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日本修学旅行協会、コロナ禍経た教育旅行のあり方探る 17回シンポジウム開催

2023年8月22日
編集部:木下 裕斗

2023年8月22日(火) 配信

学校と旅行業界が意見を交わした

 日本修学旅行協会(辻村哲夫名誉会長)は8月18日(金)、「これからの教育旅行~コロナ禍を経て『探究的な学習』をどう実現するか~」をテーマに、第17回教育旅行シンポジウムを開いた。コロナ禍を経て、物価高や人手不足など修学旅行を取り巻く環境が変化したことや、中学で2021年度から、高校で22年度からスタートした新学習指導要領で求められる「探究的な学習」を修学旅行で実施する学校が増えたことを踏まえ、今後の教育旅行のあり方を探った。

 辻村名誉会長は「コロナ禍は社会のあらゆる分野に影響を与えた。新学習指導要領では探究的な学習が求められたことで、修学旅行の内容も変わるだろう」との認識を示した。そのうえで、「学校と旅行業界が意見を交わすことで、教育旅行をより充実させたい」と開催の趣旨を語った。

辻村哲夫名誉会長

 基調報告では、竹内秀一理事長が登壇。21年度の修学旅行の実施率は中学が78.3%、高校が54.1%となったことを説明。22年度は中学が98.7%、高校が98.4%まで回復したことを報告した。

竹内秀一理事長

 竹内理事長は「『修学旅行はやるべき行事である』と考える学校が多かった結果。意義が改めて評価された」と振り返った。

 今後については、24年度に長期労働の是正がスタートする働き方改革関連法で、バスドライバーが勤務終了後に11時間休憩することが求められるため、「これまで通りの行程の場合、1人のドライバーだけで担当することは難しい。運転手を追加してもらうことになる」とした。さらに、「光熱費や人手不足による人件費高騰などによる物価上昇も影響し、旅行費用が高くなる」と語った。

 一方で、東京都や名古屋市では公立の修学旅行費用の上限が改訂されていないことに触れ、「公立はさまざまな家庭の生徒が通学しているため、物価上昇でも旅行費用の上限を改訂することが難しい。学校は現地での体験活動費を減らしたり、旅行先を変更するだろう」と話した。

 円安や燃油サーチャージなども高騰していることため、「(公立の)海外の再開はしばらく難しいだろう」とした。

 また、探究的な学習の実施を定めた新学習指導要領では、実社会や実生活との関わりから問いを見出し、自分で情報を分析して、問題を解決する力を身に付けることが目標として定められていることを解説。学校の先生は学内での仕事が中心となるため、「学校外の教育力の活用は必須となる」と話した。

 旅行業界に対しては、探求的な学習のふさわしいプログラムとして、生徒の多様な課題に応えられる多彩なプログラムや課題設定のための事前学習、発表の場となる事後学習の支援のニーズが高まっていることを説明した。

 「学校・受け地からの報告」では始めに、学校側から府中市立府中第二中学校(東京都)の成清敏治校長が登壇した。

成清敏治校長

 成清校長は世田谷区立烏山中学校に赴任していた際の広島への修学旅行について、生徒に原爆の悲惨さや戦争が起こる理由などのテーマを設定する事前学習を実施。旅ナカで復興に携わったガイドなどから話を聞き、事後学習で感想文としてまとめたことを説明した。

 受入側からは、長崎国際観光コンベンション協会の古賀典明事業部長が登壇。同協会では、長崎県での平和推進の現状と課題を紹介後、班ごとに1人のガイドが付き、課題とアクションプランの設定をサポートしている。

古賀典明部長

 古賀部長は「これまではガイドの一方的な話だったが、交流を通して対話的な学びを提供している」と話した。

 パネルディスカッションでは、成清氏と古賀氏のほかに、私立晃華学園高等学校(東京都調布市)の教諭安東峰雄氏と、JTB企画開発プロデュースセンター教育企画担当の横田裕美氏の4氏が登壇。コーディネーターは日本修学旅行協会理事長の竹内氏が務めた。修学旅行で探求的な学習を進めていくうえでの事例や、旅行業界が用意したプログラムなどを紹介した。

パネルディスカッションのようす

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