「喫茶店」の倒産、2年ぶりに減少(2026年1~5月)帝国データバンク調べ
2026年6月19日(金) 配信

帝国データバンクによると、2026年1~5月に発生した「喫茶店」の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は24件だった。1~5月累計として3年連続で20件台と高水準だが、2年ぶりに減少に転じたほか、過去最多だった23年(年間72件、1~5月33件)に比べても低い水準で推移しており、「このペースが続いた場合、年間では2年ぶりに前年を下回る可能性がある」とみる。
喫茶店の経営では、喫茶店向けで主流の高級品種「アラビカ種」など、コーヒー豆の高騰が経営を圧迫してきたほか、サイドメニューの原材料となるパンや牛乳、卵などの価格も上昇。加えて、店主の高齢化、電気・ガス代、アルバイト代などのコスト高にも直面している。
また、大手カフェチェーンや、低価格・高品質なドリップコーヒーを展開するコンビニエンスストア、安価でWi-Fi環境の整ったファストフード店との競争もあり、「中小喫茶店の経営環境は依然として厳しい状況が続いている」(帝国データバンク)。
ただし、喫茶店経営の業績動向では、25年度の損益動向(純損益ベース、4月時点)では、「増益」が35・7%を占めた。前年度(43・4%)に比べると見劣りがするものの、23年度(増益29・1%)と比べると大幅に改善し、「コロナ禍以降は安定して黒字を確保する喫茶店が目立ってきた」(帝国データバンク)としながら、「こうした喫茶店経営では、大手チェーンから中小喫茶店まで、コーヒー単体で粗利を確保するのではなく、『空間・体験の価値の提供』へシフトする傾向が鮮明」と分析する。
利益率が高くSNS映えも狙えるフードメニューの拡充や、訪日客を中心に根強い人気がある抹茶など「ティーカフェ」業態の展開で客単価の引き上げにも成功している店舗もある。
一方で、「赤字」や「減益」となった割合は前年度から上昇し、喫茶店の二極化も進む。
足元では、セルフサービス式の大手カフェチェーンの寡占化が進むほか、眼鏡チェーンなど、他業態がライフスタイル提案型カフェとして新たに参入するなど、市場拡大のなかで滞在型の喫茶店はレッドオーシャンへと変わりつつある状況のなか、レポートでは、「『コーヒーを楽しむ場』としての喫茶店はどうあるべきか、存在意義が問われている」と結んでいる。



