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【特集No.577】観光客の安心・安全を支える 防災商品で事前の備えを

2021年3月19日
編集部:入江千恵子

2021年3月19日(金) 配信

 阪神・淡路大震災から26年、東日本大震災から10年の月日が過ぎた。近年は集中豪雨、落雷などによる気象災害も増え、日本は自然が豊かである一方で災害の多い国でもある。多くの観光客を受け入れるホテルや旅館、観光施設、自治体の建物などは、被災時に避難場所として活用されることもあり、日ごろから避難生活に備える対策が不可欠だ。今回は観光業界の防災意識向上をはかるため、防災商品を取り扱う2社の製品を紹介する。

【入江 千恵子】

空気から飲料水を生成

アクアムの空気製水機

1日で200㍑(66人分)を製水

 “空気から水をつくる”技術を生かすスタートアップ企業のAQUAM(アクアム、河﨑悠有社長、東京都港区)は、空気中の水分を集めて飲料水を生成する空気製水機を製造・販売している。

 インタビューに応じた河﨑社長は「災害時や断水時に飲料水を確保できるのが一番のメリット」と話す。災害の多い日本での活用のほか、きれいな水が飲めない国や地域で役立ててもらいたいとの思いから、2017年に事業をスタートさせた。

 水源は、空気中の水蒸気だ。高性能フィルターで空気中の汚れを除去後、冷却器で空気を冷やすことで空気中の水分を効率よく吸着する。その後、活性炭とRO逆浸透膜でろ過し、バイオミネラルフィルターでミネラルを添加することで軟水の飲料水が完成する。

 電気があれば製水可能で、停電・断水時も発電機や太陽光電池パネルの発電システム、蓄電池を組み合わせることで稼働できる。

 20年に販売を開始した中型機「AQ―200JP」は1時間で8㍑、1日で200㍑の飲料水を作ることができる(気温27度、湿度60%時)。1日に1人3㍑の水を必要とした場合、66人分に相当する。製水機を事前に設置しておくことで、災害時に道路の寸断などで救援物資が届かない場合でも飲料水の確保が可能になる。サイズは、幅1・45㍍×奥行0・51㍍×高さ1・74㍍。稼動中は除湿と空気清浄の効果もある。

 昨年3月に同機を設置した高知県・中土佐町の指定避難所「久礼小学校」は、平時でも児童が製水機の水を飲用しているという。今年3月18日には、福岡県中間市役所が試験導入した。……

【全文は、本紙1827号または3月25日(木)以降、日経テレコン21でお読みいただけます】

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