身元保証書発行システムの利用規約を制定 中連協、法令順守の取り組みを強化
2025年7月1日(火) 配信

中華人民共和国訪日観光客受入旅行会社連絡協議会(中連協、石田恒夫会長、262会員)は6月27日(金)、東京都内で2025年度の通常総会を開き、身元保証書発行システムの利用規約を制定した。一部会員によるシステムの不正利用が発覚したことから、今年度は法令順守への取り組みを強化する。規約は7月1日からの適用。
石田会長は2月に役員訪中団派遣を実施し、在上海日本国総領事館で意見交換を行ったことを紹介。「査証発給のデジタル化が進み、大量に発給できるようになった一方、不適切な身元保証書が散見され、迅速な査証発給にブレーキをかける事案が増えたと報告を受けた。申請書類の不備は撲滅してほしいとのことだった」と述べ、工程表や宿泊先など正確な書類の添付を呼び掛けた。
2024年度の事務局への事故報告は57件となり、前年度から大幅に増加した。このうち、失踪は6件、警察拘留は7件発生した。これを受け、石田会長は「ますます増加する中国人観光客の受け入れにあたり、査証発給に関わる中連協は国からの運営業務を委託されている責任を認め、適切な運営業務を行うことをメインテーマとしたい」と言及。「会員はコンプライアンスに基づき、旅程管理を正確に行い、中国人観光客の安心安全を担保していくことを改めて確認してほしい」と力を込めた。
身元保証書発行システムの利用規約については、一部会員の不正により、中連協全体の信用低下を招く恐れがあることから、今回利用規約の制定を決定した。そのなかでは、システムの利用端末は日本国内の営業所で会員各社原則1台とすることを定めた。また、IDパスワードの譲渡・第3者利用や遠隔操作、発行審査を適切に行わない、行程管理・帰国管理を行わない、虚偽の行程表や宿泊確認書を添付することなどを禁止事項として盛り込んだ。なお、中連協は会員が規約を違反した場合は、中国国民訪日観光旅行を取り扱う日本側旅行会社として指定の取り消しを申し出ることができるとした。