静岡県内のフェリーや鉄道を1枚の電子チケットで 「しず旅きっぷ」の発行開始

2026年6月1日(月) 配信

しず旅きっぷ

 静岡県はこのほど、駿河湾フェリーやバス、鉄道の2次交通を1枚でつなぐ県内周遊電子チケット「しず旅きっぷ」の発行を開始した。県内の観光周遊を促進し、地域経済の活性化をはかりたい考え。

 同県は「令和7年度デジタル地域通貨活用事業」にeギフトプラットフォーム事業を展開するギフティ(太田睦・鈴木達哉社長、東京都品川区)のデジタルプラットフォーム「e街プラットフォーム®」を採択し、今回の電子チケットの発行が可能となった。これは環駿河湾地域5市町で1月に開始した「旅先納税®」と電子商品券「しず旅コイン」の導入に続く2案件目。

 今回の「しず旅きっぷ」は駿河湾フェリーと東海バス、伊豆箱根鉄道の乗車券を組み合わせたデジタルチケットで、4種類を用意した。「駿河湾フェリー片道乗船券」と「東海バスフリーきっぷ全線2日券」をセットにした標準版と、これに「伊豆箱根鉄道駿豆線デジタルフリー乗車券(2日間)」加えたワイド版(大人・子供)で、「しず旅チケットポータル」から購入できる。標準版は大人6900円・子供3450円。

【特集 No.680】対談 大村智博士×秋山秀一氏 「韮崎」のまちづくりに力を注ぐ

2026年6月1日(月) 配信

 2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した化学者・大村智博士と、旅行作家の秋山秀一氏は日本エッセイスト・クラブの会長と常務理事という縁で知り合った。昨秋、2人は大村氏の故郷・山梨県韮崎市を歩き、韮崎大村記念公園を訪れて意気投合した。化学者という枠を超え、「韮崎市まちなか美術館」など文化豊かなまちづくり事業にも取り組む大村氏と、世界中を旅する秋山氏が対談。「人づくりには情操教育が大切」や、「言葉によって自分の歩みや生き方を変えることができる」など、深く語り合った。

【本紙編集長=増田 剛】

 秋山:大村先生が日本エッセイスト・クラブの会長に就任され、私が常務理事というご縁で知り合うことができました。大村先生はノーベル生理学・医学賞を受賞された偉大な化学者のみならず、人間的な魅力に惹きつけられてしまいます。

 大村:昨年10月21、22日の2日間、雑誌の企画で秋山さんと、私が生まれ育った故郷・韮崎市内を歩きました。

 秋山:韮崎の名所で関東三観音の一つ、平和観音が立つ七里岩の上に登ると、そこからは韮崎全体の風景を見渡せます。七里岩を通り抜けるトンネルや山本周五郎文学碑などを訪れたあと、甘利沢川沿いに韮崎大村記念公園へと続く、大村先生が中学生時代に歩いた通学路「幸福の小径」を歩くのも乙な旅です。桜の名所「わに塚のサクラ」も素晴らしい。

 大村:2人で韮崎のまちをあちこち歩きましたが、私がいない時間にも秋山さんは1人で隈なく歩かれ、旅行作家として本当に熱心な方だと思いました。

 秋山:韮崎はもともと宿場町で、その雰囲気は今でも残っています。訪れるたびに自然や歴史、文化の豊かさや懐の深さを感じています。
 いわゆる有名観光地ではないけれど、一度訪れると、その魅力に魅了される地です。

 大村:大学を卒業する22歳まで韮崎に住んでいました。帰るたびに新しい発見があり、やはり故郷はいいものですね。とくにまちを取り巻く山並みの美しさが一番気に入っています。

 秋山:大村先生がノーベル生物学・医学賞を受賞したのが、2015年の80歳のときでした。それから10年を経て25年7月12日、90歳の誕生日に韮崎大村美術館の隣に「大村智記念館」がオープンしました。
 大村智記念館は、先生の学業や研究関係、蒐集された美術品などをゆっくりと見ることができます。とくに面白いのは、中学生のころの通信簿や亀のコレクションなど、大村先生の足跡や人柄にも触れることができる空間になっています。
 隣接する韮崎大村美術館は、女性の絵がたくさん展示されています。

 大村:女子美術大学との深い関わりもあり女流作家を顕彰しようという思いから、日本を代表する女性作家の作品を数多く収蔵しています。企画展、常備展のほか、鈴木信太郎記念室、陶磁器展示室なども備えています。

 秋山:美術館の2階にある展望室から見る風景も素晴らしいです。富士山や八ヶ岳連峰、茅ヶ岳、そして奥秩父の金峰山などを一望できます。

 大村:風景が美しく見えるように、展望室の高さも計算して建てています。美術館の絵を褒められるのも嬉しいけれど、展望室から風景を楽しんでいただけることは、もっと嬉しいですね。
 八ヶ岳は色々な山が重なっているため、全貌を見ることは難しいのですが、美術館の2階からは裾野が消えるまで、シンメトリーに八ヶ岳の優雅な姿が見えます。

 秋山:韮崎大村記念公園の敷地には、美術館、茶室、記念館だけでなく、日帰り温泉施設もあります。

 大村:私の生家を改修して学生たちが泊まり込んで学習できようにしました。すると学生を毎晩、車で30分ほどの温泉宿まで連れて行かなくてはならなくなりました。
 “温泉好き”が多い学生のために敷地内をボーリングで掘ると、良い泉質の温泉が出てきました。それが日帰り温泉「武田乃郷白山温泉」です。
 今では八ヶ岳の登山客も「泉質がいい」と言って、帰りがけにわざわざ入浴に訪れています。
 公園内のそば処上小路では「おざら」と言われる郷土料理、冷やしほうとうも提供しています。

 秋山:韮崎のまちを歩いていると、「韮崎市まちなか美術館」という看板に出会います。

 大村:その看板のある店に入ると、韮崎大村美術館が絵を貸し出しています。今はもう市内に20数カ所、100点余りになります。

 秋山:先生には生まれ育った韮崎に対する愛の深さを感じます。
 武田八幡宮から降りてくるところに、家が無くなっているまちの変貌に心を痛め、それが韮崎のまちづくりに力を注ぐようになった原点だとおっしゃっていました。

 大村:私が子供のころは、びっしりと軒並みがありましたが、上京してしばらく経って戻ってみると、過疎化と言われる状態になっていました。「これを何とかしなければならない、私ができることは何だろう」と考え、韮崎大村記念公園の事業に取り組み始めました。
 美術館や記念館の事業を進めていくと、追い風も吹いてきました。
 例えば、「螢雪寮」と名付けて学生のセミナーに使っていた私の生家が全面解体修理後に登録有形文化財に認定されるなど、すべてが良い方向に流れていきました。螢雪寮は地域の集いやトークショー、コンサートなどにも活用され、山梨県の文化の一部を担うくらいの場所になっていると自負しています。

 秋山:大村先生は、まちおこしをしている若いグループの活動も、応援されています。

 大村:若い人たちには、「同じものであっても、見方や角度を変えると、まったく別のものに見えてくる。モノを見るときに柔軟性が必要」などと話しながら、人間力向上を目指しています。

 秋山:大村先生自身はどのように教育され、育てられたのですか。

 大村:母親はいつも「情操教育が大事」と言っていました。今になってその意味がよく分かります。感性が涵養された、情緒の豊かな人は既存の知を超えた創造力を発揮し、化学者であっても大きく違ってきます。
 情緒は日常生活や人間関係においても、すべてに表れてきます。情緒を豊かにするために、絵を見なさい、習字をやりなさいと言われました。しかし一度も勉強しなさいと言われたことはありません。
 つまり母は子供たちに早くから、情緒豊かな人づくりを目指したのだと思います。そのような環境で育ってきました。
 意識をしていなくても、ふとした瞬間にアイデアが出てきたり、動作として表れたりするのは、それぞれの人が培ってきた情緒、感性だと思います。
 秋山さんが旅先で瞬間的に小さな特徴を捉え、しっかりと心に掴まれるのも、情緒が豊かだからではないでしょうか。

 秋山:ありがとうございます。色々な場所を旅して、多くの人との関わりのなかで、知らずうちに情緒が養われていたのかもしれません。「素直に感じる心」が大切だと、大村先生の話を聞きながら感じました。
 先生は旅先をどのように決められていますか。

 大村:テレビや新聞、人との会話の中で行ってみたい場所をメモして引き出しの中に入れています。旅行に行ける時間ができたときに「行ってみたいところ」と書いた引き出しの中から選びます。直感で選ぶのではなく、蓄積したものの中から旅先を選んでいます。

 秋山:大村先生は「実践躬行」など、言葉に強いこだわりを持たれています。

 大村:私は何か物事に向かうときには、中心となる言葉を選びます。
 今回は旅をテーマとした対談ということで、一つ浮かんだのが、「居は気を移す」=住まいは気を移す。私の大好きな言葉です。
 研究中など忙しくなると、考えがまとまらなくなります。そんなとき、少し移動するだけで新しい気持ちが生まれます。小さな旅に出る、少し歩いてみる、電車に乗ってみる。そうすると、「気」が変わり、新しいアイデアが湧いてくることが多くあります。研究中にはよく歩きました。1―2日、時間があると旅に出ました。今はそれもできないほど、忙しくなってきました。
 言葉を大事にすると、自分の歩みや生き方も変えることができます。私は文学者でもない、化学者の端くれですが、「言葉を大事にしよう」と日ごろから心掛けています。最初から言葉を覚えているわけではないし、子供のころはスキーや卓球で遊んでいたのですが、次第に言葉の持つ深い意味が分かるようになってからは、いい言葉と出会ったらメモしていくといったことを続けてきて、今日に至っています。

 ――ありがとうございました。

□大村智氏プロフィール
 大村 智(おおむら・さとし)氏 化学者。日本エッセイスト・クラブ会長。1935(昭和10)年山梨県韮崎市生まれ。北里大学特別栄誉教授、学校法人女子美術大学名誉理事長、韮崎大村美術館館長。微生物の生産する天然有機化合物の研究を専門とし、50年以上の研究生活を通して約520種類の新規化合物を発見。うち26種類が医薬、動物薬、研究用試薬として実用化され、感染症などの予防や撲滅、さらに生命現象の解明などに貢献している。そのうちの一つであるイベルメクチンは、オンコセルカ症(河川盲目症)やリンパ系フィラリア症、糞線虫症、疥癬といった寄生虫感染症の多くを予防・治療する特効薬となった。その業績が評価され、2015年、イベルメクチンを共同で開発した米国メルク社のウィリアム・キャンベル博士とともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。

〈旅行新聞6月1日号コラム〉――歴史上の革命期 “つながっていない”時間が本当の自分

2026年6月1日(月) 配信

 古いレコード盤やカセットテープで音楽を聴くことが若い世代には新鮮で、小さなブームになっているとニュースで見た。好きな音楽を聴き終えると、レコード盤を裏返したり、テープを巻き戻したりと、デジタルに比べ、アナログは何かと手数や手間が掛かる。あらゆるものが簡便になった世の中で、敢えての手数や、小さな自分だけの儀式(セレモニー)を楽しく感じる気持ちも理解できる。

 子供のころスーパーカーブームの真只中で、憧れの「ポルシェ930」のエンジン音だけが録音されたレコードのシングル盤を母親に買ってもらった。レコードジャケットから指紋が付かないようにドーナツ盤を取り出し、慎重に針を落として耳を澄まして聴いていた、あの手順は大事な儀式なのであった。

 漫画や映画、音楽などもサブスク化し、実際に本やレコードを手にすることが少なくなったが、やはりコレクションという魔的な趣味においては、アナログの世界の方が“悦び”に溢れている。そして、アナログの最大の利点は、現代社会と“つながっていない”世界にたった1人、没入できることの安全性、安心感なのであると思う。

 携帯電話が普及し始めて、いつでもどこでも人とつながり便利になった。その反面、もう逃げられなくなった。その後、インターネットが双方向に世界を一つにつなげ、現実世界よりも無限に広がる、ネット空間で過ごす時間が徐々に増えていった。 そしてSNSの台頭によって、個人と個人が世界中でつながった。しかしながら、広くつながることによって得られた“良いこと”だけではなかった。“疲れ”や“息苦しさ”などを感じる副作用もあった。

 今は、AIだ。その能力に驚愕する毎日だ。AIとつながることの利点は計り知れなく大きい。だが、それ以上に人類はAIに対して、既に“畏れ”に近い感覚に支配され始めている。

 そのAIが刻一刻、現在進行形で世界のあり方を根底的に覆す「歴史上の革命期」の傍らに佇んでいることを実感する。 

 仕事がデジタル化やAIによって管理されていくと、趣味はアナログ化に向かうのだろうか。例えば、最近は休日に下拵えから始める料理が楽しくてたまらない。

 料理だけではない。構造が単純すぎて使い勝手の良くない帆布の鞄がずっと、自宅の壁にぶら下がっていた。捨ててしまおうかと考えていたが、先日、手芸店に行って、ファスナーやマジックテープ、金属の留め具などを買ってきて手を加えた。

 いや、本当は不器用すぎる私ではなく、服飾系を学んできた妻にお願いして一から十までやってもらったのだが、平凡だった鞄が独創性溢れる唯一無二の鞄にグレードアップしたのだ。

 無個性なものを安く買って、ある程度使用したあと、自分なりに工夫して、アレンジやカスタムが奏功し、質感や使い勝手が新品時よりも向上していく過程が精神的に好ましい。

 少し前に、相当に使い込んだスーツケースの車輪が壊れたので、良質な車輪を注文して修理すると、これも購入時よりも高性能になった。単なる維持ではなく、手を加えることによって“現物”の機能やデザイン、価値が上がっていくと愛着も深くなる。SNSやAIとつながっていない、アナログな時間こそが、本当の自分なのだと強く感じる。

(編集長・増田 剛)

旧奈良監獄を生かす ミュージアムとして開館 星野リゾート

2026年5月31日(日) 配信

舎房一部を保存公開

 「奈良監獄ミュージアム by星野リゾート」(奈良県奈良市)が4月27日、オープンした。日本の近代化の象徴として築かれた「明治五大監獄」の中で唯一、全貌が残る「旧奈良監獄」をミュージアムとして保存活用したユニークな施設。星野リゾート(星野佳路代表)がミュージアム施設を手掛けるのは今回が初めて。

 コンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」。監獄という特異な空間を通じて、日本の行刑の歴史と監獄という社会をひもときながら、来館者に「自由」を問いかける。

 旧奈良監獄は、近代化を目指す国の一大プロジェクトとして1908年に誕生。明治期に竣工された長崎監獄、金沢監獄、千葉監獄、鹿児島監獄とともに「明治五大監獄」と呼ばれた。1946年には「奈良少年刑務所」と改名。その後、歴史的価値と美しい建築意匠が評価され2017年、国の重要文化財に指定された。

 建物は、イギリス積みの赤レンガ壁と、中央の見張台から放射状に舎房が伸びる構造が特徴。5つある舎房のうち、中央に位置する全96室の独居房が連なる「第三寮」が保存エリアとして公開され、監視窓を備えた重厚な木製扉や堅牢な鍵など監獄の面影と空気感を直に感じることができる。

テーマ別の展示エリアも

 また、展示エリアは、奈良監獄の歴史と建築を紹介するA棟、受刑者の視点から刑務所の営みを紹介するB棟、かつての医務所をギャラリーとして活用し、アーティストや受刑者の作品を展示するC棟で構成。赤レンガをモチーフにしたカレーパンやご当地ソーダなどが味わえるカフェのほか、ポストカードや雑貨、アパレルなどのオリジナルアイテムをそろえたショップも備わる。

 開館時間は午前9時から午後5時まで(最終入館4時)。定休日なし(メンテナンス休館あり)。入館料は大人が日本在住者2500円、奈良県在住者2千円、海外在住者3500円。大学生・高校生は1500円、小・中学生は700円。来館時は公式サイトからの事前予約を推奨している。

 星野リゾートでは、旧監獄の舎房などを活用したラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」も6月25日に開業する。

個々の強みで活性化 大阪市内で通常総会開く 全旅協大阪府旅行業協会

2026年5月30日(土) 配信

笹井建次郎会長

 全旅協大阪府旅行業協会(笹井建次郎会長)は5月14日、大阪市内のホテルで2026年度定時総会を開き、議事ではすべての議案を承認可決した。今年度は、会員個々の強みが発揮される環境づくりに努めるとともに、その力を結集し、業界全体のさらなる活性化に取り組んでいく。

 笹井会長は、昨年度について「大阪・関西万博の開催で国内旅行は緩やかながらも堅調な需要が継続した1年だった」とする一方、「人手不足やコスト高、デジタル技術の進化など、我われを取り巻く環境は大きく、急速に変化している」と課題を挙げ、「協会としてデジタルやAIの利活用を進めつつ、それだけに頼らず、“人”にしかできない価値を大切にしていきたい」と述べた。

 また、議案には含まれていなかった、理事選出方法の見直しを報告。笹井会長は「現状の各地区から2人ずつ選出する方法は、会員が450社以上いた最盛期には、地域の声を均等に吸い上げ、組織のバランスを保つ優れた方法だったが、全盛期の6割となる約290社となった現状では、人材の地理的偏在と協会のニーズとの間にミスマッチが起きている」と問題を指摘。そのうえで、具体的には、地区制と全国区を組み合わせる併用型、地区制を廃止し全会員のなかから理事を選ぶ全国区型の2案を理事会において比較検討していく。結果は改めて会員に報告し、来年度の定時総会から新しい選出方法を適用していきたいとした。

 引き続き行われたオーサカ・ゼンリョの第20回定時株主総会では、岡本浩史代表が昨年度の状況について「全旅クーポン発券額は、全国平均を大きく上回る前年比26・1%増の73億3700万円と、全国2位の成績を収めることができた。収支は『全旅』の業務受託収入が増額されたこともあり黒字決算。クーポン会員数も今年3月時点で会員の73・7%に当たる213社まで伸びている」と報告した。

金子博美会長

 同日には、宿泊・観光施設や案内所などで構成するオーサカ・ゼンリョ協力会(金子博美会長)の通常総会が行われたほか、総会後には、来賓を招いての合同懇親会も盛大に開かれた。

 金子会長は「今年は、昨年賑わった大阪・関西万博の反動が来るのではと不安視していたが、国内旅行についてはゴールデンウイークの状況を見ていても、皆さん動かれているように感じる。万博で醸成した『ワクワク』を全国に波及させるのが我われの役割。今日ここにいる皆様と情報共有しながら、業界を活性化させていきたい」と述べた。

【塩野 俊誉】

世界遺産などを結ぶ 無料シャトルバス運行中 堺市

2026年5月30日(土) 配信

新たな観光スポットをめぐる

 堺市は、世界遺産エリアに位置する百舌鳥古墳群ビジターセンターや堺ベイエリアなどを結ぶ「世界遺産・気球シャトルバス」を2027年3月28日までの土・日・祝日に無料運行している。

 26年10月に開始した大仙公園内での気球運行「おおさか堺バルーン」を契機に、国内外からの来訪者増加を背景として実施するもので、「世界遺産エリア」「環濠エリア」「堺ベイエリア」を結ぶ新たな交通手段として整備した。

 バスは、堺旧港・ポルトマーレ(ドーセット バイ アゴーラ 大阪堺)、さかい利晶の杜、百舌鳥古墳群ビジターセンターの3拠点を結ぶ。運行時間は午前9時から午後6時で、1日8便(1時間に1往復程度)設定。1便当たりの定員は27人。

 おおさか堺バルーンは、世界遺産の1つで、世界最大級の墳墓である仁徳天皇陵古墳を含む古墳群を上空100㍍から一望するアクティビティ。360度の絶景が広がるとあり、人気を集めている。

 シャトルバスの発着拠点の1つ、堺旧港・ポルトマーレは、25年3月にグランドオープンしたアーバンリゾートタウン。南海本線堺駅から徒歩約5分の場所に位置し、海辺の景観を楽しめるデッキを中心に、ホテル「ドーセット バイ アゴーラ 大阪堺」、イタリアンレストラン「AOI NAPOLI UMISOBA」、イルカ触れ合い施設「ノアドルフィンドーム」などで構成される。

ラウンジサービスを刷新、時間帯別の食体験を強化、 沖縄ハーバービューホテル

2026年5月29日(金) 配信

那覇市街を望む景色も魅力のラウンジ

 沖縄県那覇市の沖縄ハーバービューホテルは5月22日(金)、同市内最大級の広さ365平方メートルを誇るクラブラウンジの時間帯ごとのメニューやサービス内容を刷新した。新たに就任した青木健一総料理長の監修のもと、朝食からナイトキャップまで時間帯ごとに異なる「沖縄時間」を演出する。

 今回の刷新では、「沖縄で過ごす時間そのものを楽しむ場所」をコンセプトに、沖縄食材や郷土文化をベースにしたメニューを展開するほか、カスタマイズ性を取り入れた体験型メニューを拡充した。

 朝食では5種類から選べるメインメニューに加え、利用客が自由に仕立てる「彩りボウルサラダ」、沖縄伝統料理「セーファン(菜飯)」などを提供。

 ティータイムでは、オープンサンドやスイーツを利用客自身で盛り付けるアフタヌーンティースタイルを採用。「ちんすこう」や「塩せんべい」、1971年発売の復刻版「オリオンサイダー」など、沖縄ローカル色を前面に打ち出す。チェックイン時からオリオンビールを提供し、沖縄らしい非日常感を演出する。

ティータイムの料理イメージ

 夕刻からのディナータイムは「沖縄食材を自由な発想で楽しむビストロタイム」がテーマ。島豚ソーセージのアヒージョや黒糖カルボナード、沖縄香辛料「ピパーチ」を使った豚しゃぶのスープカレーなど、地域ならではの食材と洋食のエッセンスを掛け合わせた料理を提供する。

 午後8時以降のナイトキャップでは、1846年創業の老舗・新里酒造のウイスキーをはじめ、県産クラフトジンやクラフトラムなどをラインナップ。ローストビーフサンドや島豆腐のスモーク、沖縄そばなどを提供し、深夜帯まで滞在需要を取り込む。

JALとJAL航空みらいラボ、実践女子学園と教育連携協定 次世代の人材育成を

2026年5月29日(金) 配信

協定締結式の際のJAL航空みらいラボの柏社長(中央)と木島理事長(右)

 日本航空(JAL、鳥取三津子社長、東京都品川区)とJAL航空みらいラボ(柏頼之社長、東京都品川区)は5月26日(火)に実践女子学園(木島葉子理事長、東京都渋谷区)と教育連携協定を結んだ。次世代を担う人材の育成に寄与することを目指す。

 3者の連携で、実践女子学園が建学の精神として掲げる「女性が社会を変える、世界を変える」を体現する教養豊かなグローバル人材の育成や社会課題の解決への積極的かつ持続的な取り組みをはかる。

 具体的には、JALが提供する社会連携講座や課題解決型授業(PBL)を軸に、実践女子学園が注力する「社会連携教育」と「グローバル教育」をさらに深化させる。航空産業や実社会への理解を深めるだけでなく、JALグループが直面する実際の課題を授業のテーマとして取り上げ、学生・生徒ならではの視点による解決策の提案を行う。

 また、JAL現役客室乗務員が実践女子学園のキャリアサポート部職員として参画し、航空業界で培った知見やプロフェッショナルな視点を教育現場に還元する。今後は、航空・観光・接客分野に特化した課題解決プログラムの共同企画も視野に入れる。

「大阪民泊みらい協議会」が発足 大阪の民泊経済波及効果は1070億円と試算

2026年5月29日(金) 配信

 

 民泊関連業界団体などは5月28日(木)に、大阪の観光需要拡大と地域社会との共生の両立に向け、持続的な観光・民泊のあり方を検討する「大阪民泊みらい協議会」を発足した。代表者は立命館大学経営管理研究科観光マネジメントコース教授の山田雄一氏。また、協議会活動の第1弾として、大阪府における民泊の経済効果について、経済波及効果は1070億円、労働誘発効果は1万1714人と試算し発表した。2024年の消費実態を踏まえたもの。

 近年、大阪では訪日外国人旅行者数の回復に伴い、宿泊需要が急速に高まっており、受入体制の強化が求められている。このなかで、2016年に導入された国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)は宿泊需要を補完するインフラとして機能してきた。

 一方、騒音やゴミ出し、運営ルールの徹底など地域との共生に関する課題が指摘されており、大阪市では26年5月末から特区民泊の新規登録停止措置が予定されている。

 こうしたことから、今回発足した協議会では民泊関連業界団体が民泊の実態と役割を客観的に捉え直す。地域との共生を前提とした制度・運用など民泊を取り巻くさまざまなテーマについて検討し、具体的な議論を行う。また、民泊による経済波及効果や地域への影響に関する調査・分析も実施する。

 協議会は7~11月にかけて全3回の開催を予定し、段階的に“都市と共生する民泊”について議論を深めていく。国際観光都市・大阪ならではの「大阪モデル」の可能性を模索し、最終的に提言として大阪市へ提出する予定だ。

 協議会の参加メンバーは民泊・小規模宿泊施設運営管理協会(JAMM)、住宅宿泊協会(JAVR)、民泊観光協会(JAMTA)、大阪ホームシェアリングクラブ。

大手民鉄16社の26年3月期決算は増収減益 輸送人員は外客、万博需要などで3.9%増

2026年5月29日(金) 配信

大手民鉄16社 2026年3月期決算概況および鉄軌道事業旅客輸送実績

 日本民鉄鉄道協会(杉山健博会長、東京都千代田区)はこのほど、大手民鉄16社の2026年3月期(25年4月1日~26年3月31日)の決算概況と鉄軌道事業旅客輸送実績の調査を実施した。これによると、16社の鉄軌道事業営業収益は前年同期比4.3%増の1兆8073億円と増収となった。営業利益は賃金などの処遇改善による人件費や設備投資での減価償却費などの費用増により、2.8%減で増収減益となった。

 調査した民鉄は東武・西武・京成・京王・小田急・東急・京急・東京メトロ・相鉄・名鉄・近鉄・南海・京阪・阪急・阪神・西鉄の16社。

 輸送人員は訪日外国人需要の活況や外出需要の増加などがあり、同3.9%増の100億1100万人。とくに関西の鉄道会社は昨年の大阪・関西万博の移動需要の恩恵を受けた。関東9社は同4.0%増、関西5社は3.9%増。一方、19年度と比較すると4.6%減となり、コロナ禍前の輸送人員を下回る状況が続いている。