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「トラベルスクエア」ホテルでもブライダルできるの?

2018年4月21日(日) 配信 

ホテルでのブライダルを知らない世代も

 宿泊業論という大学1、2年生向きの授業を受け持っている。宿泊業が対象の講座ゆえ、ホテル業と旅館業、その両方について基礎の基礎みたいなことを教えている。

 第1回は軽くホテル業って何を売るところ? という設問でスタート。

 当然、寝るところ、という返事は返ってくるのだけれど、他にどんなことができる? と再度問いかけてもはかばかしい返事がない。

 そこでホテルは泊まるためにお部屋を準備する宿泊部門と、レストランなど外食産業部門、それに集会や宴会などを売るバンケット部門というのがあって、皆さんが大好きなブライダル部門なんていうのも、この中にあるんだよ、と教えたりするわけだ。

 授業後、コメントシートを回収すると、びっくりするような回答が混じっている。たとえば、「ブライダルってホテルでもやれるんですか~」とか「ホテルにブライダルコーディネーターさんがいるなんて初めて知りました」というような。

 プロの方々には信じられないかもしれないが、高校生から上がってきたばかりの大学1、2年生などは、その程度の認識なのである。こういう感想が十枚どころじゃきかないことを知らせたい。

 彼女たちにとって、ブライダルはどこかの専門会館、ハウスで挙げるもので、ホテルなんて関係ないみたいに思い込んでいるふしがある。

 結構、こういうのって、ホテル業にとって大問題ではないかと思う。僕たち、ホテルに長く親しんでいる者にはホテルブライダルが常識だが、若い層にその認識が浸透していない。というより、単純に知らないのである。

 ホテル業も旅館業も、どうもティーンズマーケットへのアプローチが足りなさすぎると思う。ホテルは値段が高くて別世界のものという感じになって、すごく縁遠い存在になってきている。

 ホテルに憧れてもらおうと思っても、ロビーにすら一歩も踏み入れたことがない、というのでは話にならない。

 シティホテルの年間ブライダル獲得組数が年々、下降線を辿っているが、これは婚礼予備軍の絶対的人口不足のせいだけではないと思う。ホテルそのものの存在意義を若い層に知らしめる努力不足の結果ではないかと思う。

 商売は3つの「せ」で成り立っている。「知らせ」「来させ」「使わせ」だ。このうちのいちばん最初の「知らせ」が最重要だ。だって、どんなにいいものを作っても知ってもらわなければ買っていただくことなどできないのだから。だからこそ、これからのホテルマーケティングはティーンズに対しても「知らせ」「来させ」までしっかり企画をたてて誘客することが必要と痛感する。「使わせ」はその次にくる課題だ。

(跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授 松坂 健)

 

コラムニスト紹介

松坂健氏

跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年から跡見学園女子大学教授、現職。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

 

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