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【石垣市観光交流協会・大松宏昭会長に聞く】量から質への転換を 長期滞在型を目指す

2018年11月26日
関西支社:土橋 孝秀

2018年11月26日(月)配信

 沖縄県の石垣市観光交流協会の会長に今年5月、大松宏昭氏(八重山観光フェリー社長)が就任。石垣島など八重山諸島の昨年の入域観光客数は138万人超と過去最高を記録し、今後もさらに伸びると予測される。そこで現状の課題や、今後の展望について聞いた。

【関西支社=土橋 孝秀】

大松宏昭会長

 ――入域観光客数が絶好調だが現状について。

 昨年の八重山入域観光客数は前年比11・1%増の138万6646人を記録した。今年は140万人を超える見込みで、141万人になるという予測値が出ている。インバウンドがとくに好調で、海外航空路線の増便やクルーズ船の寄港回数増加が数字を押し上げている。そういったなか、今後、観光客数という数字だけを追い求めるのではなく、「質の向上」が急務だと感じている。来ていただいたお客様にいかに満足していただけるか。ブームや一過性のものではなく、将来に向け継続できる観光地にするためには、やはり量から質への転換が重要だ。

 ――質の向上に向けて。

 例えば協会では数年前から星空マイスター養成の講座を実施している。島のホテルや観光施設のスタッフに参加してもらい、試験に合格すればマイスターに認定。それぞれの職場で観光客に八重山の星空の魅力を案内してもらおうという目的だ。今春には国内初の「星空保護区」に認定され、八重山の星空のブランド化が進んでいる。

 定番の離島観光ツアーでは付加価値を高めることが重要だ。私の会社で実施し好評を得ているのが添乗員同行のツアー。離島周遊をアテンドするなかでいろいろなコミュニケーションをとり、お客様に安心・安全を提供することで、離島めぐりが「人と交流するツアー」に昇華した。量から質への転換は簡単ではないが、地道な取り組みを継続していくことに尽きる。

 ――インバウンド戦略は。

 協会として現在、ヨーロッパ市場でのプロモーションを強化している。アジアからのクルーズ船は朝入ってきて、夕方には帰るという通過型観光だ。もちろんそれも大事だが、宿泊型・長期滞在型を目指そうとしている。ヨーロッパからの観光客は消費単価が高く、滞在は少なくても1週間以上。折しも島内では高級リゾートホテルの増築や新規オープン計画が進んでいる。外国からの富裕層が入ってくることも今後想定される。国内観光需要が縮小傾向にあるなか、沖縄観光コンベンションビューローなどとも連携した誘客プロモーションに注力していきたい。

 ――地元の観光への理解は。

 大型商業施設にクルーズ船の観光客がどっと押し寄せ、それを避ける島民から「観光客増えすぎじゃない?」という声も聞こえる。しかし、八重山の経済は観光産業がベースにある。観光産業は裾野が広く、石垣牛をはじめ農水産物が売れるのも観光客が島で消費していただけるから。そのあたりも理解を求めていきたい。

 ――今後の展望は。

 西表島を含めた世界自然遺産候補の2020年の再推薦が決まった。決定すれば八重山全体の認知度が上がるだろう。

 新石垣空港は開港から5年が経過し、観光産業の拡大に対して、手狭な部分がでてきている。国際線ターミナルの拡張や滑走路の延伸などが市で協議されている。

 協会としては引き続き、東名阪といった国内主要都市でのプロモーションを実施し、国内誘客をベースにしながら、インバウンド戦略を展開していきたい。

 

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