第3回「旅館経営教室」現地セミナー&館内見学会 テーマは「ビジネスホテルのルーム清掃と業務プロセス改革」 12月7、8日にホテルエクレール博多とアメニティホテル㏌博多で開催

2020年10月21日(水) 配信

 旅行新聞新社(石井貞徳社長)は2020年12月7(月)、8日(火)の2日間、福岡県福岡市のホテルエクレール博多アメニティホテル㏌博多で、第3回「旅館経営教室」現地セミナー&館内見学会を開く。

 テーマは、「ビジネスホテルのルーム清掃と業務プロセス改革」。

 工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏の細かな解説とともに、予約や人事制度のほか、ルーム清掃現場などを見学し、「生産性を高める」業務プロセスを学ぶ。

 今回の会場となるホテルエクレール博多(永安重喜支配人)と、アメニティホテルin博多(秋吉智博社長)は、ともに1軒のみを単独経営する客室100室未満の平均的なビジネスホテル。経営の生き残りのために、サービス内容や、業務プロセスを大胆に見直し、労働生産性改革をさらに加速している。

 参加対象は旅館・ホテル経営者(女将)、次世代経営者(若旦那・若女将)、支配人、現場責任者(清掃担当部門・接客・予約・フロント・施設管理課長クラス)など。宿泊業関連企業や、他業種からの参加も歓迎。

 【受講料】は1人3万5000円(税別)。なお、本紙「旬刊旅行新聞」購読者(購読施設・企業)は、特別料金として1人2万5000円(税別)。

 【宿泊料・その他】1人1泊朝食付6000円(税別、施設使用料などを含む)。

 【交流会費】1人3000円(税込)※現地精算。

 なお、いずれかのホテルで宿泊することがセミナー参加の条件となる。

 参加申し込みの締め切りは11月30日(月)。

 申し込み・問い合わせ=旅行新聞新社「旅館経営教室」事務局(担当・増田、木下)☎03(3834)2718。

お申し込みはこちらから。

 

小林幸子氏が始球式登場 西武台湾デー、コロナに負けず6年連続開催 台湾観光局

2020年10月21日(水) 配信

媽祖女神の姿で始球式に登場した小林幸子さん

 台湾観光局は10月17日(土)、「2020西武台湾デー×イロイロ遊び台湾」を西武ライオンズの本拠地であるメットライフドームで開催した。6年連続となる今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、球場来場者数を1万2000人に限定して行われた。始球式には、台湾観光親善大使である歌手の小林幸子さんが、台湾の神様である媽祖(マーツー)女神姿で登場した。

 今年の「西武台湾デー」は、オリックスバッファローズを迎えて開催され、台北駐日経済文化代表処と、台湾観光局・台湾観光協会東京事務所の3者提供となった。

 

2020西武台湾デー×イロイロ遊び台湾

会場には1万2000人のファンが集まった

 会場では先着4000人にドリンクホルダー(兼鍋敷き)とマスクをセットでプレゼントするなど、エコ推進や新型コロナ感染抑制をアピールした。

 小林さんは、NHK紅白歌合戦で披露した「メガ幸子」が「媽祖に似ていた」と台湾で話題になったことをきっかけに、2011年から台湾観光親善大使を務めている。航海の安全や疫病の平癒を祈願する女神である媽祖を思わせる白いドレスでマウンドに登場し、「疫病退散」とお祓いするパフォーマンスをした。

 場内などの大型ビジョンでは、台北駐日経済文化代表処代表の謝長廷氏や、台湾観光局・台湾観光協会東京事務所所長の鄭憶萍氏、西武選手で台湾出身の呉念庭選手が出演する台湾紹介ビデオを放映した。

 同局では、コロナ禍のなかでも台湾観光のPRを、キャンペーンやウェビナー開催によって行っている。鄭所長は西武ファンや台湾ファンに向け、「渡航解禁後は安心安全な台湾に、コロナ疲れを癒しに遊びに来てほしい」とコメントした。

愛知県、特産品をPRするYouTubeチャンネル開設 豊橋市出身の松平健さんが出演

2020年10月21日(水) 配信

愛知県豊橋市出身の松平健さん

 愛知県はこのほど、特産品を使ったスイーツや地酒などの愛知グルメをPRするYouTubeチャンネル「愛知食と物産マルシェ ショッピングチャンスチャンネル」を開設し、出演者として愛知県豊橋市出身の松平健さんを起用した。

 同チャンネルでは、みかわ牛やうなぎ茶漬けなどの食品に加え、瀬戸焼の湯のみや有松絞りマスクなどの物産品を含む愛知県の特産品を松平さんがテレビショッピング風に紹介する。

 県は今年7月から、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた農林水産業や観光関連産業を支援するために通販サイト「楽天市場」内に特設ページ「あいち『食と物産』マルシェ」を期間限定で公開している。動画で紹介している商品は、同ページから購入することができる。

HIS、ベトナム向け訪日オンラインツアー開催 拡大傾向の交流の維持はかる

2020年10月21日(水) 配信

寿司握り体験のイメージ。今回は鹿児島とベトナムをリモートでつなぎ、握り方を指導する

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)は10月20日(火)から、 鹿児島県・公益財団法人鹿児島県観光連盟と連携し、日本に行きたくても行くことができないベトナムの旅行者に向けて、訪日体験オンラインガイドバスツアーを売り出した。

 鹿児島県におけるベトナム人労働者は、県内外国人労働者全体の50・6%を占め、国別で最多となる。鹿児島空港からのベトナム便が2020年7月に就航予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により訪日外国人旅行者の人数は5カ月連続してほぼゼロの状態が続く。こうしたことを受け、HISはオンラインツアーを通じて、鹿児島県とベトナムの交流拡大の傾向を維持をはかる。

 今回売り出した「鹿児島市内と寿司にぎり体験コース」では、ベトナムに進出している日本料理店「ちよだ鮨」に参加者を集め、オンラインでつなぐ。双方向ベトナム語でやり取りし、コミュニケーションをとる。

 今後は、ベトナムの展開をモデルケースとし、タイとシンガポールに向けて、順次拡充していく。

 催行日時は日本時間の10月25日(日)午前9:00。ツアー代金は50万ベトナム・ドン(日本円で約2272円)。

 配信者は、鹿児島空港から錦江湾と桜島が見える国道10号線を通り、名勝仙巌園を巡り、鹿児島県にあるちよだ鮨を訪れる。同店では、寿司職人が寿司の握り方を指導し、参加者はリモートで寿司をつくる。

 その後、桜島桟橋から桜島フェリーターミナルまで有村海岸などフェリーの乗船風景を眺め、名物のうどんや城山ホテル鹿児島の温泉のもとを使用した天然足湯温泉掘りを紹介する。児島市観光PR動画を見たのち、鹿児島中央駅で、九州新幹線をバックに駅長に見送られ、終了する。ツアー中には、鹿児島黒牛500gが4人に当たるクイズ大会も行う。

北海道・洞爺湖温泉でワーケーション体験 地元関係者と意見交換も 観光庁

2020年10月21日(水) 配信

北海道でのテレワーク風景 観光庁HPより

 観光庁は10月15(木)~16日(金)に、観光庁職員のワーケーション体験を北海道・洞爺湖温泉で実施した。ワーケーションの普及促進に向け、ワーケーション受け入れに積極的な北海道と協力し、現地関係者と意見を交わした。

 意見交換では、町全体でワーケーションに取り組むことは、誘致企業が「将来的に地域づくりの担い手になる」と、地元関係者が期待を込めた。一方、Wi―Fi環境の整備やWeb会議参加時の防音対策など、当該企業のニーズの把握・対応が必要になる。また、企業誘致に係るPRやマッチングも課題とした。

 行政同士だけではなく、自治体内の宿泊施設や、観光協会などの組織をまたいでの連携が「プラン作りに生きるのでは」と具体的な提案も出された。

 1日目のアクティビティ視察では、洞爺湖でカヌー体験をした。体験した職員は、「仕事と休暇を即座に切り替えて満喫できる時間の使い方はワーケーションならでは」と実感を語った。

 滞在地でのテレワークを体験した職員は、「普段とは異なる快適な緊張感と高揚感のもと、集中力の高まりを感じることができた」や、「都会の喧騒やストレスを感じない中での業務は、クリエイティブな発想が期待でき、生産性向上につながる」など、好意的なコメントを寄せた。

 今後の課題として、ワーケーションは旅行に仕事を持ち込むのではなく、「気兼ねない(長期)休暇の取得を推進するもの」という認識を、職場内で共有する必要があると確認した。

洞爺湖のアクティビティ・カヌー体験

複合災害の教訓伝える 福島県に伝承館が開館

2020年10月21日(水)配信

全景

 福島県双葉郡双葉町に9月20日、「東日本大震災・原子力災害伝承館」が開館した。24万点にも及ぶ資料など、複合災害の記録と教訓を生かし、震災の記憶の風化防止のための情報発信を行う。

 建物は地上3階建て、敷地面積は約3万5千平方㍍。展示エリアでは最初に、床を含めた7面のスクリーン映像で、東日本大震災前後の映像を紹介する。続いて、地震や津波、それに続く原発事故の経過、避難生活や国内外からの注目などを振り返る。また、「古里の日常」が一変した県民の想い、さらには復興への挑戦など、時系列に沿ったコーナーが続く。

 教育旅行や防災学習の受け入れにも力を入れる。解説を聞きながらのフィールドワークや語り部講話を通じて、参加者が主体的に学び、考えることを促す。プログラムのアレンジにも柔軟に対応する。

 入館料は大人600円、小中高校生300円(20人以上の団体は2割引き)。小中高校生が学校教育の一環として訪問する場合、事前申請し認められると入館料が免除される。駐車場は大型バス10台、乗用車100台を収容。

ホテルメトロポリタン エドモント 「ワーケーション コンセプトルーム」 モニター宿泊プラン売り出す

2020年10月21日(水) 配信

ワーケーション コンセプトルーム(イメージ)

 ホテルメトロポリタン エドモント(東京都千代田区)は11月30日(月)まで、「ワーケーション コンセプトルーム」 モニター宿泊プランを売り出している。

1 日 1 室限定の宿泊プランで、アンケートに回答すると午前9時から翌日正午まで最大27時間の滞在が可能になる。料金は1万5000円、Go Toキャンペーンを利用した場合は、9750円。

 室内には、昇降式のデスクやゲーミングチェア、拡張用ディスプレイ、カラープリンター・スキャナ複合機などを完備し、スムーズなビジネス作業を支援する。また、バランスボールやヨガマット、Bluetooth スピーカー、コーヒーメーカーなど、気分転換のための備品も設置。ホテル 1 階の「パティスリーエドモント」の利用券900円分も付いてくる。

福島県裏磐梯 諸橋近代美術館でプレミアムイベント開催 ダリやセザンヌ作品をナイトミュージアムで

2020年10月21日(水)配信

ライトアップでシンメトリー(左右対称)な外観が浮かび上がる(イメージ)

 福島県耶麻郡北塩原村の諸橋近代美術館で、美術館をライトアップする「ナイトミュージアム in 諸橋近代美術館」が10月31日(土)、11月2日(月)、11月6日(金)の3日間開かれる。裏磐梯観光活性化協議会の主催で、入館は事前予約制とした。

 当日は美術館外観をライトアップし、中世の馬小屋をイメージしたシンボリックな美術館外観が裏磐梯の大自然に浮かび上がる。館内では小企画展「若きセザンヌの挑戦」とダリ・コレクション展を開催。ナイトミュージアムという非日常空間の中、不思議なダリの彫刻群やセザンヌが描いた世界を楽しめる。

 定員は各日40人で先着順の事前予約制。現在、予約を受け付けている。観覧時間は午後6~7時。観覧料は一般1300円、高校・大学生500円、中学生以下は無料。

観光事業者の事業継続力強化を 国際防災の日に災害レジリエンスを考える  ARISEジャパン

2020年10月21日(水) 配信

ARISEジャパンがオンラインシンポジウムを開いた

 国連防災機関(UNDRR)の民間グループ、UNDRR ARISEジャパンは10月13日、オンラインシンポジウム「観光と災害レジリエンス Postコロナを見据えWithコロナを生きる」を開いた。国際防災の日に、観光関連事業者の事業継続力の強化や防災・減災の重要性を確認した。UNDRR駐日事務所との共催で、後援は日本観光振興協会と日本防災プラットフォーム。

 ARISEジャパン代表で、観光レジリエンス研究所代表などを務める高松正人氏は冒頭、「近年は自然災害が多く、観光への影響も大きい。観光は地域全体の経済にも影響するが、脆い部分がある」と指摘した。

 内閣府の調査によると、宿泊・飲食サービス業のBCP(事業継続計画)策定率は調査業種中で最下位。「策定の人材やノウハウがない。必要だとわかっていても足踏みしてしまう」(高松氏)のが現状だ。

 ARISEジャパン運営委員でミネルヴァベリタス顧問の本田茂樹氏はBCPについて、「災害が起こったあとのものと考えていないか」と投げ掛けた。災害の種類に応じて経営資源を守る「防災・減災」と、原因に関わらず欠けた経営資源を補い、事業を中断させないための策「BCP」を車の両輪として考える必要性を説明。「準備は裏切らない」と強調した。

災害を変革の機会に――鶴雅・大西氏

鶴雅ホールディングス、鶴雅リゾート・大西氏

 事例紹介では、鶴雅ホールディングス(北海道釧路市)取締役で鶴雅リゾート常務取締役の大西希氏が登壇。「観光危機管理思考をマーケティング段階から取り入れ、グループ全体で事業継続と雇用維持」と題し、宿泊施設の減災の取り組みを紹介した。

 同社では、2002年のSARS流行時に、インバウンド客が減少。これを機にアルコールやマスクの備蓄をしていたことが、新型コロナウイルス禍でも役立った。11年の東日本大震災後は団体客が減ったことで、旅館業でタブーといわれた1人旅やペット旅などの市場を開拓し、客層を広げた。さらに、18年の北海道胆振東部地震では、ブラックアウトの経験から自家発電を整備するなど、災害を次の施策に生かしてきた。

 コロナ禍の影響は、同社の13施設中、現況は前年を上回る施設や前年並みに回復している施設もある一方、半減しているところもある。これに対し、グループ内含め地域の事業者と施設を共有することや、従業員の心理的負担を軽減すること、利用できる補助金をしっかり活用することなどを具体的に実施している。

 そのうえで、大西氏は「『危機があったからこそ』という、災害を変革の機会にすることを企業文化として根付かせたい」と力を込めた。

 また、富士五湖観光連盟(山梨県富士吉田市)専務理事の上野裕吉氏は、観光事業者災害対応マニュアルを作成した経緯や、官民連携について語った。地域の商工会議所や商工会などの協力で、4千部を地域の観光事業者すべてに行きわたるように配布した。マニュアルでは、近年多発している水害や、富士山の噴火なども盛り込んだほか、外国人への避難誘導のための英文なども記載している。

 ディスカッションでは、視聴者を含めて、意見を求めた。そのなかで、名古屋大学減災連携研究センター教授の西川智氏は「近くの異業種、遠くの同業者との連携が有効」とリスク分散法を紹介。「手を取り合って補い合うことで、お互いの人手不足や余剰人員が解消し、新しいマーケットも拓ける」と述べた。

〈旬刊旅行新聞10月21日号コラム〉リサイクル “がらくた”が再び世の中の役に立つ

2020年10月21日(水) 配信

マフラーは120円で買い取られた

 長い雨が続き、気分は塞ぎ気味だった。秋なのに、冬のような寒さが周りの景色を一層陰鬱にさせる。私は夏の日にリサイクルショップで買った小説を読んで、週末を静かに過ごそうと思った。

 
 針のような細い雨を窓から眺め、文庫本を開く。1章を読むと、眠くなる。ウトウトして、窓の外に目をやると、相変わらず雨が降り続いている。そのような繰り返しで夜を越えて、朝が訪れた。

 
 雨はやんでいた。気温が上がらず風は冷たいが、眩い太陽の日差しが目に入ってきた。「今日はバイクに乗って、五感を研ぎ澄まし秋の日の美しさを感じよう」と布団から抜け出した。

 

 
 食パンをトースターでこんがり狐色に焼く。私はしっかりと焦げ目をつける派だ。

 
 スライスした瑞々しいトマトとレタス、ハムを挟んで、たっぷりとマヨネーズをかけてかぶりついた。

 
 ミルクをたっぷりと入れた熱いコーヒーが胃に染みわたる。 「なんて素晴らしい朝だ」と誰に言うでもなく、呟いた。

 
 2枚目のトーストも再びかぶりついた。「美味しい。確かに美味しいが、何かが足りない」と思った。しばらく考え、やっと思い出した。芥子だ。これに芥子を足せば、完璧なバランスになる。

 
 私は冷蔵庫を開き、芥子を探していると、洗濯物を干していた妻の不機嫌な声がした。

 
 「ベランダに置いたままのバイクのマフラーを早く捨ててよ」。私は妻が何を怒っているのか、一瞬分からなかった。

 
 それで「何が?」と聞くと、その言葉にキレた妻が「何が?」と声を高めた。

 
 「あぁ、もうだめだ。せっかくの素晴らしい日曜日が壊れていく……」と私は悲しくなってしまった。「どうして真新しい日曜日の朝に、こんな台無しになることを言うのだろう」と、右手に持ったチューブの芥子を眺めながら思った。

 
 断捨離に精を出す妻と、がらくたが増えていく私との間に、数カ月に1度の定期的な諍いが始まってしまったのだ。

 

 
 だが、妻の怒りは納得できた。私の住む市では、バイクの部品は粗大ごみでも回収してもらえない。それで妻は自分のマフラーでもないのに、色々と調べてくれていた。今の時代、がらくたを回収してもらうにはお金がかかる。バイク屋だって、錆びた古いマフラーなんて買い取ってくれない。

 
 私は仕方なく、ベランダに放置したままだったマフラーをクルマの後部座席に放り込んだ。そして運転席でスマートフォンを出して、「鉄・非鉄スクラップ高価買取」と書かれた工場を探し出した。秋の美しい景色を五感で楽しむはずが、私はクズ鉄の山に向かおうとしている。

 

 
 工場は国道246号線沿いの細い道に入ったところにあった。外国人の愛想がいい男が近づいて来たので、「バイクのマフラーを買い取ってほしい」と告げた。男はスマイルを浮かべ、「OK」と言った。受付の紙に住所と名前を書くと、マフラーを重量計に乗せた。デジタルパネルに「5㌔」と出た。私は男から120円と書かれた紙を確認して受け取った。私のマフラーはこれからリサイクルされ、再び世の中の役に立つ。少額だがその価値を認められた。私は120円を握り締め、青く晴れた心地よい秋の空を眺めた。

 

(編集長・増田 剛)