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「信州シルク回廊」体験 長野のシルク関連施設巡る

2023年4月12日
営業部:古沢 克昌

2023年4月12日(水) 配信

「駒ヶ根シルクミュージアム」蚕の巨大模型

 信州シルクロード連携協議会(今井竜五会長)は、国土計画協会の「高速道路利用・観光・地域連携推進プラン」に2022年度採択され、長野県内のシルク関連施設とシルク以外の文化的で魅力的な観光資源を組み合わせた「信州シルク回廊」事業を実施している。 同事業で作成したモデルコースに基づき、「信州シルク回廊」の取り組みや関連施設などをアピールする目的で3月16―17日に、旅行会社・メディアを対象とした体験会を開催した。

【古沢 克昌】

 「信州シルク回廊」体験会の1日目は、長野県の岡谷駅に集合。マイクロバスに乗り換え、高速道路を利用して駒ヶ根市の「駒ヶ根シルクミュージアム」へ移動した。同館は、養蚕・製糸の歴史から最新のカイコの研究に至るまで、幅広い視点でシルクを捉えた生きた博物館。上伊那の養蚕業を発展させた組合製糸「龍水社」の歴史遺産である自動繰糸機、生糸検査機器などを中心に古い蚕具類、糸繰り器や機織り道具などの展示をはじめ、蚕の巨大模型やさまざまな品種の繭などの展示、まゆクラフトや染色・機織り体験などが楽しめる。

 開館時間は午前9時―午後5時(12―3月は午後4時30分まで)。休館日は毎週水曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始。入館料は一般(高校生以上)300円、小中学生100円、団体割引あり。

 問い合わせ=☎0265(82)8381。

 同館に併設する「バイキングレストラン菜々ちゃん」は、地産地消をコンセプトに、地元食材をふんだんに使用した身体にやさしいバイキングメニューを常時40種類以上そろえている。地元のお母さんたちが作る郷土料理が味わえると好評。

 営業時間は午前11時―午後2時(冬季は午後2時まで)水曜定休。

 バイキング料金は大人(中学生以上)1600円、小学生900円、幼児(3歳以上)550円、3歳未満無料。

 問い合わせ=☎0265(81)8750。

おやき作り体験

 午後からは辰野町の「グリーンビレッジ横川かやぶきの館」を訪問。高さ13㍍、横43㍍、約400坪の日本一大きな茅葺き屋根が目印の宿泊施設でおやき作りを体験した。お母さんたちの指導であんこ、野沢菜、切り干し大根の3種の具材のおやきを作って持ち帰りができる。体験料金は1人1800円。日帰り入浴やそば打ち体験、草木染め体験、写経体験なども可能だ。火曜定休。

 問い合わせ=☎0266(44)8888。

 2日目は下諏訪町に移動し、諏訪大社下社秋宮を参拝、現地ガイドに案内してもらった。諏訪大社は全国に1万社以上ある諏訪神社の総本社で国内最古の神社のひとつであり、諏訪湖周辺に4宮の境内地がある。下諏訪町には下社(春宮・秋宮)がある。諏訪大社には本殿はなく、自然そのものを御神体とする古い信仰の形をとどめているのが特徴で、秋宮はイチイの古木を御神体としている。

 下諏訪観光協会ではガイドを依頼でき、料金は1人につき1時間500円、団体3千円。

「しもすわ今昔館おいでや」中庭にある水運儀象台

 続いて「しもすわ今昔館おいでや」を訪問。「時計工房 儀象堂」「星ヶ塔ミュージアム矢の根や」からなる施設で、まずは中庭にある「水運儀象台」を見学。中国、北宋時代の1092年に建設された大型天文観測時計を、設計書をもとに復元したもの。水力で動く非常に大きな時計で高さ約12㍍。儀象台の内部も見学できる。

 星ヶ塔ミュージアムは、日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」の構成文化財である、国史跡「星ヶ塔黒曜石原産地遺跡」など町内の埋蔵文化財を展示するミュージアム。縄文時代の黒曜石採掘坑を忠実に再現したジオラマなど見どころも多い。

 儀象堂では時計づくりが体験でき、とくに腕時計クォーツウォッチ組み立てが体験できるのは珍しい。外装組立(20分コース定員40人)・針付けから外装組立(45分コース定員40人)・ムーブメントからの本格的組立(3時間コース定員20人)の3コースから選べる。

 さらに一生もののクオリティの機械式腕時計の組み立て体験もあり、国家資格を持つ技師の指導でムーブメント部分を一から組み立てるコースもある。

 入館料は両施設に入館できて大人600円、小中学生300円、団体割引あり。年中無休(臨時休館あり)。

 問い合わせ=☎0266(27)0001。

「うなぎの館天龍」のうな重

 続いて「うなぎのまち岡谷」で昼食をいただく。岡谷市は諏訪湖畔に位置し、天竜川の始点を有する。諏訪湖や天竜川では昭和初期までうなぎが採れ年間38㌧もの漁獲量があった。古くから市民にうなぎが食され、消費量も全国トップクラスで鰻屋や川魚の店が数多くある。岡谷のうなぎは「捌きは関東流の背開き」「焼きは蒸さずに炭火でじっくり焼く関西風」で皮はパリパリ、中はふっくらで甘くて濃いタレが特徴。

 夏の土用の丑の日には、うなぎがスタミナ料理として一般的に食されているが、冬にうなぎを食べることで、健康・スタミナを増進して厳冬期を乗り切ろうと1月の土用の入りから立春までの間の丑の日を「寒の土用丑の日」と定めて、食文化の向上とまちの活性化を目指して、岡谷から全国に発信している。

まゆ人形づくり体験

 最後に訪問したのは、岡谷市の「岡谷蚕糸博物館―シルクファクトおかやー」で、まゆ人形づくりを体験した。丸いまゆをカッターやはさみで切ったり、薄くむいたりしてパーツを作り、ボンドで貼り合わせて人形を作る。制作時間40分から。

 同館は絹文化の起源から蚕とシルクの秘密、蚕糸業のトータルプロセスなど、シルクの魅力にさまざまな切り口からアプローチしている。世界文化遺産に登録された富岡製糸場で創業当初(明治5年)に使用され、現在世界で唯一現存するフランス式繰糸機などの展示もある。また最も特徴的なのは、現役の製糸工場(宮坂製糸所)を併設しており、明治時代から伝わる手作業の技術や自動繰糸機で繭から糸を作る工程を間近で見学することができる。

 開館時間は午前9時―午後5時(宮坂製糸所、まゆ工作体験は午後4時まで)、休館日は毎週水曜(祝日の場合は開館、祝日の翌日、年末年始、臨時休館あり)。入館料は大人510円、中高生310円、小学生160円、団体割引あり。

 問い合わせ=☎0266(23)3489。

* * *

 今回の体験会では、中南信エリアの個人・グループ向けモデルコースの中から1コースを利用して実施された。シルクツーリズム、カルチャーツーリズムを含む9カ所の中からニーズや日程に合わせてコース作りが楽しめる。個人・グループや団体旅行のほか、教育旅行向けやインバウンド向けのモデルコースを東北信エリアと中南信エリアそれぞれで用意している。

 また、明治時代から生糸の出荷の際に使用された生糸商標をテーマにした「生糸商標カード」を制作し、カードを集めながら県内を周遊してもらうため、今年1月から全28種を県内参画市町村(計30施設)での無料配布を開始した。通常カードを集めるともらえるシークレットカードもあるのだという。

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「「信州シルク回廊」体験 長野のシルク関連施設巡る」への1件のフィードバック

  1. 信州シルクロード連携協議会の活動、いいと思っています。ひとつ疑問があります。なぜ松本市が入っていないのでしょうか? 松本には蚕糸検査所や片倉蚕種など信州の生糸生産にとって重要な施設がありました。大変不思議です。

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