「阿蘇の司ビラパークホテル」運営会社、特別清算開始命令受ける(帝国データバンク調べ)
2025年4月21日(月) 配信
AT清算会社(代表清算人=國米昭吉氏、熊本県熊本市)は3月27日(木)、熊本地裁から特別清算開始命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は推定27億円としている。
同社は1983(昭和58)年11月に、熊本市のホテル運営会社の支店だった「阿蘇の司」(1965年5月創業)を譲り受け、分離独立するかたちで設立された。
運営していた「阿蘇の司ビラパークホテル」は、阿蘇山近隣エリアで立地に恵まれ、県内では一定の知名度を有していた。団体旅行や修学旅行を受け入れて、2008年7月期の年間収入高は約13億3600万円を計上していた。
しかし、阿蘇山の噴火や集中豪雨といった自然災害や、その風評被害を受けることが多く、宿泊客数が安定しない点が課題となっていた。
16年4月には熊本地震が発生。予約キャンセルが相次ぎ、稼働率が大幅に低下して連続赤字を計上。その後、復興が進み稼働率も向上していたが、新型コロナの影響で再び業績が悪化した。
「アフターコロナを見据えて金融機関と協議を重ね、支援を受け事業再建を進めていたものの計画通りに進まず」(帝国データバンク)、24年3月29日に商号を阿蘇の司から、AT清算会社に変更し会社分割を実施。同年7月31日開催の株主総会の決議により、解散していた。
なお、ホテルについては、マイステイズ・ホテル・マネジメントが運営管理を担当し、「亀の井ホテル阿蘇パークリゾート」として営業を継続している。