「津田令子のにっぽん風土記(113)」花盛りの館山でポカポカ気分~ 千葉県館山市編 ~
2025年3月4日(火) 配信
千葉県・房総半島の南部・館山市は温暖な気候が特徴で、ひと足早く春の訪れを感じることができる。東京都心から約90分とアクセスも抜群だ。海と山の両方のリゾート満載で「ないものがひとつもない館山」といわれるほど。
館山市観光協会観光まちづくりセンター室長の木村義雄さんに「春の館山の魅力」について伺った。
「花盛りの館山で、ポカポカ気分を感じていただくには、何といっても花めぐりをおすすめします。日本各地、まだまだ寒いこの時期に春の花があちらこちらで咲いているのですから」と語る。
まずは、木村さんの朝のジョギングコースにもなっていて、春めき具合を日々確認できるという城山公園の梅だ。「3月初旬まで見られます。梅園や公園内各所でさまざまな梅に出会えます。白梅や紅梅など多品種ありますので長い期間見ることができるのも特徴ではないでしょうか。満開時には、ほのかに香りも楽しめます」。さらに、2月下旬から4月下旬までの長い期間、桜も楽しめる。河津桜(10本)、寒緋桜(15本)、ソメイヨシノ(400本)、八重桜(34本)など、「多品種にわたる桜が順次咲き誇る姿は圧巻です」と話す。
さらに花暦はツツジへと続く。「ツツジ園や公園各所で4月中旬―下旬に見ごろを迎えます。頂上西側斜面のオオムラサキ・クルメツツジなど、赤・白・ピンクなど約6千本が植えられ、とにかく見事です。館山城天守閣から見下ろせば色とりどりの花が楽しめますよ」と、木村さんの花自慢は続く。
これらの場所を、効率良く巡るには「花海街道サイクリング(電動サイクル)」を使うとよい。館山サイクリングステーション(館山駅1階)で貸し出しており、駅に着いたらすぐに訪ねてほしい。
寒さ知らずのハウスの中で、5月上旬まで楽しめる甘くて大粒のイチゴ狩りも人気だ。「かおりの、章姫、紅ほっぺなどを食べ比べてみてはいかがでしょうか」。さらに「海岸線を歩きながら雪をかぶった富士山を眺めることも、一押しです。くっきり綺麗に見える日が多く、海の向こうの富士山は格別で、心に響きます」。
伊戸漁港のだいぼパーキングからの夕景もおすすめという。「大島と神津島の間に夕日が落ちるころ、空間全部が茜色になり、一大パノラマの世界に感動間違いありません」。
この春、ポカポカ陽気に誘われて花めぐりを愉しみ、想い出の写真を撮りに館山に出掛けてみたい。
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。