24年度観光庁予算、63・9%増の503億1800万円計上 持続可能・地方誘客・国内交流の3本柱

2024年1月9日(火) 配信

24年度観光庁予算は総額1200億1300万円となった

 政府は昨年12月22日(金)、2024年度予算を閣議決定した。観光庁関係予算額は、前年度比63・9%増の503億1800万円(23年度予算額は307億300万円)。東日本大震災からの復興(復興枠)には、前年度とほぼ同額の7億6500万円。23年度補正予算の689億3000万円を加えると、同33・9%減の1200億1300万円を確保した。国際観光旅客税(出国税)財源の充当額は、402億9300万円を計上した。

 24年度予算は、新たな観光立国推進基本計画に基づき、「持続可能な観光地域づくり」「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組」「国内交流拡大」の3つを柱とした。

 国際観光旅客税(出国税)財源の充当額は、インバウンド需要回復に伴い、昨年10月末までの出国者数がコロナ前の8割程度だったことから、この傾向が24年度まで続いた想定で、440億円を計上。このうち観光庁事業に充当するのは、宮内庁計上の三の丸尚蔵館の整備20億円と、皇居東御苑大手休憩所(仮称)の整備17億円などを引いて、同101・5%増の402億9300万円となった。

 観光庁は、「観光はコロナ禍を経ても成長戦略の柱であり、地域活性化の切り札。国際相互理解・国際平和にも重要な役割を担っている。コロナ禍による変化や従来からの課題を踏まえ、我が国の観光を持続可能なカタチで復活させる」考えだ。

 

持続可能な観光地域づくり

 1本目の柱である「持続可能な観光地域づくり」全体では、51億6300万円を充当した。このなかで最も予算を割いた「地域における受入環境整備促進事業」では、13億7400万円を計上した。オーバーツーリズムの未然防止に向けた受入環境整備支援や、インバウンド安全・安心対策推進事業、宿泊施設の受入環境整備などを支援する。

 また、「観光地・観光産業における人材不足対策事業」に1億8000万円を充て、外国語人材の確保や経営の高度化を支援するほか、新規支援として、バックヤード人材の共有など、事業者間連携による省人化に資する取り組みを支援する。

 このほか、「全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業」に11億3000万円、「ICT等を活用した観光地のインバウンド受入環境整備の高度化」に9億9000万円を充てる。

 

地方を中心としたインバウンド誘客

 2本目の柱全体では、439億4600万円を確保した。

 新規事業として、ヴィーガンやムスリムなどの多様な食習慣・文化的習慣を持つ訪日外国人旅行者の誘客促進などに向けて、自治体や観光関係者が連携して旅行環境整備に取り組む「地域一体となったインクルーシブツーリズム促進事業」に8000万円を充当。1週間以上の旅全体を通じたストーリーの造成・販売への支援などを行う「ストーリーで繋ぐ地域のコンテンツの連携促進事業」に2億5000万円、魅力的なガストロノミーツーリズムコンテンツを造成し、地方誘客を促進する「地域一体型ガストロノミーツーリズム推進事業」に2億円を計上した。

 今年度の事業の中で最も多く予算を充てた「戦略的な訪日プロモーションの実施」では、125億4200万円を計上。

 このほか、「円滑な出入国の環境整備」「円滑な通関等の環境整備」「空港におけるFAST TRAVELの推進」など、CIQ(水際行政)の整備に予算を多く充て、スムーズなインバウンド受け入れを推進する。

 

国内交流拡大

 国内交流拡大では、「新たな交流市場・観光資源の創出事業」に6億1500万円を充当した。新たな旅のスタイル「第2のふるさとづくり」推進のほか、子育て世代を対象にしたワーケーションや、ノマドワーカーなどの新たな働き方に対応したワーケーションのモデル実証などを行う。

 また、「ユニバーサルツーリズム促進事業」に3000万円を計上した。

読売旅行、名物社員が厳選 「コダワリ温泉シリーズ」販売

2024年1月9日(火)配信

泉質第一の温泉旅行企画「コダワリの温泉シリーズ」を立ち上げた

 読売旅行(貞広貴志社長)はこのほど、日本全国をめぐる温泉好き社員が、泉質第一を掲げてこだわって選び抜いた温泉地を紹介するツアー企画「コダワリ温泉シリーズ」を売り出した。

 コダワリ温泉シリーズは、同社勤続30年の温泉好きサラリーマン「温泉ゆらりーまん」が泉質にこだわり、五感で感じ、第六感で満足した温泉地のみを紹介する温泉企画。1年前に始めた個人型ブランド「ブーケ」の新シリーズとして展開、少人数でも催行確定の気ままな旅を提供する。

温泉ゆらり~まん

 ツアーの一例として、「静岡県・観音温泉 自家源泉掛け流し 極上のつるつる温泉2日間」を販売している。地下600㍍から湧く強アルカリpH9.5の泉質を持つトロトロ肌触りの極上つるつる温泉のほか、合掌造りの大総檜風呂や満天の星を望む露天風呂あり。部屋は、自家源泉かけ流し「満天檜風呂」付き和室となる。設定期間は1~3月出発。旅行代金は1人当たり3万1900円から(東京発着・2人1室利用)。

 このほか、「栃木県・鬼怒川温泉 とろとろ硫黄泉 仁王尊プラザ2日間」では、鬼怒川ライン下りで使用された船をそのまま湯舟に利用した変わり種の屋形船露天風呂や、源泉100%かけ流しの温泉大浴場を堪能できる。設定期間は1~5月出発。旅行代金は1人当たり1万4900円から(東京発着・2人1室利用)。

 なお、先着500人のコダワリ温泉シリーズ参加者には、「オリジナル手拭い」をプレゼントする。

古代と戦国のロマンに触れる 埼玉県物産観光協会、行田で歴史ツアー実施

2024年1月9日(火) 配信

(左上から時計回り)稲荷山古墳、将軍山古墳展示館 騎馬人物模型、昼食イメージ、忍城おもてなし甲冑隊、横田酒造(イメージ)

 埼玉県物産観光協会(朝霧重治会長)はこのほど、古代と戦国のロマンに触れる「埼玉県名発祥の地『行田』の歴史満喫ツアー」を売り出した。3月17日(日)出発の日帰りツアー。

 隠れた歴史の宝庫、埼玉のなかでも幅広い時代の史跡に恵まれた行田で解説付きのガイドツアーとご当地の食文化が楽しめる。ポイントは古墳の見方が分かる「埼玉古墳群ガイドツアー」。大小9基の古墳からなる埼玉(さきたま)古墳群のうち、歩いて登れる「丸墓山古墳」「稲荷山古墳」と石室の中を再現した「将軍山古墳」を学芸員の解説で巡る。

 また、豊臣秀吉が唯一落とせなかったという頑丈な城・忍城の城下町を散策する。歴史作家「れきしクン」こと、長谷川ヨシテル氏と行田市観光PR隊「忍城おもてなし甲冑隊」が案内する。

 昼食は行田ならではの組み合わせとして、老舗「割烹魚豊」のうな重とご当地グルメ「ゼリーフライ」を用意する。

 料金は1人1万5000円、大人・子供とも同額。発着地は大宮駅。

高峰秀子大特別展の前売り開始 クラウドファンディングも実施中 

2024年1月9日(火) 配信

大特別展のPRポスター

 2010年に永眠した昭和の大女優・高峰秀子さんの生誕100年事業を実施する「高峰秀子生誕100年プロジェクト実行委員会」(会長=大江正彦・香川県小豆島町長)は1月9日(火)、プロジェクトの前半期のメインイベントである大特別展「逆境を乗り越えた大女優 高峰秀子の美学」の前売り券の販売を始めた。「チケットぴあ」「ローソンチケット」で取り扱う。

 大特別展は3月28日(木)から5月6日(月・祝)まで、東京都港区の東京タワー1階RED° TOKYO TOWER特別会場で開催する。

 数々の出演作品のスチールや映像、プライベート写真、自筆原稿、絵画、趣味の骨董品、生活用品など多種多彩な展示で人間・高峰秀子を表現する。

 前売り券は大人1100円(当日券1500円)。高校生以下は入場無料だ。

 一方、実行委員会は3月10日(日)まで、プロジェクトを推進するため、クラウドファンディングを行っている。目標金額1千万円で、金額に応じて高峰さんデザインした希少なマダムヒデコ鞄や、直筆イラストデザインTシャツなど、さまざまな返礼品を用意している。クラファンサイト「キャンプファイヤー」で受け付けている。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(156)カスハラ対策には「はじめの瞬間」 名前を呼び意識させる

2024年1月8日(月) 配信

 

 観光業界の企業や観光協会などから、多くの講演依頼を受けています。先日は公共施設の接客研修を依頼されました。事務局から連絡をいただき、事前ヒアリングの時間で、お話を伺いました。

 お話のなかで、来館者は「お客様」ではなく、「市民」や「利用者」です。リピート利用は大切ですが、民間事業と違い、利益を上げるのが目的ではありません。「それを踏まえて、話をしてもらいたい」ということでした。

 ただ、市民が利用者でも不快な想いはさせられない。そのなかには、理不尽な言葉を発する人もいて、現場スタッフは常に緊張しながら、日々の業務に向き合っている、ということでした。「おもてなし」が助長すると言う「カスハラ」という言葉を、耳にすることが多くなりました。コロナ禍で人との接触が減り、SNS上にも心ない言葉があふれています。

 施設側に問題がなくても、来館する前から何らかの不満を持っていて、突然怒りをぶつける人がいるようです。「それでも、私たちは日々多くの利用者を迎えなくてはなりません」と担当者は話します。

 そこで、「はじめの瞬間を大切にしましょう。ボタンの掛け違いで、その後の対応が難しくなります。出逢いの瞬間を元気に明るく、利用者を迎えることが大切」と伝えました。

 私の友人にとてもドライで、おもてなしにあまり関心のない人がいます。無駄な話が苦手で、興味のないことには口数も少ない。その友人と同じ店に2度目の訪問をした時のことです。店主から突然に友人の名前を呼ばれて、驚いていました。

 友人はその後、店主に積極的に話し掛けていました。名前を呼ばれて親近感を持ったのだと思います。その姿を見た時に、改めて「名前を呼ぶ」大切さを知りました。研修会では、「よく利用する名前の分かる人は、積極的に名前で呼んでお迎えましょう」と話すと、参加者の多くが大きく頷きました。

 しかし、頭では分かっていても、実際にやらなければ、できないこともたくさんあります。ロープレで、「どなたかチャレンジしませんか」と呼び掛けると、参加者の1人が元気に手を上げて前に出て来て、「よろしくお願いします。西川さん」とあいさつされました。

 こうした迎え方ができれば、機嫌の悪い人であっても、それを私たちにぶつけて来るような人を少なくできると考えます。

 目の前のお客様に、一生懸命に仕事をすることは尊く大切なことです。しかし、感情に任せて苦情をいう人が増えているなかで、大切なお客様にカスハラをさせない接客を目指すことも、私たちの仕事を守るためには大切なのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

津田令子の「味のある街」「金目鯛煮付セット」――郷土割烹伊豆の味おか田(静岡県・南伊豆町)

2024年1月7日(日) 配信

郷土割烹伊豆の味おか田の「金目鯛煮付セット」中セット(3000円税込)▽静岡県賀茂郡南伊豆町湊307-1▽☎0558(62)1006。

 金目鯛の煮付けといえば伊豆の味おか田といわれるほどの有名かつ人気を誇る「郷土割烹伊豆の味おか田」を久しぶりに訪ねた。「ゆったりお食事を楽しまれたい方には個室もご用意させていただいております。なんなりとお申し付けください」とお客様一人ひとり丁寧に言葉を掛けられ、ホスピタリティを感じる対応に感動する。

 

 美しい海と山、温暖な気候に恵まれた南伊豆湊に創業1985年の「おか田」はある。「召し上がっていただくだけではなく時間と空間にゆとりとを持っていただけたらという思いから設計しました」と2代目社長の岡田正司さんはおっしゃる。これまでにテレビやラジオの取材、さらにプライベートで家族ともども訪ね、その度に、新鮮な素材の豊かさに感激しながら金目鯛の煮付けを食べていたことを思い出している。

 

 コロナ禍で、なかなか自由に取材に出られないでいるときに始めたお取り寄せ便が順調とのこと。サイズは大、中、小の3種類。中セットは「頭半割、カマ1切、身4切」3000円(税込)だ。以来南伊豆の美味しい味が、簡単に食卓に届く方法があると聞き、取り寄せたり友人に贈ったりしている。隣接する下田市は金目鯛の水揚げ量が日本一の港だが、この特産の新鮮な金目鯛をさまざまな料理法で提供している。冷凍の状態で送られてくるので冷凍庫での保存になる。「食べる際は冷凍庫から取り出して10分から15分ぐらい湯煎して召し上がって下さい。冷凍調理品なので到着後1カ月以内にお召し上がってほしい」と岡田さん。

 

 おか田の煮付けの特徴は「漁場煮」と呼ばれる地元漁師の料理法で、漁師が船の上で食事をとる際に「煮汁自体が、ご飯のおかずになるように」と考え出されたという。甘辛い濃い目の煮汁をあつあつのご飯にかけていただいてから、皿に載せられた赤い鱗までたっぷり煮汁で浸した金目鯛に目を向け、厚み3㌢はあろうかという肉厚の身を一気にほぐしていく。とにかく美味しい。口の中を南伊豆の磯の香りと塩梅良く味付けされた煮汁が、占領している。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「観光革命」地球規模の構造的変化(266)  観光立国と観光亡国

2024年1月6日(土) 配信

 2024年は1月に台湾総統選挙、3月にロシア大統領選挙、4月に韓国総選挙、11月に米国大統領選挙があり、選挙結果次第で波乱が生じる可能性がある。またロシアによるウクライナ侵攻、ガザでのジェノサイド(集団殺戮)、中国の習近平独裁政権の行方などが懸念されており、今年は「大波乱の年」になると予想されている。

 世界の大波乱に先駆けて、日本では昨年末に政治資金パーティー裏金疑惑で安倍派所属の多数の閣僚が更迭され、波乱が生じている。今後、東京地検特捜部による捜査の進展次第で岸田政権の崩壊が危惧されている。

 岸田首相は昨年11月に閣議決定した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」で、円安を生かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化、地方活性化につながる観光施策の重要性を強調し、2030年の訪日外国人旅行者数6千万人、訪日外国人旅行消費額15兆円の目標達成を表明した。要するに安倍政権・菅政権による「インバウンド観光立国」政策の継続を表明したものだ。

 そういう意味では北海道のニセコ・エリア(倶知安町とニセコ町)は世界に誇り得るパウダースノーのお蔭で、アジアの優良企業による開発投資の対象になり、外資系最高級ブランドホテルが次々に開業している。

 良質で最上級のホテルコンドミニアムは国内外の富裕層にとって投資対象になっており、投資が投資を呼ぶ好循環が生み出されつつある。まさにニセコ・エリアは「インバウンド観光立国の優等生」である。

 とはいえ地元住民にとっては地価高騰・物価上昇、外国人急増による軋轢などがあり、開発と環境保全のバランス保持、不動産売買の適正な規制、地域の将来ビジョン策定など解決すべき課題が山積している。

 このエリアでは既に観光業を中心に人材獲得競争が激化しており、賃金高騰のあおりを受け、倶知安町の介護事業者が人材確保に苦労している。リゾート地区ではパート時給が高騰し、重労働のわりに低賃金の介護職が敬遠されている。訪問介護事務所が求人難で閉鎖する事態が生じており、地域にとって大きな痛手だ。

 国際リゾート地の隆盛化は「観光立国」に貢献しているが、地域にとっては「観光亡国」という面がある。いかに地域との共存共栄をはかるか、が重要な緊急の課題である。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

125万会員のネットワーク生かす 【日本商工会議所・小林健会頭 2024年年頭所感】

2024年1月6日(土) 配信

日本商工会議所 小林健会頭

 日本商工会議所の小林健会頭は1月1日(月)、2024年の年頭所感を発表した。全文は以下の通り。

 明けましておめでとうございます。

 2024年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

(時代の転換を図るチャンスの年に)

 さて、昨年の経済社会情勢は、内外ともに不透明さと緊迫の度が増した1年でありました。世界ではロシアによるウクライナ侵攻の長期化に加え、中台間の緊張、イスラエルとパレスチナ武装勢力間の衝突も深刻化するなど地政学リスクが増大する1年となり、国内ではアフターコロナで緩やかに景気が回復するものの、1㌦=150円前後の歴史的水準に達した円安や41年ぶりの上昇率を記録した消費者物価・エネルギー価格の高騰の影響、深刻さを増す人手不足など、依然として厳しい状況にあります。本年も、先行き不透明な状況が続くことは一定程度覚悟しなければなりません。

 一方、コロナ禍を乗り越え、社会経済活動の正常化が加速したことで、設備投資意欲が顕在化し、約30年ぶりの高い賃上げが実現されるなど、時代の転換が萌芽しています。今こそ、デフレ経済からの完全脱却、成長と分配による経済好循環を実現していく絶好のチャンスにしなくてはなりません。

 政府におかれては、岸田内閣が掲げる「新しい資本主義」の成長戦略を確実かつ速やかに実行に移すことで、生産性向上に裏付けされたモデレートな物価上昇、構造的な賃金上昇を実現し、持続的な成長型経済への転換を果たしていくべきであります。短期的利益に拘泥することなく、中長期の安定的経済発展のための「攻めの経済」、すなわち成長基盤の強化に寄与する政策に国家資源を集中し、官民一体となって、グローバル競争を勝ち抜く足腰の強化を図ることが重要だと考えます。昨年の総合経済対策では、中小企業のチャレンジを支援する方針が明確に示され、エネルギー高騰や物価高対策に加えて、潜在成長率の底上げに資する対策も多く打ち出されました。あとは実行あるのみです。

(「停滞」から「成長」へ)

 当然のことながら、われわれ民間も政府に環境整備を求めるだけでなく、「停滞」から「成長」へとマインドを切り替えるとともに、時代の大きな変化を的確に捉え、自己変革に挑戦していかなければなりません。創意工夫に知恵を絞り、絶えざるイノベーションや事業の再生、再構築にまい進し、人や設備への投資を活性化させることが、経済全体としての新たな雇用の拡大、賃金増、さらなる需要増といった好循環を産み出すことにもつながります。また、原材料や光熱費、労務費などの原価を吸収し、適正な利益を確保するためには、「取引価格の適正化」が不可欠であります。引き続き、「パートナーシップ構築宣言」の実効性向上に向け、価格協議・価格転嫁が商習慣として定着するよう、われわれとしても粘り強く取り組んでまいります。

(125万会員のネットワーク力を生かす)

 日商会頭に就任し、1年と2カ月が経過しました。この間、副会頭11商工会議所を訪問するとともに、各ブロックの総会や青年部、女性会の全国大会にも参加し、地域の第一線で活動されている会員事業者の皆様と意見交換する機会に恵まれ、多くの示唆を頂きました。この場をお借りして、心から感謝申し上げます。また、昨年6月に日韓商工会議所首脳会議を開催し、10月には、4年ぶりとなる経済ミッションを率いてフィリピン・マレーシア・シンガポールを訪問し、民間経済外交を本格的に再開しています。

 「原点は対話である」が私の信条であり、本年も本年も可能な限り各地を訪問し、国内外の皆さまとの対話を重ねるとともに、経営指導員など現場により近い方々の声も踏まえ、活動の軸である「現場主義」「双方向主義」を実践し主義」を実践してまいる所存です。

 われわれ商工会議所の最大の強みは、全国515商工会議所125万会員のネットワークであり、中小企業が直面する課題が複雑化する中、このネットワーク力を最大限に生かした行動が必要です。2025年には大阪・関西万博が控えており、地域の多様な主体の連携拠点として、全国的な機運の醸成をはかるとともに、ビッグイベントを新たな成長につなげていく動きを強力に後押ししてまいります。本年も「地域とともに、未来を創る」理念のもと、地域経済が再び成長と分配の好循環や豊かさを実感できるよう、515商工会議所の総力を結集して参りたいと存じます。皆さまの一層のご支援とご協力を心からお願い申し上げます。

令和トラベル、最大5万円相当ポイント当たるたびみくじ開催 海外旅行促進へ1億円相当用意

2024年1月5日(金) 配信

1月10日(水)まで実施している
 回復が遅れている海外旅行を促進しようと、令和トラベル(篠塚孝哉社長、東京都渋谷区)は1月10日(水)まで、最大5万円相当のNEWTポイントが当たる「たびみくじ」を開催している。総額1億円分のポイントを用意した。
 
 たびみくじは1日1回引くことができる。おみくじの結果をX(旧Twitter)やLINEにおいて発信することで、再度1回引ける。5万円相当の同ポイントは10本用意。さらに、1万円相当の同ポイントは100本準備している。
 
 同社は「用意したNEWTポイントがなくなり次第終了するため、早めに参加してほしい」としている。

クラブツーリズム、米国で野球観戦へ ドジャース3試合観戦付きツアー(3月10日発)

2024年1月5日(金) 配信

憧れの選手を間近に見られる可能性も!(©Max.T)

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都江東区)はこのほど、アメリカで野球の春季キャンプ見学とロサンゼルス・ドジャースのオープン戦3試合を観戦する4泊6日の東京発ツアーを売り出した。添乗員が同行し、現地での移動は専用車で案内する最大16人限定の野球ファン向けツアーを催行する。

 ツアー期間中、ロサンゼルス・Dは米国・アリゾナ州にあるスタジアム「キャメルバックランチ」が試合会場となり、スタジアム周辺の練習場を使ってトレーニングを行う。ツアー参加者は各試合前に練習会場へ向かい、キャンプ地ならではの選手との距離間で練習風景を楽しめる。

 観戦試合は、レギュラーシーズン開幕前のオープン戦3試合(座席指定なし)。2日目にクリーブランド・ガーディアンズ戦、3日目がサンフランシスコ・ジャイアンツ戦、4日目はシアトル・マリナーズ戦を観戦する。

 出発日は3月10日(日)。旅行代金は69万8000円~78万6000円(燃油サーチャージ別)。宿泊はフェニックスのホテルに4連泊となる。