【特集 No.673】新旅館は「加賀屋」を継承 3館に集約しリブランディング
2025年11月1日(土)配信

加賀屋(渡辺崇嗣社長、石川県七尾市)は今年8月、加賀屋グループの新たな復興計画を発表した。加賀屋4棟と松乃碧を解体し、「加賀屋」を継承する新旅館は2027年度末の開業を目指している。場所は松乃碧と、その隣接する遊休地へと変更する。グループ旅館の「虹と海」は26年度下期、「あえの風」は27年度上期の営業再開を予定。和倉温泉の旅館を3館に集約し、リブランディングを行う。渡辺社長は新加賀屋の開業に向け、「“加賀屋の流儀”を再び表現していきたい」と語る。
【本紙編集長・増田 剛】
◇
□「加賀屋の流儀、再び」
――今年8月に加賀屋グループの新たな復興計画を発表されました。
昨年12月の復興案では、加賀屋の雪月花、渚亭、客殿、本陣の4棟は、旅館としての使用を断念し、新旅館を既存の加賀屋から西に約550㍍離れた海岸沿いの所有地に建てると発表しました。
その後、今年8月に発表した復興計画では、「加賀屋4棟については解体し、新たに建設する旅館の場所を変更する」ところまで進展がありました。
新旅館の名称は「加賀屋」を予定しており、従来の加賀屋を継承するものとなります。場所については松乃碧を解体し、隣接する遊休地と合わせて新設する計画です。
設計は、隈研吾建築都市設計事務所で変更はありません。開業は2027年度末を目指しています。
――場所を変更した大きな理由は。
従来の加賀屋は、館内に歌劇団のショーや、2次会利用の飲食店、お土産処の「錦小路」など、館内に賑わいの空間がありました。
一方、新加賀屋は、静穏でラグジュアリーな客室が中心となるため、お客様には「滞在中に温泉街を散策し、回遊していただきたい」と考えています。
それであるならば、和倉温泉の中心街にあった方がお客様にとっても、温泉街の賑わいづくりにとっても良いのではないかとの想いから判断しました。
――和倉温泉の風景として長く親しまれてきた加賀屋4棟を解体したあとの活用について。
現在、まちづくり推進協議会が中心となって、これからの和倉温泉の創造的復興プランについて議論しながら進めています。温泉街の賑わいあるまちづくりにお役に立てることがあれば、有効活用していきたいと考えています。
現段階では、すぐに旅館を建てることは考えていませんが、中長期的に見ると「加賀屋創業の地」であり、スタッフにとっても大変思い入れのある場所でもあります。いずれ、あの場所に旅館として戻ってくる日があればと思っています。
――加賀屋グループ旅館の営業再開スケジュールを教えてください。
和倉温泉ではこれまで「加賀屋」「松乃碧」「あえの風」「虹と海」という4ブランドで展開していましたが、松乃碧は一度姿を消し、3ブランドに集約します。
併せて、加賀屋グループ全体のリブランディングを行います。各館の個性や特徴をより明確にしていき、時代のニーズにマッチした「加賀屋グループならではのおもてなし」を提供していきます。
最初に営業再開を目指しているのは、「虹と海」(約40室)です。旧館の






