〈旬刊旅行新聞2月21日号コラム〉想い出の地 春を迎えに房総フラワーラインへ

2019年2月21日(木) 配信

花が美しい房総フラワーライン

 初めて正社員として雇ってもらった会社は、小さな広告会社だった。少人数のため、仕事は多忙だった。広告制作の傍ら、進行管理も担当していた。社会人として未熟だった私は、営業部がせっかく取ってきた広告を、何度か入稿の手続きを忘れてしまうといった失態も繰り返し、精神的にもかなりきつい状態にあった。

 ある朝、心身ともに疲れ、東京・三鷹市の安アパートから通勤電車に乗ったものの、足がどうしても会社に向かうことができず、東京の都心を通過して、そのまま総武線で千葉方面に向かっていた。

 早朝から、夜遅くまで働き通しだったため、週末の休日でさえ、「夕方近くまで布団の中で疲れを癒す生活」が数カ月続いていた。平日の房総半島を下る電車の乗客はまばらで、緊張続きの普段とは異なる長閑な世界に映った。5月の雲ひとつない青空が広がる季節だった。

 電車を降りたのは、館山駅だった。駅近くで昼ごはんを食べて、海辺に向かった。なぜ、自分は会社ではなく、房総の南端に来ているのだろうと、何度も自問した。そういえば、5歳年上のいとこの兄が、「オートバイで房総半島を走るのが好きなんだ」と話していたのを、胸のどこかにひっかかっていたのかもしれないと思った。

 それから再び電車に乗り、千倉駅で下車した。行くあてのない旅で、気の向くままに歩いていると、漁村に辿り着いていた。もう日が落ちかけていた。

 その日のあと、間もなく会社に辞表を提出した。この小さな旅は、自分自身にとってはとても大きな旅であり、館山市や千倉町(現・南房総市)には特別な想いがある。

 月日が流れ、自分が家庭を持つようになってからは、外房の九十九里浜に行く機会が多くなった。

 当時勤務していた会社は週休1日だったので、暇を見つけては白子海岸や、ときにはその先の御宿まで、中古の三菱パジェロで走った。自宅の神奈川県から相当に遠かったが、休日は砂浜で何もせずに、広大な浜辺を眺めるという時間を大切にした。九十九里浜は波と波の間隔が広く、私が生まれ育った九州の海とは違っていた。色彩の少ない寂しげな景色も気に入っていた。

 家族と南房総市の小さなホテルに宿泊したのも、ちょうど今ごろの2月下旬だったと思う。宿を出て、房総フラワーラインをドライブした。菜の花や、季節の花々が道の両脇に咲き乱れ、まだ風に冬の名残があるなかで、一足早く春の訪れを感じたのを強烈に覚えている。

 千葉には出張で訪れることもあるが、鋸山にも登ったことはないし、養老渓谷にも行ったことがない。今、話題の香取市佐原の伝統的建造物群保存地区も、まだ訪れたことがないのである。だからこそ、私にとって楽しみの多い土地に感じるのだろう。安くて美味しい魚介類や、果物の宝庫でもある。

 東京湾を挟み、対岸の三浦半島の観音崎で魚釣りをしているときに、ぼんやりと眺める房総半島は、手が届くほど近くに感じる。まだ、少し寒いが、もう少し暖かくなったら、横須賀市の久里浜からフェリーで富津市の金谷港に渡り、オートバイで房総フラワーラインを走り、春を迎えに行こうと思う。館山市で炙り海鮮丼を食べることも楽しみだ。

(編集長・増田 剛)

2月第4日曜は雪の日 長野県のスキー場「パラダ」でマグロの解体ショー

2019年2月21日配信(木) 配信 

マグロ解体ショー(イメージ)

長野県の佐久スキーガーデン「パラダ」は、長野県が定める「雪の日」のイベントとして、2月24日(日)当日、スキー場では珍しい「マグロの解体ショー」を開催する。解体ショーのあとは、新鮮なマグロを佐久(さく)だけに「マグロの柵(サク)」にして一皿500円~各部位を特別価格で販売する。

マグロの解体ショー

開催日時:2019年2月24日(日)午後0:30~
場所  :佐久スキーガーデン「パラダ」 北パラダ レストラン ロッソビアンコ
     長野県佐久市上平尾2066-1

「雪の日」とは

 長野県の市町村・民間団体等で構成するスノーリゾート信州プロモーション委員会が、2月第4日曜日を、雪や冬の自然の恵みに感謝し親しんでもらうために2017年に定めた。「雪の日」には長野県内の各スキー場にてキャンペーンやイベントを行い、周知活動に取組んでいる。

パラダで開かれる今後のイベント

「パラダ」シーズン券プレゼントキャンペーン!
開催日:
2月23・24日(土・日)
リフト券購入者の中から1人に来シーズンの「パラダ」シーズン券プレゼント

パラダハッピー大抽選会!
開催日:2月23・24日(土・日)
今シーズン使えるパラダリフト1日券などがその場で当たる抽選会!

キッズカーニバル
開催日:3月9日(土)
初心者スキーキッズ向きの簡単なポールチャレンジ

かぶ太くんホワイトDayイベント
開催日:3月10日(日)
小学生までの子供を対象に、チョコレートファウンテンサービス、菓子プレゼント

パラダ施設概要

 「インター直結0キロ0分!」上信越自動車道・佐久平パーキングエリアと直結している日本唯一の高速道路直結スキー場。関越道練馬インターから約90分、約150㌔と首都圏からのアクセスが抜群だ。タイヤチェーンもほぼ不要で、雪道運転の不安がない。

 晴天率も90%(パラダ調べ)と、天気の良さは長野県内でもトップクラスを誇る。温泉施設もあるためご家族そろって1日ゆっくりお楽しめる。

施設名称: 佐久スキーガーデン「パラダ」
所在地 : 〒385-0002 長野県佐久市上平尾2066-1
開設  : 1994年12月15日
TEL/FAX: 0267-67-8100/0267-68-5117
営業期間: 2018年12月21日(金)~2019年3月24日(日)
営業時間: 午前8:30-午後4:30(各施設の営業時間は異なる)
入場者数: 152,500人 昨シーズン実績
駐車場 : 無料 約1,500台(北パラダ約800台、南パラダ約700台)

 

ファンタジーRPG「キャラスト」にリアル温泉地が登場 

2019年2月21日(木)配信

温泉コラボTOP

ファンタジーRPG「CARAVAN STORIES(キャラバンストーリーズ)」は、国内の温泉地との長期間コラボレーションイベントを、2019年12月31日(火、予定)まで実施している。

全国の温泉地とスマホゲームがコラボ

 全国各地の温泉地がファンタジーRPG「CARAVAN STORIES(以下 キャラスト)」の世界に登場する。コラボレーションするのは秋保温泉(宮城県)、加賀温泉郷(石川県)、黒川温泉(熊本県)、塩原温泉郷(栃木県)、湯河原温泉(神奈川県)の5カ所。ゲームの中に登場する各温泉地では、その土地ならではの歴史や伝説、名物などをファンタジー風にアレンジされたストーリーで知ることができ、温泉地の魅力を楽しく学ぶことができる。

 さらにゲーム内にはGPS機能を活用した観光マップも搭載。それぞれの名所を巡ることで特典を受け取れる仕組みもあり、ゲームのなかで温泉地を知り、実際に温泉地に足を運ぶことで、より深い温泉旅を楽しめるイベントになっている。

コラボ記念キャンペーン実施中

コラボ限定衣装

温泉地をめぐってアイテムをもらおう!GPS通信でお得なアイテム入手可能!
 実際の温泉地に足を運び、ゲーム内のGPSマップで指定された名所を巡ることでお得なゲーム内アイテムを受け取ることができる。GPSマップには観光名所や土産屋など様々な場所が温泉地ごとに9つ設定され、温泉地の魅力をより楽しめる仕組みになっている。

温泉地でシリアルナンバーカードを受け取って、コラボ限定衣装などをゲットしよう!
 各温泉地の施設にて、ゲーム内で利用できる様々なお得アイテムを入手できるキャンペーンコードを配布している。なかでも、コラボ限定衣装はキャンペーンコードでしか入手できない特別なアイテム。全部で5種類の浴衣衣装を用意している。

CARAVAN STORIESとは

 旅のパートナーである魔動要塞「キャラバン」や6種族からなる仲間たちと世界を冒険し、世界をゆるがす敵「エニグマ」の謎に挑むファンタジーRPG。圧倒的なグラフィックで描く世界は自由に歩き回って冒険できるほか、他プレイヤーとの協力プレイや対戦コンテンツなど、やり応えも抜群の作品だ。高い表現力を生かし、過去には沖縄県の美しい離島「伊江島」や動物園「伊豆アニマルキングダム」とのコラボレーションも実施している。

サービス名称: CARAVAN STORIES(キャラバンストーリーズ)
開発/運営元: Aiming(エイミング)
推奨端末  : iOS/Android/Windows
利用料金  : 無料(コンテンツ内課金あり)

【特集No.515】地域で奮闘するFC 地域間競争激化 特色ある魅力を

2019年2月21日(木) 配信

1745号1面イメージ

 息をのむ展開の映画や旬の役者が映えるドラマ作品のかげに、地域で奮闘するフィルムコミッション(FC)がいる。FCは映像制作者の撮影にさまざまな支援を行う。映像作品が当たれば、地域へファンが訪れ、観光振興や地域活性化につながる。一方、実務は撮影許可の交渉からロケハン(撮影の下見)、宿泊施設の紹介や地域住民との合意形成、作品の宣伝など多岐にわたる。日本で初めてFCが設立したのは約20年前で、今は全国に300近いFCがあるという。地域間競争が激化するなか、特色ある魅力を打ち出すFCらを取材した。

【平綿 裕一】

アニメ聖地の意識定着  半信半疑が一転  強みに 湘南藤沢FC

 湘南藤沢フィルム・コミッション(神奈川県)では2012年に初めて深夜アニメーションの撮影を支援したのち、地元舞台の作品を数多くサポートしてきた。初めは半信半疑だったアニメ作品も一転、いまや欠かせない強みだ。「アニメの聖地としての意識も定着している」と藤沢市観光協会事業担当課長兼FC担当課長の柳田芳和氏は語る。多言語化したアニメ版ロケ地マップの作成もするなど、PRに熱が入る。

多言語アニメ版ロケ地マップも

 湘南藤沢FCは2002年に設立した。過去5年間でロケ支援の平均をみると、依頼件数は652件、実績件数は136件で、ロケ日数は約200日だった。2日に1度以上はロケがある。17年の宿泊やロケ弁などによる直接的経済効果は約1244万円、メディア露出などの間接的経済効果は約60億円に上る。

 すでに今年1月現在で500件を超える問い合わせがあり、実績件数は125件、直接経済効果は1250万円と売れっ子FCとなっている。ただ、地元舞台の映画が舞い込んできたのは設立後10年以上が経ってからだ。支援を通じ、以前にドラマを撮った人が、その後に映画を撮りにきてくれることもあった。柳田氏は「長い道のりがあった」と振り返る。

 さまざまな撮影支援を行うが、とくに力を入れるのはPRだ。

 12年のアニメ「つり球」は台湾でも放送があり、台湾台北国際旅行博の出展時にオリジナルのうちわやチラシを配布した。同年の「TARI TARI」は、江の島で主演声優によるファン感謝祭を行った。スタンプラリーはもちろん、作品をテーマにした市民向けフォーラムも開く。開催すれば全国からの応募がある。

 「アニメでも支援は同じだが、主にロケハンが中心となる。初めは、作品完成後のグッズ販売などを疑っていた。『深夜アニメのものが売れるわけない』」――。しかし、ふたを開ければ飛ぶように売れた。アニメの力を身をもって経験済みだからこそ、地域では全面的な協力体制ができあがっている。……

【全文は、本紙1745号または2月27日(水)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

 

温水洗浄便座を表すシンボルマーク策定 ホテルや駅などで設置

2019年2月21日(木) 配信 

シンボルマーク

日本レストルーム工業会(喜多村円会長、愛知県名古屋市)はこのほど、温水洗浄便座の利用機会拡大に向け、パブリックトイレにおいて温水洗浄便座を設置してあることを示すシンボルマークと洋式トイレ、和式トイレの設置を示すシンボルマークを策定した。

 同シンボルマークは、ホテル、商業施設、駅などの公共施設で掲示。また、宿泊予約サイトや案内パンフレットなどで、自由に活用できる。ダウンロードは同会のホームページで可能だ。

 訪日外国人観光客数の急増に伴い、「だれでも安心して使えるトイレ環境」を目指し、シンボルマークを作成。理解度試験(図記号が何の機能を表すものかを確認する試験)と視認性試験(図記号の大きさを小さくしても何を表しているかが分かるかを調べる試験)を日本国内と海外5カ国(中国、韓国、米国、ドイツ、インドネシア)で実施した。

 同会実施の外国人を対象にしたアンケートで、旅行中「必ず温水洗浄便座があるトイレを使う」、「できるだけ温水洗浄便座があるトイレを使う」と答えた人は8割以上。さらに、「旅行中に温水洗浄便座の設置情報があると役立つ」との回答は9割以上だった。

 また、多くのパブリックトイレで洋式便器と和式便器が混在。使用中はどちらの便器か確認できない。「シンボルマークを設置し、訪日外国人観光客など多くの利用者によりわかりやすく、トイレを利用できる」(同社)と説明している。

 

 

 

 

第4回旅館甲子園 新潟県・松之山温泉の「酒の宿 玉城屋」がグランプリ

2019年2月21日(木) 配信 

グランプリの「酒の宿 玉城屋」

全国旅館ホテル生活衛生同業組合会の加盟施設がエントリーする第4回旅館甲子園(大会会長=西村総一郎全旅連青年部長)の決勝戦が2月20日に東京ビッグサイトで開催された。全国1230施設のなかから、「酒の宿 玉城屋」(新潟県・松之山温泉)がグランプリを獲得した。

 2次審査を通過し、決勝に出場したのは、「酒の宿 玉城屋」と、「ホテル松本楼」(群馬県・伊香保温泉)、「柏屋旅館」(群馬県・四万温泉)の3宿。決勝戦は過去の大会と同様に出場する宿が、経営方針や従業員の努力、地域貢献、宿の人事制度などをプレゼンテーション形式で発表した。

 審査基準は共感(取り組みや考え方に共感できるか)、有効性(取り組みによって効果的な成果があったか)、戦略性(取り組みに戦略性があるか)、意味性(取り組みに意味はあるか)、模範度(取り組みがほかの模範になるか)の5つ。100点を満点として、審査員10人に50点、来場者による投票30点、2次審査に20点を振り分け、点数の最も高い宿がグランプリに選ばれる。

 審査委員長の多田計介全旅連会長は「旅館甲子園をきっかけに、これからの時代を担う青年部と本部が連携し、よりよい未来を創りたいと考えている」と総括した。

 また、閉会のあいさつで西村大会会長は、「地域を明るくできるのは旅館・ホテル。我われが、全国の地域を元気にできれば、日本全体は明るくなる」と語った。

開催報告・概要 - 第四回旅館甲子園 | 全旅連青年部(AJRA)|平成29・30年度 公式...
http://ajra.jp/ryokankoushien_2019/
全旅連青年部は未来の宿泊産業を支える人材を育成する目的のため1969年に設立された、47都道府県の組合青年部が加盟する全国組織です。

エクスペディアG、2018年の日本宿泊施設需要を分析 日本人の半分はモバイル端末から

2019年2月21日(木) 配信 

スマホが重要なツールに

エクスペディアグループはこのほど、2018年の日本宿泊施設の需要をとりまとめた。同社の提携宿泊施設に対する国内とインバウンドからの需要は、前年比50% を超え、全体として好調だった。分析によると、宿泊施設予約時のモバイル端末利用率は、日本が2分の1で、世界水準の3分の1を上回った。PCだけでなく、モバイル端末に特化したオンライン販売がさらに重要になってきそうだ。

 東京と大阪、沖縄、名古屋、京都は、2018年の国内からの旅行者需要上位5地域となり、国内需要は平均で60%拡大した。同時に、上位5地域に続く人気地域への国内需要も好調な伸び(50%)を示し、日本人国内旅行者のOTA (オンライン旅行会社)人気が上昇していることがうかがえる。

 同社は「分析からは、多くの日本人旅行者が国内の新たな旅行先に関心を向け始めていることがわかる」という。埼玉の宿泊施設への需要が130%近く高まり、青森 (95%)、岐阜 (95%)、高知 (90%)、茨城 (80%) での増加率も大きな伸び率を示した。

 昨年は自然災害の多い年だったが、とくに国内需要は日本の提携宿泊施設が業績を回復する推進力となった。西日本と北海道に対するインバウンド需要は、豪雨と地震の影響で8月と9月に 10%落ち込んだものの、国内需要は35%伸び、観光による被災地支援に貢献している。

インバウンド需要は堅調、インドネシア、アイルランド、スペインが伸び率トップ

 東京と大阪、京都、沖縄、福岡はインバウンド需要が前年比で平均50%増となり、人気地域としての地位を不動の地位を占めている。他方、上位に迫る勢いで伸びている、成長率トップ 5 は、埼玉(170%)、青森(110%)、新潟 (90%)、愛媛 (85%)、鳥取 (85%)となった。提携宿泊施設の平均客室単価(ADR)は、青森がADR35%増、新潟が15%増、埼玉が10%増と躍進した。

 18年の日本へのインバウンド旅行者が多い市場は、韓国、米国、香港、台湾、中国の順だった。順位は入れ替わったが、上位 10 市場に変化はなかった。一方、インドネシア(230%)、アイルランド(200%)、スペイン(100%)、インド (100%)、イタリア(70%)は市場規模を急速に拡げた。

  これらのなかで、エクスペディアのパッケージ商品に対するインバウンド需要が前年比で145%と急伸した。ことにインドネシアと韓国、台湾、中国は、パッケージ商品を好む傾向が強くみられた。
 
 「パッケージ商品を予約した宿泊者は、宿泊施設を単体予約した宿泊者より支払う宿泊料金が5%高く、宿泊数は 1 日長いうえ、キャンセルの可能性は35%低い。日本の提携宿泊施設にとって、パッケージ商品は潤沢な収益源となる」という。

 

県内のデザイン性に優れた品が一堂に 香川デザイン倶楽部開かれる

2019年2月21日(木) 配信

香川の県産品を融合したアクセサリーブランドクエット

香川県は3月5日(火)まで、県内のデザイン性に優れた工芸品や県産品が一堂に会する展覧会「香川デザイン俱楽部」を伊勢丹新宿店本館5階で開く。作家が作品の魅力を説明しながら販売を行うほか、今年誕生した香川の県産品を融合したアクセサリーブランド「qetto(クエット)」を初お披露目する。

 クエットはアートディレクターの村上モリロー氏が立ち上げた。香川漆器作家の松本光太氏、庵治(あじ)石作家の伏石康宏氏らとともに、忙しい現代社会を生きる女性に向けた商品を開発した。コンセプトは、「折り重なることで美しくなる瀬戸内の多島美のように、県内の伝統工芸や地場産業を折り重ね新たな価値を生み出す」。香川漆器の技術を丸亀うちわの技法や庵治石とそれぞれ組み合わせたピアスや、手袋のニットを漆で固めたネックレスなど4種類を商品化した。

(左から)伏石氏、村上氏、松本氏、浜野弘文課長補佐

 村上氏と松本氏、伏石氏は2月19日(火)、香川県交流推進部県産品振興課の浜野弘文課長補佐とともに本紙を訪れ、「香川デザイン俱楽部」と「クエット」のPRを行った。村上氏は「伝統工芸品をつくる技術は、心を豊かにするために磨かれてきたと感じている。クエットは、それに気が付くきっかけになると思う」と語り、「香川県の他の伝統工芸や地場産業ともコラボレーションし、ブランドを強化していく」と語った。

 松本氏と伏石氏は香川漆器と庵治石の認知度が低いこと課題に挙げ、「香川デザイン俱楽部は、工芸品を見るとともに、職人の話も聞ける場。訪れて、香川の伝統工芸品の魅力に触れてください」とPRした。

福島への送客目標10万人へ 第14回国内観光活性化フォーラムinふくしま開く

2019年2月21日(木) 配信 

会場のビッグパレットふくしま(郡山市)には多くの会員が参加した

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は2月15日に、福島県郡山市で「第14回国内観光活性化フォーラムinふくしま」を開いた。全国47都道府県から約1200人が集まった。フォーラムでは、同県への送客キャンペーンの目標が10万人に決まった。これまで慣例化していた3万人から大きく増え、会場ではどよめきが起こったのち大きな拍手で認められた。二階会長は「観光発展こそが復興につながると確固たる自信をもって奮起してほしい」と述べた。

二階俊博会長

 

 二階会長は冒頭、「東日本大震災から、東北地方で入込客数は震災前の水準に戻りつつあると聞いている。大変力強く感じ、うれしく思っている」とあいさつ。そのうえで今後も、「観光こそが日本の未来をひらくと気合をかけて、活躍していただきたい」と述べた。

 来賓代表あいさつで観光庁の田端浩長官が登壇した。18年の訪日外国人旅行者数が3119万人、消費額は4兆5064億円で、ともに過去最高だったとした。

 田端長官は基調講演も行った。東北6県の観光産業の現状について「延べ宿泊者数は2010年度と比べ、17年度は106%まで回復した」と報告した。ただ全国で延べ宿泊者数は7969万人泊いるが、東北6県の合計は107万人泊と全体の1%程度。田端長官は「まだ課題は残る」と語った。

 教育旅行も厳しい状況が続く。震災前は約70万人泊を受け入れてきたが、11年に約13万人泊に減少した。17年度は約49万人で、震災前の7割ほどにとどまる。

講演を行う田端長官

 田端長官は教育旅行再生事業として、ホープツーリズムを紹介した。ホープツーリズムは、復興に正面から向き合う「人」との出会いや「福島のありのままの姿(光と影)」を体験してもらうツアー。17年度にはモニターツアー8本に191人の参加があった。

 「過去にモニターツアーに参加した学生が、生徒会などへプレゼンして旅行を企画した。18年度(2月7日時点)の参加者は121人にのぼる。非常にすばらしい取り組みだ」と強調した。

 記念講演は、元ラジオ福島アナウンサー(現在はフリーアナウンサー)の大和田新氏が登壇した。福島県での津波被害を描いた紙芝居をなどを紹介し、いまなお残る原発事故のつめ跡を力強く訴えた。「道路や建物などのインフラを整備することは復興ではなく復旧。家族を亡くした人たちが一歩前に進むこと。『亡くなった家族の分も、生きていこう』。きっとこのときが、初めての復興だと思う」と来場者に語りかけた。

高知県送客CPと学生プランコンテスト表彰式

最優秀を受賞した岩崎さん(前列左から2人目)

 昨年の高知県送客キャンペーンは延べ3万5516人を超え、目標を達成した。最優秀会員賞は日本内外旅行(熊本県)。優秀会員はそらまめキッズツアー(埼玉県)で、準優秀会員は奥伊勢ツーリスト(三重県)、トラベル本舗(長野県)の2社となった。

 一方、今年の3―12月末の10カ月間に福島県への送客キャンペーンを行う。目標送客人数は10万人とした。國谷一男副会長は「福島県の魅力を全国に発信し、一層の送客・支援に協力してほしい」と会員に呼び掛けた。

 「学生がつくる高知県の着地型旅行プランコンテスト」では32人27作品の応募があった。最優秀賞は国立大学法人福島大学2年生の岩崎綾さんの「奥会津みぃつけた! 伝統体験の旅」となった。

 岩崎さんは「今回の取り組みを通じて、福島県の魅力を再発見することができた。この経験を糧にして、今後の大学の活動にも生かしてきたい」と喜びを語った。

次回は熊本県へ

熊本開催へ

 引き継ぎ式で東北地方支部長連絡会の髙橋幸司議長から、九州地方支部長連絡会の岩本公明議長に大会旗が手渡された。

 熊本県の松嶋洋支部長は「(熊本地震の)復興までは道半ば。ただ、ぜひ熊本に来てもらい、創造的復興が進んでいるさまをみてほしい」とあいさつした。松嶋支部長は、大弾幕を掲げる大勢の支部会員と声を合わせ「火の国くまもと来てはいよ」と締めくくった。

 懇親交流会ではフラガール(スパリゾートハワイアンズ)らが会場を盛り上げた。開催地の地元郡山市の日本酒もふるまわれ、交流会は熱気に包まれたまま終了した。

モニターツアーで誰もが訪れやすい観光地域づくりを検証 KNT首都圏

2019年2月20日(水) 配信

リフト付大型バス(イメージ)

近畿日本ツーリスト首都圏(KNT首都圏)と成田空港活用協議会、千葉県観光物産協会、ちばプロモーション協議会は3月7日(木)、リフト付き大型バスで行くモニターツアーを行う。車イス利用者らに協力してもらい、成田山新勝寺や佐原のまちなみなどを巡りながら誰もが訪れやすい観光地域づくりを検証する。

 ユニバー サルツーリズムの推進に取り組むKNT首都圏は昨年、千葉県内の観光事業者を対象に「ユニバーサルツーリズムセミナー」と「観光地視察」を実施した。千葉県は交流人口の拡大に向けたユニバーサルツーリズムを推進することを重要視し、機運の醸成をはかっている。今回のモニターツアーは、セミナーと視察の内容を踏まえたうえで、実際の観光地を車イス利用者らとともに巡りながら参加者の声を集め、観光地域づくりに生かすことが目的だ。

早春の成田山新勝寺参拝と小江戸・佐原 さわら雛めぐりモニターツアー 概要

日程:3月7日(木曜日)日帰り

旅行代金:9800円(大人・子供同額)

添乗員:同行

食事:昼1回

行程:JR上野駅・公園口(午前8:00集合・8:30出発)=リフト付バスにて成田山新勝寺へ(参拝)=マロウドインターナショナルホテル成田(展望レストランで千葉の食材を使った昼食)=佐原・さわら雛まつり、伊能忠敬記念館(入場)=徒歩で佐原の街並みを散策、佐原町並み交流館見学=JR上野駅(午後5:30着)

企画・実施:KNT首都圏・千葉支店