宿泊施設と連携しデータ収集分析モデル地域募集 公募は3月5日まで(観光庁)

2021年1月21日(木) 配信

観光庁は3月5日まで宿泊施設等と連携したデータ収集・分析事業のモデル地域を募集する

 観光庁は1月20日(水)~3月5日(金)まで、2021年度「観光地域づくり法人による宿泊施設等と連携したデータ収集・分析事業」のモデル地域を募集する。①プラットフォーム②CRM(顧客関係管理)のための観光地情報アプリ――の2つの機能について、2~4地域程度選び、実証実験を行う。

 プラットフォームでは、施設が持つ観光客のデータを集め、施設・地域ごとに宿泊者数の推移や国籍別の消費額などの観光客の傾向を可視化して、属性別の分析ができるようにまとめる。

また、CRMアプリによって、集めた顧客情報を活用し、アンケートやセール、キャンペーン情報をユーザーに直接届ける仕組みを作る。

 検証後の仕組みは、モデル地域以外の地域でも利用可能にする想定。この取り組みにより、DMOが宿泊・観光施設などと連携して、顧客データの分析や観光地域づくりの戦略策定、経営計画策定などに役立ててもらえることを目指す。

パシフィコ横浜、MICE開催件数が17年連続1位に 19年は過去最高の180件

2021年1月21日(木) 配信

19年7月に開催された「第39回地球科学・リモートセンシング国際シンポジウム」

  国内最大級の複合MICE施設「パシフィコ横浜」はこのほど、JNTO国際会議統計の2019年会場別開催実績において、「開催件数」「参加者件数」「外国人参加人数」が、国内MICE施設で1位となった。「開催件数」は過去最高の180件に達し、17年連続で1位に、「参加者総数」は18年連続1位となった。

 19年に同施設で開催された主な国際会議は、「2019国際溶射会議」(5月26~29日)、「第11回 水道技術国際シンポジウム」(7月9~11日)、「第39回地球科学・リモートセンシング国際シンポジウム2019」(7月28日~8月2日)、「第7回アフリカ開発会議」(8月28~30日)などがある。

 また、今年7月に開業30周年を迎え、昨年春には新MICE施設「パシフィコ横浜ノース」がオープンした。コロナ収束後のビジネス展開を見据え、MICE誘致・開催を通じて、地域に貢献していく。

 MICE参加者の消費は、一般観光客より高い経済波及効果を生み出すと言われている。また、ビジネス機会やイノベーションの創出、学術振興につながる効果もあるとされる。

 「JNTO国際会議統計」は、日本政府観光局(JNTO)が毎年発表している国内唯一の国際会議開催実績に係る資料。日本での国際会議の開催実績を集計・分析した統計や、開催された国際会議のデータのほか、国際団体連合(UIA)が発表した世界の国際会議統計を掲載している。

「旅館コンサルタント大坪敬史の繁盛旅館への道(60)」 経済活動にブレーキが掛かる前提での経営

2021年1月21日(木)配信

 新型コロナの感染拡大で、経済活動にブレーキを掛ける政策が実行されています。

 雇用調整助成金があるとはいえ、これ以上の休業は宿泊事業者には死活問題です。当社のクライアントには「経済活動にブレーキが掛かる前提での経営」をお願いしています。具体的には、マーケティング面で次の内容を提案しています。

①媒体利用の停止、継続の選別

 広域から集客前提の書籍や雑誌類などは停止し、地域(エリア)限定の地元誌、フリーペーパーなどは、企画商品のPRで地元集客確保のため継続する。

 ②旅行会社在庫のさらなる調整

 業界大手の厳しい経営が続くなか、例年同様の「在庫」を提供しても、売れる在庫数は減少します。提供在庫の調整は必須です。

 ③地元宴会の受注調整

 コロナ禍でも、地元宴会の需要は一定数あります。ただ、従前のような人員体制が整わないなかで、休前日などに宴会を受注すると、大事な宿泊客の食事提供に影響が生じます。

 やはり、忘・新年会の受注数を絞り、平日や小グループの宴会のみ受け入れるという宿も多くあります。

 ④OTA(オンライン旅行会社)キャンペーンの機動的な対応

 昨秋のように、放っていても満室になるような時期に、OTAキャンペーンを打っても、販促費の無駄遣いや宿泊単価の減少を招くだけです。

 ただ、集客が弱くなった時期のカンフル剤としては活用できますので、「キャンペーン」を仕込んでおいて、実際に売るかは、コロナの感染状況や世の中の動きみて判断する、という対応をしてもらっています。

 ⑤先行予約の「売り方」を機動的に

 Go Toトラベル事業自体は、どこまで確実に継続されるかは不明瞭のなか、先の予約(具体的には2021年2月1日(月)以降の予約)の動きが全国的によくありません。

 ただ、Go Toトラベル事業が継続となれば、一定の集客効果は続くと思いますので、予約が入ってないからと焦らず、安売りプランなどの販売は控えてもらっています。

 ⑥確実に「動く層」へのダイレクトマーケティング強化

 昨年4月の新型コロナ・緊急事態宣言後、まず予約が動いたのは「地元」と「リピーター」のお客様です。そのため、この冬も「地元」と「リピーター」のお客様を対象にした特別宿泊プランを造成し、DMを発送いただいております。

 既にDMを発送した旅館には、レスポンスよく予約が発生しております。

 このほかにも、全国の宿泊施設で、さまざまな対応をされていることと思います。 「with コロナ」という言葉は「コロナだから仕方ない」とあきらめることではなく、「コロナ禍の時代ですが、折り合いをつけて前向きに行動する」ということです。

 先行き不透明な時期だからこそ、前向きな行動を前提に乗り切っていただきたいと願っています。

コラムニスト紹介

大坪敬史氏

旅館コンサルタント 大坪 敬史 氏

大手旅行会社での実務業務を経て船井総合研究所入社。インターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増&即時業績向上ノウハウには定評があり、数多くの宿泊産業の業績向上に貢献。観光文化研究所を設立し代表取締役。

 

 

 

〈観光最前線〉旅じたくの旅

2021年1月21日(木) 配信

 ルミネが取り組む「旅ルミネ」プロジェクトは、オンラインツアー「おうち旅ルミネ」を企画している。企画のキーワードは「旅じたく」だ。

 ツアー参加者は事前に「旅じたくボックス」を購入。当日、答え合わせをするように箱の中身を一つひとつ紐解き、地元の人と交流を深める。先日参加した群馬県中之条町編では、焙煎されたカカオ豆が「旅のカケラ」として届けられ、香りで現地とつながる演出も。リモートもかけ合わせ次第でよりリアルに近づくと実感した。

 オンラインツアー自体も、いつか出掛ける旅への準備と位置付ける。名付けて「旅じたくの旅」。旅先に行く前からお気に入りの場所を見つけ、魅力的な人と出会うことで、実際に訪れてみたくなる仕掛けが施されている。

【鈴木 克範】

20年12月の訪日外客数、97.7%減の5.9万人 年間では87.1%減の411.6万人に JNTO発表

2021年1月20日(水) 配信

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 日本政府観光局(JNTO)が1月20日(水)に発表した2020年12月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比97.7%減の5万8700人だった。15カ月連続で前年同月を下回ったが、実数としては前月からほぼ横ばいとなった。

 また、2020年の訪日外客数(同)も発表され、前年比87.1%減の411万5900人と激減した。1月下旬以降の新型コロナウイルス感染拡大で水際対策が強化され、国際的な人の往来が停止したことなどが要因となった。7月以降はビジネス目的の入国が限定的に再開したが、観光目的での入国は未だ認められていない。

 日本人の出国者数は、20年12月が98.1%減の3万3000人、年間では84.2%減の317万4200人だった。

ANAグループ、帰国者対象のサイト「ご帰国あんしんサービス」開設 専用宿泊プランなど紹介

2021年1月20日(水) 配信

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 ANAグループは1月15日(金)、海外から日本への帰国者を対象としたサイト「ご帰国あんしんサービス」を開設した。帰国後に待機場所として滞在できる宿泊プランや、空港からの交通手段を紹介し、乗客へ安心と利便性を提供する。

 宿泊は、羽田空港・品川近郊エリアや、成田空港近郊エリアなどにある9軒のホテルが、帰国者専用プランを掲載。1~7連泊プランのほか、ANAファーストクラスアメニティ付きの8~13連泊プラン(一部施設のみ)がある。

 空港到着後の移動は、公共交通機関の利用制限もあることから、レンタカーやハイヤー、リムジンバスの予約または申込方法を掲載している。

 また、日本国内の自宅で受けられるPCR検査の紹介、申込みも行っている。

FDA、神戸―花巻線を新規就航 3月28日から毎日1便運航に

2021年1月20日(水)配信

写真はイメージ

 フジドリームエアラインズ(FDA、楠瀬俊一社長、静岡県静岡市)は3月28日(日)から、神戸―花巻線を毎日1便運航で新規就航すると発表した。

 FDAは、名古屋(小牧)空港や富士山静岡空港を拠点とする航空会社で、神戸発着路線の運航は青森・松本・高知に続く4路線目となる。神戸空港で花巻線の定期便が就航するのは、今回が初めて。

 運航時刻は、神戸発便が午後3:30発で花巻には5:00に着き、花巻発便が午後2:50発で神戸には4:30に到着する。型式はエンブラエルERJ-170またはERJ-175。座席数は76席または84席まで設けている。

身延山ロープウェイ、40年ぶり新型ゴンドラ導入 日蓮聖人の御降誕800年記念で

2021年1月20日(水) 配信

新しいゴンドラ「知恩号」。魔除けを意味する朱色を基調とした
 身延登山鉄道(堀内光一郎社長、山梨県・身延町)は2月23日(火)から、運営する身延山ロープウェイに40年ぶりとなる新型のパノラマビューゴンドラを導入する。
 
 同ロープウェイは、日蓮宗総本山・身延山久遠寺のある山麓と身延山山頂を約7分で結ぶ。今回の取り組みは、日蓮宗を開宗した日蓮聖人の御降誕800年を記念して実施する。
 
 身延山の山頂と山麓の高低差は763メートル。山頂の展望台からは、東にある富士山のほか、南の駿河湾、伊豆半島、西の七面山、北の早川渓谷と南アルプス、八ヶ岳連峰、甲府盆地などが見られる。
 
 新しく導入する2基のゴンドラは同寺の第92世内野日総法主猊下が命名した。“魔除け”を意味する朱色と“神秘”を意味する藍色を用いる。乗車中に見える景色をこれまで以上に楽しんでもらおうと、足元には大きなパノラマガラスを使う。液晶モニターも搭載し、身延山の歴史や車窓から見える景色を多言語で案内する。
 
 

地域産品を「雪室貯蔵」 新たな産業目指し検証へ 新潟県・湯沢町

2021年1月20日(水) 配信

雪室のイメージ

 新潟県・越後湯沢温泉観光協会(杉山光洋事務局長)は1月5日(火)から約2カ月間、地域産品を雪室で貯蔵・保存し、付加価値が付くか否かの検証を行う。雪国観光圏エリアの特産品である湯沢産玄そば、木津醸造味噌・醤油、津南ポーク、白瀧酒造の「上善水の如し」生酒などを、体験工房大源太(新潟県・湯沢町)の雪室で保存し、成分や香りなどの変化を検証する。

 2009年から約10年掛けた取り組みにより、新潟・群馬・長野の3県7市町村にまたがるスノーエリアが形成された。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で観光客が減少。同協会は、「雪国文化の未来を見据え、新たな観光産業を作る」目的で同事業を始めた。

 これまでの地域産品に加え、雪室貯蔵と相性の良いと思われる産品や加工品をピックアップし、保存する。旬を外したシーズン外の商品や、市場に出回りにくい商品の提供なども可能にしていく。

 雪室商品は湯沢町内で展示し、消費者の関心や購買意欲、価格などについて意見をまとめていく予定だ。

 杉山事務局長は、「コロナ禍の今だからこそ観光地域づくりを進めるとき。生産者や事業者の収益力を高め、地域ブランドの確立を目指す」と意気込んだ。

 同事業は観光庁の「あたらしいツーリズム」の一環で実施する。

エアトリ、自然遺産登録を見据え 奄美大島で観光協定結ぶ

2021年1月20日(水)配信

瀬戸内町役場の締結式に出席した鎌田愛人町長(左)

 エアトリ(柴田裕亮社長兼CFO)は1月7日(木)、奄美大島にある鹿児島県・瀬戸内町と、持続可能な観光推進と地域活性化に向けた連携を目的に観光協定を結んだ。 

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、観光客が減少しているなか締結。ワーケーションの推進や世界自然遺産登録を見据えた観光誘致、PRなどを進め、アフターコロナを見据えた観光振興に取り組むとしている。同社の「エアトリ国内ツアー」で、奄美大島に就航する航空会社すべてとの契約を生かし、瀬戸内町をはじめ奄美大島行きパッケージツアーの拡充や販売促進・認知度の拡大施策など、新たな旅行需要の創出をはかる。

 「エアトリ国内ツアー」は、国内航空券とホテルに加えて、レンタカーやシュノーケリング、スキーなど現地のオプションも選択できるパッケージツアーとなる。