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湯元舘針谷氏が登壇 生産性の意義や実例語る(ホテレストレンドセミナー)

2022年2月18日
編集部:木下 裕斗

2022年2月18日(金) 配信

針谷了氏。「優良な人材を募集するためには、待遇を向上させるべきだ」と生産性向上の意義を強調した

 利他ホールディングス会長の針谷了氏は2月16日(水)、第50回国際ホテル・レストランショーのトレンドセミナー「利他グループの生産性向上と活性化」で、生産性を向上させる意義や実例などを説明した。

 針谷氏は「優良な人材を募集するためには、待遇を向上させるべきだ」と強調。業務オペレーションを改善することで、仕事に必要な人数を減らし、余った人件費の再分配で所得を増加させる考えを示した。

 一方、「すべてを効率化した場合、接客の質が下がる」として、「(同グループでは)付加価値を生まない業務を効率化している」と説いた。

 具体的には、料理などの運搬を挙げ、同グループの湯元舘(滋賀県・おごと温泉)では、厨房から宴会場裏までローラーコンベアで料理を運んでいることを紹介。さらに、畳の宴会場と草履が必要な食事の到着場所との間で行っていた脱ぎ履きを省略するため、裸足で受け取ることができるスペースを新設した。

 宿泊客が夕食をスタートする時間や注文した料理内容などをホワイトボードに記す作業は、1日約2時間も掛かっていた。これを改善しようと同館は、予約情報をモニターで示すシステムを導入した。

 以前は、チェックイン時に変更された人数や追加オーダーなどの伝達事項については、料理人がフロントスタッフからの内線に出るために、調理を止め、ホワイトボードに記した内容を書き換えていた。今では仕事の合間に、モニターに反映された最新情報を確認できるようになった。

 また、これまで缶から鍋に移していた天ぷら油は、大型タンクにタンクローリーで貯め、蛇口から給油できるシステムも構築した。大量に購入することができるようにもなり、「仕入価格が下がった」という。

 電話に対応する従業員には、ハンズフリーフォンを取り入れ、ほかの業務をしながらでも、電話に出られる環境を整えた。

 これらの生産性向上の事例は「従業員からのアイデアが不可欠だった」語る。同グループは、効果の高い案に最大で100万円の報奨金を支給する「改善メモ」の提出を促している。社員が成長し、評価される仕組みを提供することで、生産性向上へのモチベーションも維持する狙いだ。

 針谷氏は「生産性の向上なくして、(宿泊業の)発展なし」とまとめた。

 

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