7月の宿泊業倒産は6件 コロナ関連倒産が8割(東京商工リサーチ調べ)

2021年8月12日(木) 配信

東京商工リサーチはこのほど、2021年7月の宿泊業倒産状況を発表した

 東京商工リサーチがこのほど発表した2021年7月の宿泊業倒産は6件(前年同月は7件)だった。4カ月連続で前年同月を下回った。また、官民による資金繰り支援により、「倒産発生が抑制されている」(同社)。負債総額は6億900万円(前年同月比45・2%減)となり、負債5億円以上の倒産が発生しなかった。新型コロナ関連倒産は5件(同4件)で、全体の8割を占めた。

 7月の宿泊業の倒産は6件発生した。原因別として販売不振が5件で8割を占めた。ほか、既往のシワ寄せが1件。形態別では6件すべてが破産となった。地区別では関東が2件、中部と近畿、九州で各1件となった。

 おもな倒産事例としてタカダキャッスルホテル(新潟県上越市)が7月12日(月)、新潟地裁高田支部に破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約2億5000万円。

 同ホテルは1948年6月に「吉田旅館」として旅館業を創業した。94年には「タカダキャッスルホテル」として現在の施設にリニューアルオープンし、出張客や観光客を対象に営業。また、併営している飲食施設で、一般客や宴会、法要の需要にも対応していた。

 しかし利用者の減少や同業他社との競合で業績低下し、リニューアル時の借入負担も重く、2015年11月には金融責務をサービサーに譲渡していた。20年に入り新型コロナ感染拡大の影響で、事業を断念した。

 学生のスポーツ合宿向けを売りに営業する「アルペン浅間荘」を運営するアルペン浅間は、1997年2月期には売上高2億3000万円を計上していた。

 2000年代以降は観光客減少や、施設の老朽化などから離京客数が落ち込み、20年2月期は3000万円程度にまで売上高が低下した。

 その後、新型コロナの影響で業績が悪化し、実質休業状態に陥った。先行きの見通しができないことから、21年7月15日(木)に長野地裁松本支部から破産開始決定を受けた。負債総額は約2億700万円。

 旅行業の7月度の倒産は1件(前年同月は2件)で、4カ月ぶりに前年同月を下回った。21年1~7月の累計倒産件数は19件(前年同期比11・7%増、前年同期は17件)で前年を上回って推移している。

 負債総額は9700万円。2件共に新型コロナ関連倒産となった。1~7月の新型コロナ関連倒産は累計で17件にのぼり、旅行業倒産の約9割を占めた。

玉川大学 寺本潔教授「地理認識の教育学」出版 観光が貢献する教育記す

2021年8月12日(木) 配信

地理認識の教育学の表紙。「観光先進国をけん引する人材を輩出してほしい」思いを込める

 玉川大学教育学部の寺本潔教授はこのほど、帝国書院から「地理認識の教育学―探検・地理区から防災・観光まで―」を出版した。地理教師の浅井治平が旧制の中学校で取り組んだ修学旅行などに触れたうえで、観光が貢献できる地理教育について記している。

 同書は全7章立て。第1章の「子どもたちにとっての『場所の体験』と空間認識の発達」では、小学生が自宅から地域の学校や商店、公園などの場所を結ぶ道を知ることで、人間として成長すると論じている。

 「地理区:国民科地理の再評価」と題した第2章は、第2次世界大戦中にスタートした国民化地理の教科書「初等科地理」について、現在の産業や気候、人口など単元別の学習のほか、東京から各地域に移りながら各地域の産業や交通などを学ぶ同教科書が地理の理解に役立つとしている。

 第3章は「修学旅行史:浅井治平による旧制中学における修学旅行指導」。地理教師の浅井治平氏による、より深く地域の地理と歴史を学ぶことを目的とした修学旅行について説いた。

 「防災:防災の地理認識と社会資本の役割」がタイトルの第4章では、近年、頻発する自然災害を踏まえ、小学校で地理を通して、実践的な対処法を指導することを訴える。

 第5章「観光―その1:教育旅行で培う地理認識と観光教育」は、教育旅行で業界の仕事を勉強する観光教育の意義を説明している。

 第6章のタイトルは「観光―その2:実践的な観光教育のための5つの教材コンテンツ」。前章で説いた観光教育を実施するために、業界を6つに分けた分類表や地域の年表などの教材を紹介する。

 第7章は、「観光―その3:観光産業を支える情報の働きの授業」は、弥生小学校(北海道函館市)が、観光産業が、地域ブランド調査で第1位を6回獲得した同市について発信することが、観光客の増加につながることに触れた。「観光など身近な産業の学習は、今まで以上におもしろい授業を展開できた」と観光教育の成果も強調する。

 寺本教授は「小学生に地域の地理を認識することで、観光先進国をけん引する人材を輩出してほしい」の思いを込める。

 A5判135ページ。本体2420円(税込)。

「夢の旅館旅」のトレンド発表、一番人気は、“家族”と“温泉がある旅館”で“ゆっくり”に(ブッキング・ドットコム)

2021年8月12日(木)配信

SNSで募集した「夢の旅館旅」のトレンドを発表した

 ブッキング・ドットコム・ジャパン(東京都港区)は、日本の旅館の魅力を再発見するきっかけにしてもらうために、日本応援プロジェクト「#ブッキングドットコムで夢の旅館旅」を実施している。このほど、SNS(交流サイト)上で募集した「夢の旅館旅」のトレンドを分析した調査結果と、3人の有名旅館ライターによるトレンドに合わせて厳選した、“「夢の旅館旅」が叶う旅館”を発表した。

 調査は6月24日(木)~7月8日(木)までの2週間、「誰と、どのような旅館に泊まって、何をしたいか」という、今一番行きたい「夢の旅館旅」のエピソードをSNS上で募集。この結果、“誰と”は「家族」、“どのような旅館に泊まって”は「温泉・露天風呂がある旅館」、“何をしたいか”については「ゆっくり、まったり」がそれぞれ1位に選ばれた。

一緒に旅館旅に行きたいのは、やっぱり「家族」

 一緒に「夢の旅館旅」に行きたい人として、一番声が挙がったのは「家族」だった。新型コロナウイルス感染症の影響で、長らく一緒に時間を過ごすことができていない家族と旅館旅に行きたいという声が多くあったという。続いて、投稿が多かったのは「友人」。次にランクインしたのが「一人」で、思いっきり羽を伸ばして贅沢な旅をしたい人も多いことが伺えた。

 現役アナウンサー兼温泉専門家の植竹深雪氏が、それぞれのおすすめの旅館を厳選。「家族旅行」は淡路夢泉景 (兵庫県洲本市)、「友人との旅行」は十勝川温泉三余庵(北海道・音更町)、「一人旅」は望水(静岡県・東伊豆町)を選んだ。

 淡路夢泉景について、「海や空と湯がつながるインフィニティ風呂、絶景露天風呂がとても素晴らしいお宿です。2種類の源泉を楽しむことができて湯船の種類も豊富と、さまざまな温浴施設が充実しているので楽しく魅力的。食も鱧や伊勢海老、フグと贅を尽くした季節の鮮魚は感動のおいしさ。バリアフリーにも配慮しているので3世代で安心して楽しむことができる、ホスピタリティが素晴らしいお宿です」とコメントした。

旅館といえば「温泉・露天風呂」、自然も人気

 「どのような旅館に滞在したいか」という点では、「温泉・露天風呂がある旅館」が一番人気で、多くの人が、温泉がある旅館での滞在を思い描いていたとわかる。次に人気だったのは、「緑に囲まれている旅館」。そして3位に、「部屋から海が見える旅館」がランクインした。自然に囲まれた日常とは異なる空間でリフレッシュできる旅館での滞在を望む傾向が見られた。

 温泉家・北出恭子氏が、それぞれのおすすめの旅館を厳選。「温泉・露天風呂がある旅館」は積善館 佳松亭・山荘(群馬県・中之条町)、「緑に囲まれている旅館」は下呂温泉 湯之島館(岐阜県下呂市)、「海が見える旅館」はAMANE resort SEIKAI(大分県別府市)を選んだ。

 積善館 佳松亭・山荘について、「美しい四季と日本の工匠の技とが織りなす登録有形文化財「山荘」。静寂な松林と竹林の中に佇む贅を尽くした「佳松亭」。客室風呂はもとより、大正浪漫を感じるシンボリックな「元禄の湯」を含む19もの湯船で、稀少な自然湧出泉をフレッシュな源泉かけ流し100%で堪能できる湯量を誇ります。絹のようになめらかな湯ざわりの温泉に包まれれば、身も心もうるおい生まれ変わるよう。飲泉もできるので体の中からも温泉をチャージしてみてくださいね」とコメントした。

「夢の旅館旅」でしたいこと、“何もせずゆったり”と

 「何をしたいか」という点で一番多く寄せられたのは「ゆっくり、まったりすること」。旅先だからこそ、何もせずゆったりとした時間を贅沢に過ごすことを望む人が多くいたという。その次に多かったのは、「旅先で美味しい食事を味わいたい」という声。旅先の地場や旬の食材を使った料理に舌鼓を打つことを夢見る人も多く見受けられた。そして3番目は、「日頃の疲れの癒し」を望む声だった。

 トラベルライターの安藤美紀氏が、それぞれのおすすめの旅館を厳選。「ゆっくり、まったりできる」は坐忘林(北海道・ニセコ町)、「美味しい食事を楽しみたい」は里山十帖(新潟県南魚沼市)、「日頃の疲れを癒やしたい」は箱根リトリート villa 1/f(神奈川県・ 箱根町)を選んだ。

 坐忘林について、「魅力あふれる北海道・ニセコの大自然に囲まれた、森の隠れ宿「坐忘林」。モダンで洗練された全15部屋のゲストルームは、全室源泉掛け流しの露天風呂&内風呂付き!宿にこもって、湯ったり、のんびりと。自然のリズムに五感を委ねながら、メタケイ酸豊富な美人の湯でお肌を磨き、北海道の食材にとことんこだわった懐石料理でどっぷり癒されてくださいね」とコメントした。

LocoPartners、取消料の補償販売 外出自粛要請など先見通せない不安解消へ

2021年8月12日(木) 配信

サポートのイメージ。宿泊予約のほか、航空券も補償する

 ホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux(リラックス)」を運営するLoco Partners(村上文彦社長、東京都港区)は8月2日(月)、損害保険ジャパンの子会社Mysurance(川上史人社長、東京都新宿区)が提供し、宿泊予約のキャンセル時に発生した取消料を補償する「Reluxのトラベルサポート『キャンセル補償』」を売り出した。

 予約者や同行者の体調不良や天候不順など不測の事態に備える。このほか、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛が要請されるなど先の見通しが立たないなか、旅マエの不安と負担を軽減する。

 同サポートは、法令に基づく外出自粛要請に従った場合や予約者、同行者の急な通院、気象庁による特別警報の発令などに適用。Reluxを通した国内宿泊予約と宿泊先までの移動で利用する航空券を補償する。宿泊予約完了後に、キャンセル補償詳細ページからキャンセル補償申し込みページで加入できる。

 なお、加入時点に旅行先で外出自粛要請が発令されている場合は、補償の対象外となる。

旅工房、陰性証明でお得な旅 石垣市独自の対策を活用

2021年8月11日(水)配信

陰性証明またはワクチン2回接種でお得に

 旅工房(高山泰仁会長兼社長、東京都豊島区)はこのほど、沖縄県石垣市独自のコロナ対策「あんしん島旅プレミアムパスポート」を活用したオリジナルツアーを売り出した。同パスポートによるホテルで使える割引クーポンや、館内利用券などがもらえるオリジナルツアーのほか、旅工房独自の特典を追加したツアーを用意している。

 「あんしん島旅プレミアム」は、石垣市が医療体制の崩壊を防ぐために独自に行っている感染拡大防止対策。PCRまたは抗原検査陰性証明、ワクチン接種証明書を提示すと「あんしん島旅プレミアムパスポート」が発行され、観光施設や飲食店などの協力店でお得な特典や割引サービスなどを受けられる。パスポートの発行は、現地の空港到着ロビーにある特設ブースで行っている。

 現在は石垣市のみの取り組みだが、旅工房は今後、対象地域を広げて展開する予定としている。

旬のリンゴの収穫体験なども楽しみながら散策 湯田中渋温泉で10月 ONSEN・ガストロノミーウォーキング開催 

2021年8月11日(水) 配信

うずまきパン

  長野県・山ノ内町で10月17日(日)、「ONSEN・ガストロノミーウォーキングinスノーモンキータウン・湯田中渋温泉郷~わたしがつなげるやまのうち~」が行われる。

 古くから温泉地として知られている山ノ内町は、自然を愛した多くの文人墨客の足跡が残されているまち。

 当日は、青銅製では日本一の高さの観音像「世界平和大観音」や、建築家、黒川紀章氏設計の「志賀高原ロマン美術館」、渋沢栄一の孫信雄が建築した洋風建築を移築した志賀高原ビール直営店「THE FARMHOUSE」などを巡る約8キロの道のりを、旬のリンゴの収穫体験なども楽しみながら散策する。

渋温泉街

 ガストロノミーグルメは、北志賀高原の幻の豆腐を使用した「幻の湯豆腐」(志賀高原味噌添え)や、渋温泉名物うずまきパン、山ノ内町特産のリンゴを飼料に育った「信州牛」を使った特製メニューなどが味わえる。飲み物は、厳選された自家栽培米や志賀高原の湧水で仕込んだ「縁喜」などをラインナップ。

 完歩後は、「信州サーモンのちゃんちゃん焼き」や山ノ内町ブランド米「雪代舞」が疲れを忘れさせてくれる。

  同イベントは感染症対策を万全に整える観点から長野県在住者限定で募集をしているが、のちの新型コロナウイルス感染症の影響によっては、参加者の制限がなくなる場合もある。詳しくはONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構のホームページから。

横浜市歴史博物館で10月から、横浜唯一の大名、米倉家と同藩の幕末・明治の姿を紹介する展覧会 クラウドファンディングの呼び掛けも

2021年8月11日(水) 配信

約240点を展示する予定

  横浜市歴史博物館(神奈川県横浜市)は10月2日(土)~11月23日(火)、横浜唯一の大名、米倉家(武州金沢藩主)と同藩の幕末・明治の姿を紹介する展覧会を開催すると発表した。同館は展覧会の内容の充実をはかるためのクラウドファンディングを実施しており、協力も呼び掛けている。

 展覧会では、初公開となる米倉家伝来の徳川家ゆかりの品や、領地の村々の資料も交え、米倉家と武州金沢藩が大きく移り変わる時代をどのように歩んだのかを紹介する。

 注目は、同藩の目付が記録した1868(慶応4)年~1871(明治4)年の「日記」で、長年解読作業を通じ、これまであまり知られてこなかった同藩の実態が明らかになってきている。

 同館はコロナ禍という状況の中、開館時間や入場者数を制限するなど、通常通りの展覧会運営が難しい状況にある。これに伴い2018年4~11月期には約9万2000人だった入館者数が、2020年の同期には2万8000人まで減少した。

 今回は、長年にわたる横浜の歴史にかかわる研究成果を発表する場としての展覧会ということで、広く支援を呼び掛けることを決定。支援者へのリターンとして、招待券や図録などに加え、少人数での展示解説や資料解説など、じっくり展覧会を楽しめる限定のイベントも企画した。「同館に足を運べない人にも米倉家と武州金沢藩について知っていただきたい」との思いを込め、講座の動画配信なども用意している。

楽天トラベル、絶景プランが人気の宿ランキングを発表

2021年8月11日(水)配信

1位「ホテルオリオンモトブリゾート&スパ」 客室バルコニーからの眺め(一例)

 楽天トラベルがこのほど発表した「絶景プランが人気の宿ランキング」で、沖縄県・本部町の「ホテルオリオンモトブリゾート&スパ」が1位に輝いた。2位は大阪府箕面市の「大江戸温泉物語 箕面温泉 箕面観光ホテル」、3位は静岡県熱海市の「絶景掛け流しの宿 熱海月右衛門」が選ばれた。

 ランキングは、宿泊者からのクチコミの総合評価点数・件数がともに平均値以上の宿泊施設を対象に、一定期間中に「絶景」のキーワードを含む宿泊プランを利用した宿泊人泊数(宿泊人数×泊数)を集計したもの。宿泊期間は2020年8月1日(土)~21年7月31日(土)。

絶景プランが人気の宿ランキング TOP5

順位 都道府県名 宿泊施設名
1位 沖縄県 ホテルオリオンモトブリゾート&スパ
2位 大阪府 大江戸温泉物語 箕面温泉 箕面観光ホテル
3位 静岡県 絶景掛け流しの宿 熱海月右衛門
4位 静岡県 マヒナ・グランピング・スパ・ヴィレッジ
5位 兵庫県 洲本温泉 ホテルニューアワジ <淡路島>

 1位に輝いた「ホテルオリオンモトブリゾート&スパ」は、県内でも珍しい礁湖内にある「エメラルドビーチ」が目の前に広がり、全客室から真っ白な珊瑚砂と透明度の高いコバルトブルーの海を堪能できる。宿泊者からは眺望に関するクチコミが寄せられ、高い評価を得ているという。県内からの宿泊人泊数が前年同期比約4.7倍に増えていることから、県民からの人気の高さもうかがる。

 2位に選ばれた「大江戸温泉物語 箕面温泉 箕面観光ホテル」は、最上階にある天空露天風呂が棚湯となり、体を寝かせた状態で大阪平野を一望できる。時間帯を問わず高台からの眺望が楽しめるため、宿泊者からは眺望に関するクチコミが寄せられたという。年代別では、若年層の宿泊人泊数が伸び、10~20代の前年同期比が約1.5倍と伸長した。

 3位の静岡県「絶景掛け流しの宿 熱海月右衛門」は、熱海の中でも高台に建ち、源泉掛け流しの貸切露天風呂や客室露天風呂から、熱海の街並みと海を望める。プライベート空間でくつろぎながら絶景を楽しめるため、子連れ利用者からも支持されている。とくに1都3県からの子連れ利用は約1.8倍と好調という。

現代アートの島 直島に22年「直島旅館 ろ霞」開業 先行予約チケット売り出す

2021年8月11日(水) 配信

旅館イメージ

 A&C(佐々木慎太郎代表、岡山県美作市)はこのほど、2022年4月に現代アートの島として有名な直島(香川県・直島町)で開業する「直島旅館 ろ霞」の先行予約チケットを期間限定で売り出した。

 「直島旅館 ろ霞」は、客室露天風呂を備えたスイートルーム8室、プレミアムスイート2室、ろ霞スイート1室の計11室となる本格旅館。先行予約チケットを利用すると、一般の予約開始日となる2022年2月21日よりも3週間早い2月1日からの予約が可能になる。販売期間は、22年1月20日まで。

 関係者は、「22年4月から始まる瀬戸内国際芸術祭のシーズンは、直島中の宿の予約が取れなくなることは必至ですので、ぜひお早めにお求めください」とPRする。

 日本全国、世界中から訪れるアートファンに、3年に1度開かれる瀬戸内国際芸術祭とは違うアート作品やアーティストとの出会いや、アートファン同志の会話が生まれる場として、同旅館が日本現代アートの発信拠点になることを目指す同旅館。全客室とレストラン棟では、アーティスト描き下ろし作品による企画展が随時行われる。展示されるのは、国内の若手現代アーティストの作品が中心で、絵は購入も可能だ。

「街のデッサン(244)」ジャック・アタリの「観光」思想 破壊と世俗化から、地球持続と高品位化へ

2021年8月11日(水) 配信

旅する子供たちが、地球を護る

 私の研究の基盤は国々を巡る比較民俗の旅にあるから、レヴィ・ストロースのようなフランス系の学者に親和性がある。その流れで、哲学、思想分野ではジル・ドゥルーズなどに影響を受けた。もう1人、理論だけではなく実務的なセンスを持つジャック・アタリの考え方に強く共鳴する。とくに彼の「危機とサバイバル」という本の日本語版序文で、日本の21世紀を生き延びる最大の課題は「人口減少と高齢化」にあるとして、何点か政策提言をしている。そのポイントの押さえ方はシャープで、日本では在野エコノミストの竹内宏が「人口減少亡国論」を早くから唱えていたのに注目していたが、アタリのそれはさらにクリアだ。

 ミッテラン政権以来、政府の補佐官を務めたアタリは、フランス国家の多様な人口増加政策を進め、今では合計特殊出生率が2.0を超えるようになり、その趨勢に力がある。観光立国を目指す日本は、コロナ禍もあって2020年の出生率が1.34の低水準が続き、高齢化社会を支えることも、水準の高い観光サービスや将来の顧客創造にも陰りがある。

 フランスの人口サバイバルを演出したアタリが、日本経済新聞(21年6月10日号)に珍しく「観光産業の未来」について意見を寄せている。短いエッセイだが含蓄に富んでいる。幾つかの論点があるが、第1点はコロナ危機以前の観光業の実態に戻すべきではない、というものである。コロナ感染拡大から得た教訓は、疫病の蔓延を防ぎ、化石燃料の消費を減らし、文化遺産や自然環境を保護するには内外旅行などの観光を規制する必要があるということだ。これまでの観光スタイルは疫病を蔓延させ、温暖化を招き、地球環境の破壊の原因を生み出していた。既に多くの国々で、業界の関係者を始めこの事態を深く憂慮している。

 第2点は、社会問題に貢献できる顧客は、コロナ後には「観光を楽しめる富裕層だけ」ではないかと、アタリは指摘する。正規の航空運賃を支払い、供給制限されるホテルの高額な宿泊費を負担できる人が観光を享受できる。この発想に唸らされるが、Go Toキャンペーンのような1人でも多くの観光客を増やそうとする発想と真逆である。

 第3点は、観光業の本質である「ホスピタリティの精神と技術」は、コロナ後の高齢化を迎えた介護市場などに大きなスピルオーバー効果を齎すというもの。本来、ホテルもホスピタルも同類だった。人間の社会だけでなく地球全体を治癒し、安全・安心な持続する宇宙を支える観光産業をアタリは構想しているのだ。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。