社長 柴田 啓、代表取締役副社長 柴田 健一
事業内容:旅行など消費者による購買活動の支援を目的としたメディア運営事業等

■LINE株式会社 
設立日:2000年9月4日(2013年4月1日 NHN Japan株式会社より商号変更)
資本金:923億6900万円(2017年12月末時点)
本社所在地:東京都新宿区新宿四丁目1番6号 JR新宿ミライナタワー23階
代表者:代表取締役社長 CEO 出澤 剛
事業内容:コミュニケーションアプリ「LINE」およびLINEプラットフォーム上で展開するコンテンツ・サービス、その他ウェブサービス事業、 AI事業の提供、運営

「味のある街」「バイオリン飾り付小箱」――ショコラティエ・エリカ(東京都港区)

2018年9月10日(月)配信 

バイオリン飾り付小箱1400円(税込)▽ショコラティエ・エリカ▽東京都港区白金台4-6-43▽電話:03(3473)1656。

私が都内で好んで歩く場所は白金台だ。「シロガネーゼ」でも有名な、高級住宅街の広がるエリアの中に、たびたび訪れる場所がある。その1つが東京都庭園美術館だ。この建物はもともと、1933(昭和8)年5月に朝香宮邸として竣工した。アール・デコの精華を積極的に取り入れ、一方で日本古来の高度な職人技を盛り込む。そしてほとんど内部を改造されないまま美術館となった。暖炉や鏡、数々の装飾が残されている居間や客室に展覧会の絵画や彫刻などが置かれる。展示品も背景も、と目が忙しくなるほどたっぷり楽しめる場所だ。近くの松岡清次郎氏が収集した松岡美術館も素晴らしい。国立科学博物館附属自然教育園もある。今も都会の中に豊かな自然が残る場所だ。園路を歩くとさまざまな植物が見られ、池や小川もある。

 この白金台の外苑西通り沿いにあるのがショコラティエ・エリカだ。チョコレートの製造から販売までを手掛ける専門店で、百貨店などでは手に入らず、この店はいつも多くの客でにぎわう。店の内外装は白とミントグリーンの2色。毎年8月は暑さでチョコレートが溶けやすいため1カ月間店を休み、9月から再開するというこだわりの店だ。自分でも買いに訪れるが、先々月、久しぶりにお土産としていただいた。

 まず目に飛び込むのはパッケージだ。いただいたのは「バイオリン飾り付小箱」。エリカのパッケージはどれも素敵だが、音符の包装紙の上に小さなバイオリンが乗ったこの小箱はとりわけかわいい。うきうきと包み紙を取り、箱を開けると一口サイズのミルクチョコレート「Diamant(ディアモン)」が入っている。銀紙をむいて口にすると、滑らかな口触りが、手のかかったものであることを伝える。上品な甘さも心地いい。もう一つと手が伸びるチョコレートだ。エリカにはマシュマロとクルミの入った1番人気の「マ・ボンヌ」など、ほかにもいくつもの種類のチョコレートがある。白金台を歩き、帰りに今度は自分でエリカのチョコレートを買って帰る……この秋の楽しみな予定ができた。                    (トラベルキャスター)

 

コラムニスト紹介

トラベルキャスター 津田令子氏

社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「登録有形文化財 浪漫の宿めぐり(89)」(新潟県出雲崎町) 季節宿 國安 ≪愛犬と泊まれる茅葺屋根の古民家≫

2018年9月9日(日)配信 

旅館らしくない趣きが客を引き付ける。茅葺屋根は手入れが欠かせない

周囲に水田の続く道から急坂を登ると、杉木立に囲まれた茅葺屋根の一軒家があった。季節宿國安は、古い農家のたたずまいであった。宿泊客が「田舎のおばあちゃんの家みたい」と感想を漏らすこともあるそうだ。

 宿の開業は2002年だが、建物は1884(明治17)年の建築。農家の住宅だったものを、現在の主人である國安誠人さんが入手した。主屋は間口約14・5㍍、奥行約10㍍あり、寄棟造。それに台所などの水回りや作業室が付随し、正面に玄関が付けられている。茅葺屋根は主屋をすっぽりと覆い、厚みのある茅は深いところで1・8㍍もあるという。主屋のほか前面に建つ土蔵も登録有形文化財で、別棟で居室でもある物置は出雲崎町の有形文化財になっている。

 玄関を入るとレンガ敷きの土間が広がり、天井には煤けた茅葺の高い小屋組みが見える。土間の奥にある18畳分の板の間が居間。桐の古箪笥や古時計、呉須の磁器椀などがあり、クラシックムードを醸し出す。

 建物の特徴がもっとも感じられるのは、食事処として使われている広間だろう。15畳の広さに囲炉裏が切られ、太い梁が見える天井は高さが約5㍍。國安さんも第一にこの部屋の雰囲気が気に入ったという。幅が52㌢もある長押の上部に天井まで白壁が延び、白壁の補強材である「差し」と呼ぶ横桟はデザイン上も美しい。高い天井を支える6本の大黒柱は、一辺が27㌢もある角柱だ。つやのある板戸などの建具は建築時からのものといわれ、重ねた年月が感じられていい。当初の持ち主が建具屋だったという話に納得する。

 客室はカギ型に広間を囲むように3室あるが、「奥の2間」と呼ぶ2室はふすま仕切りのため1客で利用する。「2間」ともみごとな床の間と床脇があり、東寄りの1室は10畳で、天井高が4㍍ほど。幅一間半(約2・7㍍)の板床に磨き丸太の床柱がついた数寄屋造りだ。もう1室は板の間に畳を置いてあるが、組子の書院障子がはめ込まれた書院造りになっている。 

 主人の國安さんは東京生まれで書籍などの編集業務に携わっていたが、自然を求めて神奈川県の相模湖付近に転居。その後に各地で古民家を探し、現在の建物を購入した。旅館業を始めたのは、以前から自宅に友人を泊めるなど「宿のようなこと」をしていたから。料理屋で働いた経験もあり、料理を作るのに抵抗もない。日本酒、焼酎、自家製果実酒などもそろえ、「泊まれる居酒屋」と笑う。冬以外に半年ほど開業する季節営業だ。

 そして大きな犬が好きなため、大型犬と一緒に泊まれる宿にした。ただし、トイレトレーニングなどしつけのされていることが条件。広間や台所など犬が入室できない場所もある。

 さまざまな酒と個性的な食があり、愛犬と泊まれる茅葺の古民家。他に例を見ない文化財の宿である。

 

コラムニスト紹介

旅のルポライター 土井 正和氏

旅のルポライター。全国各地を取材し、フリーで旅の雑誌や新聞、旅行図書などに執筆活動をする。温泉、町並み、食べもの、山歩きといった旅全般を紹介するが、とくに現代日本を作る力となった「近代化遺産」や、それらを保全した「登録有形文化財」に関心が強い。著書に「温泉名山1日トレッキング」ほか。

 

「街のデッサン(209)」友達猫の悲話 マタイ伝

2018年9月8日(土) 配信

跨いでくつろぐマタイちゃん

 昨年の夏のことであるが、鎌倉の私が暮らす極楽寺からよくテレビの舞台に使われることで人気のある「坂の下」という地域に下っていくルートを、いつものように散歩をした。極楽寺の高台からはいくつかの散歩ルートを設定しているが、稲村ケ崎に降りて江の島の遠景が望める海岸沿いコース、西田幾多郎の住まいのあった山側のコース、それに江ノ電の極楽寺駅裏になる月影地蔵に向かうコースと、多様である。しかし、坂の下の住宅地が密集する路地の多いルートを割合に愛好するのは、その住宅地の1軒に愛嬌のある猫が玄関わきで転がっている姿に出会える期待があるからである。

 その日も坂の下コースに足を向けたのであるが、くだんの家の前に差し掛かると、ちゃんと私を待ち構えるようにいた、いた。しかも、ブロック塀の天辺に足を跨ぐようにして寛いでいるのである。「やあ、今日は暑くてかなわないのでこうやってブロックを跨いで涼んでいるのさ」と彼はニャアニャアといっているのであるが、意味はそんな内容であろう。そのいかにも猫おじさんスタイルの寛ぎように思わず笑ってしまった。近づいて行っても逃げもせずに頭を撫でさせてくれた。大きなあくびをし、私を仲間と信頼しているようで嬉しかった。茶斑の和猫で、確かな血統を誇るほどでもなさそうだが、人生を哲学的に楽しんでいる風が気に入った。さっそく彼の名前を考えたが、そうだ「マタイちゃん」にしようと自然に浮かんだ。イエス・キリストの弟子マタイは「神の賜物」の意味を持つそうだが、そんな大そうなものではなくただ塀の跨ぎ方が絶妙だったからである。

 先日、久しぶりで路地コースの散歩を楽しんでいるとマタイちゃんの家の前で、飼い主のママと一緒に居るところに出会った。マタイちゃんはやはり塀の上で寝そべっている。

 マタイちゃんのママには初めてお会いしたので、本当の名前を聞いてみた。「貰いに行った帰りに、車のボンネットの中に入り込んで苦労して引っ張り出すと、『ミュー』と泣いたんで、名前はミューですよ」と教えてくれた。続けて「この子は8歳になったんですが最近すっかり縄張りを無くしちゃってね、家の前と目の前の林しか行けないんです。体の小さな他所猫に喧嘩で負けてしまって」。それを聞いていたマタイちゃんは、いたたまれず塀から降りて玄関に引っ込んでしまった。玄関の奥でしきりに懺悔しているマタイちゃんを、私は気の毒に思えてならなかった。

(エッセイスト 望月 照彦)

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(92) お客様の声を活かしておもてなし 「目的をしっかりと検討して」

2018年9月8日(土) 配信 

目的をしっかりと検討して

 「お客様の声を聞く」ということは、サービス業にはとても大切なことです。しかし、そのやり方をみると、不十分だと言わざるを得ません。

 アンケートを取っている施設は多くありますが、そのアンケートは十分に活用できていません。それは、アンケートを始めた理由にあります。他館もやっているからと、多くは他館のアンケートを参考にしながら作られています。

 アンケートの取り方も「よろしくお願いします」と手渡されることはほとんどなく、部屋に置かれているだけです。これでは、わざわざ書く人は少ないでしょう。

 そこで、アンケート回答者を増やすために、プレゼントやポイント付与があったりします。

 より多くの声を聞くことは大切ですが、アンケートを集めることが目的になってしまってはいけません。アンケートは、なぜするのか、何に使うのか、という目的をしっかりと検討してから導入すべきものです。

 目的の1つは、準備したサービスでお客様が満足されたのかどうかのチェックです。お客様の声から、現状認識と改善を加えていくツールとして大切なものです。毎日顔晴っているスタッフたちのやりがいにもつながるでしょう。

 また、アンケート内容をホームページなどで公開すれば、今後利用を検討される人たちの参考にもなります。しかし、これだけでは、わざわざ大切な時間を使って書いたお客様のメリットにはなりません。アンケートを回答されたお客様には、もう1つの機会を捉えて、お客様の声を聞くことが必要です。

 それは事前の問い合わせや予約時です。アンケートはあくまで利用体験をした人の声です。しかし、これから利用する人の声を聞くことで、そのお客様の満足度を個別に高めることができ、リピーターを能動的に創り出していく戦略としても非常に大切です。これを実施している企業の満足度は非常に高く、かつリピーターも多いのです。

 「どのような目的で利用するのか」「期待していることは何か」など事前に分かれば、最幸のおもてなしの準備ができます。真のおもてなしとは、そのかけた手間や時間なのです。

 アンケートに回答していただいたお客様に返事を出すのも大切ですが、その時間を次の確約をもらえるようなサービスに使うことが効率的です。お客様の声を事前に聞き、現場で最幸のおもてなし準備をし、その実行で感動を提供する。さらに、その手間をかけたおもてなしが十分だったのかをアンケートで伺い、次のサービスの向上を目指す。お客様の声を活かすとは、この循環を創ることなのです。

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。