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釜石市が観光誘致に本腰 3月にDMO候補、4月に楽天と包括連携

2018年4月4日(水) 配信

釜石大観音と、釜石湾。日本の近代化に寄与した製鉄業の資料を収集公開する鉄の博物館(釜石市)より。2016年10月、記者撮影

釜石市(岩手県)が観光誘致に本腰を入れた。3月30日(金)には日本版DMO候補法人〈かまいしDMC釜石オープン・フィールド・ミュージアム(仮称)〉の登録を済ませ、来年3月には日本版DMOへの申請を予定する。4人の専任スタッフが1年掛け、ローカル事業者のサポート体制を確立していく。民間企業との連携も、積極的に取っていく方針だ。

 本紙の取材に対し、地域事業者による会員組織の設立については未だ検討段階。最終的なビジョンとしてはあるものの、まずは関連ローカル事業者、行政部署との連携を密にする体制づくりに励む。一口に関連企業といっても、旅館や土産物など商いによって課題も異なるため、しっかりしたコミュニケーションのとれる仕組みづくりが先決とみる。

 民間企業との連携については、市が中心となって楽天グループとの関係強化に取り組んでおり、DMO組織でも、その包括連携協定を活用していきたいとの考えを示した。

 4月4日(水)には、釜石市と楽天グループとの連携協定締結に関する説明会が、東京都内で行われた。野田武則市長と、楽天の中村晃一上級執行役員、Voyagin(ボヤジン)の高橋理志代表、楽天LIFULL STAY(楽天ライフルステイ)の太田宗克社長が出席。連携の意図や、具体的な取り組みについて説明した。

 「東日本大震災から7年。住居再建の見通しが立つなか、地元経済への波及効果を実現し、持続可能なまちとなるよう、ソフト面での整備も行っていきたい」と語った野田市長。キャッシュレス決済や、民泊、海外向けオプショナルツアー販売で強みを持つ楽天グループのノウハウを取り入れることで、消費増に結びつくソフトインフラ整備に注力していく。

楽天グループと包括連携

(左から)ボヤジンの高橋代表、釜石市の野田市長、楽天の中村上級執行役員、楽天ライフルステイの太田社長

 楽天カードや楽天Edyなど、好調なフィンテック事業を牽引する「カード&ペイメントカンパニー」の責任者でもある中村上級執行役員。「世の中で一番広く使われ、支持されている楽天サービスを釜石市の発展に役立てていきたい。インバウンドの取り込みでも力を発揮する決済サービスを提供することで、消費増にも寄与できる」と強調した。楽天カード会員数は1500万人を超え、取扱額は6兆円を(2017年通年)突破した。台湾楽天カードなど、東北への来訪が増加傾向にある海外エリアでの知名度も高まっている。まずは、釜石商工会議所の会員(200弱)店舗への、決済サービス(楽天ペイ)の導入に着手する。

 2019年に開催するラグビーワールドカップによる来訪者増を見据え、長期滞在と消費増の仕組みを実現することが同連携の目的の1つでもある。地域の特産品やお土産など、買いたいものをその場ですぐ買える仕組みを整えることで、ローカル事業者の収入アップをサポートする。

釜石市と楽天グループの連携内容

 観光や宿泊分野については、ボヤジン(高橋代表)と楽天ライフルステイ(太田社長)(ともに楽天グループ)のアセットを活用する。ボヤジンは、海外向け体験型商品の開発・販売で実績を持つ。月間の成約数は5万件にも上る体験商品販売の一大プラットフォーマーだ。日本政府観光局(JNTO)とも協力関係にあり、近年は富裕層の取り込みでも活躍している。

 高橋代表は、「ワールドカップの観戦だけでは長期滞在は望めない。長期滞在と消費額増を実現するために、体験型コンテンツを発掘し生かしたい」と語った。外国人の視線に立った商品開発が同社の強み。市と連携することで、魅力的でディープな体験商品の造成に期待が掛かる。

釜石市での取り組みイメージ(ボヤジン)

 昨年の立ち上げ以来、海外プラットフォーマーやOTA(オンライン旅行会社)と積極的な提携を進めてきた楽天ライフルステイ。合法民泊を標語に、地域の空き家活用にも力を入れている。ブッキングドットコムや、ホーム・アウェイ、楽天トラベルなどさまざまな販路を持ち、住宅宿泊事業法(民泊法)の施行後に本格的にサービスを展開する予定だ。同連携では、空き家活用や観光コンテンツづくり面で協力。観光需要や、市内の雇用創出に寄与する。

釜石市での取り組みイメージ(楽天ライフルステイ)

 ラグビーワールドカップ開催後の展開も念頭に計画を立てている。楽天の中村上級執行役員は、「インバウンドに使ってもらうだけでなく、地域全体での活用も視野に入れている。地域事業者と協力することで、リピート率の増加などを期待できる」と、長期間に渡って、継続的な事業展開を進めていく考えを示した。

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