25年春の叙勲・褒章 清水嗣能氏(旭日小綬章)、北敏一氏、西海正博氏(旭日双光章)ら受章

2025年5月1日(木)配信

 政府は4月29日付で、2025年春の叙勲および褒章受章者を発表した。本紙関連では、旭日中綬章に元全日本空輸(ANAホールディングス)社長の篠邊修氏、旭日小綬章に全日本ホテル連盟会長の清水嗣能氏、旭日双光章に全国旅行業協会副会長の北敏一氏、北海道ホテル旅館生活衛生同業組合理事長の西海正博氏が受章した。

 国土交通省の大綬章・重光章の受章者は、5月9日(金)に皇居で親授式および伝達式が行われ、中綬章以下の受章者は5月14日(水)に東京プリンスホテル(東京都港区)で伝達式が行われる。

 本紙関連の受章者は次の各氏。

 【勲章】旭日中綬章 篠邊修(元全日本空輸社長)航空運送事業功労

 旭日小綬章 清水嗣能(全日本ホテル連盟会長)=ホテルあけぼの社長 観光事業振興功労

 旭日双光章 北敏一(全国旅行業協会副会長)=トラベルシティ社長 観光事業振興功労▽西海正博(北海道ホテル旅館生活衛生同業組合理事長)=森の雫RIN社長 生活衛生功労

 瑞宝中綬章 有野一馬(元北陸信越運輸局長)=元全国旅行業協会専務理事、全日本ホテル連盟専務理事 国土交通行政事務功労

東京プリンスが快眠セラピスト監修の宿泊プラン 「やさしい快眠サポートステイ」発売

2025年5月1日(木) 配信

快眠グッズを備える

 東京プリンスホテル(池田智総支配人、東京都港区)は4月30日(水)から、快眠セラピスト・三橋美穂氏監修の良質な睡眠が体験できるステイプラン「やさしい快眠サポートステイ」を売り出した。

 春は寒暖差が激しく、新しい環境などで自律神経が乱れやすい季節といわれる。そんな春の不調に「眠り」からアプローチをしようと、選りすぐりの快眠グッズをそろえた。

 ベッドでもイスでも利用できる多機能マッサージシートのほか、振動で温ケアもできる「ホット&ウェーブアイマスク」、弾力性に優れた昭和西川の快眠枕「MuAtsu Pillow Bounce」を備える。また、持ち帰りができるグッズとして、日本製の3重ガーゼを使用し、綿100%で通気性・吸水性に優れた柔らかな着心地のパジャマと、睡眠の質の向上や日中の眠気の改善に役立つ睡眠をサポートするサプリメントを用意。快眠のコツが詰まった三橋氏の著書もプレゼントする。

 同ホテルは滞在イメージとして、チェックイン後はデジタル機器の操作は一休みし、本を読みながらのひとときを提案。入浴後は優しい肌触りのパジャマに着替え、マッサージシートやアイマスクでリフレッシュしてからサプリを飲んで睡眠することをすすめる。

 快眠プランの設定は2026年3月31日(火)まで。1室2人利用時の1人料金は1万4600円から。

一休、4月に新たに宿3軒 「一休Plus+」加盟へ

2025年5月1日(木) 配信

天ノ寂

 高級ホテル・旅館の予約サイト「一休.com」を運営する一休(榊淳社長、東京都千代田区)は4月30日(水)、4月に3軒の宿が「一休Plus+」に加盟したと発表した。

 加盟した宿は、天ノ寂(熊本県・天草松島温泉)、YANMAR SUNSET MARINA CLUBHOUSE&HOTEL(滋賀県守山市)、MAISON SHIRO(北海道・長沼町)。

YANMAR SUNSET MARINA CLUBHOUSE&HOTEL
MAISON SHIRO

 「一休Plus+」は、「一休.com」の中でもさらに厳選された宿で構成され、国内オンライン旅行予約サイトでは、同サイトでのみ予約できる。

「八ッ場湖の駅丸岩」がリニューアル 群馬・長野原の観光振興と活性化を

2025年5月1日(木) 配信

八ッ場湖の駅丸岩と水陸両用バス

 群馬県・長野原町の「八ッ場湖(みず)の駅丸岩」が4月26日(土)、地元のベンチャー企業、Dts creation(冨澤裕二社長、群馬県・長野原町)の指定管理のもと、リニューアルオープンした。湖の駅は、同社が運行する水陸両用バスの発着所にもなっており、今後は地元農産物を活用した新メニューの提供や、交通インフラとの連携強化を通じて、地域の観光振興と活性化を目指す。

 同施設は2020年に開業。建物は1929年に建てられた旧長野原町役場庁舎をモチーフにデザインされており、一部には旧庁舎の木材が再利用されている。別事業者が指定管理者として運営していたが、撤退により今年3月末で営業を終了していた。

 他方、Dts creationは首都圏から草津温泉への高速バスや八ッ場ダムでの水陸両用バスの運行などを行っており、同施設を高速バスの休憩所や水陸両用バスの発着場所として利用。こうしたことから、町の発展と雇用創出に寄与しようと、今回の指定管理者に名乗りを上げた。

 新たな価値提供として、同社の子会社で農業を営むトミーファーム(冨澤裕二社長)が生産した、新鮮な野菜を使用した新メニュー「いもんぶらん」などを開発。ここでしか味わえない食の魅力を発信していく。

 今後は7月1日に、敷地内に新たなカフェをオープンする予定。地元食材を生かしたカフェメニューの提供や、観光客の憩いの場としての機能強化をはかる。同社は「地域や観光客に愛される施設づくりを進め、長野原町の観光振興と地域経済の発展に貢献していく」とコメントしている。

訪日客を地方誘客へ、体験重視や少人数旅行に訴求(JNTO)

2025年5月1日(木)配信

JNTOの出口まきゆ理事

 日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は4月23日(水)に開いた会見で、地方誘客の強化に向けた取り組みについて紹介した。JNTOの出口まきゆ理事は、最近の訪日外国人旅行者の傾向として①体験重視②少人数旅行③地方志向――の3つを挙げ、これらを切り口に地方体験の訴求に注力していく考えを示した。

 体験重視(コト消費)としては、日本ならではの体験や地域の人とのふれあいを求める傾向が多いと説明した。海外の旅行会社やメディアを招請した際、Snow(雪)やサステナブルな旅行、日本ならではの食や工芸、非日常の体験、健康意識などの地方体験が好評だったと報告した。

 訪日客の旅行形態も変化が進み、個人やグループ旅行、家族旅行、FIT(海外個人旅行)などの少人数旅行が増加傾向にあると説明。オンライン旅行会社(OTA)経由の予約も伸長していることから、送客強化地域を選定し、OTAと連携した地方部への送客や販売を促進する取り組みを行ったと報告した。

 地方志向に向けては、25年秋ごろに海外の旅行会社やメディアを招き、地方体験と商談会を行う「アドベンチャーウイーク」を東北で開催する。このほか、地方志向を踏まえてJNTOのSNSやグローバルサイト、ニュースレターを活用して情報発信を実施する。

 出口理事は、地方誘客に向けた2025年度の方針について「戦略的な訪日マーケティングとして、航空会社との連携やアジアにおける大規模キャンペーンのほか、高付加価値旅行、アドベンチャートラベルなどを推進する。それを受けとめるための国内関係者との連携強化、国際会議やインセンティブ旅行の誘致に取り組んでいく」と語った。

JAL自社養成パイロット業務体験のエントリー開始 運航乗務職や航空業界への理解を 

2025年5月1日(木) 配信

パイロットの業務内容など紹介(イメージ)

 日本航空(JAL)は4月25日(金)から、2025年度のJAL自社養成パイロット業務体験のエントリーを開始した。職業体験を通じて、運航乗務職の業務や航空業界についての理解を深めてもらうのが狙い。

 プログラムはパイロットの具体的な業務内容や、1日の仕事の流れを紹介し、パイロットの使命感や安全への想い、仲間と協力して安全なフライトを達成する方法を知り、体験することができる。

 自社養成パイロットは入社前に特別な知識や操縦資格が不要で、一からパイロットを目指すことができるという。同社は「業務体験を通じて職業観に触れたい方、将来自らの手で『人・モノをつなぐ架け橋になりたい』」という夢を持つ皆様のご応募をお待ちしております」と呼び掛けている。

 エントリーの対象者は、大学生または大学院生、高等専門学校(専攻科)の学生。短期大学は除く。3年生以上は対面もしくはオンラインの選択制で、1・2年生はオンライン形式となる。実施期間は夏タームが8月20~27日、秋タームが10月5~10日の期間中に1日実施する。

 エントリー期間は夏タームが4月25日~7月6日まで、秋タームが7月7日~8月31日まで。JAL採用ホームページ内から申し込む。毎回応募多数の人気企画のため、体験参加には選考を実施する。

【国土交通省】人事異動(5月1日付)

2025年5月1日(木) 配信

 国土交通省は5月1日付の人事異動を発令した。

 辞職〈4月30日付〉独立行政法人海技教育機構審議役(海事局船員政策課労働環境対策室長)前里良人

海事局船員政策課労働環境対策室長(関東運輸局海事振興部次長)成瀬浩

嬉野市のキャンプ場一新、新たな滞在型観光の拠点に 「広川原 湖畔の森キャンプ場」

2025年5月1日(木) 配信

新たに整備されたオートサイト「湖畔の森オートサイト」

 佐賀県嬉野市の「広川原キャンプ場」が4月26日(土)、「広川原 湖畔の森キャンプ場」として、リニューアルオープンした。嬉野温泉観光協会(山口剛会長)と、全国でアウトドア施設を多数展開する、クロスプロジェクトグループのアウトドアプロジェクト(樋口正輝社長、福岡県福岡市)が昨年12月に結んだ協定で設立した「嬉野温泉アウトドア共同事業体」が指定管理者として運営。地域の自然・観光資源を融合させ、嬉野の温泉街とも連携して新たな滞在型観光の拠点として、再始動する。

 4月25日には、リニューアルオープンの式典を開き、嬉野市の村上大祐市長が登壇。観光協会とアウトドアプロジェクトとともに、3者が地域連携によるアウトドア拠点創出の意義と今後の展望について語った。

 新しいキャンプ場は11区画の新オートキャンプサイトを増設。従来の3区画と合わせて全14区画へ拡張した。初心者から愛好家まで楽しめるよう、設備を充実させ、清潔なサニタリー棟やバリアフリー対応のコテージ・バンガローなどを完備。無料Wi―Fiの整備とWeb予約、オンライン決済の導入でスマートな利用環境を整えた。今後は、嬉野茶を活用したテントサウナや、地域資源を生かした体験型コンテンツの展開など、より嬉野の自然と文化に触れられるアクティビティも予定しているという。

持ち帰りメニューに「ランチパック」登場 東京ディズニーリゾート、5月12日から

2025年5月1日(木) 配信

「ランチパック」イメージ(C)Disney

 東京ディズニーリゾートは5月12日(月)から、パークのフードを家でも楽しめるよう、新たな持ち帰りメニューを販売する。パーク内のカレーをイメージした山崎製パンの「ランチパック」が初登場する。

 ランチパックは、東京ディズニーランドのレストラン「ハングリーベア・レストラン」のハングリーベア・カレー(甘口)と東京ディズニーシーのレストラン「カスバ・フードコート」のビーフカリー(中辛)をイメージした2つの味がセットになっている。値段は3袋で1400円。主な販売店舗は、東京ディズニーランドがスウィートハート・カフェ、東京ディズニーシーがマンマ・ビスコッティーズ・ベーカリーなど。

 また、長さ約40センチで切った断面がミッキーのカタチになる「ミッキーロングパン」が再登場する。塩バター味のバケットタイプのパンで、そのままでもアレンジしても美味しく食べられるという。値段は1300円で、主な販売店舗はランチパックと同様。

〈旅行新聞5月1日号コラム〉――維持・再生に価値 長期的なメンテナンス計画が必要に

2025年5月1日(木) 配信

 出張や旅先でレンタカーを借りる機会がある。機動性の良い小型車や軽自動車を中心に選ぶので、トヨタやスズキ、ダイハツなど各社の乗り比べもできる。数時間のわずかな付き合いだが、命を託して一緒に旅する相棒となる。

 レンタカーの車は、毎日見知らぬドライバーと出会い、行き先も異なる。いつも同じオーナーを乗せる「マイカー」とは境遇が違う。運転者の技量やブレーキの踏み方など千差万別なので、予想できない「傷み」を感じるのではないか。また「自分のクルマではないから」という理由で、荒っぽい運転や酷使されるシーンを想像すると、単なる工業製品という範疇を超えて胸が痛む。小さなレンタカー店では、少々ヤレの目立つ車と出会う確率が高い。運転席に座った瞬間「オマエも色々な経験をしてきたようだな……」と妙に対人的な感情が湧いてくる。

 家の近所にある小さなレンタカーショップでは、若いスタッフが洗車や、専用の掃除機で車内を清掃している姿をしばしば見掛ける。レンタカーの車両が清掃され、ピカピカに輝く姿を目にすると、心が温まる。

 これと似た存在として、宿泊施設の客室を思い浮かべる。自分の部屋は誰もが愛着を持ち、過ごしやすいように自分好みにカスタマイズしていく。しかし宿の客室はあらゆる人に使いやすく、清掃しやすいように簡素化された空間として造られている。必要最低限の生活用品であるベッドやテーブル、椅子、冷蔵庫、バス・トイレなどをスタッフが毎日清掃して繰り返し使用される。自分専用の空間ではないため、あちこちに傷が残っていたり、摩耗があったりする。それが宿の歴史として味わいを生み出すこともある。

 真新しいホテルに宿泊すると、新築独特の新鮮さと清潔感で、心地よさを感じる。一方、数えきれない旅人を宿泊させてきた客室には、新築の客室にはない、歴史を刻んだ重厚な空気が漂う。「長い時を刻む」ということは、宿主に大事に手を掛けられ、宿泊客に愛されてきた証であり、歴史こそホテル・旅館の最大の誇りだと思う。その年輪を重ねた誇りは無言のまま宿泊客に伝わるものだ。宿泊施設も、より長期的なメンテナンス計画が必要になるだろう。

 昔、古いオートバイを安く買ってきて、少しずつ手を入れていったことを思い出す。錆びたチェーンを真新しいものに換え、ガタついたステムベアリングを交換し、エンジンオイルも頻繁に入れ替えた。

 一つずつ最新の部品を装着し、良質なオイルを流入させることで、購入したときよりも動きが良くなっていった。メンテナンス費用は多少かかったが、細々と改良していったので、大きな負担にはならなかった。所有する単車が年を経ていくごとに綺麗になり、ある時点で「購入時よりも性能が上がった」と感じた瞬間は、楽しくもあり、感慨深かった。

 日々進化する文明のなかで、古(旧)きものは色褪せ、捨てられてゆく運命にある。しかし古き本体に最先端の技術や製品を取り入れて、維持・再生していくことに価値を感じる人は多いはずだ。「愛情を込めて大事に手入れをしながら、少しずつ現代風に改良されていくもの」に心惹かれる。時代も維持(メンテナンス)へと局面は変わった。物にも魂が宿ると信じている。

(編集長・増田 剛)