はとバス共栄会、前田伸氏が再任 「新技術活用し時代に対応」
2025年7月24日(木) 配信

はとバス共栄会(会長=前田伸・TOKYO TOWER社長、272会員)は7月23日(水)、ヒルトン東京お台場(東京都港区)2025年度総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、前田会長の再任を決めた。
前田会長は「ITやAIなどの普及で国内外の時代が変化するなか、観光もこうした技術的な変化の影響を受ける兆しが見え始めている。観光業は新しいテクノロジーを使いこなし、変化に対応していくことが求められる」と述べた。こうしたなか、「はとバスを軸にした強い組織力を発揮できる会として引き続き、運営していきたい」と語った。
はとバスの武市玲子社長は24年度決算について、観光バス事業が堅調で、インバウンドの後押しによるホテル事業の急回復などで、「当初の計画を大幅に上回る見込み」と報告した。

「変化の激しい時代に柔軟に対応し、頑張ってくれた社員、そして何よりも共栄会の皆様のご協力があってこそ」と感謝の意を述べた。
はとバスの定期観光の利用者数(24年7月~25年6月)は約53万8000人、企画旅行の参加者は9万2000人と、前年度から減少した。ゴールデンウイークの日並びや、オープントップバスが酷暑の影響を受けたことが主な要因。
このうち、定期観光は豊洲千客万来や迎賓館・赤坂離宮のコースも根強い人気があり、共栄会の観光・食事施設とさまざまな組み合わせによってラインナップを拡充し、好調に推移。とくに、訪日客向けの外国語ツアーは前年比で1・6倍と大幅に伸びた。企画旅行は、花鑑賞や果物狩りなど季節感のあるコースが人気だった。
5月には東京都・檜原村と連携したエコツアーを造成し、「好評得ている。観光を次世代に継承していけるよう、ツアーを造成していく」と方針を述べた。
そのうえで、武市社長は「皆様と一緒に付加価値の高い、はとバスならではの商品をつくっていきたい」と呼び掛けた。
今年度は、秋に実務担当者研修旅行(バス日帰り)、12月にゴルフコンペ(共栄会杯)、来年1月に新年賀詞交歓会(シンフォニー・ランチクルーズ)などを予定している。
総会終了後には、サスティナブルツーリズムを取り入れた旅行手配を統括しながら、実務で得た経験を以て各地で講演を行っているTricolage共同創業者兼COOの吉田史子氏が「サステナブルな観光に取り組む意義と実践」をテーマに講演した。




