第7回旅館甲子園  「秀花園」(静岡県熱海市)がグランプリに  全旅連青年部

2025年2月7日(金) 配信

第7回旅館甲子園のグランプリに輝いた「秀花園」(中央右)

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(塚島英太部長)は、第3回宿観光旅博覧会(宿フェス)開催中の2月6日(木)、東京ビッグサイト(東京都江東区)で第7回旅館甲子園を実施した。ファイナリストによるプレゼン終了後、審査員と全旅連青年部員の審査、来場者の投票によって、「秀花園」がグランプリを獲得した。

 旅館甲子園への参加資格は全旅連青年部に所属する1500施設。全旅連青年部と観光系メディアの有識者、OTA各社による審査を突破した「扇芳閣」(三重県鳥羽市)、「みたけ」(神奈川県・箱根町)、「秀花園」(静岡県熱海市)の3施設がファイナリストに選出。20分間、さまざまなスタイルで経営ビジョンや、スタッフの接客への想い、従業員の定着に向けた取り組み、地域貢献などをアピールした。

 審査委員長は、第20代全旅連青年部長と第1回旅館甲子園大会会長であり、高知市市議会議員の横山公大氏。審査員は観光庁審議官の鈴木貴典氏と、日本政府観光局地域連携部長の大川戸修二氏、全旅連女性経営者の会(JKK)会長の高橋美江氏、日本学生観光連盟顧問で日本大学国際関係学部教授の宍戸学氏、第2、3回旅館甲子園グランプリのホテルさかえやの社長湯本晴彦氏、温泉ビューティ研究家の石井宏子氏が務めた。

「TRAIN SUITE 四季島」で新潟と長野を巡る ジャルパック、9月5日出発限定のツアーを販売

2025年2月7日(金) 配信

画像はイメージ(JR東日本提供)

 ジャルパックはこのほど、9月5日(金)出発限定で東日本旅客鉄道(JR東日本)が運行する観光列車「TRAIN SUITE 四季島」に乗車する3・4日間のツアーを売り出した。同社では初めて、四季島で新潟県・長野県を巡る「みなとまちが育んだ豪商の粋と、豊かな里山の恵みを味わう旅。」を設定。同社のツアー客のみで貸切運行する。

 ツアーは1日目、「帝国ホテル東京」に宿泊。「東京なだ万」でウェルカムディナーを開催する。翌日はハイヤーで上野駅に向かい、四季島に乗車する。車内では、その土地ならではの旬の食材を使用した食事や、車窓からの風景を楽しむ。新潟の新津駅に到着後は、1918年に建てられた優れた技術と美しい庭園が特徴の「旧齋藤家別邸」を案内付きで見学する。

 3日目の早朝は長野の姨捨駅から、「日本三大車窓」の1つである、善光寺平を楽しんだあと、ワイナリーへ。夕方、上野駅に到着後は専用ラウンジ「プロローグ四季島」で旅の思い出や感想を語らうフェアウェルパーティーを行う。

 出発地は全国で設定しており、出発地によって値段は異なる。例として、小松発の3日間、2人1室利用時の1人料金は76万円。

 同ツアーは抽選販売となり、申し込みはWebで受け付けている。

観光庁「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」、2月25日まで公募

2025年2月6日(木)配信

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁は2月3日(月)、2025年度の「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」の公募を始めた。文化財や国立公園などを対象に、観光資源の解説文作成に係る英語ネイティブ専門人材のリスト化、派遣体制の構築、地域観光資源の解説文作成などを支援する。

 これにより、旅行者にとってわかりやすい面的観光ストーリーを伝える魅力的な解説文の整備を促すとともに、解説文作成に関するノウハウを蓄積し、地域における多言語解説の整備を目指す。

 公募要件には、地域協議会の設立のほか、作成した解説文の媒体化、専門人材による現地取材時の受け入れ態勢などを含む事業計画書の作成が必要となる。提出した申請書を基に審査を行い、3月下旬ごろに地域を選定予定。選定後は、英語のネイティブ専門人材を派遣するなど、解説文作成に関する支援を行う。

 公募期間は2月25日(火)午後6時まで。応募方法や詳細は観光庁ホームページ内の公募情報から。

ロイヤルHD、マイナー・ホテルズと合弁会社設立に向け調印 アナンタラなど富裕層向けホテルを日本で展開へ

2025年2月6日(木) 配信

阿部正孝社長(左)とディリップ・ラジャカリアCEOが調印結ぶ

 ロイヤルホールディングス(阿部正孝社長、東京都世田谷区)は2月5日(水)、世界的にラグジュアリーホテルなどを展開するマイナー・ホテルズ(ディリップ・ラジャカリアCEO、タイ)とホテル事業の合弁会社を設立することで同意。同日、東京都内で調印式と今後の事業戦略発表会を開いた。ロイヤルHDとマイナー・ホテルズの子会社が50%ずつ出資し、「ロイヤルマイナーホテルズ」(本山浩平社長、東京都世田谷区)を3月を目途に設立する。新会社は、マイナー・ホテルズのホテルブランド3つを日本で初進出させる。出棟数の目標は2035年までに21棟。

 ロイヤルHDは外食チェーン「ロイヤルホスト」や、子会社のアールエヌティーホテルズが全国で運営するビジネスホテル「リッチモンドホテル」などを手掛けており、食とホスピタリティ事業を展開してきた。今後のホテル事業戦略においては、急増する訪日外国人観光客のうちの富裕層旅行者に対し、日本で不足していると言われているラグジュアリーホテルの供給が必要不可欠と判断したことから、今回の新会社設立に至った。

 阿部社長は「ロイヤルグループは今年設立75周年、ホテル事業は30周年を迎える。この大きな節目に新たな取り組みができることは喜ばしい。両社だからこそできる新たな体験価値の提供を目指していく」と意気込んだ。

左端が新会社社長に就任する本山浩平氏

 新会社の社長を務める、ロイヤルHDホテル事業担当の本山執行役員は「単独で富裕層向けのホテルを展開する道もあったが、ノウハウやブランド力が重要な要素になる。しっかりこうした経験や価値を持っているパートナーと組むのが成功のポイントだと考えた」と述べた。なぜマイナー・ホテルズを選んだかについては、「メガチェーンにはない価値の提供、その土地の魅力を生かした画一的ではないスタイルを持つ反面、世界的ネットワークがあるところが決め手となった」と話した。両者はすでにサラダバー&グリルレストラン「シズラー」ブランドの日本でのフランチャイズ契約・店舗運営を通じて、パートナーシップを築いてきた歴史もある。

 マイナーグループはタイを拠点にホテルやレストラン事業をグルーバルに展開。中核を担うマイナー・ホテルズは1978年に初のホテルを開業し、現在、58カ国・6大陸で562のホテルを運営している。世界最大の独立系ホテルブランド会員プログラムである「GHA DISCOVERY」の加盟ホテルで、同会員は世界に約3000万人という。

 新会社の副社長に就任する、マイナー・ホテルズのラジャカリアCEOは「高成長市場の日本に参入できて嬉しい」と喜びを語り、「日本独自の文化を反映した、これまでにない最高のホスピタリティ体験を提供し、当社の世界的に評価されているホテルブランドの魅力を届けていきたい」と述べた。

 新会社はマイナー・ホテルズの8ブランドのうち、最上位の「ANANTARA(アナンタラ)」と近代的な「AVANI(アバニ)」、独自の個性を持った「TIVOLI(チボリ)」の3つを日本で展開していく。大都市圏はもとより、リゾートや温泉地含めた観光地、地方都市での出店も幅広く視野に入れる。ブランドの内訳は開示していないが、会見ではアナンタラは2軒ほどの予定との発言もあった。明確な出店形態や開業時期などは未発表だが、2035年までに21棟、210億円の売上規模を目指す。本山氏は、「リブランドなら1~2年でオープン可能」とし、スピード感を持って取り組んでいきたい考えを示した。

観光庁「宿泊施設サステナビリティ強化支援事業」、事務局は博報堂に

2025年2月6日(木) 配信

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁はこのほど、「宿泊施設サステナビリティ強化支援事業」の事務局を博報堂に決定した。

 同事業は、宿泊施設で省エネ設備などの導入に要する経費の一部を助成する。これにより、訪日外国人旅行者の受け入れに向けて、旅館・ホテルなどの宿泊施設が実施する、サステナビリティの向上に関する取り組みを支援するもの。省エネ型ボイラー、太陽光発電、省エネ型空調などの導入支援を行う。

 観光庁によると3件の応募があり、応募された提案を事務局審査委員会で厳正な審査を行ったうえで、事務局を選定したという。

観光庁「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」、事務局は博報堂に

2025年2月6日(木)配信

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁はこのほど、「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」の事務局(補助対象事業者)を、博報堂に決定した。

 同事業は高齢者などが気兼ねなく旅行に参加できる環境を整備し、ユニバーサルツーリズムの促進に向けて、観光施設や宿泊施設のバリアフリー化に必要な施設整備や設備導入などを支援するもの。これにより、国内の新たな交流市場を開拓するとともに、観光地・観光産業の収益性の向上をはかることが狙い。

 観光庁によると6件の応募があり、応募された提案を選定委員で厳正な審査を行ったうえで、事務局を選定したという。

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その46-石手寺(愛媛県松山市) お遍路さんのルーツ 衛門三郎伝説の寺

2025年2月6日(木) 配信

 「仏法遙かに非ず。心中にして即ち近し」

 仏法は外に求めるのではなく、自分の心の中にこそ求めるべきである。つまり、どこか遠いところに目標を置いて歩むのではなく、いまここで本来の自己を自覚するところに仏法がある。

 これは弘法大師空海の言葉である。

 私は高校卒業まで愛媛県松山市で育った。親に対する反発もあって、高校卒業後は絶対に東京に出ていこうと心に決めていた。大学時代も、卒業後に地元に戻るという選択肢はなかった。

 一昨年、母が他界し、要介護の父が残され、地元の役場で働いていた弟が仕事を辞めて介護をしている。そのため、高校卒業後はあまり頻繁には帰省していなかったのだが、父と弟を激励するために、最近は頻繁に帰省するようになった。

 帰省するたびに、家から近くにある懐かしい場所を訪ねる。子供のときにはその価値をまったく意識せずにフツーに遊んでいた場所が、大いなる価値のある場所だったことをいま改めて再認識する。

 

 

 四国八十八カ所第51番札所石手寺もその一つだ。

 石手寺は、もともと安養寺と称し、奈良時代の728年に聖武天皇の勅願に応じて、伊予の太守越智玉純(河野玉澄)が夢でこの地は霊場だと感得し、熊野十二社権現を祀る道場として創設された。

 当初は法相宗であったが、空海が訪問したことで真言宗に改められた。本尊は薬師如来で、子宝、安産にご利益があると地元でも言われていた。

鎌倉時代創建の石手寺本堂は重要文化財

 石手寺とは不思議な名前だと思われるが、その由来が伝説となって今に伝わっている。いくつかバリエーションがあるのだが、石手寺の由来では、以下のように示されている。

 むかし、現在の松山市荏原に衛門三郎という豪族がいた。家は豊かであったが、強欲で非道な性格で神仏を敬わず、慈悲の心を持たず、私利私欲のみを追求する者であった。ある日、彼の屋敷を訪ねてきた托鉢の僧を追い払おうと竹箒で彼の持つ鉄の鉢を8つに割った。その僧こそ弘法大師空海だった。

 翌日から、衛門三郎の8人の子が次々に死んだ。 それは大師に対する悪事の報いだと悟った彼は、田畑を売り払い、家人たちに分け与え、妻と離縁し、大師を追って謝罪の旅に出た。

 衛門三郎は20回も回ったにもかかわらず、大師に会うことは叶わず、21回目からは逆回り(逆打ち)することを思いついた。衰弱してきた衛門三郎は21回目の途中第12番札所焼山寺のふもとでとうとう力尽きて倒れてしまった。

 そのとき、突如大師が現れた。三郎は今までの非礼を泣いて詫びた。大師が「望みはあるか」と尋ねると、三郎は「来世も河野家に生まれ、今度こそ人の役に立ちたい」と言い残して息絶えた。大師は近くにあった石に「衛門三郎」と刻み、彼の手に握らせた。

衛門三郎が再生するときに握っていた石と伝わっているもの。宝物殿に所蔵されている

 翌年、豪族河野家に生まれた男の子は、右手を固く握りしめたまま開かない。寺で願いをかけたところ、開いた手には、衛門三郎と書かれた石があったのだ。河野氏はこの石を寺に納め、寺の名前を安養寺から石手寺と改めた。

 衛門三郎は、自分の過ちを覚り、大師を追うが、遠くにある大師に会おうとしても結局会えなかった。彼がまさに息絶えんとするときに大師が現れるが、これは三郎の心持ちが大師と一体となったことで、心の中に大師が現れたのではなかろうか。すなわち、遥か先に追い求めていたものは、先ではなく自分の中にあるのだ。自分を磨くことで、心の中に本来備わっている仏法が現れて来る。

 そんな弘法大師の言葉をかみしめながら、生まれ育った近隣を大事にしなければいけないということも時を越えてようやく理解することができた石手寺であった。

 

旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。

東京都ホテル旅館生活衛生同業組合、工藤理事長「消費者納得する値上げを」 2025年新年懇親会開く

2025年2月5日(水) 配信

新年懇親会のようす

 東京都ホテル旅館生活衛生同業組合(工藤哲夫理事長)は2月4日(火)、浅草ビューホテル(東京都台東区)で2025年新年懇親会を開いた。

 工藤理事長は都内におけるホテル・旅館の宿泊料金の値上げについて、「インフレが進む外国と比べて安い料金だ。原材料や光熱費が高騰するなか、消費者に対し納得できるサービスを提供し、価格転嫁する必要がある」と考えを述べた。

工藤哲夫理事長

 また1月にマレーシアを視察で訪れたことを報告。「赤道直下の国だが、最高気温が30度を超える日は少ない。現地の人から『35度を超える日本を旅行したくない』声を聞いた」と語ったうえで、「24年8~10月の訪日客数の伸び率はほかの月と比べて低かった。地球温暖化が影響しているだろう」と持論を展開し、気候変動対策に取り組む必要性を提言した。

 来賓の小池百合子東京都知事は今年11月、都内でデフリンピックが開催されることを紹介した。車いすで容易に客室へ入るための間口の拡張や、光でルームサービスの到着を知らせる装置の設置などに補助金を交付していることを説明し、「東京がさらに魅力的な都市になるよう、皆様と取り組んでいきたい」と呼び掛けた。

小池百合子東京都知事

 このほか、来賓として前厚生労働大臣の武見敬三参議院議員会長、自由民主党金融調査会長の片山さつき参議院議員、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の井上善博会長らが祝辞を述べた。

全旅連・井上会長、2期目続投決まる 「規約改正」議論継続へ

2025年2月5日(水) 配信

井上善博会長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(井上善博会長)は2月4日(火)、東京都内で2024年度第2回理事会を開き、次期会長に井上氏の再任を承認した。

 昨年11月1~30日に設定された受付期間に、次期会長に立候補した者は井上氏1人だった。事前に信任投票用紙を郵送で受け付けており、当日、選挙管理委員会(伊藤裕司委員長)立会いのもと、開票作業が行われた。

 選挙人理事総数76人の開票の結果、信任65票、不信任2票、無効3票、棄権6票という結果となった。

 2期目続投が決まった井上会長は「多くの方々の支えにより全旅連活動をしていることをひしひしと感じている」と感謝の意を表した。

 今後の方向性として「8つの部会を中心に、新しいメンバーにも加わっていただきながら宿泊業界の諸課題を解決していく。(青年部で汗をかいてきた人材を)親会というステージでがんばってもらい、業界の発展につなげていきたい」と力を込めた。正副会長、ブロック長とともに、常務理事という3つの領域で事業を推進していく姿勢を示した。

 理事会では規約改正について議題に上げた。11条の「正副会長(ブロック長)会議」の改正案の文言で意見の相違があったため、議論を継続していく方向だ。

 25年度は、宿観光旅博覧会(宿フェス)活動や、宿の日、“宿”サステナブルアクションなどを通じた発信力の強化に取り組む。旅館文化の定義・言語化や、全国で多発するキャンセル料問題などの調査・研究も進める。さらに、新時代に即したシルバースター部会への発展のあり方なども検討していく。

群馬県が県庁で初の繊維イベント 2月11日に「GUNMA FASHION MARKET」開催

2025年2月5日(水) 配信

県庁で初のイベント開催

 群馬県は2月11日(火・祝)に、群馬県庁で県内外のファクトリーブランドを集めて「GUNMA FASHION MARKET」を開く。国内屈指の繊維産地である同県は近年、老舗工場によるブランド立ち上げや、県外からクリエイターが移住してくるなど、新しい動きがあることから、今回初めて開催する。

 魅力的なファクトリーブランドによる製品の展示や販売を行うほか、ふろしき包み方講座や手ぬぐい染体験、はぎれを使ったワークショップなども実施する。

 このほか、県が推進する「リトリート」の観点から地場産業の活性化をはかるため、湯浴み着やサウナ飯など、「サウナ&スパ関連グッズ」を紹介。国内初の路線バスを使った移動式サウナ「サバス」による、着衣のまま入れるサウナ体験も実施する。

 入場は無料。時間は午前10:30~午後5時まで。1階のホール・広場で開催する。