西村体制が始動へ、「社会を変える気概を」(全旅連青年部)

西村総一郎新会長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(桑田雅之部長、1283会員)は4月20日に東京都内で、2017年度「第49回定時総会」を開いた。任期満了による役員改選で西村総一郎氏(西村屋代表)を新会長に選出。新体制が始動した。西村新会長は「これからの社会は青年部世代が中心。社会をいい方向へと変えていく気概と覚悟を持って務める」とあいさつした。

 桑田前部長は「楽しかったが辛くもあった」と2年間を振り返り「問題はまだ多いが青年部は未来を見据えて頑張ってほしい」と新たな西村体制にエールを送った。

 来賓の全旅連次期会長予定者の多田計介副会長は「新しい西村体制で一致団結し、難しい時代を進んでいってもらいたい」と話した。

 西村体制は組織を9つで構成する。このうち2つの委員会を新設した。

全旅連の多田計介副会長

 1つ目の労務改革委員会は外国人労働者受入に関する事業を推進。このほか働き方改革で宿のモデル就業規則などを検討する。

 一方2つ目のITソリューション開発委員会で生産性を向上させる。宿泊業界・異業種のIT導入事例などを検証・報告していく。宿泊業界の「人手不足」「生産性向上」といった課題解決をはかる。

 総会後は県部長サミットを実施。日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏が講演を行った。「人口減少で必ず人手不足となる。対応できなければ生き残れない」と根拠となるデータを紹介。会員らに警鐘を鳴らした。

 誘客に地域独自の文化や景観が「ポイントになる」と指摘。「地元の当たり前が、観光客には不思議であり魅力でもある」と訴えかけた。

 懇親会では、自民党の観光産業振興議員連盟の細田博之会長をはじめ、多くの議員らが主席。西村新体制の門出を祝った。

法改正の理解深める、貸切バス関連で説明会(ANTA東京都支部)

会場のようす。会員らが理解深める

 全国旅行業協会(ANTA)の東京都支部、東京都旅行業協会(駒井輝男会長)は4月10日に東京都内で「貸切バスに関する関係法令などの改正」説明会を開いた。昨年1月15日の軽井沢スキーバス事故以降、政府は多くの法令を改正。旅行会社も理解を深める必要があるが内容は多岐にわたる。当日は関東運輸局の担当者らを招き、項目ごとに密な説明がなされた。
【平綿 裕一】

 政府は軽井沢スキーバス事故対策検討委員会で、昨年6月に総合的な対策を打ち出した。今回はこのうちの(1)許認可(2)運行管理(3)監査(4)観光――関係を解説した。

 道路運送法の一部改正で、事業許可の更新制を導入。5年ごとに確認する。さらに新規許可・更新許可申請時に「安全投資計画」「事業収支見積書」が必要になる。

 この2つで安全への投資や計画の裏付けとなる収支を確認できる。債務超過や赤字が続けば許可は下りない。

 監査機能向上もはかる。民間指定機関の巡回指導など行うため、負担金徴収制度を創設した。今年8月の運用を見通している。一方街頭監査では、違反があればその場で自動車の使用停止となる。

 一般監査も「輸送の安全確保に関わる重大な法令違反」があれば、即日全自動車の使用停止。安全の確保命令に従わなければ許可取消になる。

 法定刑を強化し、法人重科も創設した。これまで違反者と法人ともに100万円以下の罰金だった。改正後は(1)違反者が懲役1年・150万円以下の罰金(2)法人は1億円以下の罰金――と大幅な強化をはかった。

 貸切バスの運行管理関係では安全性を担保する。今年の12月から、ドライブレコーダーの映像記録・保存や、記録を活用した指導・監督を義務付ける。

 運行管理者の資格要件も厳しくする。これまで2通りあったが、試験合格者のみに限定した。必要選任数は30両に1人だったものを20両に1人にし、最低2人以上とした。

 観光関係ではランドペレーター関連法案を今通常国会に提出済み。登録制を創設し、管理者の選任、書面交付などを義務付ける。

最北の地から朝カフェ案内

 日本最北の地・稚内で、今夏も市内宿泊者限定の早朝ツアー「朝カフェ西海岸909」が実施される。稚内ホテル旅館業組合などの企画。地域の魅力を伝え、宿泊客増を狙う取り組みは3年目を迎える。

 市内中心部から約20キロ離れた「こうほねの家」が会場。テラス席からはスイレン科のコウホネが黄金色の花を咲かせるサロベツ原野、さらには日本海に浮かぶ利尻冨士が望める。ツアーは1日20組限定。バスの往復送迎、コーヒー、パン(2個)が付いて1人1500円。

 あいにくの天気で絶景が見られない日は「歓迎メッセージ」入りのコースターがそっと添えられるという。地元の人たちが、北海道らしい風景を最高の形で楽しんでもらおうとテーブルを用意する。企画は、その席への案内状のように思う。

【鈴木 克範】

佐藤女将ら20人受賞、17年観光功労者大臣表彰

 国土交通省はこのほど、2017年観光関係功労者国土交通大臣表彰受賞者20人を発表した。4月24日の表彰式(=写真)で石井啓一国土交通大臣は、受賞者に対し「今までの活躍への感謝と今後の活躍を期待する」とあいさつした。

 受賞者は次の各氏。

     ◇

 【ホテル業・経営者】
 林文昭(第一ホテル代表取締役社長)

 【ホテル業・従事者】
 岡田啓利(富士屋ホテル・霞ヶ関別亭桂料理長)▽坂本和俊(帝国ホテル・帝国ホテル東京調理部ペストリー課専門職課長)▽佐保寿博(プリンスホテル・箱根仙石原プリンスホテル洋食調理)▽野田明孝(ホテルオークラ・営業部担当部長)▽廣瀬典子(京王プラザホテル・宿泊部)▽南方幸藏(ロイヤルホテル・リーガロイヤルホテル〈大阪〉セールス統括部セールス担当支配人)▽下代仁志(倉敷国際ホテル・料飲部料飲サポート課主査)▽村中賢三(リーガロイヤルホテル広島・グループサービスチーム調査役)

 【旅館業・経営者】
 工藤冴子(矢野旅館代表取締役)▽齋藤厚志(日本旅館協会北陸信越支部連合会長野県支部副支部長、いづみや旅館代表取締役社長)▽小野善三(日本旅館協会関西支部連合会常任理事、綿善代表取締役)▽新山富左衛門(古湧園代表取締役)▽下竹原和尚(指宿白水館取締役会長)

 【旅館業・女将】
 佐藤幸子(旅館古窯大女将)▽松村美代子(萩本陣取締役、総女将)

 【旅館業・従事者】 
 村山邦雄(ホテル佐勘支配人)

 【旅行業・添乗員】
 百合道弘(ツーリストエキスパーツ添乗員)

 【観光レストラン業・経営者】
 小倉宏之(国際観光日本レストラン協会理事、小鯛雀鮨鮨萬代表取締役会長)

 【観光レストラン業・従事者】
 髙澤秀爾(安与商事・新宿京懐石柿傳調理長)

【JNTO・松山良一理事長インタビュー】“稼ぐ力”地域で高めたい、外客ニーズ親身に対応

JNTO・松山良一理事長

 海外PRやMICE誘致、訪日外国人旅行者の受入体制支援、市場分析など、多様な業務を担う日本政府観光局(JNTO)。各国・地域の海外事務所は日々、来訪者増を目指し、積極かつ戦略的なPRを行う。今回、松山良一理事長を訪ね、PR戦略や受入体制の整備支援を中心に話を聞いた。デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション(DMO)や、ホームシェアリング(民泊)に対する考えなど、海外経験豊富な同氏ならではの透徹したビジョンを示した。【謝 谷楓】

 ――JNTOのPR戦略について

 PR戦略としては、まずビッグデータの活用や、デジタルマーケティングの推進など、データに基づく確かな市場分析を心がけています。

 国内では、地域の新聞社と連携した訪日外国人旅行者受け入れのシンポジウムなどを開いています。“地方への誘客”を掲げ、観光による恩恵を地域に広げる取り組みに力を注いでいます。

 JNTOでは、商談会を主催するなど、海外のバイヤーと国内セラーをマッチングさせる役割も担っています。消費の底上げのために、欧米豪や富裕層向けのPR強化も行っています。リピーター獲得のため、受け入れの“質の向上”も大切な要素です。

 ――PR事業でとくに気をつけていることは。

 世界各国・地域の市場によって異なるニーズに、きめ細やかに応えることが大切です。一例を挙げると、アジアは買い物が、欧米は体験がしたいというように、来訪者のニーズの違いが顕著です。訪日外国人旅行者の“目線”に立ったPR戦略を立案実行することで、取り込み拡大に寄与しています。数多くある魅力の中から、ポイントを絞り込んだPRをすることも大切です。

 ――需要把握の方法について。

 受入体制整備の重要性を発信することも、JNTOの役目です。訪日外国人旅行者や、対応する旅行会社の声を集めるために、アンケート調査を行い、訪日外国人旅行者からの要求など、事例収集もしています。

 例えば、無線LAN(Wi―Fi)アクセスポイントや海外発行カード対応のATM増加、キャッシュレス環境の改善に関しても、官民連携で取り組みを強化しています。

 ――DMOへの期待について。

 せとうち観光推進機構(せとうちDMO)や北海道観光振興機構(北海道DMO)など、成功事例が増えています。地域事業者の主体性を引き出す取りまとめ役の存在が、成功の秘訣のようです。地域一体となった取り組みを可能にする“核”が求められているのです。来訪者のターゲティングも、成功につながる要素だとされます。

 今後も、これら事例を全国に向け発信し、成功事例を1つでも多く増やしたいと考えています。

 ――せとうちDMOは2月に部会(せとうちDMOメンバーズ)を立ち上げました。地域事業者の“稼ぐ力”を促進する活動が、一層本格化しています。
 成功事例が増えるなか、“強いところをより強くする”ことが必要です。DMOが、地域を売り込む受け皿として機能したら、連携してPR活動を行っていきます。

 世界では現在、商談を中心としたビジネスマッチングが活発です。

 JNTOが行う商談会ではこれまでも、ホテル・旅館といった事業者が、自治体とともに参加してきました。DMOなら、セラーとして地域の情報発信だけでなく商談に特化した対話が可能です。今後、DMOの数が増えれば、世界の潮流に適した商談会の実現も期待できるのです。

 ――3月に住宅宿泊事業法案が閣議決定されました。民泊の可能性は。

 地域にある空き家の活用や、訪日外国人旅行者の宿泊対策など、プラットフォーマーをはじめ、民泊に取り組む事業者への期待はとても大きい。

 一方、公正な競争が可能となる仕組みづくりを実現していかなくてはなりません。例えば、旅館業法では、食事や消防の面で細かい規定が多くありますが、民泊に関しては未だ十分ではありません。騒音やゴミ出しの時間といった近隣住民とのトラブル対策についても法律での規制が進められている最中です。この2点が実現される前提で、推進していくのが良いのではないでしょうか。

 ――松山理事長は夕食後のレジャー不足を課題として捉えてきました。

 既存のコンテンツを、夕食後にも楽しめるよう工夫する必要があります。例えば、博物館や美術館は開館時間を延ばし、歌舞伎や文楽などは夜8時以降も観劇できる仕組みづくりができるはずです。明治座(三田芳裕社長、東京・日本橋)では昨年から試験的に、ナイトプログラムとして“SAKURA -JAPAN IN THE BOX-”を上演しています。こういった仕組みが整えば、訪日外国人旅行者により余裕を持って日本食を堪能してもらえます。消費増加も望めるはずです。

 国内のホテルで、国際放送が見られる環境が、もっと普及できたら良いと思います。工夫1つで、訪日外国人旅行者の需要に応えられますから、決して難しいことではありません。

 ――ツーリズムEXPOジャパン2017では、主催者となりますが。

 国内と海外、訪日旅行の関係者が“三位一体”となって顔をそろえる同EXPOは、とても良い方向に進んでいると思います。今後は連携をより深める必要があります。

 先程取り上げましたが、海外バイヤーと国内セラーのマッチングによる訪日旅行の商談会促進は、同EXPOでJNTOが担う大切な役割の1つです。

 ワールド・トラベル・マーケット(WTM、英国・ロンドン)やITB BERLIN(独・ベルリン)といった、欧州の見本市はまさに、この商談会が中心となっています。ITBは、メディア関係者が5千人、業界関係者だけで約11万人が集まる大型イベントです。大臣など各国の観光リーダーが一堂に会するため、注目度がとても高く、ビジネスの“場”として世界で広く認知されています。

 観光産業を育て、地域の“稼ぐ力”を高めていかなくてはなりません。基幹産業にしていくためにも、同EXPOを、世界から注目される“場”とすることが必要です。

 日本観光振興協会や、日本旅行業協会(JATA)とも相談を重ねながら、働きかけていきたいです。

 ――ありがとうございました。

ビールで地域創生、キリンが食と体験を発信

古田氏(左)と地域のプロデューサー(中央3人)、
林田氏(右)
い手を育て全国でつなぐ「キリン地域創生トレーニングセンタープロジェクト」はこのほど、ビアツーリズムを始めた。食を通じた地域体験と、昨年キリンビールが売り出した「47都道府県の一番搾り」を組み合わせた。ビールを共通項に各地域の食の魅力を伝える。1つの基準で求心力を強めて全国展開し、新たな商機を探る。

 具体的なビアツーリズムの受付や販売を行う事務局は丸の内トラベルラボだ。今年1月にウィラーが開設した。食・旅・地域を研究して、統合的な支援を行う機関となる。今回は地域が考えるコンテンツをプロの目線でサポートし、実際の商品へと作り上げる。地域までの交通はウィラーが提供する。

 ウィラーとラボは、コンテンツの作成から情報発信、2次交通、フォローアップまで総合的に行う。一貫したプラットフォームで支援する仕組みづくりをはかった。

 「これまで地域からの発信は弱かったが、ビアツーリズムを通して全国に届けられる。さらに今回はキリンさんのチャネルで告知も可能だ」。同プロジェクトを運営するumariの古田秘馬代表は3月24日の会見で、新たな仕掛けに期待を示した。 

 そもそもキリンが行う同プロジェクトの根幹に、2011年の東日本大震災がある。

 同社は仙台工場が被災し、同7月から「復興支援 キリン絆プロジェクト」を開始。さまざまな支援を行ってきた。

 その後「東北復興・農業トレーニングセンター」を13年から始めた。東京からの人的支援と農業者をつなぎ、関係を構築してきた。とくに農業経営者の育成支援に力を入れた。

 この経験を生かし全国で広めるため、昨年4月に同プロジェクトを実施。食文化から新たな価値を創造する地域の「プロデューサー」を、これまで100人ほど輩出した。

 ビアツーリズムはこれらの活動の中で自然と持ち上がってきたという。

 キリン執行役員CSV本部CSV推進部長の林田昌也氏は「我われがつくるビールを通じて、地域を元気にしていきたい」と想いを語った。

 今回のビアツーリズム第1弾で、全国8カ所のツアーを造成した。同日の会見で3人のプロデューサーがツアーを紹介。新潟県・長岡から来た食文化プロデューサーの鈴木将氏は「ビアツーリズムで外から人を呼び込めれば、地元の人が元気になる」と期待を寄せた。

 今後は第2弾が続けて発表される見通し。一過性で終わらないために「地域が稼げる仕組みをつくる」(古田氏)ことが課題となる。

クルーズ事業を柱に、18年GW、2隻同時チャーター(阪急交通社)

(左から)NCLのフェリックス・チャン氏、MSCクルーズジャパンのオリビエロ・モレリ氏、横浜市港湾局の伊東慎介氏、阪急交通社の松田誠司氏、平藤実氏

 阪急交通社(松田誠司社長)は、2018年のゴールデンウイーク期間(4月28日―5月6日)に、日本初就航となるMSCクルーズの「MSCスプレンディダ」とノルウェージャン・クルーズライン(NCL)の「ノルウェージャン・ジュエル」の2隻を同時チャーター。合計9日間の横浜港発着クルーズを2本同時に行うことを発表した。

 4月10日に東京都内で行われた会見で松田社長は、同社の中期経営計画において、主力である募集型企画旅行を持続的に成長させるために、クルーズ事業を大きな柱として位置づけていることを報告。「新たな時代を迎え、急成長が見込めるクルーズ事業を重要な柱として押し進め、クルーズ業界のリーディングカンパニーを目指していきたい」と意気込みを語った。同社は今後、国土交通省が掲げる「2020年に訪日クルーズ旅客500万人」という目標達成のため、インバウンドに向けたクルーズ事業への取り組みも強化する。

 MSCスプレンディダは全長約333メートル、最大乗員数は4363人と、その大きさは東京タワーを横にしたサイズに匹敵する。同船にはドレスコードがあり、船内では高級感漂うイタリア風の雰囲気を感じることができる。

 同船を利用した「桜舞い踊る春色クルーズ」では、9日間の日程で青森・釜山・福岡・神戸に訪れ、GW期間中最も注目される2大祭り「弘前さくらまつり」と「博多どんたく」を楽しむことができる。船内には日本人対応の専用デスクを設置。MSCクルーズの日本語スタッフや100人を超える阪急交通社日本人スタッフも乗船するため、言葉の心配なくクルーズを楽しむことができる。

 航海中はイタリア船ならではのオペラやクラッシックコンサート、イタリア語講座など、あらゆる世代や旅のスタイルに合わせたイベントを計画している。

 ノルウェージャン・ジュエルは全長294㍍、最大乗員数は2878人で、その大きさは横浜のランドマークタワーを横にしたサイズとほぼ同じである。同船は自由で陽気な雰囲気が特徴のクルーズ船で、ドレスコードや食事のときの座席指定などがないため、好きな時間に気軽に食事を楽しむことができる。

 同船利用の「南国の楽園夏色クルーズ」は、春色クルーズ同様9日間の日程で、高知・那覇・石垣島・台湾(基隆)を巡る。坂本龍馬の故郷である高知では、日本を代表する清流・四万十川を訪れるほか、高知市内ではご当地グルメの数々を堪能する。同船も日本人対応の専用デスクなどが設置されるため、言葉の心配はない。

 クルーズ中は、那覇から石垣島の区間で阪急交通社オリジナルイベントとして、夏川りみさんによるスペシャルコンサートを行うほか、船上夏色運動会なども実施する予定。

 旅行代金は、MSCスプレンディダが「内側ベッラ」を2人1室利用で大人1人9万9800円。ノルウェージャン・ジュエルは「内側キャビン」を2人1室利用で大人1人11万9800円。なお、大人2人と同室利用の場合、13歳未満の子供は2人まで無料となる。

 同日の会見には、MSCクルーズジャパンのオリビエロ・モレリ社長、NCLでアジアセールス担当のフェリックス・チャンヴァイスプレジデントも出席。今後も日本人顧客に対し、クルーズによる最高の旅を提供することを伝えた。

愛され、感謝と惜別。、野口冬人さん偲ぶ会に160人

野口さんとの思い出を語る文殊荘の幾世淳紀氏

 旅行作家・野口冬人さんを偲ぶ会が4月24日、東京・池袋のホテルメトロポリタンで行われた。野口さんと親交の深かった約160人が献花し、思い出を語り合った。瀧多賀男氏(水明館)、首藤勝次氏(大丸旅館)、佐藤好億氏(大丸あすなろ荘)、佐藤洋詩恵氏(日本の宿古窯)、幾世淳紀氏(文殊荘)が出席者を代表して感謝の言葉を述べ、別れを惜しんだ。

 また、旅行新聞新社の石井貞徳社長が、野口さんの長女・鈴木ふじ代さんに「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の選考審査委員を野口さんが長年務められたことに対して謝辞を述べ、感謝状を贈呈した。

 野口冬人さんは、昨年12月13日に、前立腺がんにより死去。享年83歳。旅行作家の草分け的な存在であり、第一人者だった。謙虚な姿勢と人柄によって多くの山岳、温泉、旅行関係者に愛され、親しまれた。

 なお、現代旅行研究所が発行する「旅行作家『旅の眼』125号」で野口さんの追悼特集をしている。

 問い合わせ=電話:03(3362)9752。

旅行作家の草分け的存在だった野口冬人さん
石井貞徳本紙社長(左)から長女・ふじ代さんに感謝状

「ふるさとオンリーワンのまち」第9号認定、館山市の“多様性”が魅力(NPO法人ふるさとオンリーワンのまち)

津田令子理事長(左)と小金晴男会長(認定式で)
金丸謙一市長

NPO法人ふるさとオンリーワンのまち(津田令子理事長)は、独特の風土や伝統文化、産物、無形のおもてなしなどユニークな観光資源を、「ふるさとオンリーワンのまち」と認定している。3月29日には、館山市観光協会(千葉県)を第9号に認定。同市は「まるごと博物館・まるごと観光地」をコンセプトに、滞在型の観光地に取り組む。“多様な楽しみ方が一つに集う館山”を理由に、津田理事長が同市観光協会の小金晴男会長(当時)に認定書を授与した。

館山市は房総半島の南端に位置し、内房に面している。人口は約4万7千人。豊かな食材に恵まれ、ポピーをはじめ1年中、多様な花がまちを彩る。「南総里見八犬伝」の舞台になるなど、歴史的遺産や神社仏閣も散在している。

パネルディスカッションでは「館山市のこれから」が語られた

認定式で津田理事長は「私たちが地域の宝を発掘し、認定を始めて約5年。現在は約40人のメンバーが在籍している」とNPOの活動を紹介。「館山市観光協会にはこの認定をきっかけにして、より大きく羽ばたいてほしい」とあいさつした。小金会長は「素晴らしい認定書をいただき、感動とともに重みも感じている。すでに認定されている8件の地域の先輩方を見習いながら、ネットワークの一員として一生懸命勉強し、『オンリーワンのまちづくり』に努めていきたい」と謝辞を述べた。

金丸謙一市長も出席し、「館山の美味しい食べ物など、多様性を認めていただいたことはとてもうれしい」と述べ、「なんでもある館山市の総合力が認められたのだと思う」と語った。

認定式終了後には「これからの館山の観光振興」をテーマに、パネルディスカッションが行われた。同観光協会の小金会長と、観光まちづくりセンターの木村義雄室長(観光アドバイザー)、館山市経済観光部の上野学部長、NPOからは松陰大学観光メディア文化学部の古賀学教授、旅行新聞新社の増田剛編集長の両理事が登壇。コーディネーターは津田理事長が務めた。津田氏は「館山市には25年以上足繁く通っているが、何度訪れても同じ表情はない」と四季によって多様な姿を見せる同市の魅力を語った。

小金氏は「館山では観光は基幹産業。観光の必要性を市民にもしっかりと伝え、観光客にも伝わる“住民パワー”でお迎えしたい」と力説した。

同市に移住している木村氏は「多様性のある地元の食を『食のデパート』としてPRするなど、もう一度原点に戻って見つめ直すことが大事だと最近感じている」と話した。同市の上野氏は「34・3㌔続く海から見える富士山や夕日は、観光客だけではなく、市民の誇り」とし、海を活用したさまざまなスポーツイベントなどを紹介。市では移住定住にも力を入れており、海とともに滞在して過ごす「館山スタイル」も提案した。

古賀氏は「房総半島はサイクリングで1周できる」と説明し、「今後は2次交通として自転車で回れる起点づくりが大事」とアドバイス。増田氏は「館山はもともと別荘も多く滞在型観光地へのポテンシャルが高い」とし、「滞在客に安心感のあるまちづくりを目指してほしい」と語った。

当日、NPO一行は館山城(八犬伝博物館)や、ポピーの里館山ファミリーパーク、みなとオアシス“渚の駅”たてやまなどを視察し、館山の名物「炙り海鮮丼」も堪能した。

ポピーの里館山ファミリーパーク
館山名物の人気「館山炙り海鮮丼」

18年4月、15社を再統合、3つの事業ユニット設置へ(JTBグループ)

 JTB(髙橋広行社長)は18年4月にグループ会社15社を本社に再統合する。06年の分社化から11年。新統合会社では、新たに「国内個人」「国内法人」「グローバル」の3つの事業ビジネスユニット(BU)を設置。各事業会社がそれぞれのBUに所属し、各事業戦略の策定・推進を行う。オンライン旅行会社(OTA)の成長により激変する市場で、リアルエージェントとしての価値を提供する。【松本 彩】

 来年4月に再統合されるのは、JTB北海道、JTB東北、JTB関東、JTB首都圏、JTB中部、JTB東海、JTB西日本、JTB関西、JTB中国四国、JTB九州、JTBコーポレートセールス、i.JTB、JTB熊本リレーションセンター、JTB国内旅行企画、JTBワールドバケーションズの15社。再統合後の新統合会社では「個人」と「法人」の2つを軸にした事業単位の経営体制に切り替え、顧客ニーズに迅速に対応していく。

 新統合会社では、全社経営戦略・全社ガバナンスの責任を担うグループコーポレート機能に加え、事業戦略推進機能を担う(1)国内個人(2)国内法人(3)グローバル――の3つのビジネスユニット(BU)が設置される。国内個人BUにはPTS、エイ・ビー・アイ、JTB京阪トラベル、JTBメディアリテーリング、JTBグランドツアー&サービス、トラベルプラザインターナショナル、朝日旅行、JTBガイアレック、JTBサンアンドサン西日本が所属。

 国内法人BUには、JTBビジネストラベルソリューションズ、JTBコミュニケーションデザイン、JTBベネフィットが組み込まれ、グローバルBUはグローバル事業各社が入る。なお、現時点では対象会社が再統合後に法人格として事業を推進していくかは未定だが、来年4月の再統合までには体制を整えるという。

 現在の事業会社の営業所は「法人事業個所」と「個人事業個所」に分離し、それぞれのBUに所属する。また、国内・海外仕入造成会社などは、国内個人BUへの所属となる。髙橋社長が掲げる「仕入れを制する者が、営業を制する」という目標を達成すべく、製販一体体制を構築し、商品計画機能を強化していく。

 今回の経営体制の再編は、髙橋社長が新春あいさつで述べた「黄金の時間の果実を得る」ための〝仕掛けと変革〟として捉えることができる。昨今のFIT化やOTAとの競争激化によって、低価格のパッケージツアー商品の造成が難しくなるなど、リアルエージェントはさまざまな岐路に立たされている。来年4月の再統合化は同社が「リアルエージェントにしかできない〝ならではの価値〟を提供する」ための狙いもあると考えられる。

 同社は再統合化によって「深い感動と共感をいただける〝JTBファン(お客様)〟の拡大を目指す」ことを1つの目標として掲げている。同社の黄金の時間の果実を得るための仕掛けが、今後の旅行市場や、そのほかのリアルエージェントにどのような影響をもたらすのか、旅行業界全体の変革に向けた取り組みが始動した。