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四季彩一力が、創業100周年 「本当に喜ばれるサービスを模索する」【PR】

2018年5月21日
編集部

2018年5月21日(月) 配信

四季彩一力が100周年を迎える(クリックで拡大、年表はページ下部からでもご覧いただけます)

四季彩一力が5月20日(日)、創業から100周年を迎えた。大正から昭和、平成とさまざまな世相を知る福島県・磐梯熱海温泉を代表する老舗旅館。皇族のほか、国賓や政治家、文化人らをもてなし、各界の名士にとって寛ぎの場所としても名高い。大きな節目に当たって、小口憲太朗代表取締役社長に話を聞いた。歳月を振り返るとともに、宿や地域の観光産業に対する思いについても語ってくれた。

本当に喜ばれるサービスを模索する

時代に振り回されない

小口 憲太朗 氏
四季彩一力 代表取締役社長
1965年生まれ。東京大学工学部卒業
93年に一力旅館に入社、2009年より現職
福島県旅館ホテル生活衛生同業組合 常務理事

 「お客様やお取引先、日々送客に注力してくださる旅行会社、皆様に支えられて100周年を迎えることができました。深く感謝しています。これからも、地域に根付く老舗宿としての役割をしっかり果たしていきたいと考えています。倍旧のお引き立てを賜われるよう努力を重ねて参ります」(小口憲太朗社長)。

 関係者一人ひとりの顔や、これまでの歴史について思いを馳せているのだろうか。100周年に当って尋ねたところ、小口社長はゆっくりと感謝の言葉を口にした。昭和天皇皇后両陛下の御行幸啓時の宿泊先として2回(1970、84年)、2015年には安倍首相による英国ケンブリッジ公爵ウィリアム王子の歓迎晩餐会場としても利用され、福島県のみならず、日本を代表する旅館の地位も、歳月のなかで確立してきた。

 一方、インバウンドや民泊など旅のスタイルが変わりつつある現代は、幾多の時代・困難を乗り越えてきた老舗旅館にとっても楽観視が難しいという。観光業界全体が大きな過渡期に立たされるなか、小口社長は次のように強調する。

 「大切なものを見極めたうえで、経営判断を行っていきたいという信念を持っています。利益だけを追求するビジネスは、他にいくらでもあります。旅行会社や地域と三方良しの関係を維持していくためにも、お客様と接し、もてなし、その声に耳を傾ける宿だからこそできる商いを続けていきたいと考えているのです」。

 旅行会社や地域の協力なくして、宿はサービスを提供することはできない。旅行会社と地域事業者・住民は欠かすことのできない大切なパートナーなのだ。旅行会社が客の送り手であるならば、宿は地域で受入体制を牽引する存在。関わる企業や事業者らが潤う最適な環境づくりも、老舗旅館には求められている。

 「短期間で大きな利益を出したからといって、宿を支えてくれるパートナーの皆様を幸せにできるとは限りません。宿とは、〝厳しいときをしっかり耐えられる〟ものでなくてはいけないという考えを持っているのです」(小口社長)。

 時代に振り回されず、関係者一人ひとりを幸せにする環境づくりこそ、老舗旅館の果たすべき役割であり、真価だという小口社長。次の100年に向け、地域や旅行会社との絆を深めつつ、四季彩一力独自の手法で、顧客獲得と人材育成に注力していく必要があるとみる。地域との関係をめぐって、次のように語った。

地域に寄与する旅館として

 「インバウンドが3千万人に迫る勢いを見せるなか、交流人口の増加によって地域経済を発展させる施策に注目が集まっています。これは旅館が、何百年も前から行ってきたことです。来訪者の声に耳を傾け、地元で採れた作物で喜ばれる料理をつくる。調理・加工することで、地元農作物の消費を促してきたのです」。

 四季彩一力は近年、台湾を中心にインバウンドの取り込みにも注力してきた。グローバル化を見据えた取り組みを進めているものの、仕入れに関してはあくまで地元ファーストを貫いてきた。

 「来訪者による消費を地元に波及させる仕組みがなければ、地域経済が干からびてしまいます。当旅館では長年にわたって、朝食が高く評価されてきました。クオリティが高く、美味しい農作物を生産する地元の方々の協力があってのことです。我われ一軒を、多くの方が一体となって支えてくださっているからこそ、100周年を迎えることができました。今後も信頼を裏切らないよう商いを続けていきます」(小口社長)。

 事業者だけでなく、近隣住民との交流にも注力してきた。先代社長で、現会長の小口潔子女将は、取引先が集う会員組織〈水月会〉と協力して「一力えんにち」や盆踊りを長年主催してきた。屋台や夜店を並べ、冷蔵庫・テレビ・洗濯機・自転車などの賞品も用意。郡山市全域から参加者を集める一大イベントになっていたという。

 「地域に対する思いを継承し、出会いや交流によって生まれる縁を大切にしています。今から30年前、70周年を記念した催しに薪能を行いました。実は、5月28日の100周年記念式典には30年前に小鼓方を務めた方のご子息で宗家を継いだ方に演じていただきます」(小口社長)。

 歳月のなかで培ったつながりこそ、四季彩一力にとっての宝。長年続く地域との関係にも当てはまることだ。

旅行会社との連携一層の強化を

 「東日本大震災後、社内会議を当館で開いていただくなど、旅行会社各社の皆様には日頃以上の支援をいただきました。復興をサポートしていただくなかで、受入サイドの我われは、ホスピタリティやプランの品質をもっと高める必要があることを痛感しました。一方的に甘えてばかりではいけないからです。風評被害は根強く、ハンデを抱えていることも事実です。福島県を、今まで以上に選ばれるデスティネーションとするためにはどうすれば良いのか? 難しい課題ですが、宿泊施設である我われが、旅行会社の皆様と協力してことに当たるべきだと考えています」(小口社長)。

 JTB協定旅館ホテル連盟東北支部連合会の会長で、東北観光推進機構の理事も務める小口社長。宿と旅行会社双方が密にコミュニケーションを取ることで、来訪者の需要把握・創出も加速するとみる。

 「着地型商品への期待や、地域の観光を牽引するDMO(デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)の興隆など、地域と旅行会社双方が、数だけではなく観光商品のクオリティも重視する姿勢を持つようになりました。来訪者であるお客様のためにできることは何かを一緒に考え、協業することで課題に臨みたいですね」。

顧客獲得と人材育成双方を重んじる

 単価の高い高級旅館ということもあり、ミドル層の団体旅行を中心に取り込みに傾注してきた四季彩一力。団体と個人旅行客の比率は拮抗しているものの、ブライダル事業を軸に、個人市場の開拓も進めている。

 「若女将(小口正子取締役)が主幹となって、ブライダル事業を立ち上げました。宿のシンボル日本庭園〈水月園〉を生かした挙式やセレモニーは四季折々の花や緑・紅葉と相まって『ここにしかない』印象的な色鮮やかさで、和婚ブームに先駆けて大変好評をいただいております。昼・夕それぞれ1組だけの貸切フルオーダーメイド式で、ご希望に沿ったご提案をしております。ご婚礼の後にゆっくりとお泊りいただくなど、相乗効果も表れています。御婚礼をきっかけに結婚記念日やご家族の御祝い事にも引き続き末永くご利用いただいております」(小口社長)。

 3世代に渡って利用する得意客など、四季彩一力に魅了されたリピーターはこれまでも、尽きることがなかった。個人旅行全盛のなか、四季彩一力ではブライダル事業を通じ、新たなファン層の獲得・育成にも励んでいる。

 「リピーターのお客様は、旅行会社やお取引先の皆様と同じく当館にとって、とても大切な存在です。これからも愛されるコンテンツづくりと質の高いホスピタリティを提供していく考えです」(小口社長)。

 高品質のコンテンツづくりと並行して、人材育成にも重きを置いてきた。経営理念、いわゆるクレドを定めず、持ち味や能力の異なるスタッフ一人ひとりの個性を生かしたホスピタリティも、根強いリピーターを生むキッカケとなっている。

 「働きやすさは、お客様にとって居心地の良さにつながるものです。経営や生産性の面で無駄が多いという方もいるかもしれません。しかし、スタッフの感性を重んじることは、お客様の持つ個々のニーズを把握し、本当に喜ばれるサービスを模索するために不可欠な要素だと捉えています。定められた目標のために働くのではなく、お客様が喜ぶために何をすれば良いのかと自ら目標を決め、日々の業務に勤しむことができるからです。70人のスタッフがおりますが、高い定着率を保ってきました」(小口社長)。

 100年に渡って愛されてきた四季彩一力。人間味溢れるサービスの提供を通じ、地域や旅行会社とともに新たな歴史を歩んでいく。

四季彩一力、100周年記念年表クリックで拡大

□広告特集

企画・制作=旅行新聞新社 企画営業部 (2018年5月11・21日付合併号1712号5面に掲載)

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