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群馬県観光物産国際協会・上原克之専務理事インタビュー 新しい関係性を生み出す

2026年2月3日
編集部:増田 剛

2026年2月3日(火)配信

上原 克之(うえはら・かつゆき)氏
 1986年に群馬県庁入庁。2018年世界遺産課長、20年教育委員会総務課長、21年群馬県公立大学法人理事を経て、23年に群馬県観光物産国際協会専務理事に就任。

 群馬県観光物産国際協会(岩﨑真人理事長)は、「ワクワクできるGUNMAを未来につなぐ」をビジョンとする第一期中期経営計画を2025年1月に策定し、「持続可能な観光」への取り組みがスタートしている。20年後を見据え、組織の大改革も行った。新体制では、一緒に汗をかいて働いていく若い世代がメンバーに加わり、さまざまな交流の機会や新たな関係性を生み出す取り組みも進んでいる。同協会の上原克之専務理事に詳しく聞いた。

【増田 剛】

 ――群馬県観光物産国際協会とはどのような組織でしょうか。

 1990(平成2)年に設立された群馬県国際交流協会が前身で、2007(平成19)年に同協会を母体として、県の観光開発公社、観光協会、温泉旅館協同組合が再編・統合され、観光国際協会が設立しました。

 その後、物産振興協会の業務を移管して、12(平成24)年に財団法人群馬県観光物産国際協会となり、翌13年に公益法人に移行しました。

 18年には「日本版DMO」(現・観光地域づくり法人)として登録されており、群馬県内の7つの地域DMOとの連携によってさまざまな事業を進めています。

 ――県との関係は。

 地域や行政の財源が厳しい状況で、県からも継続的かつ投資に見合う効果的な観光事業の推進が求められています。

 県は行政の宿命として2―3年で担当が変わるため、せっかく習得したノウハウの蓄積や、人とのつながりを継続していくことは難しい。

 このため観光の基本計画や、基盤整備といった大きな枠組みは県に示していただき、その方針に沿ったプロモーションやコンテンツの創出、さらにはノウハウの蓄積によるシンクタンクの役割といった専門性の高い業務は、当協会に移管されています。また行政は公平性を重んじる立場にありますが、当協会であれば、地域で頑張っている個々の事業者を積極的に支援することも可能で、県と協会は明確に役割分担されています。

 ――2025年1月に「第一期中期経営計画」を策定されました。

 従来の理事会と評議員会は、観光関係団体のトップの方々で組織され、双方がほぼ同じ顔ぶれでした。

 そこで24年9月に理事を改選し、持続可能な観光を創っていくポリシーのもとに、組織を大きく変革しました。20年後を見据え、スタートアップ企業のトップら若い世代を中心に一緒に汗をかいて働いていける方々を選ばせていただきました。

 理事や評議員からさまざまな意見やアイデアが活発に出され、第一期中期経営計画の策定も短期間でしっかりとした方向性を出しました。

 この中期経営計画は、目先の利益ではなく、長いスパンで物事を発想して、持続可能な観光をどのように創るかという視点を最重視しました。

 ――事業方針はどのようなものですか。

 3つの柱として、①運営の透明化②環境変化に迅速に対応できる体制へ③収益性の向上・確保、事業の開発・開拓――を掲げました。

 重点的な取り組みの一つには、「インバウンドの誘致とランドオペレーター業務」があります。

 群馬県を訪れる外国人観光客数は伸びていますが、全体の宿泊者に占める割合は4―5%で、さらなる誘客をはかる必要があります。

 群馬県は日本のスキー客の10%が訪れており、海外にも「新たなスキーリゾート地」としてアピールできると自負しています。まずは、オーストラリアに観光レップの設置へ動いています。ファムトリップなどによって、県内に多数ある温泉地などとも連携して長期滞在を実現し、富裕層をターゲットにした消費額アップにもつなげていきたいと考えています。

 このほか、県が推進する「リトリートの聖地の実現」にも呼応して、魅力的なコンテンツ造成と旅行商品化などの取り組みや、事業者にも使えるマーケティングデータの収集と活用にも取り組みます。

 関係人口・関係企業の活用に向けた地域内外のファン・サポーターマーケティングも重要です。

 群馬県は「上毛かるた」が深く浸透しており、郷土愛が強いのが特徴です。大学進学や就職などで県外に出た人にも、例えばイベントのスタッフやボランティア活動など、何らかのきっかけで群馬に貢献していただける環境を作ることで、さまざまな交流の機会や新しい関係性を生み出していくことが大事だと考えています。観光はその入口として、まちづくりに関わりたいという「関わりしろ」をできるだけ多く作って、サポーター的に地元に関わってもらうことに重点を置いています。

 ――観光人材の育成や確保にも取り組まれています。

 人と企業を未来へ紡ぐ「ツムグンマ」プロジェクトをスタートしました。「仕事を通じて群馬を盛り上げたい」といった企業の理念や経営者の想いを広く知っていただいて、共感した人が応募する「共感型採用システム」が始まったところです。当協会がヒアリングしたうえで、無料で特集記事を作成し、ホームページに掲載する。これを各企業に転用してもらう事業です。

 また、外部人材を活用して副業によるスキルシェアで企業の弱い部分を補う「一貫した伴走支援」にも取り組んでいます。

 長期的には、「ワクワクできるGUNMAを未来につなぐ」という中期経営計画のビジョンを基に、5―7年かけて地元の人たちが誇りを持って、いつの時代も元気で輝けるように、こまめに改善しながらシビックプライドの確立に向けて、事業を進めていきます。

 そしてこれら事業を各地域の人にも広く普及していくために、お互いに顔の分かる関係を築き、意見やアイデアを共有できる土壌づくりが大事だと感じています。

 20年先を見据えた長期的な視点と一過性に終わらせない、積み重ねていく継続性、持続可能な観光の取り組みがスタートしたところです。地域でともに動いてくれる人材を発掘することも大きな役割であり、これも人のつながりが原点なのだと思っています。

 ――ありがとうございました。

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