出雲大社で着地型商品 「八足門」内特別参拝(TSKツアーデスク出雲)

2024年2月9日(金) 配信

出雲大社「八足門」内特別参拝のポスター

 山陰中央テレビジョン放送(田部長右衛門社長、島根県松江市)の旅行事業部門、TSKツアーデスク出雲は3月2日(土)から、同県出雲市の出雲大社で、「八足門(やつあしもん)」内特別参拝ツアーを始める。

 「八足門」内は正月三が日などの特別な日や、御祈祷を受けた人以外は入ることができないエリア。国宝の御本殿や楼門を間近に望み、大社のなかでも、とくに神聖な雰囲気が漂う場所だ。

 ツアーは当面、土・日・月曜日と連休につながる祝日に行う(神事や祭事日は除く)。出雲大社がある大社町内宿泊施設9軒に宿泊する個人・団体客が参加できる。「大社の湯 いにしえの宿 佳雲」を起点に、専任ガイドとともにめぐる。所要約100分。

 料金は1人5000円。未就学児は無料。宝物殿入場券と記念品が付く。各回定員30人。最少催行人員10人に満たない場合はツアーを中止する。個人客は各宿泊施設で前日午後5時までに申し込む。団体・グループ予約は催行日10日前までTSKツアーデスク出雲で受け付ける。10人以上の場合、旅行会社の販売手数料は10%。

 八足門内の特別参拝は島根県観光連盟の企画、一畑トラベルサービスの主催で2015年4月に始まり、多いときには年間4000人を集客するなど好評を博したが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い20年3月で終了した。観光需要回復とともに、再開を望む声が全国の旅行会社などから寄せられていることから、今回TSKツアーデスク出雲が出雲大社や地元関係者と調整し、設定した。

神戸市街地と有馬温泉結ぶ 実証シャトルバス運行

2024年2月9日(金)配信

 

 神戸観光局(尾山基会長、兵庫県神戸市)は2月10日(土)~17日(土)まで、神姫バス(長尾真社長、同県姫路市)と連携し、神戸市街地と有馬温泉を結ぶ実証シャトルバスを運行する。

 夕刻から夜間にかけて同区間を運行し、市街地に宿泊しながら有馬温泉で日帰り温泉入浴や散策をしたり、有馬温泉に宿泊しながら市街地で食事や買い物が楽しめる。

 乗車料金は往復1人2000円(大人・子供同額)。神戸市街地発着3便、有馬温泉発着2便を設定する。市街地発着便には当日利用できる有馬温泉の日帰り温泉「金の湯」入浴券、有馬温泉発着便には40店舗で使えるお得な「ちょい飲み手帖」がそれぞれ付く。

 市街地と有馬温泉は公共交通機関で約30分の距離にあるが、現在夕方以降に両エリアを行き来する公共交通機関は電車に限られ、アクセス面で課題がある。実証シャトルバスの運行効果を検証し、将来的な両エリアの周遊促進につなげる狙いだ。

千田嘉博教授と歩く市場城跡見学ツアー募集中 ツーリズムとよた

2024年2月9日(金) 配信

3月10日に実施 講演会の聴講も

 ツーリズムとよた(太田稔彦会長、愛知県豊田市)はこのほど、城郭考古学者・千田嘉博教授と歩く市場城跡(いちばじょうあと)見学バスツアーの受付を開始した。3月10日(日)に実施するもので、希望者多数の場合は抽選となる。

 市内の小原交流館で開かれる千田教授の歴史講演会「市場城の歴史的意義」に合わせて、講演会前に教授の解説を聞きながら市場城跡を歩く。さまざまなメディアでも活躍する千田教授は、歴史遺産を誰にでも分かりやすく、また臨場感ある解説に定評があるという。

 ツアーは地元の特産品が盛り込まれたランチが付くほか、講演会でも会場の前方席を用意する。また、当日限定の御城印もプレゼントする。料金は大人・子供同額で1人9900円。集合場所は名鉄トヨタホテル前で、ツアーは午前9時~午後5:30まで。

「JATAビジネスマッチングサイト」2月13日(火)リリース 会員の協業・共創促進へ

2024年2月8日(木) 配信

JATAの渡辺正樹事務局次長(右)

 日本旅行業協会(JATA)は2月13日(火)、会員の間で商品やサービスの紹介・募集ができる「JATAビジネスマッチングサイト」を開く。2022年総会で発表された「旅行業再生戦略会議」内の提言で、「会員相互間の協業・共創」を目指したフォーマットとして開発した。

 2月8日(木)に開かれた定例会見で渡辺正樹事務局次長は、「会員企業・団体が新しいサービスやシステムを開発した、あるいは新しい観光コンテンツを紹介したいなどの要望にお応えできる。サービス導入にあたって協業パートナーを探すのにも役立つ」と説明した。

 同サイトは、サービス紹介機能「わが社のサービス使いませんか?~マッチング相手募集中案件」と、サービス募集機能「こんなサービスを探しています!~マッチング相手募集中案件」の2つの掲示板機能を用意した。

 サービス紹介の掲示板は、ビザ代理申請サポートや全国観光施設の電子チケットを販売するシステム、パッケージツアーの造成など、多岐にわたる募集が一覧で表示される。カテゴリは、総務・人事・広報・旅行領域・オフィス環境・チャットボット・災害対応・人材派遣・業務効率化・経費削減──など、掲載内容に合った項目を約40個から自由にタグ付けできる。複数選択も可能。

 なお、掲載内容はJATAの審査を経て公開される。

 このほか、進捗管理機能では、登録・問い合わせした案件に対する状況を一覧で確認することができる。会社名や商談状況のステータス別での検索も可能。

 利用対象者はJATAに加入している正会員、協力会員、国内賛助会員の合計1538社(2023年12月15日現在)。同協会公式サイトを閲覧する際に利用するIDとパスワードでログインすることで、すべての情報の閲覧や投稿ができる。閲覧のみであれば、会員以外も利用が可能。

サービス紹介掲示板のイメージ

タイミー、2次避難所のサービス利用料免除 24年春まで石川と富山、福井の施設に

2024年2月8日(木) 配信

タイミーは「復興に向けた中長期的なサポートも検討していく」という
 アルバイト紹介会社タイミー(小川嶺社長、東京都港区)は24年春ごろまで、能登半島地震の支援として、石川県と富山県、福井県で被災者を受け入れている2次避難所の認定を受けた宿泊施設に対し、サービス利用料を免除している。
 
 申し込みは同社の専用フォームから受け付けている。同措置は月末の請求時に、反映される。なお、ワーカーに支給する日当や交通費は通常通り発生する。
 
 同社は「被災地の状況に応じて、復興に向けた中長期的なサポートを検討していく」としている。

CS-C、宿泊施設にインフルエンサーをキャスティング 効果実証され正式リリース

2024年2月8日(木) 配信

投稿内容のすり合わせなども行う

 CS-C(椙原健社長、東京都港区)はこのほど、ホテル・旅館や飲食店向けにSNSのインフルエンサーをキャスティングする「C-mo Cast(シーモ キャスト)」を正式に始めた。SNSが集客手段として広く活用されるなか、「どのインフルエンサーに依頼すべきか分からない」「効果がなかった」などの声を踏まえ、宿泊施設や飲食店で試験導入を開始。予約数の改善など効果が実証され、正式にリリースした。

 同サービスは、CS-Cのコンサルタントが店舗や施設に適したインフルエンサーのキャスティングのほか、投稿内容のすり合わせや効果分析をサポートする。

 試験導入は2023年7~11月に実施。その結果、Webからの予約数は、約9割が上昇し、約5割が投稿前から50%以上増加した。

 同社は「5000を超える店舗や施設のマーケティングを支援してきたデータとノウハウを生かし、最適なインフルエンサーをキャスティングすることで高い集客効果を実現する」とコメントしている。

奈良県、メディアに食文化紹介 歴史と食の新需要創出へ

2024年2月8日(木) 配信

会場のようす

 奈良県は1月22日(月)、奈良まほろば館(東京都港区)でメディア向けに奈良の食文化の魅力を伝えるイベント「食でめぐる奈良~奈良の食文化にふれる旅~」を開いた。歴史を組み合わせた食文化を紹介し、新たな需要を創出したい考え。

 奈良の食文化を語る有識者トークセッションでは、館内のレストラン「TOKi」を監修したakorduのオーナーシェフ川島宙氏と、かき氷店「ほうせき箱」社長の平井宗助氏が登壇。ガストロノミー研究所の杉山尚美氏が務めた。

 杉山氏は遣隋使や遣唐使などによって多くの文化が奈良に持ち込まれたことから、「奈良は日本の食文化のルーツ。一方で、宇陀市など豊かな食文化を持つ地域に行った人は奈良県民でも少ない」と話した。そのうえで「訪日外国人客が日本食を求めて来日するなか、文化を発掘できる場にしたい」と語った。

杉山尚美氏

 奈良の食の魅力について聞かれた川島氏は「神様に捧げる料理や、都の食事など歴史に焦点を当ててられる。万葉集や古事記の神様のお話からも料理を考えている」と話した。

川島宙氏

 平井氏は柿の葉ずしに社長として勤めていた経験から、「県南部は柿の葉など薬草発祥の地。柿の葉は殺菌や防腐、消臭作用が働くため、江戸時代には塩さばとご飯を保存するなど、昔の人の知恵として使われた」と当時に思いを馳せられることを紹介。地域の名産品で柑橘類の大和橘について、「約2000年、垂仁天皇の忠臣田道間守が、海の彼方にあったとされる想像上の国『常世の国』から不老長寿の薬として持ち帰った」と話した。

平井宗助氏

「空飛ぶクルマ」実用化へ連携協定 和歌山県とIHIなど4者で

2024年2月8日(木) 配信

左から、南海電鉄の岡嶋社長、IHIの土田副社長、和歌山県の岸本知事、長大の野本社長

 和歌山県(岸本周平知事)とIHI(井出博社長、東京都江東区)、長大(野本昌弘社長、東京都中央区)、南海電気鉄道(岡嶋信行社長、大阪府大阪市)の4者は2月5日(月)、次世代モビリティとして期待される「空飛ぶクルマ」の県内実用化などに向け、連携協定を締結した。

 2025年大阪・関西万博の機運醸成をはかるとともに、県内への誘客促進や地域活性化に向けた協力態勢を構築する。

 「空飛ぶクルマ」の普及啓発や機運醸成、実証飛行に向けた取り組み、観光振興や地方創生など6項目で連携し、事業を進める。

 同日、県庁で調印式が行われた。岸本知事、IHIの土田剛副社長、長大の野本社長、南海電鉄の岡嶋社長が出席し、協定書に署名した。

 県は昨年4月、「空飛ぶクルマ」の運航実現に向けたロードマップを策定。万博開催までを「導入期」として、運航可能となる環境の創造や離発着場の選定、実際の運航ルートの策定などに取り組んでいる。

 空飛ぶクルマは、ヘリコプターやドローン、小型飛行機の特徴を併せ持つ電動の機体。垂直に離発着し、滑走路が不要で騒音が少ない利点がある。駆動時に温暖化ガスを排出せず、整備・運航にかかるコストがヘリコプターと比べ安価とされる。

観光庁、DMO全国会議開く 好事例共有や連携強化で魅力ある地域づくりへ

2024年2月7日(水) 配信

約200人が出席した

 観光庁は2月6日(火)、東京都内でDMO全国会議を開いた。日本各地のDMO職員など約200人が出席した。訪日外国人客が3大都市圏に集中するなか、一層の魅力ある観光地域づくりの推進へ、DMOの好事例を紹介しながら地方誘客に向けて連携強化をはかる狙いだ。

 会議の冒頭、髙橋一郎観光庁長官は、2023年の訪日外国人客数は2500万人を超え、消費額は5兆3000億円と過去最高となった一方、7割以上が3大都市圏に滞在したことを説明。そのうえで、「地方には生かされていないポテンシャルがある。豊かな自然や文化を有する地方に訪日外国人客を呼び込むことが、日本の観光の重要な課題だ」との考えを示した。

髙橋一郎長官

 また、DMOには価値に合った収益を得て、さらなる発展に必要な投資や人材育成を促進し、次世代に受け継げる地域づくりも求めた。

 基調講演では、観光庁の中村広樹観光地域振興部長が23年の訪日外国人客の消費額が過去最高だったことに触れ、「円安の影響を大きく受けている」と話した。

中村広樹観光地域振興部長

 小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長は「DMOの役割」をテーマに登壇。「最高だった23年の消費額はドル換算した場合、コロナ禍前と変わっていない」と指摘。23年の訪日外国人客数が約2507万人まで回復したことに対し「ビザの条件緩和などの国策や、日本政府観光局(JNTO)の国際的なキャンペーンの結果」と述べた。25年以降の旅行者数や消費額は「地方誘客を担うDMOの役割によって大きく変わる」と持論を展開した。

デービッド・アトキンソン氏

 そのうえで、1~3月と7~8月がピークの中国のほか、3~4月と8~10月に最も需要の高まる欧米豪からの誘客を勧めた。国内旅行はゴールデンウイークなどが繁忙期となることから、「需要を平準化でき、賃金上昇と安定した雇用も生む」と話した。これにより、新たな投資を呼び込み、観光客の増加につながることも説明した。

 また、「DMOは観光で稼がなければならない。業務はマーケティングだけでなく地元の経済成長にも貢献することとなる」と述べた。

 「先駆的DMOによる取り組み発表」についてのパネルディスカッションには、田辺市熊野ツーリズムビューロー会長の多田稔子氏と、京都市観光協会マーケティング専門官の堀江卓矢氏、下呂温泉観光協会の瀧康洋氏が登壇した。モデレーターはJTIC.SWISS代表の山田桂一郎氏が務めた。

パネルディスカッションのようす

 訪日外国人客の誘客について問われた多田氏は「プロモーションは、JNTOが盛大に実施している。これに合わせ、受入体制を強化している」と語った。また、コロナ前は収入の約8割を訪日外国人客から得ていたことから、森林学習を行う教育旅行の受け入れを始めたことも紹介した。

多田稔子氏

 堀江氏は「海外メディアに対する取材対応や通訳ガイドの育成、商品開発をしたい事業者へ支援を」と語った。

堀江卓矢氏

 瀧氏は「国内旅行に力を入れながら、日本人に人気であることをアピールしてきた。その結果、高単価のお客に来てもらえている」と話した。また、「関連団体が協力し、団結して取り組むことが大事」と語った。

瀧康洋氏

 その後、日本各地の37のDMOが23年度の取り組みを紹介。名刺交換会も実施し、連携を強化した。

旅楽しむきっかけに、オストメイト向け温泉ツアー 4月1日で(近畿日本ツーリスト)

2024年2月7日(水)配信

前回実施した際の大浴場での温泉入浴のようす(2019年12月)

 近畿日本ツーリスト(瓜生修一社長、東京都新宿区)は4月1日(月)、医療機器の製造・販売を行うアルケア(伊藤克己社長、東京都墨田区)と連携し、オストメイト向けに東京発日帰り温泉ツアーを実施する。病気や事故などでストーマ(人工肛門・膀胱)を装着するオストメイトが、安心して旅行を楽しめるきっかけにしてもらう狙い。

 ツアー同日は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)の改正法が施行される。これにより、宿泊施設など事業者はオストメイトに対して、公衆浴場での入浴拒否などを行わないように不当な差別的取り扱いの禁止と、合理的配慮が義務付けられる。誰もが旅行を楽しめる社会の実現を目指し、両社で連携してツアーを計画した。

 当日は、龍宮城スパホテル三日月(千葉県・木更津温泉)の温泉入浴と、ストーマ装具工場を見学できる。浴場に、参加者専用の脱衣所が用意され、目隠し機能と防水機能を持ち合わせた入浴用シールのお試し体験も可能。比較的空いている平日の営業開始にあわせて案内、気兼ねなく入浴を楽しめる。

 また、ストーマ装具のパイオニアであるアルケア工場見学では、ツアー参加者であり、同じ悩みを持つ旅仲間との交流・情報交換会のほか、アルケア社員による災害対策レクチャーもある。

 旅行代金は1人当たり1万8000円で、龍宮城スパホテル三日月(お祭りランド)での昼食含む。最大催行人員は25人、最小は15人。