庄内物産館が山形市内で「寒鱈まつり」開催 1月11-12日の両日 事前予約でお得に入場

2025年1月6日(月) 配信

 山形県鶴岡市の庄内観光物産館は2025年1月11日(土)、12日(日)の2日間、山形市内で「やまがた寒鱈まつりinぐっと山形」を開く。昨年好評を博した「寒鱈まつり」の「山形出張」を、今年も実施する。

 ぐっど山形(山形市)の団体食堂を会場に、両日とも午前11時~午後3時まで開催する。今年はスムーズに入場できるよう、事前予約制度を導入。申し込むと寒ダラ汁が100円引きになる。

 庄内地方では1月上旬から2月上旬ごろに日本海で獲れる脂ののった真鱈を寒ダラとよび、それを丸ごと使ってつくる寒ダラ汁は冬の風物詩として親しまれている。この味覚を内陸部でも楽しんでもらいたいと、昨年から出張イベントとして開催している。

 会場では、寒ダラを余すことなく使った郷土料理・寒ダラ汁(1200円)をはじめ、白子天ぷら(900円)や磯おにぎり(350円)などの味覚で来場者をもてなす。

 事前予約は前日の午後5時まで、専用フォームから受け付ける。空席があれば当日参加も可能だ。

福岡県八女市・福島八幡宮に家屋を改装したカフェ誕生 1月11日に「カミカケ茶屋」オープン

2025年1月6日(月) 配信

「カミカケ茶屋」

 カミカケ(吉開雄基社長、福岡県八女市)は1月11日(土)、八女市の福島八幡宮内に、古い家屋を改装したカフェ「カミカケ茶屋」をオープンする。同社の吉開氏は同神社の宮司で、「誰もが利用できる、賑やかな神社へ。」を掲げており、参拝後にゆっくりできる場所を提供したいと、実家を改装して茶屋を開店することにした。

 茶屋では、福島八幡宮のおそなえものを無駄にしないように活用するほか、神職が食材をすべて神様に献上し、お祓いをしたあとに調理する。すべての食材が神様に祈祷したもので、縁起のよいものになるという。

かみさまのごはん

 食事メニューは「かみさまのごはん」(税込2750円)と「めでたい茶漬け」(同1980円)で、どちらも鯛をメインに据える。かみさまのごはんは、鯛を鱗をつけたまま素揚げしたものがつく。

 デザートは神社パフェ(1650円)とお清めアイス(1100円)、御朱印ティラミス(1100円)で、ノンアルコールカクテルの「福島八幡宮スパークリング」(880円)も用意する。

 吉開氏は「神社が活性化すると、その地域も元気になると考えています。今回開店する『カミカケ茶屋』は、神社を活性化するうえでの一つのコンテンツに過ぎませんが、神社に関心を持ってもらうために『飲食』はわかりやすく、広がりがありますので、地元の氏子さんをはじめ全国・海外の方たちのコミュニティをつくりたいです。観光客が八女に来て、まず福島八幡宮に来てくださることも多く、八女のおすすめの場所を聞かれるので『八女の観光案内所』のような場所にしたいと考えています」とコメントしている。

老舗割烹旅館「きむらや」(兵庫県) 破産手続き開始決定(帝国データバンク調べ)

2025年1月6日(月) 配信

 きむらや(木村治雄代表、兵庫県たつの市)は昨年12月9日(月)、神戸地裁龍野支部から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約5億円。

 同社は1877(明治10)年3月創業、1972(昭和47)年5月に法人改組された。会席料理や鍋料理を提供する割烹旅館「きむらや」と、別館「千年茶屋」の運営を手掛けていた業歴140年を超える老舗。地元の特産品カキを中心に旬の素材を使った料理を提供し、観光客や町内会などの宴会で利用されていた。

 しかし、「年間を通しての集客状況は安定せず」(帝国データバンク)、24年4月期の年間売上高は約1100万円にとどまり、厳しい経営を余儀なくされていた。

「四国こんぴら歌舞伎大芝居」ツアーを販売 オリジナルグッズもセット、JAL×ジャルパック

2025年1月6日(月) 配信

「旧金毘羅大芝居(通称:金丸座)」の客席のようす

 日本航空(JAL、鳥取三津子社長、東京都品川区)とジャルパック(平井登社長、東京都品川区)はこのほど、香川県で4月に開催される「第三十八回四国こんぴら歌舞伎大芝居」の観劇券とJALオリジナルグッズをセットにした特別ツアーを売り出した。

 「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は香川県・琴平町で毎年、春に開催されている。会場の「旧金毘羅大芝居(通称:金丸座)」は国の重要文化財で、現存する日本最古の芝居小屋。江戸時代の風情を体感でき、舞台と観客の一体感が魅力とされている。

「染匠 吉野屋」とコラボしたJALオリジナルグッズ(イメージ)

 ツアー参加の記念品は琴平町の老舗染物屋「染匠 吉野屋」とコラボレーションしたオリジナルポーチで、香川県にゆかりのある客室乗務員がデザイン制作に携わった。表面には、金丸座の座紋である佐伯鶴の丸と、裏面にはJALの鶴丸ロゴを施している。

 講演日と設定期間は4月4日(金)~20日(日)まで。出発地は東京(羽田)または、羽田―高松線への乗り継ぎ運賃設定JALグループ便就航空港。申し込みはWebサイトから。

【阪急交通社・酒井淳社長 2025年年頭所感】経営資源の効率化や企業価値の向上へ 

2025年1月6日(月) 配信 

酒井淳社長

 阪急交通社の酒井淳社長は1月6日(月)、新年にあたって2025年の年頭所感を発表した。内容は以下の通り(抜粋)。

 

 

 旧年におきましては、当社は「コロナからの完全回復の年とし、さらなる進化を遂げていく」ことを目標に、全社員が一丸となって事業に取り組みました。商品企画の工夫や販売展開の拡大により、国内旅行・海外旅行ともに計画以上の水準で推移したほか、訪日旅行や団体旅行も順調な結果を残すことができました。

 今年はいよいよ大阪・関西万博が開催されますが、関西圏はもちろんのこと、日本経済全体への経済効果が期待されています。当社としても、この機会を最大限に活用し、現在受注している事業の運営を円滑に行うとともに、すべての事業分野において、さらなる高みを目指して取り組みを強化します。

 ここ数年のコロナ禍や物価上昇という社会環境の変化を経て、お客様に購入いただく旅行商品の価格も上がり、またニーズの多様化も一層進みました。付加価値を高めたり、テーマやストーリー性を持たせた魅力ある旅行商品の開発を進めることは勿論のこと、一方でオペレーションやアフターサービスなどソフト面の品質管理をしっかり行い、お客様の満足度向上のための努力をこれからも大切にして参ります。

 旅行業界におきましては、人材不足、労働時間の増加は継続的な課題となりますが、当社では、こうした状況をふまえて、昨年秋から新たな次世代基幹システムの開発を進めています。経営資源の効率化や企業価値の向上を目指し、企業基盤の整備に取り組んでいるところです。今年におきましても、将来のサステナブル経営の礎となる健康経営を推進し、社員にとってワークライフバランスが充実する年になるように、新たな一年を目指して参ります。

【2025年年頭所感・中野洋昌国土交通大臣】訪日客6000万人・消費額15兆円に向け全力で取り組む

2025年1月6日(月) 配信 

中野洋昌国土交通大臣

 国土交通省の中野洋昌大臣は1月1日(水)、2025年の年頭所感を発表した。内容は以下の通り(抜粋)。

 

 

 昨年は、元日の能登半島地震、その被災地を襲った9月の豪雨災害をはじめ、各地で大規模な災害が相次ぎました。改めて、こうした災害により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、被災されたすべての方々にお見舞いを申し上げます。

 私も能登や東北の現場を視察するなかで、改めて被害の甚大さを確認し、災害への備えや早期の復旧・復興の必要性を痛感いたしました。こうした教訓を踏まえ、今後も、防災・減災、国土強靱化を強力に推進して参ります。加えて、運輸分野や通学路などの安全対策、海上保安能力の強化などを通じて、国民の安全・安心を確保して参ります。

 また、デフレからの脱却を確実なものとするため、我が国の成長力を高めるべく、戦略的な社会資本整備や地域間のネットワーク強化、さまざまな産業分野における担い手の確保、GX・DXの推進などに取り組んで参ります。

 併せて、各地域がその特徴を生かしつつ、持続可能であり続けられるよう、「地方創生2.0」の旗のもと、地方への人の流れを拡大し、地域雇用や経済を拡大するとともに、公共交通など暮らしに必要なサービスの維持に努めて参ります。

 国土交通行政は、国民の命と暮らしを守り、我が国の経済や地域の生活・なりわいに直結しています。私自身、国土交通大臣として、現場の声によく耳を傾け、国民のみなさまのニーズにしっかり応えられるよう、全力で任務に取り組んで参る所存です。

 本年も、引き続き、国民の安全・安心の確保、持続的な経済成長の実現、地方創生2.0の推進を柱に、諸課題に全力で取り組んで参ります。

 

大阪・関西万博、国際園芸博覧会に向けた取り組み

 本年4月から大阪・関西万博が開催されます。空飛ぶクルマや自動運転の実現のほか、万博を契機とした地方への誘客促進に取り組むとともに、安心安全な開催に向け、円滑な輸送の確保や海上警備を含むセキュリティ対策に万全を期して参ります。

 神奈川県横浜市で開催する2027年国際園芸博覧会は、今年3月に開幕2年前となります。気候変動などの地球規模の課題解決にも貢献するグリーンな国際博覧会となるよう、引き続き博覧会協会、関係省庁、地元自治体及び経済界と連携し、万全の準備を進めて参ります。

 

持続可能な観光の推進

 観光は、人口減少が進む我が国にとって成長戦略の柱、地域活性化の切り札です。昨年は、訪日需要の高まりや、円安などの影響に加え、持続可能な観光立国の推進に向けて政府を挙げて取り組んだ結果、訪日外国人旅行者数や消費額の回復が急速に進み、観光は力強い成長軌道に乗っているものと受け止めております。2023年に策定した観光立国推進基本計画を踏まえて、本年も「持続可能な観光地域づくり」「地方を中心としたインバウンド誘客」「国内交流拡大」の3つの分野の取り組みを強力に推進していきます。

 第1に、持続可能な観光地域づくりです。いわゆるオーバーツーリズムの懸念も生じているなか、観光客の受け入れと住民の生活の質の確保の両立がはかられるよう、地域の実情に応じた取り組みを引き続きしっかりと支援して参ります。

 また、観光産業においては、観光需要の回復に伴い人手不足が深刻化していることから、外国人材の活用も含めた採用活動支援や、業務の効率化・省力化に資する設備投資への支援などの総合的な人手不足対策を実施し、人手不足の解消に向けて、しっかりと取り組んで参ります。

 さらに、宿泊施設などの改修支援や観光DXの推進などを通じて、観光産業の収益力を強化し、従業員の待遇改善などをはかることで、観光産業の高付加価値化を可能とする好循環を生み出して参ります。

 第2に、地方を中心としたインバウンド誘客です。訪日外国人旅行者数は着実に回復していますが、三大都市圏にインバウンドの宿泊全体の約7割が集中するなど、コロナ前と比べても都市部を中心とした一部地域への偏在傾向が見られます。今後、地方部への誘客をより一層強力に推進するため、地域の多様な観光資源を生かした体験コンテンツの磨き上げに取り組んで参ります。

 また、高付加価値旅行者の地方への誘客を強化するため、全国14のモデル観光地における高付加価値なインバウンド観光地づくりの取り組みを集中的に支援するとともに、その成果やノウハウを他の地域へも伝播させ、観光を通じた地域活性化を促進して参ります。

 さらに、大阪・関西万博開催を契機としたインバウンドの全国への誘客促進に向け、情報発信などに取り組むとともに、若者をはじめとしたアウトバウンドの促進など、双方向交流の拡大にも取り組んで参ります。

 第3に、国内交流拡大です。地域の観光資源を一層魅力的なものに磨き上げるとともに、テレワークを活用したワーケーションの推進や、反復継続した来訪の促進、ユニバーサルツーリズムといった国内における新たな交流市場の開拓に、従来の取り組みをさらに進化させて取り組んで参ります。

 国土交通省としては、こうした取り組みを着実に進め、2030年訪日外国人旅行者数6000万人、消費額15兆円という目標の達成に向けて、全力で取り組んで参ります。

 

各分野における観光関係施策

 昨年、我が国へのクルーズ船の寄港回数は、コロナ前ピークの約8割まで回復いたしました。また、寄港するクルーズ船の大型化が進む一方で、小型のクルーズ船が全国津々浦々へ寄港するなど、船型や寄港地が多様化して参りました。今後とも、各地域の皆様と連携し、多様なクルーズ船の受入環境整備や寄港促進に向けた取り組み、地域経済効果を最大化させるための取り組み、地方誘客促進に向けた取り組みを推進し、経済の活性化や賑わいの創出に努めて参ります。

 景観計画や歴史的風致維持向上計画の策定を促進し、良好な景観を形成するとともに、地方公共団体が取り組む地域固有の歴史・文化・風土を活かした歴史まちづくりに対する支援を引き続き進めて参ります。

 「道の駅」は、地方創生や観光の拠点を目指す「第3ステージ」に入り、「まち」と「道の駅」が一体となって発展する「まちぐるみ」の取り組みや、災害時に防災の拠点となる防災機能強化の取り組みを進めて参ります。

 2021年に閣議決定された「第2次自転車活用推進計画」に基づき、私が本部長をつとめる自転車活用推進本部を中心に、政府一体となって、自転車通行空間の計画的な整備、シェアサイクルやサイクルトレインなどの普及促進、ナショナルサイクルルートなどを生かしたサイクルツーリズムの推進など、自転車の活用の推進に向けて取り組んで参ります。

 地方の誘客促進に向け、「観光の足」を担う交通機関において、訪日外国人を含む旅行者により快適に利用していただくため、多言語による案内表示・案内放送の充実、クレジットカード対応型券売機や交通系ICカードなどの利用環境整備、モビリティポートの設置、交通手段に関する情報提供の充実などの二次交通へのアクセス円滑化・利便性向上などの取組を進めて参ります。

 

IRの整備

 IRは、多くの観光客を呼び込む滞在型観光の拠点であり、観光立国の実現に向けた重要な施策です。2023年4月に認定を行った大阪の区域整備計画について、実施状況評価を行うとともに、依存症対策などの弊害防止対策に万全を期すなど、2030年の開業に向けて対応を進めて参ります。

 

航空ネットワークの維持・確保など

 我が国の航空需要については、国内・国際ともに旅客数は回復傾向にあるものの、燃料費や整備費などのコストが増加していることにより、特に国内路線の収支が厳しい状況におかれています。

 航空ネットワークは、公共交通として国民の社会経済活動を支えるとともに、インバウンドの受け入れをはじめ、ポストコロナの成長戦略にも不可欠な「空のインフラ」です。航空機燃料税の軽減措置などを行うことにより、地方創生や観光立国の実現に不可欠である航空ネットワーク維持・活性化に取り組んで参ります。

 また、急速なインバウンド需要の増加に対応するため、グランドハンドリングや保安検査をはじめとする空港業務の処遇改善や人材確保・育成などを支援するなど、引き続き、受入環境整備を推進して参ります。


 本年も国土交通省の強みである現場力・総合力を生かして、国土交通行政における諸課題に全力で取り組んで参ります。国民の皆様の一層の御理解、御協力をお願いするとともに、本年が皆様方にとりまして希望に満ちた、発展の年になりますことを心から祈念いたします。

ラグーナテンボス、ドローンショー開催 イルミネーションとのコラボで

2025年1月6日(月) 配信

ショーのイメージ

 ラグーナテンボス(小寺康弘社長、愛知県蒲郡市)は1月11日(土)、SkyDrive(福澤知浩CEO、愛知県豊田市)と共同で、ラグナシアにおいてイルミネーションとコラボレーションしたドローンショーを開催する。同園でのドローンショーは今回が初めて。

 ショーでは、500機のドローンを園内方向に向けて飛行させる。BGMとラグナシア全体を照らす光の演出と合わせて、空に光の世界を表現する。同社は「ドローンショーの前後にイルミネーションを見て、パーク内と夜空の双方を楽しんでほしい」としている。

 開催時間は午後8時10分から10分程度。雨天の場合は1月12日(日)に延期される。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(168)コミュニケーション力を高めるおもてなし 質問から会話に慣れる

2025年1月5日(日) 配信 

 

 コミュニケーションが苦手な人が増えているように感じます。友人とは話せるが、仕事となると友達言葉ではいけないと言われて、ますます話すことが苦手になったという声を現場でよく聞くようになりました。

 先日、最近人気だというロードサイド店に家族で食事に行きました。入口でスタッフに声を掛けると、直ぐに席の案内がありました。ところが入口で、席札とおしぼり、そしてモバイルオーダーのQRコードが表示されたプラスチックカードが入った小さな籠を渡されました。つまり、番号の席に自分たちで行き、オーダーはスマートフォンでしてください、といった具合です。店内は各テーブル内が見えないように壁で仕切られているため見渡すことができません。迷いながらもなんとか席まで到着し、早速オーダーしようとしました。パスタ・ピザの大きさや量が分からないため、質問しようと呼び出しボタンを押しましたが、一向にスタッフが来る気配がありませんでした。家族は、不便だけど仕方ないのではないかとあきらめていました。人気の理由は、仕切りがあるプライベート空間内でのおしゃべりに適しているからだそうです。スタッフとの余計な会話もほとんどなく、煩わしくないのが良いとか……。働く方たちにとっても余計な気を使う必要もなく楽なのかもしれません。人手不足の時代ですので否定はしないものの、サービス業界の未来が心配になってしまいました。

 別のお店でのことです。同様にお店に入って席に案内されるときに、若いスタッフの接客にうれしくなりました。振り返りながら私たちの歩くスピードを気に掛けてくれていたのです。そしてそのスタッフは、私たちの歩調に合わせるため、「はじめてですか? 近くにお住まいですか? 寒い日にようこそお越しくださいました」など簡単な会話をしてくれました。私たちもその質問に気軽に応えながら席まで案内されました。クライアント企業にも話していることですが、相手の歩くスピードに最も合わせやすい方法は、会話をすることです。

 アルバイトや新社会人が仕事としてコミュニケーションを取ろうとすると構えてしまい話せなくなってしまうものです。簡単な質問をいくつか用意して、今日はこの質問をしてみようと目標を持って声を掛けるところから始めましょう。企業は失敗を指摘するのではなく、その結果を聞きさらに会話が深まるようにアドバイスしていくことが重要です。

 こうして「慣れ」を創る機会を持たせていけば、コミュニケーション力は高まっていくのです。コミュニケーションとは、難しく考えるのではなく声を掛ける勇気を持つことが最も大切なのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

「津田令子のにっぽん風土記(112)」雪景色と温泉を独り占め~ 群馬県・嬬恋村編 ~

2025年1月4日(土) 配信

白銀の世界は幻想的な雰囲気に
嬬恋村観光商工課 加部貴裕さん

 「嬬恋村の冬の魅力は、やはり雄大な雪景色ではないでしょうか」と嬬恋村観光商工課の加部貴裕さんはおっしゃる。

 日本百名山の一つ浅間山の麓に位置し、冬になると雪に覆われた美しい風景が広がり、白銀の世界は訪れる人々を幻想的な雰囲気に包み込む。「とくに、雪の積もった森や山々は、写真愛好家に人気のスポットです」。

 以前テレビの取材で雪上歩行具の「スノーシュー」を履いて散策するツアーを体験したときの雪質の良さと、雄大な風景は今でも記憶に残る。「早朝の雪原には、ニホンカモシカやキツネなどの足跡が残っていることもあります。スキーはもちろん、さまざまなアクティビティが楽しめますし、星が降るような夜空も大きな魅力ですのでお泊まりいただいて風景美とともにお楽しみいただければ」と話す。

 特色の異なる4つのエリアの温泉でリラックスすることもお勧めという。「村内には数多くの温泉宿があり露天風呂からの雪景色は格別。地元の食材を使った料理とともに贅沢なひとときをお過ごしいただけます」。

 標高1800㍍の高地に位置する天空の温泉郷が万座温泉。湯煙がモウモウと立ち上がり温泉地特有の硫黄の臭いが漂っている。

 「古くから万病に効く湯として知られ、空の近くで温泉を満喫したい方にぴったりです」と加部さん。

 山間にある古き良き温泉郷が「鹿沢温泉」だ。鎌倉時代から湯治場として栄え1917(大正7)年の火事で全焼し、湯元「紅葉館」を残し4㌔下った先に引き湯して生まれたのが新鹿沢温泉だ。バラギ高原の西にそびえる四阿山。水の神様がいるという。山から流れ出る湧水はバラギ湖をたたえ、バラギ湖地下から汲みあげる水は、嬬恋随一のおいしさを誇る。ここは、伝説の英雄・ヤマトタケルノミコトが亡き妻を思い、愛の涙を流した地でもある。

 浅間高原は、1783年に起きた浅間山の大噴火。それによってもたらされた恩恵の一つが、この地に「温泉」が湧いたこと。キャベツをはじめとする高原野菜が育ち、ゴルフ場が生まれるほどなだらかな大地になった。「この冬、嬬恋村を訪れてその魅力を味わってみてください。1月18日、2月15日、3月1日に開催される『レッツ! パウダースノーシュー』(いずれも要予約定員あり有料)に参加なさって趣の異なる温泉に浸かるという嬬恋流の冬の過ごし方をしていただけたらうれしいです」と笑顔で語られた。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「観光革命」地球規模の構造的変化(278) 無形文化遺産と観光

2025年1月3日(金) 配信

 戦後80年の節目を迎えたが、今年は内憂外患を抱えて多難の年になると予測されており、気分の重たい新年だ。されど新春を寿ぎたいので、昨年末にユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産にめでたく登録された日本の「伝統的酒造り」を取り上げたい。

 ユネスコは2003年総会で「無形文化遺産条約」を採択、06年から審査・登録に着手。これまでに登録された日本の無形文化遺産は23件。主な遺産は能楽、人形浄瑠璃文楽、歌舞伎、雅楽、アイヌ古式舞踊、結城紬、和食、和紙、山・鉾・屋台行事、来訪神(仮面・仮装の神々)、伝統建築工匠の技、風流踊など。

 最新登録の伝統的酒造りは麹菌を用いて、蒸した米などの原料を発酵させる日本古来の伝統技術で、500年以上前にその原型が確立されたといわれている。ユネスコは日本の酒造りが「清らかな水と米や大麦などの穀物を保護することで、食料安全保障と環境の持続性に貢献する」と評価している。

 日本の酒造りは長い歴史を通して、それぞれの地域の風土や農業、文化の特性を生かしながら維持・発展してきた。さらに伝統的酒は地域の冠婚葬祭などの行事に欠かせないものであり、地域共同体の結束にも貢献している。

 ところが正に「2025年問題(超高齢化社会による深刻な働き手不足など)」に象徴される杜氏や蔵人の高齢化や後継者不足などの問題を抱えている。北海道・上川町の上川大雪酒造は帯広畜産大学との産学連携によって大学構内に酒蔵を設け、若者が酒造りを学び、関心を高める事業を展開している。

 若者を中心に「日本酒離れ」が進んでいるが、一方で海外では日本酒人気が高まっている。また「酒蔵ツーリズム」が好評を博すると共に、「酒蔵レストラン」が話題になり、家族で飲食を楽しむ機会が増えている。

 日本の魅力的な無形文化遺産は各地で貴重な地域遺産・地域資源として観光振興の面で大いに貢献している。知事の会や観光業界は協働して日本が世界に誇りうる多様な温泉文化の無形文化遺産登録を目指している。

 一方で杜氏や蔵人の高齢化や後継者不足に象徴されるように無形文化遺産の健全な維持・発展は容易ではない。観光業界をはじめ、各地における民産官学の協働による効果的な支援が求められている。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。