JATAのJOTC教育旅行部会が初の商談会開く 海外教育旅行全体は順調、課題は修旅
2025年4月17日(木) 配信

日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)教育旅行部会(会長=福田叙久ATI取締役相談役)は4月17日(木)、東京都内で教育旅行商談会を開いた。JATAが教育旅行に特化した商談会を開くのは初めて。航空会社や各国・地域の政府観光局、ランドオペレーターなどサプライヤー側が52団体、バイヤーの旅行会社などから15団体が参加した。

福田会長は冒頭のあいさつで、2020年に教育旅行部会をスタートして以降、「部会の活動はコロナとの戦いだった」と言及。現状は「海外旅行全体では19年比で約6割の戻りだが、教育旅行に限れば19年の水準に回復した。団体の中心は教育旅行といえる」と順調に推移しているとした。
一方、教育旅行のなかで「修学旅行」は苦戦を強いられている。航空運賃の高騰や円安、団体の予約が取れないなど課題は多く、コロナを経て国内旅行へシフトした学校も多い。物価高騰で旅行費用が高止まりするなか、地域が定める修学旅行費用の上限額が大きなネックになっているが、「東京都からは11万5000円の上限を標準額に変更すると返事をいただいた」と明るい話題も紹介したうえで、「来年度からの私立高校の無料化も追い風になるのではないか」と期待した。
課題が残るのは団体予約だ。アメリカの国内線は10人以上の予約が取れないなど、厳しい現状があるという。今後は1つの学校でも小グループに分け、時期や行先などをずらして対応するなどの工夫が必要になる。「我われの使命は子供たちに海外経験を提供すること。国も学校も諦めてはいない。各団体などと協議して、海外修学旅行をどう復活させるのか話し合っていきたい」と力を込めた。今後はさまざまな質の向上も必要になるなか、「サプライヤーの力が必要。コンテンツの訴求力を一緒に高めてほしい」と呼び掛けた。
商談会は旅行会社のテーブルをサプライヤーが訪れるスタイルで実施。1商談15分に設定し、各テーブルで熱心な商談が行われた。