【特集No.512】訪日外国人の忘れもの 国際配送難しく 空のスーツケースも

2019年1月22日(火) 配信 

1742号1面イメージ

 訪日外国人旅行者数は2018年12月に3000万人を初めて突破した。勢いは続いている。ただ一部地域でオーバーツーリズムが問題になっているなか、新たな問題も出てきた。訪日外国人による忘れものだ。国際配送方法は難しく、空のスーツケースが置かれたままといったこともあるという。訪日外国人が増えれば相対的に忘れものも多くなる。ゴミの問題にも直結する。政府目標の達成を目指す道半ば、新たな問題の現状と課題を取材した。 【平綿 裕一】

支払いなく泣き寝入り

 訪日外国人の忘れもの対応で代行サービスなどを行うTUMOCA Express(荒本修一代表、運営=オー・エス・エス)は、取り扱いが急増している。相手との連絡から、送付できるかの確認、申告、梱包、料金決済、配送までトータルで行う。荒本代表は「国際配送は制度として『着払い』がない」と話す。いずれかの段階で先に決済する必要があり、送付後に支払いがないと泣き寝入りするしかない。対応の難しさを聞いた。
                                                    ◇
 訪日外国人が増えるにつれ、忘れものをする確率は高まる。呼応するように17年9月に10軒から始まったサービスは現在、宿泊施設1千軒以上、約10万室が利用するまでに成長した。ホテル以外でもレンタカー会社や空港案内所にも導入が進んでいる。

 そもそも国際宅配は扱いが難しい。荷物を受け付けたあとに、安全検査や税関検査があり、問題があれば送り主に返される仕組みになっている。とくに受け付け時に中身を正確に把握しづらい個人の手荷物は「返送に至る可能性が高い傾向にある」(荒本氏)という。

 一方で、「荷物の到着後に支払うので、まず送ってほしい」と催促する人も少なからずいる。ただ相手は、銀行での必要書類の作成や海外送金手数料が最低3―4千円かかるなど、煩雑で割高だと感じてしまう。そのまま音信不通になることもある。こうなるとホテル側は連絡もなく捨てるわけにはいかず、保管しておくしかない。

 しかし、まずゲストから海外送金をしてもらえばいいといった訳ではない。「ここでは銀行手数料が非常に重要な点になる」と荒本氏は指摘する。

 一般的に海外送金における銀行手数料は4種類ある。それぞれ費用は数千円かかる。このうち中継銀行手数料と受取手数料は、基本的に受取人(ホテル)負担となっている。「手数料分を送料に上乗せして請求しなければ、手元に必要なお金が残らない」と送り損になってしまう。

 取り扱う品にも気を配る。一般的な危険物として、マニキュア除光液やスプレー缶などは発送ができない。酒や化粧品などのアルコールを含む製品は、含有率で送ることができるかが決まる。場合によってはMSDS(製品安全データシート)を取り寄せ、問題がないことを証明しなければならない。

 忘れものでもとくに多い、携帯やパソコン、カメラも留意が必要だ。荒本氏は「リチウム電池使用の製品は、リチウムの内容量や電池の数量制限などの条件をすべて満たしているか確認しなければならない」と強調した。

 最も厄介なのは現金だ。配送方法や上限金額など国ごとに異なる。財布と一緒に忘れる場合がほとんどのため、カード類と現金、財布、それぞれ別々の配送方法を使い分ける必要がある。

 「適切な方法でなければ安全検査をパスできない。再発送にももちろん料金がかかる。万が一、航空危険物を航空機で輸送、または国際郵便で郵便禁制品を差し出せば、刑事罰の対象となる可能性がある」(荒本氏)。

……

【全文は、本紙1742号または1月25日以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

那覇市でナイトエンターテインメント「RYUKYU AMAZING NIGHT」を開催

2019年1月22日(火) 配信

ステージ(イメージ)

JTB沖縄(沖縄県那覇市)は、沖縄を訪れる観光客が観たいと思う文化や芸能を体感できるナイトコンテンツとして、「JAPAN」「OKINAWA」のカルチャー&サブカルチャーを融合させたノンバーバル(言葉を使わない)・ナイトエンターテインメント「RYUKYU AMAZING NIGHT」(以下、RAN)を2019年2月4日(月)から3月29日(金)までの毎週月曜日と金曜日に、那覇市内で開催する。

 「RAN」は那覇市内を訪れる観光客に対して、食事・ショッピング以外の「やるコト・やりたいコト」を、地元企業と連携し、新たなナイトスポットとして、その認知を高めることで、訪日観光客・国内観光客の那覇市内での宿泊需要の創出をはかることを目指す。ノンバーバルのエンターテインメントとして、国籍、年齢に関係なく、「JAPAN」「OKINAWA」のカルチャー&サブカルチャーを沖縄有数の繁華街・松山で楽しめる。

RYUKYU AMAZING NIGHT概要

概要:
 「OKINAWA」「JAPAN」のカルチャー&サブカルチャーを那覇市・松山のNight Clubにて楽しめるノンバーバル・ナイトエンターテインメント
演目:
 「琉球(エイサー、獅子舞、三線等)」と「和(和太鼓、扇子等)」の要素を融合したコンテンツとCLUBの照明・音響を活用した今までに体験した事がない新感覚のエンターテインメント
開催:2019年2月4日(月)~2019年3月29日(金) 毎週月曜日・金曜日 計16回
時間:午後8:00~9:00(60分)
会場:Night Club EPICA OKINAWA(那覇市松山1-5-1 ナムラプラザビル3F)
料金:1,500円(税込)※16歳未満は保護者同伴、※通常料金:3,000円(税込)
主催:JTB沖縄
チケット販売:
 1月25日(金)から販売開始
 ツーリストインフォメーションセンター Tギャラリア 沖縄

JTBのTOURIST INFORMATION CENTER T Galleria Okinawa | 沖縄周辺を訪れる方は必見
https://www.tourist-information-center.jp/okinawa/tgalleria-okinawa/ja/
ツーリストインフォメーションセンターTギャラリア沖縄なら、日本到着後でも、滞在中の観光やホテル、交通のご案内、レストランやデイツアー、ショッピングスポットのご紹介なども行えます。

長良川呑んべえ泊覧会「のんぱく」 1月26日~3月31日まで

2019年1月21日(月) 配信 

長良川呑んべえ博覧会「のんぱく」のチラシ

NPO法人ORGAN(蒲勇介代表、岐阜県岐阜市)は、長良川おんぱくを主催する長良川温泉泊覧会実行委員会と共催し、地酒をテーマにした宿泊客向けの体験イベント「長良川呑んべえ泊覧会(のんぱく)」を開催する。2019年1月26日(土)~3月31日(日)の約2カ月間、長良川水系に育まれた地酒を楽しめる観光体験を提供する。

 温泉総選挙2017で女子旅部門1位を獲得した長良川温泉。昨年は「平成30年7月豪雨」が引き起こした河川変化や土砂堆積などで、岐阜市の伝統漁法「鵜飼」が中止になった時期もあり、ハイシーズンである夏季の集客に苦戦し大打撃を受けた。

 オフシーズンである冬期は「地酒」にコンテンツを定め、宿泊客をターゲットとして長良川水系に育まれた地酒を楽しめる観光体験と、宿泊プランを期間限定で実施する。長良川流域に存する11の酒蔵と宿泊・交通事業者、体験事業者との継続可能な連携体制を構築し、冬場の流域観光の「定番」となる観光資源を創出することが狙い。

体験プログラムの一例

酒蔵めぐり(写真はイメージ)

【宿泊・交通事業者との連携企画】

・各旅館ホテルでの地酒宿泊プラン

 (例:新酒生酒3種!飲み比べ付き宿泊プラン)

・「ながら川風号」でゆくへべれけ新酒列車

・芸妓「きく松」お披露目!芸妓列車

・長良川を遡るどぶろく列車

・長良川の酒蔵をめぐるバスツアー

【体験事業者との連携企画】

・川から酒蔵まで流れる水路あるきと利き水・利き酒ブラトガシほろよい編

 (タモリさんを案内した名物ガイド教授と地元の水にこだわる酒蔵さんが案内)

・玉宮居酒屋ハシゴ酒&柳ヶ瀬夜のラウンジ入門編

 (世界のタマミヤで有名な居酒屋がひしめく玉宮を知り尽くした案内人がレクチャーする女性限定のハシゴ酒企画)

長良川芸妓列車(写真はイメージ)

のんぱく期間中は大人気「新酒祭」を毎月開催!

 2017年2月から始まり、シーズンごと(年3回程度)に開催しているイベントを、長良川のんぱく期間中は特別に毎月行う。「長良川新酒祭」を3カ月連続で開催。2019年1月26日(土)、3月16日(土)は長良川デパート湊町店で、2月16日(土)は長良川と金華山を一望できる、うかいミュージアム四阿で開かれる。

 長良川流域にある酒造13蔵から、フレッシュでフルーティな新酒や珍しい限定酒が一斉に集まり、飲み比べ試飲会や酒の販売を行う。幻のどぶろく「御土」開封の儀もあり。川原町の飲食店5店舗からイベント限定のオリジナルスイーツおつまみを提供し、お酒が好きな人だけでなく、飲めない人や子供も楽しめるイベント。

【新酒祭のおすすめ】

百春 純米中汲みしぼりたて

 小坂酒造場(美濃)

 長良川最強の芳香系美酒。今しか味わえません!

純米吟醸 神の穂

 後藤酒造場(桑名)

 フランスの日本酒コンクール「Kura Master」金賞を受賞。

光琳 無濾過生原酒 彗星

 千代菊(羽島)

 北海道産のお米「彗星」を使用

【2月16日回は巨大長良川が出現】

 長良川の模型を囲みながら上流から下流まで、地域それぞれの地酒を飲み干す。

体験プログラムの予約は特設サイトから

 体験プログラムは一部を除き、事前予約制。以下の特設サイトから。

都営交通とAirbnbがコラボ 外国人観光客へ“東京さくらトラム”の魅力を発信

2019年1月21日(月) 配信 

プログラムのロゴ画像

 

東京都交通局はAirbnb Japan(エアビーアンドビージャパン)と1月17日(木)から、外国人観光客に“東京さくらトラム(都電荒川線)”沿線の魅力を発信するため、「沿線の暮らし」を体験できる「TODEN LIFE TOURISM」を始めた。

 東京さくらトラム沿線には、生活文化や遊びなど昔ながらの日本の暮らしが今も息づいているという。「TODEN LIFE TOURISM」は、外国人観光客に向けて、沿線に住む生活文化の魅力を伝え、「沿線の暮らし」を体験してもらうプロジェクトとなる。

 ミニチュア小物の制作や三味線の演奏体験、人形制作に用いる材料を使ったカードケース制作、小物に手描き友禅を施す体験、信玄袋(巾着袋)制作など、5種類の体験プログラムを用意する。すでに予約を開始している。

 一方で、東京さくらトラムエリアの魅力を伝える幅広いプログラムを提供できるAirbnb体験ホストも募集している。Airbnb体験ホストとしての参画をイメージしやすくするため、本プログラムを体験する外国人観光客のようすを描いた「TODEN LIFE TOURISM プロジェクトムービー」を都営交通公式チャンネルで公開している。

観光立国新春交流会に約550人、外客4千万人に向け決意新たに

2019年1月21日(月) 配信

日本観光振興協会・山西健一郎会長

観光関係団体で構成する観光関係団体懇談会と観光庁、日本政府観光局(JNTO)は1月18日(金)に東京プリンスホテルで毎年恒例の「観光立国新春交流会」を開き約550人が参加した。「訪日外国人旅行者4千万人に向けて」と題し、昨年初めて3千万人を突破し、2020年の4千万人目標が現実味を帯びてきた訪日外国人旅行数の拡大を中心に、今年の観光業界の発展を祈念した。

 幹事団体の日本観光振興協会の山西健一郎会長は「昨年は住宅宿泊事業法の施行や国際観光旅客税の創設など、訪日旅行者数4千万人時代に向けた歩みを進めた年だった。日本経済に向けた観光が担う役割はますます拡大を続けている。こういった気運を捉え、さらなる観光振興に向けて努力を続けたい」と述べた。また、多発した自然災害にも触れ「観光業は多くのダメージを受けた。災害発生時の旅行者への対応など課題も浮き彫りになった。しかし、復興支援への対応が迅速に行われ、地域の元気を取り戻すうえで、観光の力が必要だと改めて感じられた年でもあった」と振り返った。

 今年はラグビーワールドカップが開催されるほか、五輪まで1年と迫っていることから「スポーツ観光が盛り上がる年になる。観戦で多くの外国人が地方へ訪れることで地域観光への波及効果が期待できる。開催地だけではなく、全国に訪れていただき、各地の活性化につなげていかなければならない」と言及。「今年、ツーリズムEXPOジャパンは初の大阪開催を予定している。万博で注目が集まる関西での開催は、BtoBを軸に観光ビジネスの新たな需要拡大をはかることとしており、日本の観光を世界にアピールする絶好の機会と考えている。本年も官民一体となったオールジャパン体制でさまざまな観光振興事業を効果的かつ積極的に推進していきたい」と意気込みを新たにした。

 また、主催者あいさつとして工藤彰三国土交通大臣政務官が登壇。「訪日外国人旅行者数4千万人などの目標に向けて、『明日の日本を支える観光ビジョン』に基づき、新たな需要を掘り起こす。滞在時の満足度をさらに向上させる施策などに取り組んでいきたい」など、石井啓一国土交通大臣の祝辞を代読した。

林幹雄自民党幹事長代理

 

来賓のあいさつに立った自民党幹事長代理で自民党観光立国調査会の林幹雄会長は「昨年は大変な自然災害があったにも関わらず3千万人を超えたのは皆さんの努力の賜物。4千万人に向け弾みがついたと安心している。今年から国際観光旅客税が導入されたが、質の高い施策の実行、観光の環境を作り上げることが大切だ。皆さんのアイデアや提言をぜひ政府に寄せてほしい。観光は日本経済の柱になってきている。今後も観光産業の確立をしていきたい」と語った。

 このほか、会には菅義偉内閣官房長官や大臣、国会議員らも多数駆け付け観光業界へエールを送った。

エアビー、イタリア3カ月暮らせるCP開始 村の活性化を手助け

2019年1月21日(月) 配信 

3カ月をイタリアの小さな村で

Airbnb(エアビーアンドビー)はこのほど、イタリアの小さな村で3カ月間過ごす「イタリア、サバティカル休暇の旅」に当選するキャンペーンを行うと発表した。滞在中は体験と宿泊のボランティアホストとして、村の活性化を手助けしてもらう。村に滞在する有志4人を募集し、滞在期間は19年6月1日から8月30日までとなる。

 舞台は、イタリア南部マテーラ県の丘の上にある小さな村「グロットレ」。風光明媚な村だが、過疎化が著しく、住民わずか300人に対し、空き家は600軒以上もあり、「存亡の危機にさらされている」(同社)という。

 今回、村に新しい息吹を呼ぼうということで、廃屋を再生するイタリアのNGO「Wonder Grottole」(ワンダー・グロットレ)主催のプロジェクトをエアビーが後援することとなった。

 当選者は村の暮らしを満喫しながら、1カ月の研修期間中に宿泊と体験の基礎を学ぶ。そのあと、ワンダー・グロットレとともに、エアビーの補助ホストとしての本格的に動き出す。

社会貢献活動のホストとしても活動

 村の中心部にある伝統的な家にゲストを迎える傍ら、古くから伝わる野菜の育て方や、ハチミツ採り、手打ち生パスタ、オリーブオイルの作り方などを、ゲストに指導する社会貢献体験ホストとしても活動する。体験参加費用は、全額村の活性化に還元される。

 「僕らの夢は、廃墟のような町に人のぬくもりを取り戻すこと。10年後には世界中のいろんな国の人が村に溶け込んで暮らしている、そんな未来であってほしい」(ワンダー・グロットレ創設者のシルヴィオ・ドナディオ氏)。

 「サバティカル休暇」とは、最低一カ月以上の連続休暇取得制度となる。近年、先進国で導入が進み、国内でも注目を集めている。申し込みは下記から。

応募期間:2019年1月15日から2月17日

選考の最終結果発表:2019年3月29日に審査を行い、結果は当該サイト登録メールアトドレスに5営業日以内にメールで配信される

羽田からもっと海外へ!3月22日~24日までイベント開く

2019年1月21日(月) 配信

「もっと!海外へ2019~羽田から世界へ~」

東京国際空港ターミナル(土井勝二社長)は、2019 年3 月22 日(金)から3 月24 日(日)まで、観光庁と日本旅行業協会(JATA)後援のもと、羽田空港国際線旅客ターミナルで海外旅行を喚起するためのイベント「もっと!海外へ2019 ~羽田から世界へ~」を開く。

 同イベントは、世界各国の航空会社や政府観光局などが参加し、展示やセミナーを通じて各国の魅力を発信する。昨年の春に実施した第1 回目のイベントには3 日間で約4 万人が来場。世界のパフォーマーや各出展団体によるステージプログラム、ワークショップ、旅行セミナー、スタンプラリーなどで盛り上がった。

 2 回目の今回は、海外旅行初心者にも海外をもっと身近に感じてもらえるように、各国ブースやステージイベント、世界のフードマーケット、海外旅行セミナーなどを通し、海外文化を「見て」「触れて」「味わう」イベントに仕上げる予定だ。

「もっと!海外へ2019 ~羽田から世界へ~」 開催概要

開催日時】 2019 年3 月22 日(金)~3 月24 日(日)午前10:00~午後6:00
開催場所】 羽田空港国際線旅客ターミナル 4F・5F
入 場】 無料
主 催】 東京国際空港ターミナル株式会社
後 援】 観光庁(予定)、一般社団法人日本旅行業協会(JATA)

1日限りの「氷のコンサート」を開催  2月17日(日)星野リゾート トマム

2018年1月21日(月) 配信

昨年開かれた氷のコンサートのようす

北海道最大級の滞在型スノーリゾート「星野リゾート トマム」は、2019年2月17日(日)に、氷の楽器を使用した「氷のコンサート」を開く。

 トマムの寒さを生かした体験ができる氷の街「アイスヴィレッジ」にある「氷の教会」内で、氷で作られた5種類以上の楽器で演奏する1日限りのコンサート。4度目となる今回は、新たに来場者も氷の楽器を演奏してコンサートに参加できるようになった。

氷の世界での、氷の楽器で奏でるコンサート

アイスザイロフォン<木琴(ザイロフォン)をイメージした楽器>

 ホテル「ザ・タワー」から徒歩約10分の場所にある氷の街「アイスヴィレッジ」では、冬の平均気温が氷点下15度前後であるトマムだからこそできる、寒さや雪、氷をテーマとした体験を提供している。「寒い時期だからこその氷の美しさや輝きを楽しんでいただきたい」という想いで、3年前から「氷の教会」を会場に、「氷のコンサート」を始めた。天井も壁も継ぎ目のない一枚の氷で造られた幻想的で静寂な空間で、来場者は氷の椅子に座り、コンサートを鑑賞することができる。

3つの特徴

氷で作られた楽器での演奏

 当コンサートでは、氷で作られた5種類の楽器で演奏が行われる。氷の楽器は、ウィンドチャイムや木琴などの打楽器をイメージして、氷をナイフやノミで削って製作される点が特徴だ。これらは、温度変化に左右されやすいため、演奏者が当コンサートに合わせて音を調整し、一夜限りで使用される。コンサートでは氷の楽器は奏でられる繊細な音色のみならず、その透き通った見た目も楽しめる。

プロの音楽家と一緒に、氷の楽器を演奏できる【NEW】

氷のシェイカー

 以前は氷の楽器で奏でる楽曲と歌声を鑑賞するコンサートだったが、この冬からは、新たに来場者も氷でできた楽器「氷のシェイカー」を手に持ち、このコンサートで演奏される全3曲のうち、1曲をプロの音楽家と一緒に演奏することができる。この楽器は円筒状の氷の中に細かな氷のブロックが入っており、シェイカーをイメージして制作された。会場が一体となり、さまざまな氷の楽器で奏でられる音楽を楽しめる。

寒さを象徴する「天使のささやきの日」に開催

 2月17日「天使のささやきの日」は、1994年に制定された記念日で、公式な記録にはなっていないが、北海道で最低気温を記録した日と言われている。気象条件が整った時に観測できる、空気中の水蒸気がきらきらと輝いて見える現象「ダイヤモンドダスト」の美しさを「天使のささやき」になぞらえ名付けられた。当リゾートでは、北海道の寒くて美しい冬を楽しんでほしい、という想いでこの日に氷のコンサートを行っている。

(*)参考:幌加内町ホームページ、天使のささやきの日は日本記念日協会に登録されている記念日。

「氷のコンサート」概要

開催日    :2019年2月17日(日)
時間       :午後6:00~、午後7:00~、午後8:00~、各回15分
場所       :アイスヴィレッジ内氷の教会
定員       :各40人 先着順    
演奏曲    :
 「Amazing Grace(アメイジング・グレイス)」など神秘的な氷の世界をイメージして選定した、全3曲を演奏する。氷の教会に響き渡る歌声と氷の楽器の音色や、一つの曲に氷の楽器でのパフォーマンス等を盛込んだ演奏を行う。
氷の街「アイスヴィレッジ」とは:
 トマムの冬に現れる、3.2㌶の面積に12棟の氷に囲まれたドームが並ぶ氷の街。この氷の街では寒さや雪、氷をテーマとした体験ができる。 

星野リゾート トマム/星野リゾート リゾナーレトマム

 北海道のほぼ中心に位置する滞在型リゾート。「ザ・タワー」「リゾナーレトマム」の2つのホテルを中心に、四季を通して北海道を体感できるアクティビティが楽しめる。

住所    :〒079-2204 北海道勇払郡占冠村字中トマム
電話    :0167-58-1111 (星野リゾート トマム 代表電話)
アクセス  :新千歳空港より車で約100分、JRで約90分(南千歳駅乗換)
部屋数   :735室(ザ・タワー535室、リゾナーレトマム200室) 
       チェックイン午後3:00~/チェックアウト~午前11:00
宿泊料金  :1泊朝食付 2人1室利用時 1人あたり 
       ザ・タワー15,000円~、リゾナーレトマム24,500円~(いずれも税・サ込)

「旅館コンサルタント大坪敬史の繁盛旅館への道(48)」2019年度GW対策

2019年1月20日(日) 配信

10連休となる今年のゴールデンウイークの対策は

 
今年4月27日から5月6日まで、10連休が実現することになりました。10連休は未だかつてない連休ですので、「宿泊料金のシーズナリティをどうするのか」という相談を、最近よく受けます。

 
 第一に、旅行会社に部屋を提供している宿はこの期間の料金チェックが必須です。とくに「4月29、30、5月1、2日が平日料金で設定されていないのか」と確認が必要です。

 
 すでに、安い料金で設定してしまっている場合は、料金を上げる交渉をするか、この期間の部屋を止めてもらうように働きかける必要があります。

 
 次に4月27日―5月6日までの売り方ですが、過去に経験のない連休なので「中だるみ(4月29、30日、5月1、2日の動きが弱くなる)すること」や「前半」と「後半」の動きが弱くなることも想定されます。ただ、こればかりは蓋を開けてみないと分からない。地域によっても状況は異なるでしょう。

 
  私が、4月27日―5月6日までのGW期間で、国内の宿泊施設の埋まり具合を◎○△×で平均予測すると、4月27日◎、4月28日◎、4月29日(昭和の日)△、4月30日(天皇陛下退位)△、5月1日(新天皇陛下即位)△、5月2日〇、5月3日(憲法記念日)◎、5月4日(みどりの)◎、5月5日(こどもの日)◎、5月6日(振り替え休日)×というような入り込みになりそうです。

 
 そんななか、新潟県・岩室温泉の旅館「ゆめや」では、「ゆめやで過ごすGWプラン~グループ特典ございます~ 」(4月27日~5月5日) というプランを造成し、まずは公式HPで販売することになりました。

 
 GWに近づくにつれ、制約(キャンセルポリシーなど)が緩いプランを造成するか、OTA(オンライン旅行会社)に販売するかなどを協議しながら、満室に近づけよう、という動きをしてもらう予定です。

 
  客室数が多い宿は、4月29、30日、5月1、2日が弱くなるだろう、という前提で早めに部屋を販売するのと同時に、OTAなどの特集にも当該日を組み込んで販売するなどの施策をしてもらうケースもあります。

 
  GWが終わってみたら、「わざわざこんな施策をしなくても、宿泊単価が高く満室になった」ということになるかも分かりませんが、過去に経験のない10連休なので楽観はできません。そもそも、国内旅行に行かず、海外旅行に出掛ける日本人も多いことでしょう。また、GW期間中に満室日が続いたとしても「スタッフが働くことができるのか」という点も考慮する必要があります。

 
 この人手不足の時代、余剰人員を抱えている宿は少ないでしょう。GW前と後を休館にして、「GW期間中は何とか働いて」と言わざるを得ないケースも多発するでしょう。

 
 19年後半は、消費増税でますます厳しい商戦が予測されるので、増税前の小さなプレンゼントを貰った、という認識でしっかりGWを乗り切ってもらいたいと思います。

 

コラムニスト紹介

大坪敬史氏

旅館コンサルタント 大坪 敬史 氏

大手旅行会社での実務業務を経て船井総合研究所入社。インターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増&即時業績向上ノウハウには定評があり、数多くの宿泊産業の業績向上に貢献。観光文化研究所を設立し代表取締役。

「津田令子のにっぽん風土記(45)」人がつながる岐阜で活動広がる~ 岐阜県岐阜市編~

2019年1月19日(土) 配信 

「ISHIFES2018」で飲み物のカバーにお客の似顔絵を描く石田さん(中央)
漫画家  石田 意志雄さん

 
石田意志雄さんは4コマ漫画「偉大なるいしお先生」を毎日描き、SNSにアップし続けている。石田さんの日常や家族とのできごと、ギャグなどで明るくくすりと笑える漫画だ。2012年に描き始め、6年以上が経つ。「一日を笑って終わりたいという思いもあって続いています。僕は基本的にまじめな性格。でも面白いことが好きで、ふざけたい部分もある。誰しもそんな気持ちを持っているのでは。そこにメッセージを送りたいのです」。

 
 愛知県・美浜町出身。妻の実家の近くにと岐阜市に居を構えた。漫画を描き始めたころは名古屋市の会社に勤めて求人広告の制作をしていたが、16年に独立。4コマや長編の漫画執筆と出版、似顔絵などのイラスト、会社で培った技術を生かしたデザイン、そして妻の理江さんが営む店「gift & wear tRonchi(トロンチ)」の手伝いなど、さまざまな仕事をする。

 
 住み始めて12年が経ち「岐阜っていいですよね」と話す。「バランスがよくてコンパクトで、色々な人とつながれます」。

 
 トロンチが以前入居していた「やながせ倉庫」は、市内の柳ケ瀬商店街にある築50年のビルを改装し、スペースを区切りアトリエや、ギャラリーショップとして貸し出している場所。すぐに他の住人らと仲良くなった。ほかにも、多方面で活躍する油問屋・山本佐太郎商店の山本慎一郎さんが石田さんの活動を面白がってSNSに投稿したことをきっかけに、山本さんの知り合いとも広くつながっていった。

 
 独立後には、柳ケ瀬商店街の組合関係者から頼まれて似顔絵を制作。やながせ倉庫のフロアガイドも手掛け、石田さんの絵や名前を知る人は着実に増えている。漫画から石田さんに親しみを覚え、デザインを依頼する人も現れた。

 
 毎年11月14日に岐阜県岐南町のセレクトショップ「長月」で開催している「ISHIFES(イシフェス)」には、石田さんとつながりのある人やファンが集結する。作品展示やグッズ販売、似顔絵ブースなど、会場全体を石田さんの「全力でふざける」世界観で統一。石にペイントした「石形(いしぎょう)」のガチャガチャ(カプセルトイ)などで、会場が一体となって盛り上がる瞬間もあった。

 
 「今、人生がすごく楽しい。岐阜の狭くて広いつながりがあるから生きていけるところもある。明日のことは分からないけれど、面白いと思うことを一生懸命やっていこうと思います」と話す。

 

コラムニスト紹介

津田 令子 氏

 

社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。